サイドストーリー

誇り高き理想
ジリリリリリリリリリ
目覚ましがなり、起きるH・O。

「ふぁ〜、朝・・・か。」

洗面所で顔を洗いリビングへ向かうとおっちゃんがいた。

「あれ?珍しいね。いつもはガレージの方にいるのに。」

「今日は小僧に知らせたい事があってな。」

「え、なになに?」

「ほれ、これだ。」

おっちゃんはパソコンを指差した。

「え〜っと、なになに・・・
あなたをグローバル・コーテックスに登録しました。今後は自由にアリーナへ参加が出来ます。
尚、こちらからオペレーターを派遣したので、今後の依頼に役立ててください。」

H・Oはおっちゃんを見つめた。

「おっちゃん・・・。もうオペレーターの仕事はやんねぇの?」

「この年じゃ整備士とオペレーターを両立させるのは辛いからの。
ワシからコーテックスにオペレーターを派遣してもらうよう頼んだのじゃ。」

「そっか・・。」

H・Oはため息をついた。

「な〜にいっちょ前に落ち込んでるんじゃ。ため息は依頼のあとにしろ。」

落ち込んでたH・Oの顔が急にまじめな顔になった。

「成功報酬は?」

「4万」

「4万か〜。結構高いじゃん。で、内容は?」

「キサラギ本社を護衛しているAC2体2を破壊してくれじゃと・・。」

「本社を護衛してるのがたったの2体?それホントに本社なの?」

「知らん」

「なんか怪しいな・・・依頼者は?」

「ユニオンからじゃ。」

「敵ACの詳細は?」

「A−3のロイヤルミスト、もう一機は・・・キサラギの護衛用ACだそうじゃ。きつそうか?」

「ちと・・・ね。」

「んじゃ、ワシも出るか。」

「はぁ?3年前に引退したんじゃねぇの?それに3年のブランクだってあるし・・・大丈夫?」

「元A−2を甘く見るなよ。3年のブランクがあろうが、A−3には負けんわい。」

「そっか。んじゃ、そろそろ鬼退治に行こうか。」

「うむ。」

二人がガレージに着くと新しいオペレーターがいた。

「初めまして。レイン・マイヤードと言います。これからはオペレーターとして頑張るのでよろしくお願いします。」

「こちらこそ。」

「挨拶も良いけど、時間があまり無いぞ、急げ。」

「あいよ。」

バリバリバリバリバリバリバリ

輸送機で目的地へ向かう二人。

「敵勢力を説明します。敵勢力はAC2機のみですけど、キサラギ本社から何が出てくるかわからないので気をつけて!」

「はいよ。」

「おっちゃん、クインテットの仕上がり具合は?」

「十分仕上がっておる。」

「『ウジャト』は?」

「ワシがメンテナンスをおろそかにすると思うか?」

「ハハ。おっちゃんらしい・・・。」

H・O達が目的地へ近づいてる最中、敵陣営では・・・。

「テキハ・・・マダ・・・カ?」

「慌てるな、そろそろ来る。」

「おぃ、ロイヤルミスト。お前らの目的は敵の実力を発揮させる事だ。分かっているよな?」

「ユニオンか・・。何故あんたがキサラギと手を組んでまでレイヤードにいるレイヴンの実力を知りたがる?」

「なんだ?飼い犬が飼い主にたてつく気か?」

「・・・・。」

「フフフ・・・。”アレ”さえ知らなければお前も普通のレイヴンだったのにな。」

「敵が来た。通信を切る。」

「うまくやれよ。」

「俺はレイヴンだ。失敗はしない。」

「だといいが。」

「一つ聞きたい。」

「なんだ?」

「もしも・・・万が一私達が不利な状況に立たされたら?」

「その点は心配ない。もしもお前達が危なくなったら優秀なレイヴンが突入する事になっている。お前が危険と感じたら退けばいい。」

「・・・わかった。」

『目標ポイントにつきました。AC2体投下します。』

輸送機がAC2体を投下しようとしたその瞬間。

ボンボンボンボンボンボンボン

ミサイルが輸送機に当たり、輸送機が破壊された。

「マジで?」

「小僧、飛び降りろ!」

「分かってるって。」

2体のACが輸送機から飛び降り、着地すると、そこには敵の姿があった。

「welcome.不法侵入者のレイヴン。」

「久しぶりだな・・。ロイヤルミスト。」

「お前は・・。Mr.シバザキか・・?」

「なに、二人とも知り合い?」

「知ってるだけじゃ、そんな深い仲ではない。」

「Mr.シバザキ、一つ聞きたい事がある。3年前に引退したはずでは?」

「2vs1は卑怯じゃろ。だからワシも出ることにした。」

「マダ・・・カ?」

「少し喋り過ぎてしまったな。ではそろそろ・・・」

「小僧はそっちの弱そうな奴の相手をしろ。」

「あいさー」

ズガーン

会話が終わると、H・OがLICを発射した。
それと同時に動き出した4機のレイヴンの構図が、上手く1vs1×1vs1になった。

ズガガガガガガガガガガガガ

LICに引き続き、マシンガンが火を吹いた。

「機体損傷率E・・・6、283%・・・・敵ACノタイプ・・・Bトハンダン・・・戦闘タイプ・・・AカラCヘイコウ・・・。」

そう言い終ると、小型自律平気がクインテットを囲んだ。

「チッ・・・。」

H・Oは上空に逃げた様に見えたが、H・Oの描いている逃走系路上に敵ACがブレードを振る構えをしていた。

「ウソだろ?」

H・Oは急いで左腕で防御行動を取った。

容赦なく敵ACのブレード、『ムーンライト』がH・Oの左腕を襲う。

ガシィィィィィィン

騒音とともにクインテットが勢いよく後方へ飛ぶ。それと同時に削げ落ちる左腕・・・。

クインテットは5秒ほど静止してからLICを構えた。

H・Oは狙いすましている。

遠くで、敵ACが着地と同時にOBを発動して、一気にこちらに近づいた。

「1500・・・1200・・1,000・・・」

H・Oがぶつぶつ独り言を言っている。

「700・・・ここだ!」

ズガーン

2発目のLICを発射した。しかし、AIというのは人より物を感じるのが一段と早い。
すぐさま回避行動をとったが、LICは敵ACの左足を奪った。
しかし、こちらへ向かってくる姿勢はなんら変わっていない。
2発目のムーンライトが来ると思っていた瞬間・・・。

