サイドストーリー

〜記憶の中へ〜(Memory into)
(ここは何処だ?)
カトルは空中に漂っている。
(あの工場は何だ?それに、ロボットみたいのが工場に入って行く・・・・)
どうやら、最初に目に入った光景、ロボットが工場に入って行くのが見えた。
カトルは工場には近づかずにただ見ていたら爆音とともに工場が燃えている。
(工場が爆発した!?あ・・・・、さっきのロボットが工場の爆発で何処かに飛んで行く・・・・)
カトルはそのロボットを追いかけた。

ガシャャン

ロボットは工場から五kmも飛ばされていた。乗っている人は即死だろう。

ブシュウーーー

ロボットの中から人が出てきた。

「つう、ここは何処だ?」
頭を摩りながらコックピットから降りてきた人がカトルにかなり似ていた。
(あ、あれは俺なのか?)
まるで、鏡を見ているのかのようだった。
「くそ、動かない・・・。歩いて行くか・・・」
そういうと、似てる人が、砂漠の中を無謀にも歩いて横断しようとしている。
(無茶をする人だな〜)
カトルは呆れながらため息をついた。

何時間歩いてるのだろうか?普通の人間だったら日射病にかかっているいるだろう。
「まだあるのか・・・・。町とか無いのか・・・・」
似てる人は額から垂れてくる汗を拭い払っている。
(愚痴を足れるほどこいつは元気だな・・・・。並じゃないな)

太陽がギラギラと照りつける。
さすがに、ばててきてるようだ。
「はあ、はあ、はあ・・・・・」
息が荒くなってきている。
(おい死ぬなよ・・・・)
「くそ・・・・頭がクラクラして来やがった・・・・」

バタ
その男はその場で倒れた。
「ナ、ナユキ・・・・・」
そういうとその男はそのまま気負失った。
(ナユキ?・・・・一体誰だよ!?教えろよ!)
その問い掛けに似てる人は答えなかった。

突然、夢が覚めた。
「何なんだよ〜。あの夢は・・・・」

トントン

「カトル、起きてるか?」
マサキは扉に声をかけた。
「はい、今起きたばかりです」
そういうと、一つ大きなあくびををした。
「そうか、それじゃあ朝飯食ったら着替えて外で待ってるからこいよ」
そう言い終わるとマサキは階段から降りた。
「はい、分かりました」
カトルはマサキに聞こえるか聞こえないかの返事をした。
「それじゃあ、着替えるとするか」
ゴソゴソゴソ
「これってマサキさんの御下がりだな・・・・」
その服はカトルより一回り大きかったらしくだぶだぶだった。
カトルは部屋から出て、キッチンに行く途中、マイと鉢合わせした。
「おはよう、マイ」
寝ぼけ眼を擦りながら、マイに挨拶をした。
「・・・・おはよう」
マイはカトルの視線に目を逸らして言った。
「何処か行くのか?」
マイの服装が私服とは違う物だとカトルは気付いた。
「・・・・・学校・・・」
呟く様にマイは言った。
「ふうん、そうか勉強頑張れよ」
「言われなくても頑張ってる・・・・」
そして、話が終わると、カトルは足早に台所に向かった。
「おお、今日はカレーか」
昨日もカレーだったのを忘れているカトル。

バクバクバク

「よし、食い終わった」
カトルは、歯をみがき、急いで玄関から外に出た。
「カトル遅いぞ何分待ったと思うんだ」
腕時計を指で叩きながら怒っているマサキが立っていた。
「まあまあ、細かいことは後にして、それで何か用ですか?」
カトルはさり気無く話を変えた。
「ああ、カトルがこの町に来るまでの道のりを辿ろうかと思ってな。カトルはどうする?」
その問い掛けにカトルは、
「あ、はい俺自身、何処から来たのか知りたいです」
一刻も早く自分が何者であるか知りたいカトルは少し大きな声を出して言った。
「よし、それなら決定だな。早く車に乗れよ」
マサキは4WDの運転席に座った。
「あ、はい」
ガチャ バタン
カトルはそそくさと助手席に座った。
「それじゃあ、出発進行!!」

ブォォン

勢いよく車が走り出した。

町を出てから数時間経つだろうか・・・・。
「確かここら辺で倒れてたんだよな?」
マサキは辺りを見回しながら運転をしている。
「さあ、記憶がないもので・・・」
もうろうとしていた意識で覚えているはずがない。
「それなら、もうちょっと先に行ってみるか」
マサキはアクセルを踏んだ。

