サイドストーリー

グラン採掘場再侵入
バレルダムでの戦闘から3日たち
ゼルとカトルはグラン採掘場侵入への準備を終えていた
「よし、機体の最終調整も済んだな。・・カトル、本当にいいのか?」
「当たり前だろ何度も言わすなよ」
あれ依頼ゼルはカトルに意志確認をし続けていた
自分の事に他人を巻き込んでいいのかとずっと悩んでいた
いやむしろ、カトルに質問をし続けカトルが嫌になるのを
まっていたのかもしれない
「まぁ俺はこの船を降りる気は更々ないからよ」
「・・。すまん」
「んじゃ早速行くか!にしても依頼もこないで侵入するなんて初めてだな。
エミルナさんには言ってあるのか?」
「いや、これ以上誰かを巻き込みたくはないからな」
「誰を巻き込むですって?」
「エ、エミルナ!」
「巻きこむを何もすでに私は巻き込まれているんですよ」
「どういうことだ?」
「・・、もう話してもいいのかもしれませんね。あなたがグラン採掘場から帰って来たときのことを・・」
ゼルは神妙な面持ちで耳を傾けた
「あの日、通信が途絶えてから3時間後、あなたは帰ってきました
しかし、それはあなたであると同時にあなたではありませんでした」
「どういうことだ?」
「あなたは、損傷の激しい期待をいとも簡単に操作し、コーテックスへと帰ってきました。
しかし私が声をかけると・・
『ゼル!無事だったんですね!!』
『・・』
『ゼル!どうしたんですか!?怪我を!?』
『誰だ。おまえは・・』
『何を言っているんです!?あなたのオペレーターの・・』
『誰だ・・俺は。そうだ俺は・・』
あなたは、ゼウディウス・ハッティマンではなく
『俺はアーミテシー・・アストラの・・うわぁぁぁぁぁああああ!!』
『ゼル!!ゼル!!救護班急いで!!』
その後あなたには沈静剤を射ち・・
その後はあなたがしっている通り・・」
「そうだったのか・・。ありがとうエミルナ」
「いえ。これからグラン採掘場へと乗りこむんでしょ
私もサポートさせてもらいますよ」
「・・。すまない」
「これで話しはまとまったようだな。行くぜ?ゼル」
「そうだな、俺を見つけに・・」

ゼルとカトルは格納庫へと向かいACに乗りこんだ
するとエミルナから通信が入った
「今回は依頼などではなく、
むしろ企業間で中立の立場をとっているコーテックスへの反逆行為になるでしょう。
引き返すなら今ですよ」
「すまないなエミルナ」
「いえ、とんでもありません。今回は特別にヘリを用意しました」
「なんだって!?一体どうやって?」
「ま、コネというやつですよ。既にヘリは待機しています。
こちらで他の通信及びレーダーを一時遮断しますのでその間に・・」
「了解した。行くぜカトル?」
「了解だ」
ゼルとカトルは待機していたヘリにACを積んだ
するとヘリのパイロットから通信が入った
「お待ちしていましたよ。さぁ急ぎましょう」
「君はこの前の女パイロットか!そうか女性のコネかある意味、後が怖いが・・」
「フフ。それでは行きます。エミルナさんお願いします!」
「了解しました。ハッキング開始」
オペレーター室では突然のハッキングに混乱していた
「なんだ!これは!一体どうなっている!!」
「分かりません!この回線に進入なんてできるハズないのに!!」
「御託はいいから急いで原因を調べろぉ!」
「フフ、私の腕は落ちていないようね。今です!行ってください!」
「了解!ハッチ開放確認!発進します!」
「(すまない、エミルナ)」
バババババババババアァァァッッッッッ
ヘリは急発進しコーテクッスのレーダー圏外へと抜けた行った

発進から10分後、二人はグラン採掘場へと着いた
「到着です。幸運を・・」
「ありがとう。君も気をつけて」
「ハッチ開きます」
ウィーーーーン
「さぁ行くかゼル!」
そう言ってカトルは一気に飛び出した
「よし!」
ついでゼルも飛び出していった
ガシィィィィーーーン
ガシィィィィィィンン
到着するやいなやグラン採掘場の警報が鳴り響いた
「侵入者だ!AC二機確認!応戦しろーー!!」
ズガガガガガガ
採掘場を守備していたMT部隊が攻撃をしてきた
キュインキュイン
「おっと!そういや俺らは侵入者だったな!」
「MTを破壊するのも悪い。ココは俺に任せてくれ」
そう言うとゼルはMT部隊を狙撃し動力部のみを破壊した
「よし!行くぞカトル!こっちだ!!」
「あいよ!!」
二人は資源採掘現場へと向かった

「ココだ。この下に答えがある」
「おいおい、嘘だろ?なんだこの穴はぁ!?」
「下まで行くのに数十分かかるぞ」
「ま、行きますか!!」
カトルは勢いよく穴に侵入していった
「(なんであいつは、あんなに元気なんだ?)」
ゼルも降りていった



