サイドストーリー

思い
アリーナでデュークはMTと戦っていた
依頼できていたアリーナ防衛をおこなっているのである。
簡単な内容でありGCもそのためにまだ仕事が2回目であるデュークに任せたのであるが…
「なんて数だ!倒しても倒してもきりがない」
次々と出てくるMTに苦戦していた。ミッション前に聞いた情報ではせいぜい逆間接MTと小型戦闘メカが居る程度だったのだが
実際は、汎用性四脚MTを筆頭に近接戦闘用、
プラズマキャノン搭載フロートMTなどがさっきから引切り無しにわいて来ていいかげんACのAPもやばくなって来ていたのだ
しかも精神的支えとも言うべきオペレータとはまだ喧嘩をしたままでいないのである。
それゆえに最新の情報とかも解らずにさらに状況悪化の一途をたどっている
「畜生!何でレジスタンスにこんなにもMTが用意できるんだよ!!」
パルスガンを撃ちビットを射出しながらまた別の敵に切りかかっていく
その動きはとてもEランクのものとは思えず
そして決してBランクと比べても引けを取らないものだがいかんせん数の違いがデュークを状況的不利に追い込んでいた
「くそっ、ビットが切れた」
そしてビットが切れブレードとパルスガンで頑張っているとまたエレベータが動き入場口が開きだした
「ちぃ、また増援か!?」
「てこずってる様だな、手を貸そう!」
と逆間接拡散ビ−ム砲搭載のACが出て来た
「助かる、あなたは?」
「俺はゲド、とりあえずこいつらを片付けよう」
ゲドの拡散ビームが大量のMTにあたり一気に片付いていく単体のMTが相手だとなかなかあたりにくい兵器だがこうも密集してるとよく当たるらしい
そのときエレベータが動きまた大量のMTがやってきた。
「今度は、スタータムCかよ。いいかげん弾が切れてきたぞ。ゲド!!あんたのほうはどうだ?」
とパルスガンを捨てながらデューク
「ああ、こっちも大概やばい状況になってきたぞ。しかし、このまま返してくれそうにないな。」
「それもそうだな、で、そっちはミサイルがなくなったならそのまま引き返してくれ。道は俺が作る」
そう言うころにはゲドの拡散ビームも弾が尽きようとしていた
「しかしきりがないな本当に」
とミサイルを撃ちながらゲド
デュークもブレードできりながら応戦する
しかし圧倒的な数を前にジリ貧になってきていた
そのときエレベータが動いてきた
「また増援か?!くそう、」
「ここまでか?」
とかなり押されてきている二人そのとき唐突に通信が入ってきた
「こちらライン、押されてるようだな。俺は一番ゲートから降りてる最中だ二番ゲートもしくは六番ゲートに逃げろ」
とラインから通信がきた
「解った、ゲド!あんたはもうミサイルもないだろう?六番ゲートから帰ってくれ」
「解った、しかしなかなかの腕だな。お互い生きていたらまた合おう」
と通信を入れ6番ゲートに向かうゲドそしてデュークは二番ゲートに向かう
そして一番ゲートが開く
「よし、喰らいやがれ!」
バシュュュュューーーーーー!!!
とリニアキャノンを掃射し一気に片付けて行く
50体ほどうろついていたMTの半数以上が一気に消滅していく
 

