サイドストーリー

明かされた真実
「で、カイル。話してもらいましょう。なぜあいつの事を知っているのか。」
帰還して一時間後、シャウシュッツとリールもこの事を聞きつけ、こちらに来た。
今、ここにいるのはカイル、アルスター、カタストロフ、
ラルグシータ、レイン、シャウシュッツ、リールがここにいる。
「あの機体は・・・。俺の兄、ノヴァが駆っていた機体だから。」
その言葉に一同は呆然とした。アルスター達もノヴァについては知っている。
「ノヴァって、あの!?」
「ああ。アリーナでは無敗を誇っていたランカーレイブン。アリーナランクはB−1。
シャウシュッツさん、あなたは知っているはずです。」
「ああ・・・。」
シャウシュッツはあの時の事を話した。

「くっ!」
アリーナでシャウシュッツは500マシンガンを連射した。しかし、まったく当たらない。
ガガガガガガガガガ。
バシュゥー。バシュゥー。
マシンガンが火を噴くが、相手のKARASAWAも火を噴く。
「動きが甘い。」
ノヴァはOBを起動させて、一気に近づく。
キュィィィーン。
バシュゥゥゥーン。
「しまった!」
ノヴァのAC、リングはOBを機動させた時、肩のグレネードとプラズマ砲をパージしていた。
その為、機動力が上がった。
ザシュゥゥゥーン。
ガクン。
脚の切られたシャウシュッツのAC、ブレイブガンナーカスタムが崩れ落ちる。
「そこまで、勝者ノヴァ選手!!」

「そんな事が・・・。」
「でも、その機体、何でそんなに動けるの?」
アルスターがふと聞いたことだったが、それは、皆同じ考えだった。
通常、中2脚の積載量は5300程度。普通に付ければ重量過多になる。
「簡単な事だ。あの機体は違法改造機なんだ。」
「違法改造?」
「そう。あの機体はブースターは出力を70%上げて、脚は外の装甲を削る代わりに中のフレーム、
つまり、骨組みを強化したんだ。着陸時に脚が潰れないように。」
「でも、彼は最近姿を見ていないけど?」
「それは、我々も気になっていた事なんだ。」
「それは、今から8日前、俺がレイヴン試験を受ける前日、そいつが来た。」
「そいつ?」
「あれは、1つの依頼が全ての始まりだった。」

「今回も楽な仕事だったな。」
「そうだね。」
あの時、俺達はミラージュ社の工場の破壊だった。
敵のMTも最低限の数しかなく、すぐに終わった。しかし、その時そいつが現れた。
ボシュ。
「!?」
ドガン。
「ドワァーー。」
「カイルーー!!」
俺のMTにグレネードが被弾した。
何とかコクピットの直撃は避けたが、MTは使いものにならなくなった。
「大丈夫か!カイル。」
「ああ、何とか。でも、左足が動かない。」
その時、奴は現れた。
「!!兄貴!後ろだ!」
「!?」
ザシュ。
だが、もう遅かった。そいつは、ACのブレードを兄貴のACのコクピットを貫いた。
「兄貴ーーー!!」

「その後は?」
「よく分からないんだ。」
「分からない?」
「叫んだ後、傷が痛み出して気絶したんだ。
気が付いた時には謎のACはおろか、兄貴のACもいなかったんだ。」
「連れてかれた?」
「あそこにいたんだ。そう考えるのが普通だろう。」
「・・・・・・・・。」
「ところで・・・。」
全員シャウシュッツを見る。
「カイル、謎のACの事は知っているのか?」
「ああ、これは今日の依頼の3日前・・・。」
「まさか、あの依頼!?」
「レインさん、知っているのですか?」
「知っているも何も、私はカイルのパートナーよ。」
「そうでした。」
「あの依頼ね・・・。」
カイルはその時の事を話した。
「それは、研究所を救援だった・・・。」

