Truth 1piece 〜序章〜
『はぁはぁ…くそ…奴らどうしてここが…』
『お父さん!!怖いよお父さん!!!』
『…大丈夫だよ。お前だけは……お前だけは絶対に離さないから…』
『お母さんは?!お母さんどこ!!!』
『………』
『いや!!お母さんも一緒じゃなきゃいや!!』
『…いいかいレナ。お母さんは後から必ず来る。だから今は早く逃げなくちゃいけないんだ』
『やだ!!レナ、お母さん連れてくるもん!!』
『レナ!!!!いけない!!!!』
ダダダダダダダ!!!!!!!
ガバッ!!
「はぁ…はぁ…ん…はぁ…」
私はベッドから飛び起きた。額から汗が滴り落ちる。
(…夢…か…)
ひとまず汗を流すためにシャワーを浴びることにした。
汗まみれの衣類を脱ぎ捨て、シャワールームに入る。
するとセンサーが働き自動的にシャワーが出た。
シャーーーーーー
暖かい湯が私の全身の汗を洗い流す。
「もういいわ…」
そう言うとシャワーはひとりでに止まった。
シャワールームを出てバスローブに身を包める。
肉体的にはすっきりしたが、心の中のうやむやが取れない。やはりあの夢のせいだろう。
ここ最近あんな夢ばかり見る。
私はテレビをつけてソファに座りボーっと画面を見つめていた。
しかし画面に移る映像など一つも目に入らなかった。
プルルルル
しばらくして一本の電話がかかってきた。
(こんな時間に誰…?)
ガチャ
「…はい」
「レナか?」
「他に誰がいるの」
「相変わらずだな」
電話の主はジェット。私のパートナーだ。
「で、こんな時間に何の用?」
「君の声が聞きたくてね」
「……」
「分かった分かった…仕事だよ仕事」
「こんな遅くに…」
「いや今すぐじゃなくて、明日の仕事が決まったから先に伝えておこうと思って」
「…そう…でもこの時間に電話なんて非常識じゃない?」
「スマン…でも今回の仕事は何かと準備が必要だからさ…」
「まあいいわ。で、内容は?」
「ええとだな、―――――――とまあこんな感じだ。じゃ明日!」
ガチャ
電話を置くと、私はソファから立ち上がりいつもの服装に着替えた。
あんな夢を見た後に寝れるはずもなく、明日に備えて色々準備をすることにした。
部屋を出てガレージへ向かった。
シャッター前に来るとボタンを押す。
ビービービー
シャッターが音を立てて開いていく。上のほうで緑色のランプが点滅している。
ガコン
私が中へ入ると同時に、部屋に明かりが灯る。
そして1機のロボットが照らし出された。
近未来人型兵器『アーマード・コア』である。
私はコンピューターを起動させ、明日に備えて機体の整備をした。
(仕事の内容から考えて―――――)
全てのチェックが終わり試運転もOK。
(あ……)
するといきなり睡魔が襲ってきて、私はそのままコックピットの中で寝てしまった。
作者:エマイルさん
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