  ほぼ同時刻頃
  「私って一体何をしてるんだろうオペレータになるために今までやってきてたのに…
  その重さについて考えた事なんてなかった…結局私も戦場にいとかなくてはならないんだよね。」
  レインはGCのオペレータに割り当てられるマンションの自室にいた
  3LDKの間取りに真っ白な壁そして日当たりのよい部屋と綺麗なキッチンレイアードの一般市民が見たら羨ましがる様なところだ
  だが、今部屋の中は暗かった 否、部屋の主が暗いといったほうがいいかもしれない
  「今まで私の考えは甘かったのよね。ただ単純にレイブンのオペレータになれると思って志願したんだけど…
  私には覚悟がなかったのよ…」
  ジリリリリー!!
  そのとき唐突に電話が鳴った
  一体何かと思って電話に出るとアリスが掛けてきていた
  「もしもし、一体どうしたの?アリス」
  と暗い調子で聞くと
  「もしもしじゃないわよ、何やってるのよ、あなた! レイブンが仕事をしてるときにオペレータがいないなんて!!
  と怒った調子でまくし立てるアリス
  「あ、そういえば今日はアリーナ防衛だったんだよね・・・でもきっと大丈夫よどうせそんなきつい内容じゃないし私がいないくらい…」
  「何を暢気な事言ってるの!デューク君今苦戦してるんだよ!!」
  と怒った声で言うアリス
  「え、そんな…」
  「解ったら早くこっちに…」
  ブチッ ツーツーツー
  そんな馬鹿な相手は所詮MTが数機ぐらいしかないレジスタンスなのに・・・ いやそれよりもデュークが危ないなんて・・・
  アリスからの電話を聞いたあとレインはいてもたってもいられなくなっていた
  「私は…何をすべきなんだろう…」

ラインのリニアキャノンがMTの半数ほどを倒したおかげでかなり戦いやすくなっていた
デュークの武装はすでにブレードのみになっていたがそれでも撃破するスピードが速くなってきていた
しかしそれでもうじゃうじゃと沸いてくる
「このままじゃ埒があかないぞ。お互い円を描いて動き敵を一箇所に集めよう」
とライン
「解りました!やってみましょう」
と了承して行動に移すデューク
「ところで、デュークなんでオペレータいないんだ?」
と痛い所を突いてくるライン
「うっ、その事はちょっとありまして…」
と返すデューク
「何があったかは聞かないが…謝っとけよ オペレータがいない状態で戦うと右も左もわからなくなるぞ」
と突っ込むライン
「よし、いまだ!!リニアキャノン発射っーーー!!!」
バシュュュュューーーーーーー!!!
集まってきていたMTが消滅していくそれでも数がなかなかへらない
「なんて数だ!!もう、一個師団以上のMTをつぶしたと思うのだが…」
「まったくこれだけの大人数やりあうってのも久しいぜ」
とぼやくデュークとライン

そのとき突然通信が入ってきた
「デューク大丈夫ですか?すみませんでした。」
「レイン!!来てくれたのか…こっちこそ済まなかった」
「おいおい、感動の再開は後でしてくれないか?今はともかくこいつらを片付けるのを優先しよう」
と笑いを含みながらライン
「了解した」「了解しました!!」

「おい、レインこいつらなぜ最初の予定より数が多いかわかるか?」
「このMTの出所ですがどうやらどこかの企業がかかわっているようです。
確実にアリーナを潰しなおかつ何人かのレイブンも葬ろうとたくらんでいたといえるでしょう。
後アリーナの外に指揮官機みたいなのが確認されます。
どうやらACを倒したものには高額の報酬が出るようになっているようなので彼らはこれほどまでに元気なんでしょう。」
「そうか、ならばその指揮官機を倒せば終るな…」  
「上出来だ、ならばお前が行け、俺が道を作る」
とリニアキャノンのエネルギーを充填しながらライン
「消えたくなければ退けーー!!」
バシュュュュューーーー!!
もうすでに何回も見た威力に恐れをなして逃げようとするMT達だが逆に数があるためにろくな回避行動も出来ずに消滅していく
「よし、いまだ 有難うございますラインさん」
「何ー、この礼は今度酒を奢るぐらいでいいからな〜」
「ハハハ、そうしましょう では、ご無事で」
「だいじょうぶだよ」
アリーナのエレベータに乗り出口へと向かうヴィルトフント
そして出口の扉が開くと同時にブ−ストを吹かし飛び上がり一気に指揮官機と思えるものに近づいていく
「散々やってくれたな、これはほんの礼だ。受け取れ!!」
そして空中から急降下して切りつける
「グフッ、しまった。これほどの…MTがいても無理とはな……」
コクピットにレーザブレードが突き刺さりそれを抜くと同時に爆発する指揮官機
そしてデュークは通信回線をオールレンジにして開く
「アリーナに攻めてきてるものたちに告ぐ!!貴様らの指揮官はすでにくたばった
まだ続けるというならば相手になってやるがその気がないのなら見逃してやる。とっとと帰りやがれ!!」
「うわ〜〜!!」
たとえMTに乗っていようとも金で雇われたりした者たちが多いそんな連中だから
指揮官が死ぬ事によってもうそれは契約終了となりその事で一気に烏合の衆になるのである。
そして彼らはまるで雲の子を散らすかのごとく消えていってしまった

