サイドストーリー

サイレントライン:出会いあれば別れあり
カイルがハザードと死闘をしていた頃、上では、またも激戦が繰り広げられていた。
「くそ!こうも数が多くては・・・。」
カイルがハザードの所に行っている時、仲間が到着、カイルの事を話し、補給部隊が来るの待っていたら、
下に残っていたAC部隊が現れた。
中には、ヴィクセン隊、フライトナーズの姿もある。今回はどうやら味方と判断しているらしい。
「ちっ!弾切れだ。」
「こっちもよ!」
ハンクとミリィは武器を破棄したが、装甲は破棄しなかった。
既に仲間はばらばらになり、アルスター、カタストロフ、フィー、カルトのメンバー。
アヤ、ノヴァ、シータ、のメンバー。シャウシュッツ、ブレイ、ミリィ、ハンクのメンバーになった。

「ハァ、ハァ・・何とか、やったか。」
アルスター、カタストロフ、フィーのメンバーは、何とか、敵の破壊に成功した。
「よし、このまま・・・。」
その時、目の前に、二機のACが降りて来た。
「ここから先に行かす訳にはいかん。」
「お前達には、ここで死んでもらう。」
ゼロとシルバだった。どうやら、部隊がやられた時の為に見ていたらしい。
「フィー、カルト、お前は他のメンバーの援護に。」
「分かったわ。」
「了解。」
フィーとカルトは機体を操り、ブーストで行ってしまった。
「俺たちが相手だ、シルバ!」
「行くぞ!ゼロ!!」
「今度こそ倒す。」
「今度は負けん。」

「流石に、まずいわね。」
アヤは呟く。全員、既にステルスマントは無くなり、攻撃を避けているが、このままでは、こちらが疲労負けする。
それだけは避けたい。
「くそっ、弾が!」
ここのメンバーはもう、武器の弾が底を付いていた。例え補給部隊が来ても、このままでは、補給できない。
その時、でかいエネルギー弾が敵をなぎ払う。弾が発射された方角を見ると、そこには、
「悪い、遅れた。」
「ナッツか!でも、その機体は一体・・・。」
「武器の崩壊で機体にダメージが出て、輸送機にあったパーツで改修したインフィニティエックスだ。
武器はSHADOWのみだが、十分に行ける!」
ナッツのインフィニティエックスがエネルギー弾を高速で発射、敵を破壊していく。
「こいつは、ちょっとしたじゃじゃ馬だな。」
「そう、あのカイルですら扱えなかった武器です。気をつけて。」
「OK、行くぞ!!」
「・・・・・・・どうやら、私は、別の相手がいるようです。」
「アヤ?」
ナッツとシータ、ノヴァは上を見ると、そこには、レミルのヴァイスリッターがいた。
「じゃ、行ってくるわ。」
「気をつけてください。」
「ふっ、しっかりとやって来い!」
シータとノヴァの声を後ろに受けつつ、アヤはレミルのいる施設の屋上に上がっていった。

「損傷率80%突破、このままでは・・・。」
ブレイは唸る。
シャウシュッツとハンク、ミリィは武器で何とか減らしているが、ブレイは機体の不調で、敵の集中攻撃を受けていた。
「くそぉー!!」
ブレイは、ガンランチャーとエネルギーランチャーを乱射。何とか敵を破壊するが、上から、ACが降りて来た。
「グランか!」
「あの時の勝負の決着を付けに来た。」
グランはフィンガーを向けた。一発の威力は低いが、至近距離では、脅威の武器である。
「・・・ん!?」
レーダーに反応、二人は上を見る。そこから、一機のACが降りて来た。
ACはブレイとグランの間に入るように降りて来た。ブレイは、ある事を思い出した。
「ブレイ!!」
ミリィ達が来た。FAブレイブガンナーCとエリアルガンナーは、装甲を破棄して、真の姿を見せている。
ブレイは、エターナルMK−Wのコクピットから出ると、前に降りて来た黒いACに乗った。
「やはり、デスサイズMK−Uか・・・・調整完了。」
作戦の前、グローバルの人に言い、デスサイズの二号機を組み立ててもらったのである。
色は黒、軽二脚、コアはOB、武装は、SAMURAI2、エクスにバックブースター、
肩に小型一連ミサイルと地上魚雷を装備している。
「行くぞ!グラン!!」
「来い、ブレイ!!」

