サイドストーリー

外伝 依頼の果てに
「さて、依頼はあるかな〜?」
このレイブン、カトルは変な独り言を言いながらメールをチェックしていた。
「・・・僚機依頼だけか。」
カトルは依頼の中身を見た。
『私はフィーといいます。本題に入ります。私は市街地に侵攻しているクレスト社の
部隊の撃破という依頼を受けました。しかし、数が多い為に私1人では止められそう
にありません。一緒に撃破を依頼します。』
と、いう内容だった。
「ふむ、報酬もいいな。受けるか。」
カトルはイエスの返事を出した。その後、ガレージに向かった。そこには、彼のA
C、偵察用サンドロックがあった。彼の機体は色はグレーで、武装は1000マシン
ガンと威力が一番低いブレード、あとステルスを装備している。戦法は軽量2脚を生
かした機動戦を得意としている。カトルは機体に乗り込むと、顔が変わった。
「今回の依頼は私を楽しましてくれるかな?ククク。」
これがカトル本当の姿である。冷酷や残酷、更に死刑人の異名を持つレイブンであ
る。
「カトル、偵察用サンドロック出る。」

「ここか・・・。」
カトルは迎撃予定ポイントに到着した。
ちなみに、カトルには専属のオペレーターがいない。
最初の頃にはちゃんとしたオペレーターがいたが、カトルの残酷さに辞退したのである。
その為、ACが現れた時は、自分で調べるのである。
「・・・・なるほど。」
カトルのレーダーに右に反応があった。カトルは通信機をつける。
「こちら、カトル。」
『カトルさんですね。フィーです。』
そこからは女性の声が聞こえた。カトルは少々予想はしていたが、本当とは・・・。
『カトルさんは左を。私は右を守りますから。』
「分かりました。」
カトルは通信機を切った。レーダーを確認したが、まだ来ていないようなので、
フィーのACを確認した。
「パイロット、フィー。機体名、リーン・ラグナロクMK−2「ティサラ」、通称ティサラ。
タイプは逆間接。武装はKARASAWAと2551ブレード。機体色、黒が主体のオレンジ。
アリーナでは、ランクD−2。」
カトルがここまで調べると、レーダーに反応。約50。確かに、1人では無理がある。
「来たか・・・。」
カトルはマシンガンを構えた。
横を見ると、フィーのティサラが同じ様にKARASAWAを構えていた。
「行くか。」
バシュウ。
敵の可変MTのビーム攻撃が来る。カトルはステルスを起動。
ビームを避けると、マシンガンを連射、敵のMTを1機、2機、と撃墜していった。
「がはっ。つ、強い。」
MTはドンドン消えていく。
「私の愛馬は凶暴なのだから。」
EOを射出し、高速でエネルギー弾が飛び、MTを撃墜。
「う、うわぁーーー。」
MTの1機がマシンガンを連射したが、
ステルスが発動しているのでロックできず、あらぬ方向に飛んでいく。
カトルは近づき、
「大丈夫だよ。すぐに楽にしてあげるから。」
カトルはMTにブレードを突き刺した。ブレードを抜くと、MTは力無く倒れる。
「ふ・・・。」
ボガン。
「っ!!」
ACに衝撃。カトルはレーダーを見た。そこには、反応が。
「囲まれてる!?」
周りを見ると、MTがいた。しかし、そのMTは特殊だった。
「ステルスMTか!」
MTはこちらを狙う。その時、
カシュ。カシュ。
2方向からエネルギーが来て、MTを撃墜。
「苦戦してますね。カトルさん。」
通信機からフィーの声。という事は今のはフィーの攻撃。だが、なぜ2方向から。
「相変わらず、暗い色の機体だなカトル。」
カトルはその声に聞き覚えがあった・・・・。
「お前は・・・。」
「ふん!」
その時、偵察用サンドロックの前にレイブン、ナッツのAC、インフィニティ零が降り立った。
中2脚で色は黒でサイトが赤。武装はフィーと同じKARASAWA、2551ブレードである。
カシュ。カシュ。カシュ。
KARASAWAが唸り、MTを破壊する。
「お前が来るとは・・・。」
「フィーから雇われて・・・な!」
KARASAWAが再び唸る。
「カトルさん、知っているんですか?」
フィーが聞いてきた。戦闘はMTに対してKARASAWAを乱射している。
「ああ、数少ない気に入ったレイブンだ。」
カトルも反撃を開始する。
「レ、レイブンが3人も来るなんて聞いてないぞ。」
隊長と思われる奴が叫ぶ。
「予定外は付き物だ。」
カトル、フィー、ナッツの攻撃が残っていたMTを破壊する。

「全く、こんな事で呼ぶなよ。」
ナッツは男勝りの女である。
「まー。良いじゃない。お金、入ったんだから。」
「・・・・俺は帰らせてもらう。」
カトルはさっさと帰ってしまった。
「あ・・・。」
「全く、いつもと変わらないなー。」
「知っているんですか?」
「ああ、前に依頼でな。でもあいつ、裏切ろうとしたんで、KARASAWAを当てて、黙らせたけど。」
「そうなんですか。」
「そうなの。それじゃ、私も帰るから。またね。」
「うん。また。」
そして2人は帰っていた。また会える日を約束して。
後日談だが、カトルはフィーの力を認めて気に入ったらしい。噂だが。
作者:カイルさん