そしてアリーナの喧騒がなくなって数分
「デュークこの前の工場者占拠者の仕事の事ですが…私いろいろ考えました…」
とレインが言ってきた
「そうか、だが後で聞こうこっちも結構ぼろぼろだからな。そうだな、遅いが飯でも食いながらどうだ?」
と事情を察ししてさっさと帰ってしまったラインを見送りながらデューク
「そうですね、じゃあ奢ってくださいよ」

レストラン
あの後レインとデュークはGCのそばにあるレストランに来ていた
ウエィターにいくらかの料理とワインを注文してから
「あの後私はいろいろ考えてみました
 レイヤードはその創設以来、AIシステムである管理者によって、秩序ある統治がなされ現在にいたってます
 言うまでもない事ですが、レイヤードにおいて管理者の存在がいかに重要なものであるか、知らないものはいません。
 私達の日常のすべては管理者によって維持されていますから
 しかし一方で今回のようなトラブルは、近年各地で増加する傾向にあります
 レイヤードという機構自体が飽和を始めてるのかもしれません
 彼らのたどった末路は、管理者の意思に反する事への、当然の報いなのでしょう
 それでも私は、私個人として彼らに同情を禁じえません。私は機械ではなく人間ですから…
 でも私はオペレータとして貴方とともに戦っていきたいと思う。それが私が望んだ事なのだから…
 これが私が出した結論です…」
と心の中でまとめたことを言うレイン
「そうか、それが君の出した結論なら俺は何も言わない、そして自らその結論に達してくれた事を有難く思う」
その答えを待っていたかのように答えるデューク
ちょうどいいタイミングで料理が運ばれてくる。
「それじゃあワインで乾杯といこうか?」
「そうですね、そういたしましょう」
デュークがワインのコルクを開けそのままゆっくりとレインのグラスにそそぐ
そしてレインのグラスにそそがれるとレインはワインを受け取りそしてデュークのグラスにワインをそそぐ
「では、レインのオペレータとしての第一歩に乾杯」
「私は、デュークのおごりに乾杯」
そう乾杯してグラスを傾ける二人
「ふふっ」
「はははっ」
「ところで、本当に俺のおごりなの?」
とデューク
「当然じゃないですか、そちらが誘ったのですからおごるのが筋ですよ」
と返すレイン
「わかったよ、あっそれとなこの前の職員達一人も死んでいないはずだから。」
「えっ、そうなんですか?良かった。でもなぜ解るのです?」
「簡単な事だよ、コクピットをはずして攻撃した、彼らはプロじゃないわざわざ殺す事もなかろう。
まあせいぜい病院送りになった程度らろう」
「へえ、いろいろ考えてるんですね。」
「まあな、それよりもこの後どうする?」
「夜のお相手までする気はございませんから」
とにっこり笑顔で断るレイン
「そんな御無体な〜まあ、冗談だけどな」
と会話が弾みながら二人は食事を取った

レインのマンション前
食事も終わりデュークはレインをマンションまで送っていった
「じゃあ、今日は有難うございました」
「ああ、これからもよろしく頼む」
二人はがっちりと握手を交わした
「じゃあな」
「お気をつけて、お休みなさい」
そして二人は各々の帰る場所に帰っていったその胸に明日への希望を抱きながら…
作者:権之輔さん