「戦闘か!?くそっ!!」
エレベーターが元の場所に付き、外に出た時、戦闘をしている事を知った。
「!」
カイルは、後ろから感じた殺気に、反射的にブーストジャンプをした。そこを、黒いACのブレードがかすめた。
「外したか。」
その声に、カイルは聞き覚えがあった。
「その声、メイルか!」
そこには、一機のACがいた。
色は黒、フロート、コアはOB、武装はSAMURAI2のみ。だが、機動性は高い。
「死にぞこないのカイルですか。総帥を倒したようですが、遅かったですね。」
「何だと!?」
「もう、第一陣は、別の世界に時空転移装置と次元転移装置のデータを持って、行った後なのだよ。
お前達の行動は遅か・・・どわぁ!!」
メイルのACを誰かが切り裂いた。ACが爆発すると、後ろには、ハザードがいた。
「ハザード・・?」
ハザードから戦闘の続きをする為ではない、別の意思が感じ取れた。
「この奥に、時空転移装置がある。クライン、カイル、行くつもりだったんだろう?」
カイルは後ろを見ると、クラインのリベリウスがいた。
「ああ、私はそのつもりだ。」
「カイル、お前はどうだ?」
「・・・・初めはそうではなかったが、行くしかないか。世界は破壊させはしない。」
「・・・じゃ、行って来い。」
「ハザード、お前は来ないのか?」
「残った奴等に行った事をいう奴が必要だろう?それに、施設の破壊も必要だし、この機体では、足手まといだ。」
「ああ、じゃあ、頼む。」
カイルとクラインは奥に進んだ。
「必ず戻って来い。何年かかってもな。」
「分かっている。それまで、頼む。」
二人は奥へと消えていった。
「・・・出会いあれば別れあり、か。まさに、こんな時のために言葉だな。」
ハザードは全てを伝える為、部隊を倒し、中に突入しようとするシャウシュッツ達の元へと向かった。

「たぁぁぁ・・。」
「うぉぉぉ・・。」
二人のブレードが交差する。アルスターとゼロ、お互いに引かずに接近戦を繰り広げる。
「ちっ!」
アルスターは、ある賭けをして、ダガーをパージ。ゼロに投げる。
「何をするかと思えば。」
ゼロは以前の戦いで、バーストライフルを投げた後、後ろに回りこまれ、脚を切られ、撤退を余儀なくされた。
しかし、今回はそうは行かないと、避けたが、
「甘い!!」
アルスターは、バーストライフルの引き金を引いた。射線上には、ダガーがある。
「・・・まさか!!」
ゼロはダガーから離れようとしたが、遅かった。
弾がダガーに当たり、中に残っていたエネルギーに衝撃を与え、爆発を起こした。
爆発とは言っても、目くらまし程度で、ACに対して、ダメージは無い。しかし、アルスターにとって、これだけで十分だった。
アルスターは、機体を、目がまだちかちかしているゼロのラグナ・ブレイカーMK−Uに体当たりさせ、機体を転ばす。
転んだ所に、両腕を足で抑えた。そして、バーストライフルを向けた。
「終わりだ、ゼロ・・。」
「ふ・・・撃て・・。」
アルスターはそのまま引き金を引いた。コクピットに向けて。

「それでは、勝てんぞ、カタストロフ!」
「五月蝿い・・・。」
お互いにブレードが交差する。しかし、威力はシルバの方がでかく、押される。
「喰らえ!」
カウンターで至近距離からロケットを打ち込む。
「それでは勝てんぞ!」
シルバはパイルバンカーを右足に打ち込む。
「・・・・お前の負けだ。」
カタストロフは、左腕でシルバのクリムゾンウィンドを掴むと、ロケットを向けた。
「な・・・・!」
カタストロフはロケットを連射した。シルバのACは、ジェネレーターを破壊され、爆発した。
カタストロフは爆発に吹き飛ばされたが、何とか持ち直した。

