サイドストーリー

On the Guland 〜地上へ〜 (3) 発想
GC付属病院入院棟
先の謎のACとの戦いでデュークは全身に打撲傷などを負ってしまったそのせいで安静を言い渡されて入院しているのだ。
「デューク君大変だったね〜」
「大丈夫なんですか?デューク」
そしてヴィネとレインが見舞いに来ていた
「この状態が大丈夫と思うのか?わかったら静かにしてくれないか?」
と冷たくあしらうデューク
「ど、どうしたのよ〜一体」
「前のACのことを考えてたのですか?」
とそれぞれの反応を返す二人
「え、前のACってこの前行っていた謎の機体のこと〜?」
と聞いてくるヴィネ
「ああ、GCに登録されて無いACの事だ」
「でも〜、フリーのACのりだったんじゃないかな〜」
「いや、あの機体明らかに他のと違っていた」
「ええ、あの機体個人的にサーチしてみました。その結果を報告します
あのようなACは、我々GCに登録されてる資料から検討する事が出来ませんでした。
さらに、外見上は、ACであるものの、こちらで計測したデータによると
その性能は通常の機体とは明らかに異なる数値を示しています
これからも調査を続けますがこれからも出てくるかもしれません
これはヴィネ貴方にも言えることです。二人とも気をつけてください」
「え〜、あたしも〜」
「当然だろ、無作為に現れてきたのだぞ。まあ、危険になったら逃げろよ」
と報告をするレインとそれに対して答えるデュークとヴィネ
「それとこれは他のランカーレイブンにも言えることなので知り合いにも伝えておいて下さい」
「解った、しかしいつまで俺はここに居とけばいいのだ?」
「あと、脳神経系の検査等を済ませれば終わりですよ。」
「それは、入院初日にしたはずだろう」
「そうですが、しばらくしてから異常が見つけられる事もありますから」
「解った解った、それが終れば戻れるんだな」
「すぐに復帰は無理ですよ。一応一ヶ月は様子を見る必要がありますから。
それにヴィルトフントも半壊してるでしょうあの状態だと修理するよりもアセンを組み直したほうが安くつきますよ」
「ああ、その問題も合ったんだな。嫌な事を思い出させないでくれ」


二三日後
あのあと検査が終わり退院したデュークはACのアセンを組み直すためにGCを訪れていたのだ。
そしてアセンを組み直すための金を捻出するために以前持ち逃げしたパーツや武装などで使いそうに無いものを売っていた
「え〜と、頭部の003が43500×3クレジット
 腕部のGALEが36800×2クレジットえっと本来単体では買い取らんけど今回特別に買い取ってやるというわけでプラス10000や
 脚部ORDERが29500×3クレジット
 オービットキャノンが88000×2クレジット
 携帯型グレネードランチャーが64400
 しめて543000クレジット、以上でよろしいか?」
と業者が確認する。
「もうちょっと色付けてくれたっていいだろ?」
「だめだね、それどころかこっちこそもう少し負けて貰いたい物だ」
「解ったよ、それで手を打とう」
「毎度あり〜、っで新しいアセンどうします?内やったら何ぼか色つけさせていただきまっせ〜」
「ああ、考えておくよ。」
「毎度ご贔屓に、ほな内の連絡先ここでっから、いろいろ負けさせてもらいまっせ」
いかにも昔のカワチショウニンという言葉が似合いそうな男だなと思いながらオペレータルームに向かっていく
その間に入院中に送ってこられていた変わったメール二通が送られたのを思い出した。
それは、ユニオンと呼ばれるおそらく地下組織だと思われるものから送られてきた
内容はこうだ
一つ目は「デューク・ベルルクスへ」
「最近活躍しているとのうわさは聞いている。
今は対立する事があるとは言え、
我々の部隊内でも、君の評価は決して低くない
我々は力を求めている。
この世界に満ちた欺瞞と嘘を打ち破り
真実を手に入れれるだけの力を。
今はまだ、詳細を明かす事は出来ない
管理者は巨大な力を隠し持っている
君達レイブンですらその力の前では無力だろう
だが我々は、すでに行動を開始している
一度、現状を考えてみてくれたまえ」
これは、先のミッションに出たあとすぐに届いたものでもう一通は
 「仮説」
「研究所での騒動は聞いた。
君が交戦したのはもちろんミラージュの部隊ではない。
あれこそが、管理者の部隊だ。
この事実に大きな謎がある。最も管理者を信奉しているクレストが、
なぜ管理者に襲われるのか、ということだ
我々の行動は、ある一つの仮説を裏付ける証拠を集めるためのものだ。
その仮設が事実なら、地下世界で起こっている
多くの異常にも、説明をつけることが出来よう
君に真実を知る覚悟があるのなら、我々に協力をしてほしい
近いうちに連絡する」
これはつい先日それこそ退院した日に送られてきた。
デュークはその内容の怪しさからトレーサを仕掛けてみたが発信源を断定する事が出来なかった
「ふっ、まさかあのトレーサから逃げられてしまうとは」
デュークはフリーの頃副業でハッカーもしていてミラージュにも仕掛けたことが有ったのである程度の自信は在った
「腕が鈍ってないとすれば、ミラージュクラスいや、それ以上のプロテクターを使用しているようだな
となれば当然オリジナルのプログラムだろうし一介の狂信者どもが作れるとは思えない。信用できるな」
とメールの内容を思い返しながらデュークはオペレーテイングルームに来ていた
「一応内容だけに、レインにも黙っとくか」
そしてレインを呼び出すと
「何か用ですかデューク、まだ安静にしとくように言われているでしょ?」
「いや、一緒に飯でもと思ってね。前に約束しただろう?」
「ああ、その事ですか解りました。一緒に行きましょう。あ、それと今日ゼロさんとジャッカルさんの対戦が1時半からありますよ」

