サイドストーリー

サイレントライン:ハザード社本部偵察
「三チーム分かれて偵察を開始する。行くぞ。」
「了解。」
それぞれ、アヤとミリィ、ブレイとD−1改名クレイ、カルトとD−2改名ミールに分かれて行動を開始した。

アヤとミリィは裏口から施設に侵入した。
通路は比較的に広く、ACが大体五、六機は入って、軽がる戦闘ができる。
「それにしても、敵がいない・・・・・。」
「そうね・・・おかしいわ。」
アヤとミリィは、敵がいないのにおかしいと思った。
普通、施設の内外に防衛戦力は配置しているものだが、ここには一切敵がいない。
砲台があっても、機能が停止している。
「取り合えず、私達は中央コンピューターに向かいましょう。」
「分かりました。」
「そこに行ってもらっちゃ困るわ。」
「!!」
二人は後方にブーストする。そこを細いエネルギー弾が床を破壊する。形の割に威力は高いようだ。
「だれ!?」
ミリィが外部スピーカーで叫んだ。
「誰とはひどいわね。」
「我々はこの世界では知られていない。仕方ないだろ。」
そこに、軽二脚と重二脚のACが下りて来た。
「厄介ね・・・・。」
「誰です?」
「フライトナーズの副隊長と作戦参謀。」
「ボイルとレミル・・・・!!」
「あら、知ってたみたい。有名なのかしら。」
「レミル・・・・性格変わったな。」
「貴方もね。」
「・・・これって一体・・・・。」
「身体再生は体の再生は簡単ですが、精神の構成は難しいんです。
ファーストは戦闘に不要な感情を消して、戦闘能力は高めに・・・・。」
「ファースト?カイルさんではないんですか?」
「うっ・・・・それは帰ってから言うから、今はあいつ等を!!」
「・・どうやら、来るようよ。」
「言われなくても分かる。」
アヤとボイル、ミリィとレミルが戦闘を開始した。

ブレイとクレイは正面から密かに潜入を開始した。
電磁パルスにより、敵のレーダーには反応しない。
「一つ、聞いていいですか?」
「何だ?」
「カイルさんの気の能力、どうして付けたんですか?操作なら付けなくても・・・
・。」
「よく知らないが、ACに人の神経に似せた神経回路を付けて、それに気を流す事で同化、
つまりフィールドバックシステムを使っているらしい。」
「そんな事が・・・。」
「できるんだ、大破壊の時の技術だから・・・。」
「そうですか、大破壊の時の・・・・・。」
二人は施設に入った。そこはアリーナ位のでかさがあった。
「ふぅ、本部の引越しが終わったと思ったら、今度は侵入者の排除か・・・楽ではないな、専属とは。」
「そう言うなら、ならなければ良かったですか、グラン。」
二機のACが話しながら下りて来た。
一機は色はグレー、軽二脚。コアはEO。
武装はマシンガンと1551ブレード、通称初期ブレードを装備。エクスにステルスを持っている。
一機は色は青、中二脚。コアはOB。
武装は、右腕にフィンガーマシンガン、左腕にショートブレード、通称ダガー。
右肩にバーストミサイル、左肩にグレネードランチャーを装備していた。
「ヴァヴェルと偵察用サンドロック・・・・カトルとグランか!!」
「その声、ブレイか・・・。」
「久しぶりだな。」
「知っているんですか?」
「色がグレーなのが偵察用サンドロック、パイロットはカトル。
色が青なのがヴァヴェル、パイロットはグラン・シャリオ通称グラン。冷酷非道タッグで有名だ。」
「ひどいな。」
「ブレイ・・・・・。」
カトルが通信を入れてきた。
「もし邪魔をするなら、お前でも排除する。」
「・・・これも、企業の依頼です。すみませんが、退けません。」
「レイヴンとしての宿命か・・・・仕方ないか・・・行くぞ、カトル。」
「分かった。」
ブレイとグラン、クレイとカトルが戦闘を開始した。

カルトとミールは後方で待機した。
「元副隊長・・・。」
「元は余計だ。」
「何で我々は待機なんです?」
「他に潜入するポイントが無いからな。」
「そうですけど・・・・・。」
「暇そうだな。」
突然の声に二人はその場から離れる。そこを、何者かのレーザーが破壊した。
「誰だ!!」
そこに、謎のACが下りて来た。
「ふ、分かっているくせに。」
「スティンガーか。」
「そういう事だ。だが、遅かったな。本部はもうここには無い。」
「何だと!?」
「まあ、ここで消えるんだから冥土に土産に取って置け、私は面倒は嫌いでな。死んでくれ。」
三機は戦闘を開始した。