「ふん!」
「負ける訳には行かない・・・!」
アヤとレミルは距離を取りながら、射撃武器で応戦する。
「ボイルの仇!!」
レミルは、怒りの声でエネルギースナイパーライフルを連射する。
「・・・怒りでは勝てないよ。」
アヤは、一機の後方に回り込む。
「うわぁぁぁー!!」
レミルは後ろを向くが、
「終わり!!」
アヤはブレードを振り下ろす。
「そんな!」
レミルは驚く。ブレードはヴァイスリッターの両腕を切り下ろした。更に、横に切り払った。
レミルのヴァイスリッターは、横に切られ、爆発を起こした。

「くぅ!!」
「負ける訳には!」
グランはフィンガーを連射したが、ブレイは攻撃を巧みに避ける。ブレイは、地上魚雷を発射しながら、隙を見る。
「このまま、死ねるか!」
グランはOBを起動。一気に突っ込んできた。ブレイは、肩の武装を破棄。グランを迎え撃つ。
「このままぁーーー!!」
「アサルト!!」
ブレイは交差する寸前でアサルトプログラムを起動。二機のACは交差、グランのヴァヴェルは粉々に吹き飛んだ。
その為、断末魔を聞くことは無かった。

「集まったか・・・。」
外に出た部隊を破壊したシャウシュッツ達は、合流ポイントにいた。
「補給部隊も来た。補給後、突入を・・・。」
「それは、しなくていい。」
通信機から声。レーダーにも反応。格納庫の方。見ると、右腕を失っているハザードのゼイブスが歩いてきた。
「ハザード!!」
アヤとカルトが構える。しかし、シャウシュッツが静止させる。
「どうして!?」
「今のハザードに俺達を相手にしている余裕は見えない。それ以前に、殺気が感じられない。」
「しなくていいとは、どういう意味ですか?」
シータが聞く。
「ここにはもう、部隊はいない。メイルの奴が独断で他の世界に部隊を送った。
カイルとクラインはそいつ等を追う為、装置に向かった。」
「なら・・・。」
「それ以前に、我々には、やるべき事がある。」
「やるべき事?」
「あの二人の帰ってくる場所を守る、という事だ。」
「・・・それしかないか。」
「まだ、俺達は完全に認めた訳ではない。それは・・・。」
「忘れん。だからこそ、俺は残った。」
ハザードを含めたメンバーは、輸送機に乗り、その場から離脱した。
ブレイのエターナルMK−Wは、もう必要無いと判断され、置いてかれた。

「これか・・・。」
そこには、かなりでかい機械があった。
「・・・これでいいか。ハザード、後は頼むぞ・・。」
「カイル、自爆装置の起動を確認した。行くぞ!」
「ああ、世界の崩壊は俺たちが止める。ハザード、戦闘の為に生まれた者にもできる、友情を、今、ここに示す!」

「基地が崩壊した。」
ハザードが呟いた時、基地の方角が騒がしかった。爆音だったと気づくのに、そう時間はかからなかった。
「ハザード・・・。」
シャウシュッツが話し掛けてきた。
「カイルとクライン、行ったのか?」
「ああ。だが、心配するな。」
「何故?」
「あいつ等は必ず戻ってくる。何年かかろうともな。」

この世界でのハザード社の戦いは終わった。
しかし、他の世界での二人の戦士とハザード社の部隊との戦いは始まったばかりである。
これで、戦いが終わったのかと聞かれれば、
答えはNO。
人の戦いは始まったばかりである。

世界の歴史を守る戦いから数日後。新たなるレイヴンの試験が始まろうとしていた。
「これより、作戦を確認する。目標は市街地を制圧している部隊の撃破。
この依頼を達成した時、君はレイヴンに認められる。この依頼に二度目は無い。必ず成功させる事だ。」
輸送機の後部が開く。
「機体を降下。試験を開始する!」
「了解。ハザード、出る。」
ここに、新たなるレイヴンの戦いが始まる。
作者:カイルさん