On the Ground 〜地上へ〜 (1) 始動
深い闇があたりを包んでいるそして大きく吹き抜けの部屋の中央に大きな柱がある。
その空間からひっきり無しにファンの動く音がそしてコンピュータが演算する音が聞こえる
ーイレギュラー要素を持つ者と確認ー
ーこれよりプロジェクトを開始するー
ープロジェクトコードナンバー0001ー
ーメインプロジェクト名 運命の輪ー
どこからとも無く合成音声が聞こえる。その音声はホールを木霊していった。
その木霊が止む頃その部屋が光りだした否、その部屋のコンピュータが作動したというべきだろう
壁という壁に光点が浮かび上がりその点が…無数の光がまるで歓喜の拍手をしてるかのように、
そうまるでこの時を待っていたかのように点滅する
そしてとまっていたはずの多くの刻が動き出し運命の輪が動き出した。
誰が何の為にこのプロジェクトを入力したか…何を思って入力したかは解らない、しかし解る事が一つだけある。
今このプロジェクトが始動したのは偶然ではなく必然であり、たとえ今起こらなかったとしてもいずれおきる事だったのである。
ー第一部隊から第六部隊封印を解除するー
ー第一部隊コールドスリープ解除…解除成功ー
ー第二部隊コールドスリープ解除…解除成功ー
ー第三部隊コールドスリープ解除…解除成功ー
ー第四部隊コールドスリープ解除…解除成功ー
ー第五部隊コールドスリープ解除…解除成功ー
ー第六部隊コールドスリープ解除…解除成功ー
ー一番ゲートから六番ゲートゲートロックを解除ー
ー起動コード『目覚めよ新時代のために』ー
そして、中央の柱から再び命令が下されたそしてその使命を果たそうとこの時のために眠らされていた『モノ』が覚醒した
そして周囲の壁から通路が開き冷気と共に無数の『モノ』が動き出し中央の柱に集まってきた
その『モノ』たちには共通して体中にコードが刺さっていた
そしてそのコードは柱の周りをうろついていた機械によって外されそしてまた別の機械片を埋めこめられていく
その『モノ』達はその作業が終わるとおのおのが入ってきた通路に戻っていった
そしてその『モノ』達はそのまま各々の与えられた役目を果たし始めた
ある『モノ』はAIと融合しまたある『モノ』はACを組み上げそして自らの肉体をACと融合させていく
そしてほかの『モノ』達はそれのパイロットとなるために適正を競い始めた
己の身技体を競いそして殺しあう
その中で生き残るのは各部隊の中で数名、そして彼らが管理者部隊として登録される
彼らの与えられた役目は唯一つ…管理者の命に従う事そう生きる事を望みこのときまで眠らされていた『モノ』達
その『モノ』達を覚醒させ管理者は一体何をしようというのかそれにより一体なにが起きると言うのか
それは誰にもわかることは出来ないしかし、刻は動いていくその動きはもはや止める事も出来ない
その先にあるのは果たして希望か、それとも絶望か…運命の輪はついに回り始めたのである
ーさあ、イレギュラー達このレイヤードに新たな風を吹かしてもらおうー
そう言葉を発した柱の内臓モニターは確かにM・Gulasiasuを映し出していたのである
だがその事を誰も知る者は居ない、そしてその声色に合成音声でありながら親しみと期待がこもっていた事にも…
作者:権之輔さん