要塞崩壊
「計画に支障はないか?」
「若干遅れておりますが許容範囲です。」
「送り込んだあの女はどうなった?」
「ハッ、まだ情報を集めております。」
「あと少しのようだな・・・・・。ふふふ・・・はははははははは!!!」
扉を開けると小さな部屋だった。その部屋の反対側には通路があり、赤い光が何枚も張り巡らされている。
「おいカイル、あれなんだと思う?」
「シールかなんかだろ?どうやって通るかだが・・・・おや開いた。」赤い光が薄れていった。
『侵入者確認、警戒状態に移行します。』通路の奥から巨大な光が見えた。光が2人の間を通る。
「うわっ!?」2機のACは部屋の壁にたたきつけられた。
「すげ〜威力だ・・・。ACが食らったら1発でドカン、だな・・・・。」
「またシールドが張られてる・・・。発射される直前に通路にくぼみが見えた。」
「つまり、シールドが消えたら速攻でそのくぼみに入ればいいんだな?」
「そうだ・・・きたぞ!」シールドが消える。2人はブーストでくぼみを2つとばして隠れた。青く巨大な光が通り過ぎる。
「これの繰り返しかよ・・・・。」
「そうだな・・・とにかくあの砲台みたいなのを壊せばいいんだろ?俺がロケットでやってやるよ。」
「できるなら任せるさ。」
「OK!」シールドが消えた。カイルは通路に出てロケットを連射した。通路のおくから青い光が撒き散らされる。
「ミスったか!?」光がやむと砲台が壊れていた。
「やるじゃん。さ〜てさっさとおわらせるかな。」2人は壊れた扉をくぐった。
『警戒状態に移行します。』轟音とともに光が扉に着弾する。
「こんなものを撃ってくるとはな・・・」
「砲台壊せば何とかなりますね。」
「接近しなきゃ話にならん。カトル、開いたらくぼみに移動するぞ。」
「了解です。」シールドが開いた。2人はOBで5つほどとばしてくぼみに隠れた。
「次はぶち破る。覚悟はいいな?」
「もちろんです。」シールドが消えると同時にジェットはOBで砲台に接近し射突式ブレードで砲台を弾き飛ばした。
「よし、いくか。」
「もうすぐ動力炉か何かでしょうか?」
「さあ?わからない・・・。」
シールドが解除され光が扉に当る。
「1番奥の砲台破壊すればいいんだよな?どうやって壊す?」
「そりゃ〜もうフィーさんが死ぬ気で突撃する♪」
「死ぬ気じゃなくて死ぬんじゃ・・・・・・。」
「まあ冗談よ。2つ先のくぼみから出力を180%で撃てばあれを壊せるはず。」2度目の光が着弾する。
「んじゃいくか。」
「行ってらっしゃい♪」
「なんでだよ・・・」
「だって私のACミサイルしか積んでないもん。」
「わかったよ・・・2つ目だな。」フィーはシールドが張られる前に2つ目のくぼみに移動する。カラサワの出力を上げる。
『110%…120%…130%…140%…150%…160%…170%…180%・・』
「行けー!!」青い光が砲台に向かって飛んで行く。すさまじい爆発とともに砲台が吹き飛んだ。
「それじゃあ行くぞ。」2人は壊れた扉をくぐった。
2人の間を巨大な光が通り過ぎる。
「あれを壊せばいいんだな?」
「だろうな・・・しかしどうやって壊す?」
「俺のACはエネルギースナイパーライフルが装備されている。それで狙撃すれば・・・」
「ならそれで頼んだぞ・・・・。」
「了解だ・・・・ん?弾2発しか装填されてない・・・」
「それでもいいから壊せよ・・・」
「わかってる。」俺はACのカメラを最大望遠に設定した。砲台の様子が見える。Eスナイパーライフルの出力を上げ狙撃する。
砲台に穴が開いた。
「やったのか?」
「もうただの壁だろう・・・。」砲台の攻撃はなくなった。砲台を破壊すると部屋の中に入った。
その部屋には自分たちが入ってきた扉のほかに3つの扉がある
部屋に入ると反対側の扉が黒い煙を上げて壊れサイラスとカイルが姿を現した。左の壁にある扉がはじけとんだ。
扉の残骸が部屋の中に転がった。そこからジェットとカトルが現れた。
右の扉は青い光を帯びた爆発とともに扉が消え去った。そこからフィーとクリスが出てきた。
「みんなそろったみたいだな・・・そこにいるへんなACは誰だ?」
「本人はゼロだと名乗っているが詳細は不明だな・・・」
そのとき天井から1機のACが降りてきた。昔見たことがある機体だ。
「おやおや、こんなところでのんきにお話とは余裕ですな。」
「誰だ!!」サイラスが叫ぶ。
「威勢だけはよろしいですな。しかしここで終わりです。」
「なにぃ!ふざけるな!」
「これで終わりということですよ!」すると7機のACが現れた。
そのACはサイラス、ジェット、シリウス、クリス、カトル、カイル、フィーのACとまったく同じものだった。
「これらは君たちの動きをマスターしてまったく同じ動きをするからね。自分と戦うがいいさ。
ただそこのごてごてしたACのデータは取れなかったから僕が相手をするよ。
もしも僕を倒せればそのAIもとまるからね。さていくよ!」
「ゼロ!あいつはまかせた。必ず倒せよ!」
「了解・・・」あの変なことを言っていたレイヴンが向かってきた。皆は自分の分身と戦ってる。
「ボクは火星で2位のレイヴンなんだぁぁぁぁ!!!」俺は無視する。
OBで急接近し斬りつける。チェインガンを食らったがそれほど問題ではない。
後ろに回りこみ肩武器と両腕を斬りおとす。その自称2位の奴はバランスを崩し折れ込んだ!