二体のACのエネルギー弾が互いに機体に当たるが、かすった程度で、薄皮を剥がすような攻撃が続いていた。
「くそっ!このままでは・・・。」
ミリィは月光以外の武装を破棄、ブレードを構える。
「ふぅーん・・・。」
レミルは、あざ笑うかのように、ヴァイスリッターを巧みに操り、間合いを取る。
しかし、ミリィは動かず、じっとしていた。
アヤは、ボイルのディスクライのエネルギーマシンガンの攻撃に苦戦していた。
負けずとチェインガンを連射するが、全て避けられる。
「くそっ!!」
アヤは、いちかばちか、ある方法に賭けた。
アヤは機体を滑らせ、一気に近づく。ボイルはエネルギーマシンガンを連射したが、全てを受けきった。
近距離までいくと、ある武器のロックをした。
「発射!!」
ハザーマスターの両腕から、大型ミサイルが発射された。
近距離にいたボイルは避ける暇も無く、ミサイルが当たり、機体はパイロットごと粉々になった。
「ボイル!?」
レミルは爆発した方向を見た。それが命取りとも知らずに・・・。
「行っけー!!」
ミリィはOBを起動。レミルの後ろに付く。
「なっ・・・・!」
レミルのヴァイスリッターは、ミリィの放った斬りこみで足を切られた。
「ここまでね・・・いつかボイルの仇を取る!!」
レミルの機体から煙幕が出た。
「しまった。」
煙幕が晴れた時、レミルの機体は無かった。
「大丈夫ですか?」
「・・・大丈夫じゃない。武器腕は壊れた。それより、一度戻りましょう。」
「そうですね。」
二人は一度来た道を戻り始めた。

「行け!!」
「やらせん!!」
ブレイのブレード攻撃をダガーで防ぐ。ブレイは、エネルギーランチャーとガンランチャーは使わなかった。
ここでは、でかい武装を振り回せない。
「くっ!」
ブレイはパルスライフルを連射した。グランはグレネードを連射。
二人は、間合いを取りながら、時には接近戦を挑んでいた。
「速い!!」
「ちっ、このままでは・・・。」
クレイとカトルは接近戦をしなかった。
接近すれば火炎放射器の攻撃を受け、中距離では、KARASAWAを受ける。
しかし、機動性でカトルが勝っており、どっちもどっちという状況である。
「うぉーー!!」
クレイは、KARASAWA以外の武装を破棄すると、一気に突っ込んだ。
「何!?くそっ!!」
カトルはマシンガンを連射。
しかし、クレイは避けようとはせず、全てを受けきり、左腕がカトルの偵察用サンドロックの右腕を掴む。
「・・・・もらった!」
「な・・・・!!」
クレイはKARASAWAをカトルのACのコアに当て、引き金を引いた。
「うぁーー。」
「く・・・ぅ・・・。」
カトルの機体は大爆発を起こした。
クレイのACはカトルのACの爆発を受け、前面が崩壊した。
「カトル!?」
「クレイ!!」
ブレイとグランは共に動きが止まった。
(一対二、一人はダメージがあるとしても、不利だな・・・。)
「・・・また会おう!!」
グランは脚部に仕掛けられていた煙幕を放出、離脱した。
しかし、ブレイは、撤退したグランを無視して、叫んだ。
「クレイ、脱出しろ!もう機体は・・・。」
「ブレイ・・・俺はもう駄目だ。もし、カルトさんに生きて会ったら伝えてくれ。」
「・・・・何てだ?」
「・・貴方に・・・会え・・て・・良かったと・・・頼・・む・・ぞ・・。」
言い終えると、クレイの機体は、糸の切れた操り人形のように動かなくなった。
「・・・馬鹿・・・野郎・・・!」
ブレイは涙を流していた。その後、これを伝えるため、カルトの元に機体を動かした。

「強い!!」
「くそっ!」
「どうした、二人でその程度か・・・少しは期待したが、残念だ。」
スティンガーは二体一で、圧倒的強さを保持していた。
「面倒は嫌いでは無かったのでは?」
「・・・ふん、いいだろう。死ね。」
スティンガーはライフルを構えた。
「もらった!!」
カルトは、ショットガンを発射した。
カルトの機体、デスラウンドMK−Uは、重二脚になり、45発ロケットからグレネードランチャーを交換している。
「うお!?」
急な攻撃に反応出来ずに、受ける。
「なめるなーー!!」
スティンガーはシールドブレードで切りかかって来た。
「やらせない!!」
ミールはカルトの前に出て、ブレードをコアに受けた。
「ミール!!」
「馬鹿か・・・ブレードが抜けない!?」
通信機からスティンガーの焦り声が聞こえた。
「カルトさん、離れてください。今から機体を自爆させます。」
「何だと!?」
カルトとスティンガーは同時に叫んだ。
「止めろ!死ぬ気か!!」
「・・・・私にはもう、生きがいがありません。今までありがとうございました。さようなら・・・。」
「ミーールーー!!」
「止めろー!!」
その時、ミールの機体は大爆発を起こした。
「自爆とは・・・・退くか・・・。」
ギリギリでブレードが抜けたスティンガーは離脱した。
「逃げた?・・・・くそぅ、ミールの馬鹿野郎・・・!」
カルトは、呟く事しか出来ない自分にいらついた。

「・・・そうですか・・・ミールさんも・・・。」
集まったブレイ達は、自分達が戦った事、
ブレイはクレイが会えてよかったと伝えて欲しい言われた事、
ミリィとアヤはボイルとレミルに会い、ボイルを撃破した事、
カルトはスティンガーが来て、ミールが自爆したが、逃げられた事を話した。
「・・・ここにはもう用は無いわ。グローバルに戻りましょう。」
「そうですね。ここで、こうしていても・・・。」
「分かった、帰還しよう。」
四機は、グローバル社に戻っていった。
作者:カイルさん