GCアリーナ午後1時半
アリーナは異様なほど盛り上がっていた
「さあさあ、本日午後の第一試合。
なんと!!B2のゼロとB4のジャッカル機体の特化を目指したブレード機体のゼロと汎用性を求め汎用に追求したジャッカル。
さあどちらが勝つか一つの事に特化したゼロか、汎用性のジャッカルかまことに楽しみです」
この二人は共に人気がある理由は簡単だ。派手さは、ラインやブレイに劣るが二人とも堅実に戦いそして、確実に勝って来た
その勝負は圧倒的なことが多かった
その戦い方から二人は派手さの戦いでなく堅実な戦いとして人気が有るのだ
「ラグナ・ブレイカー行くぞ!!」
「シャドウハーツー行くぜー!!」
そして試合開始の合図が鳴り響く
お互いにオーバブーストを入れる
そして高速で互いに近付いていくそして中距離からジャッカルがグレネードを放つそれをゼロはそのまま上にブーストジャンプをしかわす
そして至近距離からショットガンを食らわせる
「甘い!!」
ジャッカルはとっさにブレードを展開し機体の前に掲げ直撃を防ぐ
「ディフレクトとはな!!だが!!」
すでにジャッカルの後ろに回り込もうとするゼロそしてブレードを袈裟懸けに切り払う
「っく!!、OB発動!!!」
とっさにジャンプして直撃をかわす
そして、オーバブーストを発動させて一気に距離をとりそしてその間移動しながらチェーンガンを打つ
「させるか!!」
ジャッカルがオーバブーストをかけると同時に発動させ追いかけていく
「食らえ!!」
それを狙っていたかの様にFCSをオートから手動に切り替えグレネードを相手の移動、そして回避行動を予測して放つ
ドバーン!!
「当たるか!!」
難なくかわしたものの爆風が視界をさえぎるそして視界が開けたときゼロはチェーンガンを構え、
こっちにオーバーブーストしてくるジャッカルを見る
「っく、TB!!」
とっさにターンブースタを吹かしそしてオーバードブーストを吹かしているから瞬時にして移動方向と向きが変わるしかしそれでも
ドッドッドッドッド
チェーンガンが何発か被弾する
だがゼロもすれ違いざまショットガンを撃つ
最初のブレードの一撃でジャッカルのシャドウハーツの左足ジョイント部はダメージを負い
さらにショットガンの直撃でメインカメラの配線にダメージを受けたのか画像に走査線が入る
一方ゼロも軽量を追及した機体であるためダメージに脆く各マニュピレータ直結部に多少のダメージと頭部、
そしてメインカメラにも若干のダメージを受け画像に走査線が走る
ジャッカルはオーバードブースと止めると慣性に身を預けながら旋回する
「くっ」
機動部の各部特に左足が酷く悲鳴を上げるそして旋回しながら武装をグレネードに換え発射する
一方ゼロもオーバードブースタの慣性とTBで一気に旋回し迫りくるグレネードを回避する
お互いコクピット内は凄いGがかかっている事が予想できる
ゼロは再びオーバドブーストを吹かし一気にジャッカルに迫りくるその様子はまさに鬼気迫るものであった
いつしか沸いていたアリーナは静かになり観客達が固唾を飲んで見守っているのが解る
ジャッカルは再びグレネードを放つもかわされてしまう。そしてそのままブレードを構えるとゼロに対し迎撃体制を敷く
一方ゼロもオーバードブーストの中グレネードを回避しそのままブレードを発生させジャッカルに向かっていく
近接戦闘に切り替わりお互いがブレードの応酬をしていく
ガシーン!!バシーン!!
ブレード同士がぶつかりそして弾ける
しかし圧倒的までのスピードの差でゼロが押していく
「くっ、やはり中量級と軽量級じゃ不利か」
一方的に翻弄されるジャッカル
オーバブーストを発動し距離をとろうとする距離をとろうとするジャッカル
そしてそれを追撃するゼロそしてそれを待っていたかのようにグレネードを放つジャッカル
ドバーン!!
グレネードが右腕に直撃し右腕が吹き飛ぶしかしそのままオーバーブーストのままブレードを構えて一気に近付いていく
そのままブレードを切り上げる
カシーン!!
コアの部分に直撃し機動部から煙が上がる
「勝負ありー!!」
「うおーーー!!」
一気に沸き返るアリーナ
「この勝負ゼロの勝ち!!実に緊迫した試合でした!!」
おのずからアナウンスの声も興奮している
「ラインさんとかとはまた違った戦い方だな」
「ええ、ラインはどちらかというと射撃戦主体で、ゼロは格闘戦を主体として、ジャッカルは両方をまんべんなく使いますからね。」
と試合を見ていたデュークとレイン
「あ、この前の礼まだちゃんと言っていなかったな。ちょっと礼を言ってくる」

