サイドストーリー

サイレントライン:レイヤード進行阻止
「こちらアルスター、最終防衛ラインに到着。進行部隊を破壊する。」
ここは、レイヤードから3キロ先にある草原。
そこには、アルスター、カタストロフ、シータ、グランデとグラキレがいる。
「カタストロフ、シータ、あの事、覚えてるか?」
「カイルが管理者の遺伝子から作られた人工人間って事ですか?」
「ああ・・・・今でも信じられない。」
あれは、カイルが三ヶ月ぶりにグローバルに戻ってきた時、語られた事実である。

「カイル・・・・それ・・本当?」
「ああ・・・残念だが、本当だ。」
そこには、アルスター、カタストロフ、シータ、シャウシュッツ、フィー、ナッツ、ハンク、エース、ブレイ、
ミリィ、ノヴァ、テイル、クロノ、レインなどそれぞれのオペレ―ター、カルト、アヤ、蒼の部隊の面々がいた。
BBとミストは病院で安静中である。
「人工人間・・・・管理者であったアヤの遺伝子データを分解、俺として再構築したんだ。これが証拠だ。」
そういうと、カイルはつけていたバンダナを取った。
そこには、瞳があった。第三の瞳が・・・・。
「これには、気功の能力とフィールドバックシステムの接続能力がある。」
「気功とフィールドバックシステム?」
「気功はいわば簡易治癒能力、ヒーリングと気を操る能力、フィールドバックシステムはACに同化するシステムだ。」
「同化って、具体的には?」
「ファンタズマは人の脳に直接機械を繋ぎ、操作するシステム。それを応用したんだ。乗っている時だけ、同化可能なんだ。」
「フィールドバックシステムは分かったが、気功は?」
「人本来の気を操る能力を特化したの。」
カイルの代わりにアヤが答えた。
更に、話は続き、人は本来気を操れる事、ブレイはカルトに子供の時救出され、
まるで本当のお父さんのように育てた事、ハザード社の部隊編成、なぜ蜂起をしたか、などを聞いた。
「ハザード社は、総帥のハザード、副に位置するメイル、その下にフライトナーズ、
ヴィクセン隊、通常AC部隊、ナインボール隊がいる。
今稼動しているのは通常AC部隊だけだが、いつ他の部隊が稼動するかは分からない。」
「あと、蜂起の理由は今の所は三つ挙げられているけど、あくまで仮定で、真相は分からない。」
「シャウシュッツ、通信が入りました。」
「何だって?」
「その他の人にも、ハザード社の部隊がレイヤードへ進行するみたい。
他にも軍事基地奪還、ハザード社本部偵察、建設予定の要塞破壊の依頼が来てるわ。」
「レイヤードの進行部隊は?」
「クレストが爆撃機で部隊にダメージを与えたから、一週間は動けないみたい。」
「他の依頼は?」
「同じく一週間後、作戦を開始するそうよ。」
「一週間後・・・・分担する必要があるな。」
「こちらからも人員を出そう。」
「ありがとう、カイル。」

それから一週間後、レイヤード進行阻止はアルスター、カタストロフ、シータ、グランデ、グラキレ。
軍事基地奪還はフィー、ナッツ、D−13、ノヴァ。
ハザード社本部偵察はブレイ、ミリィ、アヤ、カルト、逆関節のパイロットD−1、
重二脚のパイロットD−2.
要塞破壊にはカイル、シャウシュッツ、ハンクが向かった。
朝、同時に作戦は開始された。

「来たようだ。」
地平線から、30ちょっとのACの大群が来た。
こいつ等は、量産型で、コストや防御面はMTクラスだが、破壊力はACクラスである。
「行くぜーー!!」
「ここから先には通すわけには行かない!」
「悪いですが、行きます!!」
「行くぞ、兄貴!」
「分かっている!!」
五機は行動を開始した。
アルスターはブースターを吹かし、バーストライフルを乱射した。
最初の一発しかセカンドロックは効かないが、至近距離では効果は絶大である。
「ふっ・・・。」
アルスターはダガーで敵を蹴散らす。
カタストロフは企業から提供された新型のプラズマライフルを連射した。
これは、軽量、消費エネルギーを軽減した武器である。威力は落ちるが、使い勝手は向上している。
「とりゃ―!」
カタストロフはコアにブレード突き刺し、切り払う。
シータはビット射出と同時にステルス起動。ハンドガンを的確に当てていく。
グランデとグラキレは、グラキレが前線でかく乱、グランデが後方から当てるという戦法を取る。
ザシュン。
「グワ!!」
グランデの叫びが通信機から聞こえた。もう敵はほとんど片付いていた。
後ろを見た。そこには、ACが二機いた。
一機は、色は黒く、軽二脚。腕は、新型の武器腕のSAMURAI2。
武器はそれだけで、エクスにターンブースター。両肩に追加ブースターを装備した機体だった。
もう一機は、色は赤く、同じく軽二脚。武器はパイルバンカーと月光と、両者共に接近戦を重視したアセンである。
「その機体は、ゼロ!?」
「シ、シルバか!?」
「知っているんですか?」
「二人共、剣豪機を操るタッグで有名。それに、ゼロはアルスター、シルバはカタストロフと知り合いなんだ。」
二人の代わりにグラキレが言った。
「久しいな、アルスター。」
「何ヶ月ぶりだろうな、カタストロフ?」
「グランデは?」
「あ?もしかして、こいつの事か?」
ゼロはグランデの機体を指した。そこには、コクピットを破壊されたグランデの機体があった。
「兄貴・・・?」
返事は無い。
「くそっ!!」
「シータ、グラキレ、残っている敵を!」
「お前達は!?」
「ゼロとシルバの相手をする。」
「分かりました。しかし、死なないで下さい。」
「分かっている!!」
アルスターはゼロ、カタストロフはシルバ、シータとグラキレは残っている進行部隊の戦い開始した。

