サイドストーリー

AC3SL外伝:レオンのレイヴン奮闘記
「五秒前・・・。」
グローバル社がレイヴンに提供している寮で、一人の少年がテーブルに座り、時計を見ながら言った。
もうすぐ、時計は12時を指す。
テーブルには、昼食が並べられている。
「4,3,2、1・・。」
バァーン。
ゼロと言いかけた時、女性が一人、ドアを蹴り破り、入って来た。
「セーフだね、レジーナ姉ちゃん。」
顔は笑ってはいるが、瞳は笑ってはいない少年の顔面に女性の拳が飛ぶ。
ガン。
見事の少年にヒット。少年は、後ろに倒れる。
「五月蝿いよ、レオン。」
女性、レジーナは少年、レオンの前の席に座る。
「いきなり殴る事は無いでしょうが!!」
「気分よ、き・ぶ・ん。」
「気分で殴られたら、こっちの身が・・・・。」
カッ。
レオンの右の頬をテーブルに置いてあった箸がかすめ、壁に刺さる。
「何か言った?」
レジーナの目は、かなりの怒気が込められていた気がする。
「いえ、何も言ってません。」
「そう、なら良いわ。」
レジーナは、昼食を食べ始めた。レオンは、壁から箸を抜き、同じく食べ始めた。

「じゃ、行って来る。」
「行ってらっしゃい。」
レジーナは、出て行った。
ここまで見た人は分かったと思いますが、レジーナとは、ランカーレイヴンのレジーナで、地下世界でレイヴンになり、
今まで、依頼をこなしながら、父親を探している。
レオンは、レジーナの父親が何処かに行く前、養子と引き取られた。
「ふぅー、終了と。」
レオンは、皿洗いと洗濯を終えると、イスに座り、机のパソコンを起動。メールチェック。
「一件来てるな。何々・・・・えぇー!!!」
それを見た時、レオンは思わず仰け反り、イスからひっくり返った。内容は、
『貴方は、某レイヴンの推薦で試験を受ける権利を得ました。
試験を受ける場合は、承諾のメールを送ってください。グローバルコーテックスレイヴン試験管理局より。』
と、言う事だった。
(某レイヴンとは誰の事であろう。レジーナ姉ちゃん?その父親?)
疑問が生まれたが、とりあえずやってみようと思い、承諾のメールを送った。
それから、数分後。
ポーン。
メールの受信音。
レオンは、メールを確認。
レオンは、またも仰け反った。
『承諾を確認しました。試験は、明後日の午後2時。場所はレイヤードの元市街地で行います。
その為、明後日の1時にはグローバルコーテックスの格納庫へ来て下さい。担当オペレーター、エース。』
エース 世界の存続を賭けた戦いの後、グローバル社のオペレーターに移転。
新たなるレイヴンの試験時のオペレーターを務めている。
と、レジーナから聞いたからだ。
「まさか、あのエースさん・・・・?」
レオンは、一人呟いた。

「それでは、ACに乗ってくれ。」
長官らしい男の人の声で、僕達はACに乗り、輸送機に乗った。
達と言っても、たった四人で、二人一組で試験を行なうようになった。
確か、相手はゼロとか言ったな。
「どうも、今回は宜しく。」
レオンは、相棒のゼロに挨拶をした。
「・・・よろしく・・・。」
ゼロは、風のようにACに乗ってしまった。
「よう。」
声をかけられ、レオンは、ゆっくりとした速さで振り返る。
しかし、声の人物を見た直後、目が見開いた。
「エ、エ、エ、エースさん!?」
そう、エースであった。
「そんなに驚かなくても・・・・。」
「すみません。」
「それより、レジーナの弟だって聞いたけど?レオン君?」
「どう、どうしてそれを!?」
「だって、前レジーナが、『私のとこに可愛げのないくそ弟がいるんだ。名前はレオンって言うんだ。』って言ってたから。」
「あいつ・・・・。」
レオンは左手に拳を作っていた。
「それにしても・・・誰だろうな、某レイヴンって。」
その言葉に顔を上げる。
「知らないんですか!?」
「ああ、一昨日メールで、お前の事を推薦したい、ってメールが来て、それで採用したんだ。」
「そうですか・・・・。」
「それより、さあさあ乗った乗った。置いてかれるぞ。」
レオンは、急いでACに乗り、輸送機に入れた。

「・・・・で、合格したと。」
「・・・。」
レオンは黙って頷いた。
あの試験、輸送機から出た後、体が勝手に動くような感覚があり、
気が付いたら、敵MT部隊を瞬殺した。訳も分からず、合格した。
「ま、依頼であったら容赦はしないはよ。」
「こっちもだよ。」
「とりあえず、合格おめでとう。」
「ありがとう、姉ちゃん。」
レオンの奮闘記はまだ続きそうだ。

後書き
今回は、レオンのレイヴンになるまでの記録です。
いやー。ギャグを入れようとしたら、あんまり入んなかった。
楽しんでもらえばいいと思います。
作者:カイルさん