GC格納庫付近休憩室
試合を終えた二人が休憩室でくつろいでいた。
「お疲れ様です。お二人さん」
そういってデュークがやってくる
「それはそうと、この前は有難うございました」
「何、ちゃんと礼を払ってくれれば構わんよ」
「ああ、今日あたり飲みに行こう」
「……解りましたよ」

カフェ・バーAlhanbula(アルハンブラ)
「…なぜ皆さんお揃いなのですか?」
「いや、多くいた方がおもろいやろ」
そうなのだアルハンブラ内部にはラインやヴィネたちが集まっていたのだ
「それでここの支払いは?」
「…当然お前だ」
「…マジですか?」
「当然やんかこの前の約束を忘れたんか。まあ今回の払いでチャラにしてやるからな」
一体いくら飛んでいくのだろうと思いながら席につくデューク
それと同時にラインが話し掛けてくる
「それで今まで聞かなかったが例のACってどんな機体でどの様な動きだったのだ?」
「それは、いろいろとあるのですが統一された動きといい普通では無かったですね
それとあの機体性能見た目は我々のACと同じ規格の物と思われるが内装はおそらく別物でしょうね
そしてジェネレータなども違うものかと思えます。こちらのほうは、確証があります
まずやつの武装そしてひっきり無しに続くEOの攻撃そして調べてみましたがやつが使っていたビームライフル
おそらくミラージュのマークがあった上に出回ってなかったところを見ると新製品でしょう
それも従来のものと比べると威力がある代わりにエネルギー消費が激しくなっておりますさらにずっとブーストを使っていました

