サイドストーリー

サイレントライン:真実
あれから一ヶ月が過ぎた。蒼の部隊の動きは以前無い。
シャウシュッツを初めのあるレイヴン達は一ヶ月前に聞いたブレイの話がこの間ずっと頭から離れなかった。

「あと二人ですね。」
ブレイはつぶやく。あの依頼の後、ブレイが話す事があると、
管理者を倒した英雄と言われているシャウシュッツ、アルスター、シータ、レジーナ、フラジャイルを呼んだ。
その他にも、ノヴァとミリィ、ハンク、カタストロフ、BB、ミストを呼んだ。
「すみませーん。」
その時、二人の男女が来た。
「しかし、何で俺たちが。」
「そう言わないの、ナッツ。」
「紹介します。蒼の部隊の撃退に成功したナッツさんとフィーさんです。」
女の方はフィー、男の方はナッツと言うらしい
「蒼の部隊を撃退した!?」
ハンクが驚く。それもそうだ、青の部隊はあの管理者部隊が名前を変えただけと言う事は聞いていたから、驚くのは無理もない。
「二対一、しかも下級クラスのパイロットですから。」
「下級ってどの位の実力なんですか?」
シータが聞いてきた。
「そうですね、アリーナではストリートエネミーと同じ位ですね。」
「し、Cランク!?」
「話を変えます。」
ブレイは端末を操作すると、モニターに一機のACが現れた。
「これは、ナッツさんとフィーさんが出会った機体です。名前はホワイトナイト。
中二脚のコアはエネルギーEO。パイロットはD−13。」
その機体は管理者部隊と同じで、色は暗い青。武装はバーストライフルと赤ブレード、
30発オービットを二門装備している機体であった。
「名前は無いのか?」
「これが名前です。皆さんのような名前は隊長クラスではないと貰えないんです。」
ブレイは再び端末を操作すると、今度は四機のACが出てきた。
「まず、これはアヤ参謀の乗っていたハザーマスターです。」
それは、あの時の機体とは脚部とエクスが違っていた。
あの時は中二脚で結構硬かった脚部で、エクスはターンを装備していた。
これはエクスにエネルギーを廃した追加装甲と脚部は多少軽めの脚部だった。
「これ、あの時とは違うんじゃないの?」
「あれは狭い所での戦闘を重視した機体です。これは本来の機体です。」
「なるほど、狭い所では攻撃を受けやすいから。」
「それでは次に行きます。これは副隊長のカルトの機体のデスラウンドです。
軽二脚は前に使っていたので、中二脚は前に研究所の防衛に回った時の機体ですから、恐らく今も使っていると思われます。」
デスラウンドと言われた機体の軽二脚は黄色ショットガンと投てき銃のみだが、
中二脚はそれにエクスには垂直連動ミサイルと多弾頭ミサイル、45発中型ミサイルを装備していた。
コアと色はホワイトナイトと同じである。
「最後に、これはカイルさんの機体、フォーニングMK−Vです。」
「汎用に優れる機体ですが、肩にレーダーを二個も付けているんですか?」
「これは通信能力と索敵能力を向上させた機体です。」
カイルのフォーニングMK−Vは色は暗い青と、他の機体と同じであった。
「最後に、アルスターさんから要望があった事を話します。」
「何ですか?」
「以前管理者から送られてきたメール、二回の大破壊のことです。」
「ちょっと待った。」
シャウシュッツが止める。
「俺達が地下に入ったのは大災害が起きたからじゃないのか?」
「それはあくまで表の話です。」
ブレイは息を吸い、
「今から話すことは全てが真実ですが、それでも聞きますか?」
全員が頷いたのを確認して、
「始まりは二人のレイヴンです。しかし、二人は会う事は一回も無かった。それぞれ違う世代に生きたから。
一人は地球で、もう一人は火星で生きた。初めのレイヴンの名前はテイル。機体はグロックウェポン。
彼は様々な戦いの後、レイヴンズ・ネスト、
今で言うグローバル社で管理者の役割をしていたAIとその私兵、ナインボールに打ち勝った。
その後、彼はある女性レイヴンに会い、ファンタズマ計画と呼ばれるプロジェクトを進めていたウェンディ機関を撃破、
その後作られていたファンタズマに乗ったスティンガーと言うレイヴンとの死闘をし、ファンタズマを破壊しました。
しかし・・・。」
「しかし?」
「ファンタズマの撃破後、テイルは消息不明になってしまったのです。
その後、彼は伝説のレイヴンとして語り継がれる存在となった。
だが、レイヴンズ・ネスト崩壊前、一人のレイヴンがいた。
そいつはナインボールに家族を殺され、復讐を誓っていた。
その後、彼は自分のマネージャーであったラナ・ニールセンとの死闘後、姿を消しました。」
「一体何と戦ったんです?」
「セラフ、以前貴方達が戦った機体です。あれは元々ナインボールの試作機として造られた機体です。
それにあなた方が戦ったセラフは量産により、一部機能が使えないんです。その為、オリジナルより力は劣ります。」
「あれより強いのか・・・。」
「そういう事です。その後、火星への、テラ・フォーミング計画が行われ、火星は第二の故郷になりました。
そこに、一人のレイヴンが来た。地球でレイヴンをやっていた、名前はクロノ、機体はファイナルトリガー。
その彼も、様々な戦いを経て、政府の直属の部隊、フライトナーズ、そしてその隊長レオス・クラインを撃破した。
そして、セラフを倒した青年の名はレオス・クライン。」
「同一人物!?」
「そうです。その後クロノは地球に戻り、そこでも活躍をした。しかし、それを良く思わない連中がいました。」
「誰なんです?」
「政府のお偉いさん方です。そいつ等はクロノが第二のレオス・クラインになる事を恐れたんです。
その為、最強と言われた、ヴィクセン、ファンタズマ、セラフを再生、戦わせたが、全てが全滅させられた。
でも、これは終わりではなく、始まりだった。セラフ達が一斉に暴走。地上を破壊、生き残った人類は地下に移った。」
「でも、そんな事、歴史書には一言も書かれていなかったよ。」
ミリィが聞く。
「全ては管理者が管理していたんです。だから、知りえないんです。」
「これが二回の大破壊の意味・・・。」
皆は黙ったままだった。
「私はこれで、エターナルの武装設計があるので。」
ブレイは去って行った。

あれから、皆はその言葉が頭から離れなかった。

「全機関起動確認。出力上昇。システム安定。」
端末を操作していた男からカイルに話す。まるで独り言のように。
「武装、チェック完了。弾丸装填中。」
「隊長。」
後ろから聞こえた声に振り返る。そこにはカルトがいた。
「何だ?」
「例のメールの配信完了しました。」
「よし、行くぞ。」
カイルは格納庫に行こうとする。
「しかし、まだ回答が来ていませんが?」
「必ず来るさ、シャウシュッツなら必ず。」
カイルは格納庫に行ってしまった。その後をカルトが追う。
「・・・・地上戦艦アースグライド起動します。」
男の声が部屋に響いた。
作者:カイルさん