AC3SL:衛星砲破壊命令
「全く、何て依頼だと事・・・・。」
「愚痴はこぼさないで下さい。仕方ないでしょう、衛星砲の探索依頼を受けたのは貴方なんですから、受ける義務があります。」
「分かったよ、ハザード、出る。」
そう言うと、ハザードは衛星砲の中に入っていった。
話は、今日の朝にさかのぼる。
「ハザード、緊急の依頼です。オペレータールームまで来てください。」
以前にもこんな呼び出し方があったような、そう思いつつ、パイロットスーツを着ると、オペレータールームに向かった。
「来ましたね。今回は、ミラージュ社からの依頼です。
彼等は、今回の事件の引き金となった衛星砲の機能停止を考えました。今回の依頼では迅速な行動を宜しくお願いします。」
「どういう事だ?」
「現在、衛星砲はレイヤード上空にいるんです。」
「何!?」
「しかも、遠距離センサで調べた所、衛星砲の一次供給を完了しているそうです。」
「一人では辛いぞ。」
「それなら心配なく、アルスターさんとカタストロフさん、レオン君にゼロさんも行きますので。」
「それで、目標は?」
「ミラージュ社が調べた所、衛星砲に繋がるエネルギー増幅器を破壊すれば、機能を停止するそうです。」
「分かった、ゼイブスで打ち上げ基地まで行く。」
「気をつけて・・・・。」
「分かっている。」
「邪魔な連中だな。」
ハザードは、シータからせっかくだからと、受け取ったクライガンで可変MTを破壊する
「それにしても、なかなかいいな、この武器・・・。」
「そう言ってないで、早く。」
「分かっている。」
ジェノバの言葉に相槌を打ち、倒す必要の無いMTは無視して奥まで行った。
「ハザード、こちらからロックを解除します。それまで待機してください。」
「ちっ、分かったよ。」
「こちらアルスター、損傷率90%突破。すまない、離脱する。」
「こちらカタストロフ、弾切れだ。離脱する。」
「レヴァティーンとKOS−MOSの離脱を確認。」
「仕方ないか・・・ラスト!!」
残っていた砲台を破壊した。
「ドアのロックを解除、先に進んでください。」
ハザードは奥に進んだ。そこは、エネルギー増幅器のある部屋だった。
「ここか・・・・。」
「ハザードか・・・。」
見ると、ゼロとレオンが来た。
「大丈夫だったか。」
「何とかな・・・。」
「これより衛星砲に繋がるエネルギー増幅器を破壊する。」
レオンがオペレーターに告げる。
「時間がありません、急ぎましょう。」
「分かった。」
「ハザード、奥にACの反応があります。」
「何!?」
すると、奥からACが攻撃を仕掛けてきた。
「ミラージュの残した無人ACか、厄介な奴を!」
敵のマシンガンの攻撃を避けながら、クライガンで応戦する。
「レオン、ゼロ、こいつは俺が引きつける。その間にエネルギー増幅器を破壊しろ!!」
「いや、三人で集中攻撃する。そうすれば、全員無事になる確立が大きくなる。」
「そうですよ!!」
冷静なゼロとかなり強気なレオン。それはアセンにも現れていた。
レオンの機体、ブラックナイトは、色は黒で右腕は赤。コアタイプはエネルギー中型EO。
中二脚。武装は、右腕にパイルバンカー、左腕に高速マシンガン。
左肩に小型一発ミサイル、右肩にバーストミサイルを装備している。
パイルバンカーの扱いにかなり自信があるようだ。
「・・・・仕方ない、行くぞ!!」
三機は一斉に攻撃を仕掛ける。
しかし、敵ACは弾速を見切っているような動きで、こちらの攻撃を避ける。
「ちぃ!」
今度は、レーザーキャノンを連射。ハザードとレオンは避けたが、ゼロは左足に喰らい、歩行不能になった。
「しまった!!」
その隙を逃すまいと、レーザーキャノンを発射された。
「ここまでか・・・・。」
しかし、終わりではなかった。
レオンが前に立ち塞がったのである。
レーザーキャノンの弾は、レオンのブラックナイトに当たり、
コアにダメージを与え、後方に吹き飛ばされ、ゼロのラグナ・ブレイカーに当たる。
「だ・・・。」
その衝撃で、頭を打った。
その瞬間、ゼロは、記憶を取り戻した。
ハザード社の専属になった時、タイムハザード計画の事を知った時、アルスターと戦った時など、全ての記憶を。
「・・・ゼ・・ロ・・・。」
ゼロはハッとした。素早くブラックナイトに近づく。
「レオン、しっかりしろ!レオン!!」
「良かった・・・・無・・事だっ・・・たん・・・だ・・ね。」
「レオン、どうして・・・。」
「大・・・切な・・友達・・・を守・・・る・・・のは当然・・・・だろ・・う・・・。」
「どうして、こんな俺なんかを・・・。」
「・・・?」
「俺は、ハザード社の・・・。」
「もう良いだろう、ゼロ・・・。」
その言葉に顔を上げる。
見ると、無人ACは煙を上げて潰れていた。
「ハザード・・・・。」
「それはもう過去だ。今を考えて生きろ。俺は、そうして来たつもりだ。」
ハザードは、エネルギー増幅器の破壊に向かった。
「今を考えて生きろ、ですか。」
ゼロは、何かが吹っ切れた顔をして、
「レオンを連れて帰還します。怪我をしているので。」
「分かった。気を付けろ。」
「貴方も。」
ゼロは、レオンを連れ、元の通路を戻って行った。
その数秒後、エネルギー増幅器を破壊し、帰還した。
「衛星砲も失敗か・・・・。」
「こうなれば、我々が・・・。」
「駄目だ。無駄死にをする必要は無い。」
「しかし・・・。」
「衛生砲が破壊された以上、ここに奴等が来るのは時間の問題だな。」
「どうします。」
「例のクレーター部とオールドコートに残っている無人MTを配置。あいつ等を迎撃するんだ。」
「了解。」
気配が消える。
「我々の行為はもうすぐ終わる。ハザード、我々の意思を継ぐ者になるのだろうか・・・・。」
作者:カイルさん
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