サイドストーリー

第二話 破滅の前触れ
四人は、着々と依頼をこなし、収入は、ほとんどAC用パーツに変えていき、
その度にアリーナに出場し今では、ランクCの中盤辺りまで腕を上げていた。
入社して1ヶ月半近くでこれだけランクを上げれたレイヴンは、そうそういなかった。
そしてある時、楚良の元に一通の依頼が来た。
「え〜と、何々。依頼内容は、下水場を占拠している生態生物を撃破か。必ず僚機をつけること。
う〜ん。まぁ金額的には、問題ないんだけどな。依頼内容の生態生物ってのがなんかなぁ・・・。」
「なにしてんだよ、楚良。お、依頼じゃん。う〜んと、必ず僚機をやとうこと。じゃあ俺が一緒に行ってやるよ。」
「ちょっと待てよ。まだ俺受けるなんて言ってねーぞ。」
「いいじゃん、いいじゃん。俺さぁ、今金欠なんだよ。とりあえず依頼受けないと食っていけないからさぁ。
頼む!受けてくれよ、その依頼。」
「わかったよ。そこまで頼まれちゃ、やるしかないか。じゃあ今日の午後3時にAC格納庫で。」
「ああ。サンキューな。助かったぜ。じゃあ後でな。」
二人は、依頼の準備のためそれぞれの行動に移った。
 
「ちゃんとACは、来るんだろうな?ミソラ。」
「はい。依頼を受諾したレイヴンが来ます。楚良と、サカタインダストリィというレイヴンです。
共に現在は、Cランクで停滞中。まだ入社して1ヶ月半だそうです。」
「なるほど。腕のいいレイヴンが、来るということか。どれほどのものか見せてもらおう。」
インフェルノは、すでに下水場の最深部で待機していた。それから1時間半後、二体のACが下水場にやって来た。
「うわ、臭そうな場所やなぁ。で?どうすりゃいいんだ?」
「とりあえず排水装置を探さないと。奥への扉のスイッチがショートしてる。ん?なんか横から出てきたぞ。」
「え?ホントだ!って、これ蜘蛛?これが生態生物か!?」
「そうみたいだな。撃破しよう!」    ダダダダダダダダダダダダダダダ
「そうだな。」    ドドドドドドドドドドドドドドド
楚良は、マシンガンを装備した軽量機体で、サカタインダストリィは、タンク系で、ガトリングが主体の機体だった。
「おらおらぁ!そんな弾当たらねーよ!食らえー!」    ダダダダダダダダダダ
「こっちは、片付いた。排水装置を探してくる。」
「任せた!こっちも終わり次第排水装置を探す。」
サカタインダストリィは、奥に向かって排水装置を探し始めた。少し進んだところに排水装置があった。
サカタインダストリィは、スイッチを押した。
「よし。水が引き出した。早くこっちに戻って来い。」
「了解って、タンクだとそんなに速く移動できないからちょっと待って。」
楚良は、サカタインダストリィが来てから扉を開けることにした。そして、扉を開けた。
その部屋には、さっきの生態生物の五倍はある同じ形をした蜘蛛のようなやつがいた。
それだけではない。いたるところにさっきと同じ蜘蛛が何十体も壁や、天井などに張り付いていた。
「なんだよ。この数。ありえねぇだろ。ってあぶねぇ!今の食らったらひとたまりもねぇじゃねぇか。
とりあえず俺が前方で囮になるからその間にあのでかいのを撃破してくれ。」
「わかった。おい、死ぬなよ。」
「当ったり前だろ?帰ったらパーっと飲もうぜ。さて、行くぜー!!おらおら!こっちこっちぃ!!」
楚良が前方に出たことによりほとんどのやつが楚良を集中攻撃しだした。
しかし、楚良は、その攻撃のほとんどを回避しつつ、小さい蜘蛛を撃破していった。
「あと少しででかいのを撃破出来そうだ。耐えてくれ、楚良。」
「ああ。まだまだいけるぜ!」
その時楚良が、大型エネルギーキャノンを回避したとき後ろにいたサカタインダストリィにそのエネルギーキャノンが直撃した。
「うわぁぁぁー!」
「おい!大丈夫か?おい。」
「ああ。なんとか。タンクじゃなかったらあの世行きだったかも。それよりあのでっかいのは、何とかなったのか?」
「ああ。オーバーヒートで倒したが。とりあえず帰還しよう。おい、リアン。これから帰還するが、病院の手配をたのむ。」
「わっかたわ。輸送機は、もう向かわせてあるから帰還してください。」
二人は、入ってきた入り口へ向かって、出ようとした。
「ゲートロック、解除不能。」
「なんだと?リアン。どうなってるんだ?」
「いえ、故障ではありません。これは、外部からのジャミング!?」
「その通りさ。俺は、グローバルを待っていたのだよ。しかし、派手にやられたもんだなぁ。
おまえらを帰すわけには、いかないんだよ。ここでおまえらの力を見せてくれ。この俺に!」
「おまえがこの扉をロックしているのか?だった早く開けろ。俺たちは、急いでるんだ。」
「仲間が死にかけてるもんなぁ。だったら俺に勝ってからにしろ。」
「インフェルノ。契約が違います。あなたは、ここでグローバルの強さを見るだけです。
戦闘行為は、禁止されています。あなたは、直ちに帰還してください。」
「おまえは、誰に口を聞いているんだ。ミソラ。俺は、誰の指図も受けん!黙ってろ。」
「おい、サカタインダストリィ。ちょっとの間我慢していてくれ。やつを撃破する。
どこのレイヴンかは、知らんが、じゃまをしてくるからな。いくぞぉ!」
「待って、楚良。戦ってはダメ。か、彼は、私の記憶が正しければ彼は、グローバルの伝説と言われたレイヴン、インフェルノ。
あなたが戦っても勝てるわけがない。だから、別のルートで逃げて!」
「逃げるったて・・・。なぁリアン。緊急発令ボタンを押してからここに仲間が来るまでどのぐらいかかる?」
「どのぐらいって、10分ぐらいだけど。あなたまさか。」
「そうさ。このまま逃げたって、サカタインダストリィが逃げ切れるわけがない。なら、それまで時間を稼ぐさ!」
楚良は、緊急発令ボタンを押した。
「正気?来るまででも、あなたが耐え切れるわけないじゃない。」
「ゴメンな、リアン。でも仲間を見捨てるわけには、いかないんだ。いくぞぉ!!インフェルノ!」
「ふん。おまえの強さを見せてくれ。」
二人の戦いが今、始まった。
作者:テロメラーゼさん