地上への扉
管理者は最後に「地上」のロックを解除した。
そして地上には、とても綺麗な「緑」が戻っていた。
……管理者とは、復活した「地上」と「緑」を守る為に誰かが造ったのではなかろうか?
守る…そう、汚れた人間の手から。
いつの時代にも人間は争いをしている。自らの欲によって。
企業の拡大化?
利益?
見せつけるためだけの力?
所詮、夢物語に過ぎない。
管理者はそんな人間から「地上」を遠ざけた。
もし人間が「地上」に復帰してしまったら、この緑はいとも簡単に壊されるか、奪い合いで血に染まるか、だ。
…しかし、ユニオンとレイヴンは「それ」をやってしまった。
「地上」への扉は開かれた。管理者はエネルギーの供給がストップしてしまった時に、誤作動で地上を開けてしまった。
管理者が犯した、最初で最後のミスだった。
管理者の必死の抵抗を無視した結果ではないか?管理者に従っていれば、こんな事は防げたのではないか?
管理者は気付いていたのかもしれない。もうすぐ自分が何者かの手によって破壊されることを。
だから人間達を危険な目に合わせた。少しでも「地上」への被害を少なくするために。
「地上」とは、管理者あるいは、管理者を造った人物が夢見た「楽園」なのではないか?
作者:アーヴァニックさん
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