「とりゃ!」
「ふん・・・。」
アルスターのダガーの攻撃をブレードで切り払う。
「接近戦ではこっちに理がある・・・・分からないのか?」
「うるさい!!」
だが、ゼロに言う通りである。どれだけ死角を取ろうとも、ターンブースターで向きを変え、斬りかかる。
しかし、バーストライフルではゼロのラグナ・ブレイカーMK−Uが速くて当てられない。
「このままじゃあ・・。」
アルスターはバーストライフルを連射した。この依頼を含み、修理費、弾薬費は企業持ちであるため、乱射できる。
「遅い。」
ゼロは、背後に忍び寄る。アルスターはターンを起動。回転の慣性を利用して、ダガ―で斬りつける。
しかし、それを予期していたように回避した。
「喰らえ!!」
アルスターは弾の尽きたバーストライフルをゼロのラグナ・ブレイカーMK−Uに投げつけた。
「何をするをかと思えば、くだらん・・・。」
ゼロはバーストライフルをブレードで切り裂く。しかし、その先に、アルスターのレヴァティーンはいなかった。
「後ろか!!」
アルスターはバーストライフルを投げつけた後、素早くゼロの後方へ移動した。
「今後こそーー!」
アルスターはダガーでゼロの機体の腕を切り裂いた。
「腕が!くそ!!」
ゼロはOBを起動。その場から離脱した。
「待て!・・・・くそっ!」
アルスターは追いかけ様として諦めた。あくまで依頼は進行部隊の破壊。撤退ならこちらでは都合がいい。

「くぅ!」
「遅い!!」
カタストロフの機体、KOS−MOSのプラズマライフルの連射を紙一重で、しかし、余裕の表情で避けるシルバ。
機体はクリムゾンウィンド。
「もらった!!」
シルバのパイルバンカーが、避けきれずに左肩に当たり、使い物にならなくなる。
「ブレードが!くそったれ!!」
カタストロフは武器をロケットに切り替え、乱射する。攻撃ではなく、威嚇である。
近づけば近づくほど、ロケットは当たり易い。その為、シルバは間合いを取る。
「このままでは、勝つ事は出来ないぞ!!」
「・・・・・分かっている事を・・・。」
このまま撃っていればロケットは切れる。そうなれば明らかにこちらが不利になる。
カタストロフはロケットを切り離した。
「一体何を・・・!?」
シルバは分からなかったが、すぐに分かった。右腕にロケットポッドを持つと、それを投げつけた。
シルバは紙一重で避けようとしたが、カタストロフが投げたロケットポッド避ける寸前で、ポッドを撃った者がいた。
撃った弾がポッドに当たり、爆発を起こす。
「な、何!?」
ふと横を見た。そこには、進行部隊を破壊したシータとグラキレがいた。
グラキレが間髪いれずにオービットを射出。
避けるために前に出たが、そこには、プラズマライフルを構えた、カタストロフがいた。
「し・・・・・・。」
「もらった!」
カタストロフは引き金を引いた。しかし、シルバはギリギリで機体を上昇させ、直撃は避ける。
しかし、これ以上の戦闘は無理だった。
「ここまでだな。しかし、我々の計画、タイムハザード計画はもはや最終段階に行こうする。」
「タイムハザード計画!?」
「また会おう。」
シルバはOBを起動。一気に離脱した。

「・・・一度帰還しよう。」
「そうですね。」
「そうするのが、一番だろう。」
アルスター達はグローバル社に帰還した。
作者:カイルさん