ブォォォン

少し行った先にマサキが何かを見つけた。
「なあ、あれなんだと思う?」
マサキが指差す方には何かが埋まっていた。
「もうちょっと近づいて見ましょう」
二人は好奇心で近付いた。

車を近くに止めて二人は見て確認した。
「おい・・・。これってまさかACだよな?」
マサキはACを見ながらカトルに言った。
「ACって何ですか?」
初めて聞く言葉にカトルはマサキに問い掛けた。
「レイヴンが乗っている物だ。しかし、これが何で此処にあるんだ?」
マサキはACに近付く。
「コックピットの中も見るか」
手馴れた手付きで何かのボタンを押した。

プシュウーーー

「すげえ・・・・。コックピットの中ってこうなってるのか。これ売ったら大金がもらえそうだな」
中は最新鋭のモニターなどがあった。
「このボタン何でしょうかね?」
カトルがボタンを押そうとしている。
「カトルむやみに触るなよ!」
マサキはカトルに忠告した。
「え?」
ポチ
「すいません、押しちゃいました」
ウィィィン
「あああ、何てこった!!爆発するぞ!!」
マサキはカトルを置き去りにしてACから離れた。

[システム起動します]

「ふう、良かった。自爆スイッチじゃなくて・・・・」
マサキはほっとした。
「僕を置いて逃げるだなんて酷過ぎですよ!!」
カトルは泣きそうにマサキを睨み付けた。
「悪い悪い、逃げ足だけは速いんだ」
マサキは頭を掻きながら謝罪をした。

ピコンピコンピコン

「今度は何だよ!?」
カトルは怒りながらコンピュータに言った。
[こちらに向かってくると思われる反応を感知しました。偵察用MTのようです]
「どうも、ご丁寧な解説有り難う、ってマサキさんやばいですよ!!早くここから逃げないと」
カトルは慌てて車の助手席に乗り込もうとした。
「いや、駄目だ!!このACは絶対持ち帰るぞ!」
マサキはカトルを睨み付けた。
「マサキさんは命とそのACどっちが大切なんですか!!」
カトルも負けずにマサキを睨み付けた。
「そりゃあ、やっぱりACだろう」
まるで、当たり前の事を言ってる様だった。
「そうこう言ってる間にMTがもうそこまで来てますよ!!」
レーダーを見なくても、肉眼でも少し見える位置にまでMTが来ていた。

ボボボボ
砂漠の砂を巻き上げながらMTの編隊がACに近付いてく。
「ふ〜ん、これがあのACか?」
一人の女性がモニターに映っているACを眺めている。
「はい鑑定の結果ではサンドロックだと出ました」
「少し壊れてるようだが?伍長」
少し怒りを雑じらせて女性が言った。
「それは分かりません。何かの爆発に巻き込まれたものでしょう」
「ふ、それにしてもあそこに居る一般市民は何だ?」
ぼんやりとしか見えないが人である事が判ったらしい。
「はあ、多分ですがオウルドタウンの市民ではないかと」
この近辺にある町と言えばオウルドタウンしかない。
「そうか、おいそこの市民聞こえるか?」
女性がカトルとマサキに話しかけた。
「聞こえるぞ」
マサキは大声で言った。
「我々は帝国軍の者だ。危害を加えたりはしないから早くこの場を去れ。もし言うことを聞かない場合はこの場で射殺だ。どっちがいい?」
MTが持っている銃の銃口が、マサキ達に向けられた。
「マサキさんもう帰りましょうよ」
マサキの服の袖を引っ張った。
「嫌だね。このACは俺達が最初に見つけたんだから俺達の物だ」
帝国軍のリーダー機に乗っている女性の問い掛けに大声で答えた。
「ふ、言う事を聞けば助かったものを・・・・さて死んでもらおうか」
カチャ
銃口がこちらに向けられた。
「く!やられて堪るか!」
マサキはACに乗り込んだ。
ウィィィン
「マサキさんどうするんですか!」
カトルもACに乗り込んだ。
「こうなったら倒すしかないだろ!」
「俺も戦います!」
二人はACの中で決意を決めた。
「ふ、そんなポンコツで倒されると思うのか?」
見下すかのように女性が微笑しながら言った。
「遣ってみなきゃ分からないだろ!」
レバーを上に押し上げた。
ガシャン
ACを立たせる事になんとか成功した。
「攻撃するのはどれだよ!わからね〜よ!!」
操縦などした事はないマサキは思考回路が爆発寸前だ。
「分からないのに乗ったんですか?」
カトルが後部座席から身を乗り出して言った。
「しょうがないだろ!成り行きだよ、成り行き」
どのボタンを押そうかマサキの目がきょろきょろしている。
「話してる場合じゃないだろう?君達」
女性が乗ったMTが近付いて来た。