以上の事より今使われてる最も発電量が多いROZであってもエネルギーが尽きてしまうでしょう
以上のことより我々が使ってるのとは異なるものだと思われます」
「そうか、でお前が苦戦するぐらいだからな…お前の実力は大体俺達と同じぐらいと思っているそれから考えると
ランカーであらわすと最低でBクラスのパイロットと思っていいな。後なんか特徴は無かったか?」
「そうですね。この様な言い方はおかしいかも知れませんが対戦していたとき三機共から思惟というものが感じられなかったんですよ
まるで操られているというか自分の考えで動いてるという感じがしなくて統一されていて動きを読む事がまったく出来なかったんですよ」
「そうか、まるでAIを相手してるような感じだったのか?」
「いえ、AIとはまた別で人間が乗っている感触は有りました」
「…確かにあれはAIで出来るような動きではなかった」
突然ゼロも話しに加わってきた
「それに3対1でようやく互角とはな…まあ、お前はともかくとして他の二人が弱かったのもあるだろうが…」
これから先皆注意が必要だなと言いながらライン
それから暫くしてヴィネが話し掛けてきた
「ね〜、ね〜ちょっとそうだんがあるの〜」
「何だ?」
「あとでね、部屋に来て〜」
「ここでは言えない事か?」
「うん、ちょっと〜」

その後支払いを払いせっかくそこそこ豪華なアセンが組めると思ったのにかなりの金が飛んでしまった事で
一気に懐が寒くなっていたデュークはヴィネの部屋に来ていた
「で一体何なんだ相談事と言うのは?」
「な、なんか怒ってない〜?」
「…そりゃ怒っているが別にお前に怒ってるわけじゃないさ。別にああも金を浪費する事は無いだろうと思っていただけだ」
「そんなにかかったの〜」
「ああ、誰かがナポレオンやルイ十三世を惜しげもなくラッパで飲んでいたからな」
「わ、わたしじゃないよ〜」
「わかってるよ。お前があけてたのはシャトー・ラトゥールだったもんな〜」
「ううっ、やっぱり怒ってる〜」
「別に怒ってないさ〜俺とお前の仲だもんな〜ただ今度貸しを作ったら覚えとけよ」
「そっ、そんな〜」
「で話を本題に戻すぞ。一体どうした?」
「あのね、変なメ〜ルがきたの」
しばしの沈黙が二人を包み込む
「悪戯メールの処理を俺にしろと仰るのか?」
そしておもむろに立ち上がって帰ろうとするデューク
「違うよ〜内容が変だったからデューク君に相談しようと思ったんだよ〜」
「で、一体どんな内様だったのだ?」
「う〜んとね、ユニオンってところからきたの管理者がどうとか言ってたよ」
「お前のところにも来てたのか?となればある程度のレイブンに行っているのかもしれんな」
「あれ、デューク君のとこにも来ていたの?ねえ、これって信憑性あるのかな〜」
「トレーサを仕掛けたがキャンセルされた。ある種必要以上のブロックを仕掛けてるところをみると単なる悪戯とも思えん
だが、管理者と露骨に対立しようとしているしな。かかわらないほうが良いと思うが・・・」
「そうなんだ〜でも如何し様かな〜」
「おまえ自身が決める事だな。じゃあな」
そういってデュークは自分の部屋に帰っていった

そう、ユニオンのメールは何故か一部の者上級レイブンのみに送られたものだったのだ
そして送られたレイブンたちにはもう一つの特徴があった
その者達はどこの企業にも属さずにどの様な企業の思想にも従わない者達だった
俗に言うイレギュラー要素を持つ可能性があるもの達だった
なぜ、ユニオンにそれを分類する事が出来たかはわからないたとえ、ミラージュやクレストでもそれをする事は不可能であると言えよう
そうそれを出来るものはただ一つの存在のみこの世界を支配している者のみが唯一分類できる事である
ユニオンとそれが一体どの様な繋がりがあるかまだ解らない……
作者:権之輔さん