俺はそいつを踏みつけブレードでコアを貫いた。絶叫が通信機から響いた。周りを見ると偽のACは全て停止している。
「運が無かったな・・・PRR-2 ZERO・・・・元々の2位は俺なんでね・・・所詮は4位の奴だからな・・・・」
「終わったな・・・後は動力炉を壊して帰還だな。」
「そのようだな。それにしてもいつ俺たちのデータを取ったんだ?」
「さあ、解らんな・・・・ん?レーダーに敵反応一!ACみたいだ・・・・。」
両手ブレードの黒い機体が着地した。通信が入る。
ユニシスだ。
「使えんな・・・所詮4位か・・・まあいい、俺は貴様らと戦ってみたかったんでな。」
そういうとユニシスはOBで突っ込んできた。
「なっ!?ちょっ!?まっ!?」ステルスを起動しクリスの機体へ迫っていく。
間一髪のところでジェットとカイルがロケットを撃って止める。
一瞬止まったように見えたが方向を変えまた突っ込んでいく。ブレードが振り下ろされる。
ピンク色の光が閃き腕が斬りおとされる!
「ちぃ!」シリウス右腕を落とされバランスが崩れる。ノーロックのままオービットキャノンを撃ちだす。
しかし近すぎて消滅してしまう。そこにカトルが2本のヒートショーテルを投げつける。
それはユニシスの肩のステルスを切り裂くと壁に刺さった。ユニシスはその武器のないカトルに向かって突っ込んだ。
「しまった!?」そのとき強大な質量を持つ塊が動いた。
凄まじいほどの金属音が響いたと思うとユニシスはかなりの距離を吹き飛ばされていた。
そのコアはいびつなまでに歪んでいる。その原因はフィーがカラサワをターンブースタで旋回を加速し叩きつけたのである。
しかしそのカラサワも半分に斬りおとされている。ユニシスはカラサワを一瞬のうちに切断していた。
「ありがとうございます!」
「お互い様だ!」弾き飛ばされた所にカイルとクリスのミサイルが連射される。
だがユニシスは易々と避けると光波を発射してきた。
そのいくつかはみなの機体をかする。俺はそのユニシスに向かって斬りかかる。
しかし後ろからにもかかわらず両腕のブレードで防がれる。
「ブレードも少しはマシになったな!だが、まだまだだ!」
「・・・嵌ったな・・・」その至近距離で左右の腕に内蔵されているショットガンとENスナイパーライフルを撃ちこんだ。
弾が切れ捨てる。
「くっ!?それなら本気をださせてもらうぜ!」かなりダメージを与えたはずだ。
ユニシスは肩とEXTのステルスを解除するとOBでカイルの方に向かう。
「このぉぉぉ!」カイルはライフル、EO、投擲銃を一斉に撃ちだす!
しかし、ユニシスは投擲銃の弾をブレードではじいた!爆発で一瞬姿が消える。
一瞬の内にカイルのACのイクシードオービットを破壊した!その瞬間サイラスが横から斬りかかる!
しかしブレードで阻まれた。
ユニシスはブレードの押し合いの中OBを起動させる。
「させるか!オーバードライブ!!」光の束が輝きを増す。ユニシスのOBが起動した。サイラスを押し返す。
目もくらむほどの光が撒き散らされたと思うとサイラスのダブルグラディウスがひざをついた。
腕も捻じ曲がっている。ユニシスの腕もブレードのエネルギーの余波でかなりのダメージを受けている。
ジェットがロケットを撃ち腕の関節を破壊する。
「命中・・・ブレードの威力も下がるはずだ・・・・」腕にダメージを与えた副産物としてバランスも崩れる。
「今なら!」カトルは拾っておいたヒートショーテルを再び投げつけた!今度は足に当たり切り裂かれる!