ドゴーン

どこからか、グレネードが飛んできて、敵ACに直撃した。

「おっちゃん?」

「以外に誰がいる?」

「それもそうだ・・・。そっちはもう終わったの?」

「それが、APが2000ぐらいの時に、逃げたんじゃ。」

ゴチャゴチャ会話をしている中、敵ACが反撃しようとしている・・・が、

「機・・機体破損・・・率・・率・・・6・・3%・・・・
 戦闘タ、タイプ・・・Cカラ・・・Bヘ・・・イコ・・・ウ・・・コロ・・・ス・・・。」

言い終わると、敵ACは止まった。完全に。

「依頼完了・・・か。」

「お疲れ様、レイヴン。帰還しましょう。」

「輸送機はあと、どれくらい?」

「後2分もすれば到着すると思います。それまで待機しててください。・・・ん?」

「どしたの?」

「気をつけて!本社から一体のACが出てきました。」

レインが言う『一体のAC』はすぐ分かった。
・・・いや、その姿を見れば、レイヴンなら誰でも分かる。その漆黒のACを見れば・・。

「エース・・・。」

そう、A−1のエース。何故エースがここにいるか分からないが、コイツを倒さなければ俺達は帰れないらしい・・・。

「小僧、クインテットの損傷は?」

「左腕一本が、一番目立つ傷だね。それ以外は無い。」

「なら、やれるな。」

「ほぅ・・・。KHG−1Sを破壊したのか・・・。」

エースが始めて口を開いた。

「誰が・・・破壊したのだ?」

「ワシだが・・・何か褒美でもくれるというのか?」

「お前か・・・。」

エースは全速力でウジャトに近づいた。

ドゴーン

近距離から放たれるエースのグレネード。当然よけきれるハズがなく、モロに被弾する。

「クッ・・」

ウジャトも負けじと反撃しようとしたが、正面にはもうエースはいない・・。

「どこだ!?」

慌ててレーダーを見ると、ウジャトの後ろにいた。

「甘い。」

エースがムーンライトでウジャトの頭部を突いた。

グシャアァァァ

鈍い音が響く

「クソッ、もう動かないか・・・。」

支えをなくしたおっちゃんの機体が力なく倒れる。糸の切れた人形のように

ガシャァァン

「次は・・・お前だ。」

エースは勢い良く、ブーストを吹かし、突進する。

「うっ・・・。」

並ならぬプレッシャーに耐えられず、H・Oは距離を置く。

「どうした?逃げてては勝てんぞ?」

エースはスナイパーで、クインテットを狙い打つ。

バシュンバシュンバシュン

ライフルは的確にクインテットの装甲を貫く。

「っ痛〜〜・・・。いって〜なこの野郎!」

H・Oの中で何かが吹っ切れた。すると今度はライフルを避けながら反撃している。

「ほぅ・・・少しはやるな・・・。」

エースはライフルを捨て、装備をチェーンガンに変えた・

「50&だ。」

タタタタタタタタタタタ

今度はほとんどがクインテットに当たる。

「ちっ、だったらこっちも・・。」

H・OはLICを捨てた。
これで、クインテットの武装は400数発のマシンガンのみになったが、速度は450/kmを超えている。
が、何故かこちらの攻撃が当たらなくなった。

「くそっ!なんであたらねぇんだ!!」

「・・・ヤハリこの程度か・・・。すまんがそろそろ終わりにしてもらう。」

エースはチェインガンを捨てた。

「70%だ。」

エースは、OBでこちらに近づいた。

「まずは一発だ。」

ガシィィン

クインテットの装甲が、ムーンライトの一撃によって深い傷がつく。

「うっ・・・」

「これで最後だ。」

エースがムーンライトで、クインテットに切りつけようとした瞬間、エースの脳裏に一つの旋律が走った。

「ウッ・・・なんだこの感覚は・・・?」

エースが急にブレードを振るのを止めたのを、不思議に思うH・O。

「何だ?ブレードを振ってこないのか?」

「今・・・見えた。」

「はぁ?」

「今、私の追い求めてる理想の断片が見えた・・・。」

エースは、戦闘モードから、通常モードに切り替えて、クインテットを見る。

「お前なら・・・私の追い求めている理想が見れるかもしれん・・・。」

エースは静かに言った。

「上がって来い。お前はA−2となり、私と再び戦ってくれ。」

「ちょっ、何勝手な事言ってんだよ。」

「私と戦うのが・・・怖いか?」

「はっ?んなワケねぇだろ!」

「なら・・・上がって来い。そしてまた再び会おう・・・。」

エースが、帰還する。
それと同時にH・O達の輸送機が到着する。

「レイヴン・・・帰還しましょう。」

H・Oはコックピットを叩きつけて、涙声で叫ぶ・・・。

「ちく・・・しょう。」
作者:H・Oさん