ガシャャャン

二人が乗ったACがMTのタックルで倒れた。
「くそ!何してるんですかマサキさん!」
カトルは頭を摩りながら言った。
「・・・・・・・」
返事が無い。
「マサキさん?」
後部座席から身を乗り出してマサキの顔を見た。
「・・・・・・・・」
「気絶してるし!!しょうがないおれが操縦しなきゃ」
マサキを後部座席に座らせて、カトルは操縦席に座ったその時だった。
ドクン ドクン ドクン
「何だ?この感覚は・・・・・前に乗った時があるような」
心臓の鼓動がだんだん激しくなってきた。
「おや?どうしたんだい坊や達もう終わりかい?」
「・・・・・・」
応答しないカトル。
「びっくりして声が出ないのかい?」
馬鹿にした様な口振りで女性が言った。
「うるさい・・・・・」
カトルの言葉遣いに変化が表れた。
「何か言ったかい?」
もう一度、女性は聞き返す。
「貴様、ここは戦場だぞ・・・命取りになるぞ」
まるで戦場にいる兵士が言う事を言っている。
「一般市民が・・・・」
女性が喋っている時にとなりのMTが通信に割り込んだ。
「マコト少尉!!急がないとR・Oの奴等が来ます!!」
どうやら、敵対しているらしく他のMT達が周りを気にし始めた。
「そうかい、それじゃあ早く決着をつけるとするかい!!」
マコトと呼ばれた女性はそう言い終わると戦闘態勢に入った。
バシューーーン
リーダー拡散ミサイルを飛ばしてきた。
「ふ、そんな攻撃など!!」
カトルは手慣れた様にそのミサイルを避けた。
「初心者にしては動きがいいな」
そのマコトは少しばかり驚いている。
「ふ、俺はコイツと一心同体のようなものだからな」
「戯れ言を言うなーー!!」
バババババババババ
敵のMTがガトリングを連射する。
「それが本気か?」
驚く事に全ての弾が回避された。
そして、MTの横を風が通り過ぎた。

ザシュウ
「うっうわあーーー!!」
ズドーーン!
「く、くそ!寄るなーー!」
ガトリングを乱射し弾幕を張った。。
バババババ
「ふ、無駄弾し過ぎだな」
いとも簡単に回避して来る。
ザシュウ
風がMTの横を擦り抜けた。
「た、助けてくれ!!」
ズドーーン!
「さて、次はお前の番だ」
MTの残骸に目もくれずに最後に残ったリーダー機のMTに身構えた。
「ほー、あんた強いね。でも、私の方が強い!」
MTが拡散ミサイルを発射した。
バシューーーン
「その手はさっきやっただろ」
カトルは、たやすく回避をした。
「あまい!!」
MTがミサイルの陰に隠れていた。
「何!ミサイルに隠れていたのか!!」
カトルは驚いた。
「この距離からだとこのガトリングの弾が回避できないだろ?」
ババババババ
至近距離からの発砲はさすがに避けれなかった。
「痛!!」
機体の装甲に弾痕の跡が残る。
「ふふふふ、どうしたんだい?攻撃しないのかい?」
マコトはガトリングを連射している。
「ふ、お前の後ろを見てみろ」
カトルがマコトに忠告した。
「な、何!ミサイルだと!」
レーダーにミサイルが映っている。
ドンドンドン!!
「ぐ!」
マコトのMTにかなりのダメージを与えた。
ピピッ
「マコト少尉!!これ以上戦闘をしますとR・Oに見つかります!」
「ちっ!!しょうがない。名前だけ聞いといてやる」
マコトはカトルの名前を聞いてきた
「カトルだ。貴様は?」
質問した女性の名前をカトルが聞いた。
「私はマコトだ。また、戦える事を楽しみにしているぞ」
マコトはそう言い残すとブーストダッシュをしながら砂漠の中で消えた。
「マコトか・・・良い腕だった・・・また、お手合わせしたいものだな」

