サイドストーリー

管理者実働部隊
「レイブン!着いたぞ!」
「おう!」
ゼンがレイブンになってから1週間の月日が経った。
ゼンはなんとかレイブン試験をクリアし、晴れて12歳という若さでレイブンになったのだった。
「で、ここどこだっけ?」
「?クレストの中央研究所だが?」
「あ、そ。じゃ、帰るときも頼むよ、操縦士さん。」
「ああ、わかった。」
それからゼンは積んであった自分のACのところへ行った。
MWG−MG/1000を右手に持って姿勢を良くして立っている。
「よお!ちゃんと言われた通りにチューンナップしといたぜ。」
「ああ、ありがとう。こりゃいいや。1000マシの調子も良さそうだ。」
「ゼン、おまえMWG−MG/1000のこと1000マシって呼んでんのか?」
「ああ、その方が呼びやすいから。」
「へー。」
「じゃ、そろそろ行くか。」
「おう!行って来い!」
ゼンは自分のAC「リーサル」に乗り込んだ。そしてAC「リーサル」を起動させた。
CHD−SKYEYEのカメラアイが光った。
「ハッチを開くぞ!」
操縦士のアナウンスだ。ハッチが開いた。
「じゃ、リーサル発進!」
輸送機から飛び降り、中央研究所に向かった。そこで無線が入った。
「こんにちは、ゼン。」
オペレーターのレインだ。
「おっ、もう怒ってないね。」
「・・・怒ってますよ!」
「あらららららら。」
「怒ってるに決まってるでしょ!私、死ぬかと思ったのよ!」
「良いじゃんよ別に。」
「良くない!踏み潰されそうになったのよ私は!あなたのACのリーサルに!」
「いいよ、レインだし。」
「なっ!」
「うそうそ。ん、着いたな。」
そこにまたほかの無線が入った。
「ゼ・・・か?・・ゼンなのか?!」
「ああ、コールハートさん。ハイ、おれゼンですけど。」
僚機のコールハートからだった。だが、いつもと様子が違う。
「早く来てくれ!敵の攻撃が想像以上に激しい!MTなんかじゃもたない!」
「ああ!今行く!」
ゼンは中央研究所に乗り込んだ。
「来てくれたか!こいつの装甲がやけに高くて倒せないんだ!」
そこではコールハートと敵らしい球体が交戦していた。球体は真っ二つに割れ、レーザーを撃ってきた。
ゼンはマシンガンを撃った。すると1、2発で簡単に倒せた。
「・・・。どこら辺が硬いの?」
「・・・。弱点は中身だったのか・・・。」
弱点が分かったからにはそうは時間はかからなかった。
「よし!奥のACの救援に向かうぞ!」
「はいよ!」
奥にはACが2体いた。片方はフラジャイル、もう片方は・・・
「未確認の敵ACを確認!」
「?」
「気をつけろ。こいつ、ただのACじゃない!」
相手はいきなりグレネードを撃ってきた。
「うわっ!」
「ちっ!」
ゼンはかわしたが、それがフラジャイルに当たった。
「大丈夫っすか?フラジャイルさん!」
「ああ、まだいける!」
「くそっ!あいつ、あのオプションパーツを・・・。」
ゼンはマシンガンを撃ちながら一気に突っ込んで行った。ブレードが緑色に光った。
敵ACはブレードが当たったせいで一瞬よろめいた。
しかし、体勢を立て直すとこんどは小型自立兵器を打ち出してきた。的はフラジャイルだった。
「うわー!」
小型自立兵器と敵のコアのイクシードオービットの一斉射撃をくらい、フラジャイルのナイトフライヤーからは火花が出ている。
「くそっ!もうもたない!」
「ちっ!」
ゼンも小型自律兵器を放ち、敵の注意を引いた。しかし、遅かった。敵のグレネードがナイトフライヤーにあたった。
「くそ・・・!後は頼んだぞ・・・。」
ナイトフライヤーは爆発を起した。
「フラジャイルさーん!」
「フラジャイル!」
「ドアのロックが解除されました。脱出してください!」
ゼンは無視した。小型自律兵器を放ち、ミサイルで敵をロックオンした。
「レイブン!・・・そのつもりなのか・・・、援護する!」
コールハートはロケットを撃った。しかし敵の注意がコールハートに向き、敵はグレネードをかまえ、一気に突っ込んできた。
「・・・くらえ!」
ゼンはミサイルを6発一気に撃ち込んだ。
そしてまた小型自律兵器を放ち、マシンガンを連射しながら敵に一気に接近し、ブレードで敵を斬った。
「・・・く・・・覚えて置け・・・お前は・・・管理者に逆らった・・・管理者の・・・ご恩を忘れて・・・。」
はじめて敵は口を開いた。敵の装甲はもうほとんど残ってなかった。
ゼンはとどめをさした。ブレードが敵のACの頭部に丸く溶けてできた穴を開けた。
「あのACは・・・一体・・・?」
「・・・管理者・・・?」
「さっきのって・・・お前に言ってたのか?」
「たぶん、おれで合ってると思います。ACの頭がこっち向いてたから。」
「なんか心当たりあるか?さっきの。」
「いや・・・全く。」
そこに輸送機が来た。
「レイブン!今回収しますのでそこで待っていてください!」
「ん?ああ、お願いします。」
「じゃあ、レイブン、おれは戻る。」
「ああ、わかった。」
コールハートは戻っていった。
リーサルはゼンと共に回収された。輸送機の中でフラジャイルのこと、未確認のACのことをみんなに話した。
作者:ゼンさん