ユニシスがひざをついたがまだブースタは生きている。脚部を破壊されてもまだブースタを吹かしている。
「いつまでエネルギーが持つんだ!?」
「しるか!」奴はかなり長い間ブースタ、OBを使いぱなしである。
突如青い光のシャワーが飛んできた。その正体は収束力を失ったカラサワだった。
その光がユニシスのブースタに当たり、残りはOBだけとなった。
俺は新システムのオーバーリミットを発動させた!機体のエネルギーが両腕のブレードにたまっていく。
最大出力で斬りつける。2本のブレードで一瞬止められるがそんな出力の落ちたブレードでとめられるはずがない。
本体をブレードごと切り裂いた。
そこにサイラス、ジェットがパイルバンカーを左右から打ち込んだ。ACは完全に動かなくなった。
「よっしゃこれで終わったな。」
「後は動力炉を壊すだけと・・・ってどこにあるんだ?」
「さあ、知らない。」 突如通信が入る
『皆さん早く脱出してください!超大型ミサイルと衛星砲サイレントラインからの砲撃で要塞を破壊します!
もうミサイルは発射されました!到達まで5分もありません!サイレントラインはあと少しで発射準備完了です!急いで!』
「あれ?オペレータが変わってるぞ・・・」
『事情があってわたしエマになりました。そんなことより急いで!』
「なんかヤバイぞ・・・早く脱出しよう。」
「急ぎましょう!こんな所で死にたくないですよ。」みな出口に向かった。俺はユニシスの所へ行った。
「ゼロ!何をしている!5分もないんだぞ!急げ!」
「解った・・・先に行ってくれ」ユニシスはまだ生きているはずだ。通信を入れてきた。
「ゼロ・・・お前らレイヤードにはスパイが2人以上進入している・・・。その1人がレイン=マイヤードだ・・・。
今頃レイヤードは襲撃されているはずだ・・・。急いだ方がいい・・・。」
「解った・・・じゃあな・・・。」 そういうとエレベータを起動させず上昇していった。
通路の先にACがいた。先に行ったはずの7人だった。
「いったいどうした?」
「隔壁が閉められた・・・。とにかく斬りつけたりしても破れない・・・。」 サイラスとジェットが隔壁を殴りつけている。
「まずいな・・・パイルでもダメか・・・。」
「通路にはAC用のコンピュータがある。そこを操作すればいい!ほかの奴はとにかく壊すことを考えよう!」
「なら俺がやろう・・・。」シリウスが歩み出た。
「できるか?」
「何とかなる。普通じゃいえないが俺は元ハッカーだった・・・。」操作をしながら答える。
「よし、あと少しだ・・・・・パスワード!?まずい入れなきゃ開かない・・・・。」
「なにぃ!?あと1分30秒しかないぞ!」
「解ってる!なにかないか・・!?」
「ゼロ!火星に居たんだろ!なんか解らないか!」
「・・・・わからん・・・・いや、上位の階級しか知らないパスワードがある・・・・それなら・・・。」
「それはどんなのだ!?」
「・・・・・イレギュラー・・・・・」
「イレギュラーだな?これでよし!」 隔壁が一気に開いた。
「急げ!20秒切ってる!」もうミサイルを目視することが出来る。みんなOBを発動し離脱する。
「カイルは!?EOだから遅れてるぞ!」
「カイル!!パーツを捨てろ!」
「まずい間に合わない!」レーザーの照準が降りてきた。
「荒業だが仕方ない!」OBを起動させカイルに向かう。腕を挟むとそのまま要塞から離脱した。
が、間に合わず超大型ミサイルの爆発に巻き込まれた。
要塞は沈んだ。地上にはACが6機のACが降り立った。
「カイルとサイラスは?」
「巻き込まれたか・・・・・。」
「惜しい人を亡くした」通信が入る。
「お〜い俺たちまだ生きてるぜ〜。」
「熱暴走でほんとに死ぬとこだったけどな。APが300切っちゃってさ。」
「うわっ!生きてた!」
「おいおいそんなに殺したいのかい?」
「いや、そういうわけじゃ・・・・」
「それより帰還しませんか?」
「むう・・・たしかに・・・」8人は無事(?)に帰還した。
作者:ZEROさん
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