レイヴン試験
薄暗いそして無骨な部屋に何人もの男が緊張した面持ちでいる。
そして…緊張のかけらもなさそうな男女が一組。
男の名はデューク・ベルルクス
女の名はヴィネ・クライヴシュタイン
「みんな緊張してるね〜」
「それが普通じゃないか?」
「ねえねえ、あの厳つい人も試験官なのかな〜」
「試験官じゃなかったら何者なんだ?」
「な、なんか睨まれたよ〜」
「・・・お前が目障りなんだろう。きっと」
と、こんなかんじで二人は会話をしていた。
ガッーー
扉がおもむろに開き男が入ってきた。
それとともに全員の顔に緊張が走る。
「筆記、適用試験双方の合格者はデューク、ヴィネの二名だ。」
「該当者である二名は最終試験に移行する、他のものは帰ってよい。」
それと同時にどよめきが部屋を支配する
そしてその結果に不満をもつものたちが怒り出した。
「なぜだ、なぜこんなやつらが、こんな能天気そうなやつらが合格者なんだ!?」
「そうだ、こんなひ弱そうな男と能天気そうな女が…、ぐっ」
男はそれ以上言葉を続けられなかった。デュークのパンチとヴィネの膝蹴りがまともに決まったからだ。
そしてどよめきが静かになった。
「何も問題なさそうだな、では最終試験に移行する。集合場所はヘリポート時間は1900時だ」
そして試験官は立ち去った。
「ねえねえ、まだもうちょっと時間あるよ〜どっかいこうよ〜」
「・・・あのなあ俺たちは遊びに来てるんじゃなくてレイブン試験を受けに来たんだぞ」
「え〜〜、いいじゃないちょっとぐらい」
「それにな大体ああいう場合は1830時くらいには集合場所にいとくもんだ」
「そんなあ〜」
「ほら、さっさと行くぞ。」
「ま、まってよ〜」
1835時
「ではこれより最終試験の説明を行う。最終試験は実際にACに乗って戦ってもらう。
今回の試験は市街地に逃げ込んだ敵勢力を壊滅してもらう。敵の機体はMTだ。
では、輸送ヘリに乗ってもらう。」
「あれ、このACで戦うの?」
「そうみたいだな。」
「でもこれ武装が弱いよ」
「諸君にはこの機体で戦ってもらう」
「え〜、自分の機体で戦いたいよ〜」
「公平を期すために全員同じ機体に乗って戦ってもらう、投下地点に着くまで各自コクピットで待機、以上」
1900時
「ではこれより最終試験を開始する。もう一度説明する場所は市街地、敵勢力は8機敵の機体はMTだ。
このチャンスは2度目が無いしくじるなよ。 以上投下開始」
「デューク、出撃する。」
「ヴィネ、いっきまーす。」
市街地
「む、ACが投下されたようだ。だが情報では試験生だ。皆恐れるな、集団で背後を取ればACとて持たんはずだ」
「了解」
「ヴィネ、危なくなったら下がれよ。こんなんで死んでも何にもならんからな」
「大丈夫よ、いくら武装が弱くても相手がMTだもん」
「それもそうか…では、ゆくぞ」
「MTにしては見事な動きと編隊だが遅い、恨みは無いが戦場だ。覚悟してもらう。」
側面からMTに駆け寄りライフルを撃ちながらブレードを振るいMTを撃破していく。
一方ヴィネも
「確かに悪い動きじゃないけどね。所詮はMTね動きが遅いわ。」
ミサイルとライフルで確実にしとめていってる。
そのとき試験官より通信が入った
「試験生に告ぐグローバルコンディックスより緊急連絡だ。敵増援がそちらに向かっている模様。敵勢力は戦闘用MT8機だ。
戦闘用であるため苦戦が強いられると思うが試験を中止することはできない。そちらで何とかしてくれ。以上だ」
「きゃぁ、やったわね〜」
「ちぃ、囲まれたようだな。ヴィネひとまず合流するぞ。」
「わかったわ。」
「OB発動。じゃまをするな!」「ぐわぁ!」
「ヴィネこいつら盾を持っていてライフルでは埒があかねえブレードを使え」
「わかった」そして次々とブレードで切り捨てていく。
「なんとかなるもんだね〜」「そうだな」
「なるほど、なかなかの動きだ。ようこそ新たなるレイブン。君たちを歓迎しよう。」
そして彼らは、正式なレイブンとなった。
作者:権之輔さん
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