数十分後ようやく下についた二人はゼルが以前進んだ道を辿っていった
以前ゼルが破壊した制御装置と思われた機械がある部屋まで着いた 
そこには破壊した制御装置はそのまま残っていたが
キサラギのACだったVanisherの残骸はなかった
「おかしいな」
「なんだ?」
「以前ココでキサラギのACと戦って破壊したんだが残骸が見当たらない・・」
「クレストかミラージュの奴等が片付けたんじゃ?」
「いや、それならこの制御装置にもなんらかの動きがあるハズだが・・」
「ま、気にすんなよ!奥なんだろ?お前の答えは?」
「そうだな・・。行くか」
ゼルは再びレーダーでここら一帯の索敵をはじめた
「やはり広いな。来る前にレーダーの性能を上げたんだが
まだ端まで届かないか・・」
「動きながら行くか?」
「そうだな」
二人は制御装置を中心に移動しながら索敵をした
「ん?端だ・・。端がやっとひかかった」
「んじゃ、そこに行ってそこから回るか」
二人は端に向かった
「おいおい、まだ着かないのか?」
「あぁ、後少しだ」
「もう5分近くブースターで移動してるんだぞ?
なんだってんだココは?」
「あぁ。ん?着くぞ」
二人が壁に近づくとその壁は前のほうの通路のように光りだした
「うおっ!なんだ?光ったぞ!?」
「俺らが来た道も光っていただろう?もしかしたら対照物が近づくと
光るのかもな。よし、動くか」
キュイィィィィィイーーン
二人はそこから壁づたいに移動した
「スゲー、どんどん壁が光っていく」
一度光りを発した壁は時間が経たないと消えないようだった
二人が移動するごとに全体の全貌が見えてきた
「だんだん明るくなってきたな。ん?最初の場所に戻ってきたぞ・・おいおい嘘だろ!?」
全体が明るくなったその空間はなんと都市の一部だった
「なんでこんな所に・・。おいゼル!聞いてるのか?」
「あぁ。なんだかこの場所は知っているような気がする」
「はぁ?知っている?そりゃこの前来たから・・」
「いや、それ以前からしっていたような気がする・・」
そこへ謎の生物が多数姿を現した
「おい!こいつらか!」
「そうだ、だが制御装置はないようだ!!倒すしかなさそうだ!!」
「なら、話しは早いな!!いくぜ!!」
ズバーーンン   ズバーーーゥウッゥン

ズガーーーァァン  ズドウゥッゥウッゥン
「ん?なんだ?随分あっけないじゃないか?おまえはこんなヤツ等に手を焼いたのか?」
「いや、そんなハズは・・。ん?見ろカトル!あいつら背中に制御装置がくっついてやがる!」
「そうかそれで弱いのか!楽勝じゃないか!!」
二人は攻撃をし続け50体程いたその生物を倒した
「フー、なんてことなかったが・・。弾が問題だな」
「そうだな。こんな所では補給も呼べないしな」
「・・。ん?ゼル!あそこに奥へと続く道があるぞ!」
「本当だ、さっきまではなかったのに。もしかしたら今の生物共はあそこから来たのかもしれないな」
「行くか」
「行こう」
二人はその道の奥へと進んで行った
するとまたさっきと同じような空間に出たが
さっきの空間とはまるで違っていた
「なんだ・・ココは!!!」
そこは謎の生物の製造プラントだった
「嘘だろ!?こんなにたくさん作ってんのかよ!!」
そこはとてつもな大きさの空間に製造プラントがぎっしり
ならんでいた
「嘘だろ?誰がこんなものを・・」
「カトル、中央に制御室みたいなものがある。何かあるかもしれない」
「よし、行くぞ」
二人は中央の制御室と思われる所へ向かった
「にしてもデカイ。クレストやミラージュの実験施設なんて相手にならないぞ?しかも全部あの生物の製造だ・・」
「なんのために・・」
「おっ!見えてきたぞ」
二人は制御室とみられる所へと着いた
「ACでの侵入は無理だな。しかたない徒歩か・・」
「ま、そんな事もあろうかと準備してきたんだからな」
二人はACの整備だけでなく対人ように装備も整えてきていた
「よし、行くか」
「あぁ」
二人はその施設に入って行った

施設はそれほど大きくはなくむしろ小規模のものだった
どうやらコントロールのみの施設のようだ
「それほど大きくはないな。しかもセキュリティもたいしたことないな」
「ま、入りやすくてコッチは楽だがな・・。ん?あそこの部屋が中央か?」
「どうやらそうらしい。熱源は・・、人が一人いるだけ?」
「おいおい、こんな施設にそれだけかよ?」
「まぁ捕まえてみればわかるさ。行くぞ」
「よし」
二人は合図とともに突入した
ウィーーン  
  ガタンッ
「動くな!!」
「ん?これはお客とは珍しい」
中にいたのは老人だった
「やれやれ、騒がしいの・・。ん?おまえは・・まさか!
アーミテシーか!?いやまさか・・死んだのでは・・」
「アーミテシー・・。どうやらそれが俺の名前で間違いないようだな」
「まさか、自分の名が分からんのか?」
「あぁ、今の俺はゼルディウス・ハッティマンだ」
「そうか・・。記憶を失ったか・・。だがワシはおまえの事をよく知っておる」
「知っている!?俺を!?アーミテシーの事をか!!」
「そうだ。どうやらほとんどの記憶がないようだな。では話さねばなるまい
今、貴様達に起こっているすべてを」
その老人は静かに口を開いた
「どこから話せばよいか、とても長い話になる。
まず、ワシの名前はグリオ・オルブライト。元アストラの研究主任だ」
「アストラの!?」
「そう。レイヤード中央工科大学を卒業後、アストラに入った。
もう数十年も前のことじゃな。当時アストラはかなりの規模をほこる企業じゃった。
しかしそんな時、遺跡を発見してしまったのだ。
あれがすべての始まりじゃった・・」