「カイル。目標地点に到達しました。」
「了解。フォーニング出る。」
カイルは輸送機から出た。その時、施設は大部分は崩壊していた。
「ちっ。ひどいな。」
カイルはそのまま奥の部屋に進んだ。
「味方のレイヴンか!状況はかなりまずい。」
そこのは、謎の部隊に苦戦するMTの姿があった。
「コールハートか!」
「カイルか!手伝ってくれ。」
敵は球体のMTだった。そのMTはMT乗りだったカイルも知らない機体だった。
そのMTは周りの装甲はかなり硬い。
だが、攻撃する瞬間、中にある機動部をさらけ出す。
ボシュ。
ドガン。
機関部にロケットが当たったMTは火を上げて落ちる。
「コールハート!こいつ等、攻撃の時、機関部を出す。そこを狙え。」
カイルの助言もあって、敵MTはドンドン消えていく。
「よし、全滅を確認。奥のACの救援に向かう。」
「奥にはだれが?」
「フラジャイルだ。」
「まずいな、確かフラジャイルのナイトフライヤーは装甲が薄い。急ごう。」
カイルとコールハートは急いでフラジャイルの元へ向かった。
フラジャイルは一番奥の部屋で戦っていた。
だが、機体は既に半壊して、機動力も落ちているらしい。これでは、まともな戦闘は出来ない。
「フラジャイル!生きてるか!?」
「何とかな。それより気をつけろ。こいつ、只者じゃない。」
フラジャイルの先にいたのは、薄い青色のACはいた。
そのACを見た時、カイルは凍りついた。そして、怒りが込み上げてきた。
「貴様はーーー!」
「カイル、どうした。」
コールハートは攻撃をしながら、通信機から聞こえたカイルの声に驚く。
「行けー!」
ボシュシュシュシュ。
ミサイルの4連発。しかし、ホーミング性能の低さと相手の機動力で当たらない。
逆にグレネードで反撃を受ける。
「機体破損。耐久力30%低下。」
「くっ!」
敵は更にオービットとEOを出して、レーザーライフルを撃ってきた。
「うわっと。」
「くそったれ!」
「ま、まずい。」
カイルはグレネードのダメージがあったが、ギリギリで避ける。
コールハートとフラジャイルは直撃は避けたが、機体はもう動かなくなっている。
「このままでは・・・。」
カイルは何とか冷静さを取り戻した。
『カイル!』
「レインか。どうした。」
『輸送が完了しました。離脱してください。』
「了解。コールハート、フラジャイル、お前達は先に離脱しろ。」
『カイル!?』
「どういう事だ。」
「今引けば、奴は間違いなくこちらを殺す。
俺はともかく、二人の機体はもう動くのがやっとだ。俺が囮になる。」
「しかし・・・。」
「・・・分かった。だが、俺は残る。」
「フラジャイル!?」
「カイルの言う事は正しい。だが、お前1人で奴に勝てるか?」
「・・・・・。」
「心配するな。無理はしない。」
「俺の機体もまだ動く。援護ぐらいは出来る。」
「コールハートも・・・。」
『み、皆さん!!』
「レイン。これより一時通信を切る。無駄に気を散らしたくないからな。」
『・・・。』
「心配するな。必ず戻ってくる。」
『分かりました。必ず戻って来て下さい。』
「了解。」
カイルは通信機を切った。敵ACはそれを待っていたのかのように、攻撃を再開した。
「ブレード以外全てパージ。」
カイルは両肩の小型ロケットと高速ミサイルを外した。
「フラジャイル、コールハート、これからあいつに突っ込む。」
「無謀だぞ。」
「しかし、俺達の機体にはまともな武装は月光だけだ。
それなら、相手を切り裂く以外の方法が無い。援護を頼む。」
「もし、失敗したら・・・。」
「その時はその時!」
カイルはOBを機動した。
キュィィィーーン。
「仕方が無いな。」
「フラジャイル!?」
「カイルに賭けるぞ。」
「・・・・分かりました。」
バシュゥゥゥーーン。
カイルはOBで相手に近づいた。
しかし、いくら何でも相手がそれを許すはずがない。グレネードを向けた。
「やらせるか。」
フラジャイルは肩のパルスキャノンを連射。相手には当たったが、それ程ダメージは無い。
ACはフラジャイルにレーザーライフルを放った。
それが右肩に当たり、爆発して使い物にならなくなる。
「こっちもいるぜ。」
別の方向からコールハートがロケットを撃つ。また当たった。
今回はダメージがでかいらしい。火花を散らす。今度はコールハートをロックするが、
「終わりだーー!!」
カイルがそのまま突っ込む。月光発動。
ザシューーー。
月光はACのコクピットを貫いた。ブレードを引き抜いた時、ACは崩れ落ちる。
「終わったか?」
「恐らく・・・。」
この後、そのACが動くことは無かった。
「フラジャイル、機体は?」
「もうボロボロだ。それに、バランサーもやられた。当分仕事は無理だな。」
「まあ、一度帰還しよう。」
「分かった。」
その後、来た輸送機で彼らは帰還した。カイルは帰還した直後、レインに説教を受けたが。

「まあ、その後、調べたが、あんな機体はグローバル社の登録されてはいなかった。」
カイルはそこでひとまず言葉を切った。
皆、既に疲れていたのか、アルスターは既に寝ていた。その他も、かなり眠そうだった。
「・・・・今日はここまでにするか。」
「そうだな・・・。」
「ラルグシータさん、部屋を準備しておきました。そこで・・・。」
「分かりました。」
皆はすぐに部屋に戻っていた。カイルとシャウシュッツが残った。
「・・・カイル。」
「何だ?」
「メール、来たよな、ノヴァから。」
「・・・・・・ああ。」
「あれって一体・・・・・。」
「分かっているのは・・・。」
シャウシュッツはカイルを見る。
「あいつにはまだ意思があるという事だ。」
「そうだな。」
「なあ。」
「ん?」
帰ろうとしたシャウシュッツを呼び止め、
「KARASAWA、持っていないか?」
「あるが?」
「譲ってくれないか?」
「別にいいが、どうして?」
「あいつのACに立ち向かう為にはあれ位の火力がないと、太刀打ちできない。」
「・・・分かった。明日ガレージに送っておく。」
「ありがとう。」
シャウシュッツは行ってしまい、カイルが残った。
そのカイルも少ししたら部屋に戻った。
作者:カイルさん