サイドストーリー

サイレントライン:三ヶ月前から現在
カイルがシャウシュッツに会う少し前、カイルはパソコンに三ヶ月前から現在の状況
を打ち込んでいた。文章はこうつづられている

今から三ヶ月前、”彼女”は管理者の間を出る直前に地上へのゲートを解除した。
その際初めて地上に出たのはシャウシュッツを初めの英雄と呼ばれているレイヴン達であった。
彼らは私と同様に感じたであろう。全てが初めての感覚であった。
始めて見た本当の空の色、緑の匂い、大地の感覚、全てが初めての感覚。彼らはそれに感動したであろう。
しかし、これは全て一人の守り続けた物、直した物とは知らない。
その後、シャウシュッツ、エースは水質調査。アルスター、レジーナは地質調査。
シータ、フラジャイルが空気成分の調査を行った。
この後分かった事だが、実はレイヤードの空気は十五年前から70%は酸素の供給機でまかなわれていたが、
残りの30%はなんと地上から供給していたのである。
つまり、十五年前にはもう地上は復活していたのである。
調査の結果は全てがOKであった。
水質調査でも特に異常は無く、地質調査でもほとんど異常と言える反応は無かった。
空気成分の調査は先の通り異常は無かった。
それから数日後、初めにクレスト、ミラージュ、キサラギが地上に出てきた。
街や企業の研究施設がレイヤード付近に出来始めた二週間後、地下から地上に出て来る人もわずかながら出てき始めた。
しかし、相変わらず企業の小競り合いが激しかった。
ゲートロック解除から二ヶ月目、我々も一部の戦力を地上に移し、まだ企業が手を出していない土地に基地を構えた。
あいつ等のその後は、シャウシュッツは相変わらず凄腕のレイヴン、
しかも王者としての人気もあり、多くのファンがいるそうだ。
アルスターだが、新しくACを乗り換えたらしい。この頃は昔の臆病風も無くなり、かなりの腕になっているらしい。
カタストロフもようやくレイヴンとしての腕が上がっているらしい。今やB−3にまで入っている凄腕である。
シータは研究所に戻ったが、レイヴンとしての資格を持っているため、
自分のACを研究データや自分の趣味で作り時々仕事をこなしていたが、研究所の襲撃事件の際、
研究所の復興費の為に完全にレイヴンになり、シャウシュッツのオペレーター、リールを就けて仕事をしているそうだ。
あと、コールハートもレイヴンになり、フラジャイルと共に仕事をしているらしい。
当のフラジャイルは管理者の戦いで更なる自信をつけ、今やC−1にまで腕を上げている。
レジーナだが、腕を着実に上げ、B−6にまで腕を上げたらしい。
エースは、シャウシュッツ倒す為、レイヤードの何処かで山ごもりをしていると言う噂が流れている。
それを裏付けるように、エースは姿をアリーナに見せていない。
最後にノヴァだが、あいつは最初のランクから、機体を作り直して参戦しているらしい。
機体は、右腕にRF−160ライフル、左腕に赤ブレード、右肩に50発の小型ロケット、左肩にスラッグガンを装備。
コアはOB。脚部は中二脚。色は少し暗めに緑色。今は確実に依頼をこなすレイヴンとして高評価を受けているそうだ。
だが、三ヶ月たった今でも地下のレイヤードに残っておる者もいる。
しかし、大部分の施設が崩壊したレイヤードではもうこれ以上は持たないであろう。
全ての人類はいずれ地上に出る事になる。そう、我々も・・・・。

ピー。ピー。ピー。
書いた文章をパソコンに保存し終わった時、電子音が鳴り、カイルは近くの端末をつけた。
「カイル。次の仕事だ。」
そこにはまだ少女の姿が出た。外見からして十三、四歳位である。
「何です?」
「クレストの第三軍事研究所のデータを強奪してきて欲しい。」
「そこのデータを全て?」
「そうだ。頼むぞ。」
「了解、管理者。」
その時、少女の顔がむっとした。カイルはこの少女を管理者と呼んだ。
この少女が管理者部隊を操っていた管理者だというのか?
「カイル、今の私はアヤ、管理者は古い名前だ。」
「分かっています、アヤ。」
カイルは管理者部隊・・・いや、蒼の部隊の隊長になってからずっと掛けているサングラスを掛けた。
「気を付けろ。念の為にMTとカルトを付ける。」
「分かりました。」
そう言い、カイルは端末を切った。カイルは部屋を出ると格納庫に急いだ。
格納庫に着いたカイルは素早く自分のAC、フォーニングMK−Vに乗った。
「隊長。」
通信機からカルトの声。横を見ると、カイルが知っているカルトの機体ではなかった。
「その機体はどうした。」
「新たに組み立てたデスラウンドです。」
「テストは?」
「コンピューターテストは良いです。あとは実戦テストのみ。」
「・・・分かった。行くぞ。」
カイルはカルトとMTを連れ立って軍事研究所に向かった。

「師匠ー!!」
カイルはシャウシュッツが来た通路を見る。そこには見たことがあるACが・・・。
「ブレイか・・・。」
「まさか、カイル隊長!?」
「・・・・急いで連れて行け。」
「え・・・!?」
ブレイは驚く。
「急がないと命がやばいぞ。急げ。」
「・・・・・・分かりました。」
ブレイは大破したブレイブガンナーカスタムを担ぎ、急いで撤退した。その後、カイルも帰還した。
作者:カイルさん