数十年前   
『おい!本当なのか!?失われた技術ってのは!』
『どうやら本当らしい!やったなヘイム!これで俺らは昇進だぞ!』
『あぁ、この技術があればレイヤードはさらなる発展が望める!いっしょに来てくれるな!グリオ!』
『もちろんだとも!!』

「その技術は素晴らしかった。それは無から有を作り出す技術・・
そもそも資源の乏しいレイヤードでは魅力的な技術じゃった。しかし・・」

『どういうことだ!?』
『あれは危険すぎるんだヘイム・・』
『何故だ!!裏切るのかグリオ!!』
『違うんだヘイム!!あれは俺達が思っている以上のものなんだ!』
『だからなんだと言うんだ!!』
『兵器だよ。兵器が無限に生産できるんだよ・・。それでは
俺らの最初の志を捨てることになってしまう。誓っただろ?
それだけは何があっても守り通すと!!』
『・・。分かった』
『そうか!分かってくれたかヘイム!』
『あぁ。お前はココに残ってもらう』
『どういうことだ・・?ヘイム?』
『お前をここに幽閉する』
『なんだって!?どうしたんだ!』
『お前にはココで兵器を生産してもらう。生物兵器を』
『バカな!!俺がそんな事を!!グッ!何をする!!やめるんだヘイム!』
『君の子は私が責任をもって育ててあげよう』
『人質のつもりか!やめるんだヘイム!』
『サヨウナラ。ムカシノトモヨ』
『ヘーーーーイム!!』

「それがヘイムを見た最後だった」
「さっきから言っているヘイムっていうのは、現キサラギの代表の事だな」
「そうか、それが今のヤツの肩書きか・・」
「じゃぁ、そんで爺さんはずっとココに?」
「あぁ、食料には困らなかった。しかし、娘を人質に取られていては・・作るしかなかったのじゃ・・」
「なるほどな。だがそれだけでは俺を知っているのはおかしいぞ?」
「そうだな。それを話さねばなるまいな。君はココで・・」
突然 謎の生物が制御室に侵入してきた
「ウオ!なんだ!?おい爺さんコイツを早く止めろよ!!」
「違う・・」
「あん?何が違うって!?」
「これはワシが作ったものではない!!」
「なにーーーー!!??」
「おい!カトル!危ないっ!」
バシューーン
その生物が放ったビームで制御室は崩れ落ちた
ガガン ガンガン ガシャーーーン
「カトル!」
「俺は大丈夫だが爺さんが!!」
「なんだって?おい!大丈夫か!?」
グリオの足には上から降ってきた鉄骨が乗っていた
「おい!爺さん!」
「ワシに構うな!行くんじゃ!ヘイムを!!頼んだぞ!」
「おい!爺さん!」
「ゼル!ココは危険だ!脱出するぞ!」
「クソー!後少しのところで!!」
二人は急いでACに戻った
「クソー!なんだってんだイキナリ!」
「後少しで俺を見つけられたのに・・」
「おいおい!しょげてる場合じゃないぞ!さっきのヤツが来るぞ!」
ドウカーーーーン
「おいでなすったか!だがなんか今までのヤツと少し雰囲気が違うな・・」
「あぁ、制御装置がない・・。だがやる事は一つ!」
「そうこなくっちゃな!イクぜ!」
二人は数少ない弾数も考慮しブレードでの戦闘を繰り広げた
「オラァ!!」
ズバーーーン
カトルのムーンライトが一筋の道をつくる
「クソォーーー!」
バシンッ
ゼルも苦戦しながらも接近戦を繰り広げた



「一段落だな」
「あぁ。しかしぶった切って驚いた。中に制御装置が埋め込んであったとは・・」
「ゼル・・。ココはどうする?」
「破壊しよう。コレは危険すぎる」
「決まりだな。残りの弾・・。使いきるぞ!」
「そうだな!いくぞ!!」
ズッバーーーン  ドゥン ドゥンドゥン ズバァーーン
ドゥン ズバーーンズバーーン
精製装置は二人の攻撃で崩れ落ちていった

「どうやら俺はキサラギに行ってヘイムに会わねばならないみたいだ」
「『は』じゃなくて『ら』だろ?」
「すまないな。よし準備を整え次第キサラギに侵入する」



『グラン採掘場再侵入』完
作者:ユビキタスさん