カトルは急いでオウルドタウンに戻った。
「おい・・・マサキ」
マサキの体を揺する。
「ん・・あ・・・ん?」
寝ぼけ眼を擦りながら上半身を起こした。
「ふぁーーよく寝た〜」
マサキは背伸びをした。
「ったく、マサキが起きないからここまで連れて来てやったんだ感謝しろよな」
「あ、そうだ!!あいつらは!それにあのACは?」
どうやらまだ覚えていたらしい。
「それなら、あいつらは撤退した。ACはあっちに置いてある」
カトルが指さす方向にACが置いてあった。
「おお、俺のACだーー!!」
ACを見て涙を流している。
「マサキ、それは俺のだ、記憶が戻ったしな」
そっけなくカトルが言った。
「良かったな、ってよくないぞ!!ACを高く売ろうとした俺の計画がーーー!!」
マサキの「AC売って金儲け」計画が全ておじゃんになった。
「大丈夫だ。その代わりにMTのパーツを拾った」
ACの隣りに無造作に積まれてあるMTの残骸を指さした。
「おお!!カトルよくやった!」
どうやら、MTにも目を付けていたらしい。
「お二人さん帰ってきたね」
何処からか、ルークが歩いて来た。
「ルークさん見てよこれ!MTのパーツだよ」
マサキはMTの残骸を指さした。
「ほ〜、すごいなどれどれ。こ、これは!!」
ルークは驚愕した。
「これは・・・・、帝国軍のエンブレムじゃないか!!」
ルークの顔が青ざめていった。
「一体帝国軍ってなんですか?」
マサキが質問した。
「簡単に言うと戦争好きの集団だ」
(本当に簡単に言ってる・・・)
マサキはそう思った。
「それと確かR・Oとか言ってたよな?カトル」
マサキはカトルに振り返った。
「ああ、言ってたな・・・」
あまり関心が無さそうにカトルが答えた。
「R・Oはな、反抗組織で、帝国のやり方を嫌っている集まりだ」
またまた簡単に言っているルーク。
「へぇ〜」
意味も分からずに納得するマサキ。
「お前らは疫病神だな・・・・帝国軍のMTを壊したとするとここらへんで戦争が起きるぞ」
「大丈夫!大丈夫!ばれやしないって、砂漠を渡らない限りこの町には来れないよ」
この町の周りには砂嵐が一年中起きていて、磁気荒らしなども頻繁に起きている。
「まあ、そうだな。ばれなければいいんだが・・・・・」
ルークは顎に手を当てた。
「それより、俺のACをしまう所はないか?」
「ああ、それなら俺の病院の後ろが森林になってるからそこに隠せ」
「ああ、分かった」


「大佐・・・・ロムス大佐」
「どうかしたか?伍長」
「敵のACの在りかを見つけました」
「そうか、よくやったぞ伍長。それで、場所は何処だ?」
「はい、それがオウルドタウンの中に在ります」
「ふ、町の中に隠すとな。伍長はそのまま待機していてくれ。私もすぐに向かう」
「はい了解しました」
ロムスと伍長の通信が切れた。
「よし、奇襲を行う、私と精鋭部隊のMDオーガー三機で出撃する。深夜11時に決行だ」
「はい、分かりました。すぐに用意をします」
「ふ、まさかマコト少尉が負けるとはな。私の相手に相応しいか試してやるか」
「大佐、用意が整いました」
「ああ、分かった今行く」
「ロムス発進する!!」
ボボボボボボボボホ
ACとMDが闇を引き裂いてゆく。
オウルドタウンの周りで起きていた砂嵐がいつの間にか止んでいた。
その日の夜空は満天の星のじゅうたんが敷き詰められている。
月明かりの下でオウルドタウンが静寂に包まれて神秘的な明かりを醸し出している。
明日を見ようとする人々が寝床に就いたのは月が雲に隠れた所だった。



カト言 
R・Oとは、反抗組織(Resistance  Organization)
MDとは、機械人形(Machine  Doll)
ふう、まだ沢山出てくるからね^^(出なくていいだろ!
焦らずゆっくりと〜考えよう― ―(何を考えるんだ!
記憶を取り戻したカトルの話だったかな?^^;(書いた本人が知らなくてどうするんだよ!
あと、新キャラ登場♪^^v

  ロムス・クラウゼン大佐 男
  マコト・サワタリ少尉  女
  
以上キャラ紹介でした。
新コーナー!! カトルの「ちょっと聞いてよ奥さん」のコーナー(ボツ×
それなら、カトルの愚痴垂れコーナー(採用〇
キャラが多すぎて困っている・・・- -;(誰を減らそうかなぁ〜♪
それじゃ、カトルに決定!!^^(主人公消滅の危機!?
※そんなはずはありませんので御気に為さらずに^^;(謝罪
作者:カトルさん