サイドストーリー

OSL:運命
「皮肉だな、ブレイズ。」
グローバル社の寮。そこのブレイズの部屋に、マサキとブレイズがいた
「お前を追って、幼馴染がレイヴンになるなど。」
「他人事のように言うか。」
「実際、他人だ。」
多少の沈黙が流れる。
「・・・・・で、何のようだ?皮肉を言いに来たなら帰ってくれ。」
「一つ確認をしにな。」
「確認?」
今まで、PCで何かをやっていたブレイズは、リビングにいるマサキを見る。
「話してないだろうな。」
「何を?」
「我々の事。そして、お前の正体についてだ。昨日来たんだろう?」
「言うわけ無いだろう。単なる昔話をしただけだ。」
「それならいいがな。」
マサキは、玄関に向かった。
「それと、もう一つ。」
「何だ?」
「オペレーションリストブレイク発動までには・・・・・・あれは完成する。」
「・・・・・・分かった。」
答えを聞き、マサキは出て行った。

あれから(調査の第一報告の事)三日が経った。
今のところ、基本的動きは無いが、
上位のフォグシャドウとシルバーフォックス、レボリューションを除いたレイヴンが専属になったという報告は来ていた。
それと、新人として、ミリィがレイヴンになった事。
これが一番厄介だった。ミリィはブレイズが今クレストとミラージュが敵視している
クローコンティクスの幹部である事は知らない。

その時、電話が鳴った。出ると、それは、オペレーターのエマからだった。
「ブレイズ、依頼が入りました。内容は、クレスト社の無人要塞への潜入調査。
潜入ミッションのため、敵に見つからないように、要塞の下水道から行ってもらいます。」
「何で無人要塞に下水道?」
「建設途中の排水を流していたようです。ここには、無人のMTが各所に設置されているようです。
見つからないように要塞に潜入。メインコンピューターまで行き、こちらが指定するデータを入手。
その後、派手に暴れて離脱してくれ、だそうです。」
「分かった。受けよう。承諾のサインを出しておいてくれ。」
「分かりました。」
そう言い残し、電話が切れた。
ブレイズは、パイロットスーツを着ると、格納庫へと向かった。

ブレイズのシャークルは、要塞の中に潜入していた。下水道は、無人MTを破壊しながら進んだので省略した。
「要塞内にはMTのほかにM砲台が設置されているようです。気をつけて。」
ブレイズは、機体を滑らすように動かした。
ブレイズのAC、シャークルは、中二脚、コアはOB、色は青。
武装は、ライフルとハルバード、デュアルミサイル、肩レーダーを装備していた。
ちなみに、M砲台とは、マシンガン砲台です。
「おっと。」
曲がり角で、二門のM砲台があり、危うく見つかる所だった。
ブレイズは、隙を見て砲台を破壊し、メインコンピュータールームまで進んだ。
入ると、そこには、ACがいた。
「敵ACを確認。ランカーACライジングです。」
それを聞いた時、ブレイズの顔が歪んだ。
「ミリィか・・・・・。」
「ブレイズなの!?」
ミリィのほうも驚いているようだ。
ミリィのAC、ライジングは中二脚、コアはOB、色は黄色。武装は、マシンガンと月光。
肩には、ミラージュ社が新開発した追加ブースターを装着していた。
「引いて、ブレイズ。」
「なぜ?」
「私は、あんたと戦いたくは無い。」
「そうか・・・・答えはこれだ。」
ブレイズは、ライフルを向けた。
「そう・・・・だけど!!」
その時、ブレイズはライフルの引き金を引いた。
弾は、ライジングの装甲を叩く。
「レイヴンは、依頼を達成する為には他のレイヴンを倒す時もある。それがこの時だ。」
「・・・・・分かったわ。もう何も聞かない。ブレイズ、あんたを倒し、コンピューターは守り抜く!!」
「そう、それがレイヴン。来い!!!」
二機は、右腕の武器を連射しながら間合いを取る。
ブレイズは、近くの柱に隠れる。
ここには、中央にメインコンピューターがあり、それを囲むように四本の柱が設置されているのである。
「マシンガンにライフルでは少々辛いな。」
そんな事を呟きながら、柱から出ると、ミサイルを発射した。
ライジングは、ブースターの出力を上げ、それを避ける。
しかし、それを予測していたブレイズは、後ろの回りこむと、ブースターを破壊した。
「くっ!!」
ミリィは、そのまま、うつ伏せで倒れる。ブレイズは、ライジングの右腕と左腕の人の肘にあたる個所を破壊した。
「・・・・・何で殺さないの?」
ブレイズは答えず、コンピューターのデータを回収し始めた。
「答えてよ!!」
「俺は・・・・・。」
データを回収し終えたブレイズは、出口で止まり、
「最低限の戦闘しかしない。」
そう言い残し、ブレイズは何処かに行ってしまった。

「ブレイズ、一つ報告したい事が。」
要塞で暴れ、来た輸送機に乗り込んだブレイズに、エマが話し掛けてきた。
「何だ?」
「コンピュータールームにいたレイヴンについてですが。」
「どうした?」
「あの後、行方不明になったそうです。」
「行方不明?」
「ACから出たところをクレスト社の研究員と共に何処かに行ったそうです。」
「どこからそれを?」
「マサキという人から電話がありました。それを伝えて欲しいと。」
「分かった。ありがとう。」
「はい・・・。」
エマは、奇妙に思いながら通信を切った。
今までブレイズは、自分に関しての情報以外に関心はなかったのである。しかし、今回は関心があった。
しかし、他人の事にあまり首を突っ込むのは良くないと思い、通信を切ったのである。
「・・・・・・・くそっ!!」
ブレイズは、エマが通信を切った後、手に拳を作り、それをコクピットの計器の無い部分に叩きつけた。
「クレスト社・・・・!!」
その時、通信が入った。エマからではなかった。
クローセンティクスの特殊周波数通信。
ブレイズは通信をつけた。
「ブレイズ、聞こえるか?」
相手は、マサキだった。
「何だ?」
「ミリィという幼馴染の件、残念だったな。」
「残念ですって!!」
「そこで、提案がある。」
「何です!」
「リストブレイクの時、クレスト社への襲撃作戦の指揮官を務めないか?」
「!?」
「別に嫌ならいいが、幼馴染を助けたくはないのか?」
「いや、やろう。」
「いいんだな。正体がばれても。」
「ああ、その後、クローセンティクスから抜けさせて構わない。」
「・・・・分かった。隊長に言っておく。」
「約束ですよ。」
それと同時に、エマから通信。
「ブレイズ、緊急の依頼です。」
「何だ?」
「ミラージュ社の本部ビルにクレスト社の勢力が攻め入っています。それを迎撃して欲しいとの事です。」
「分かった。承諾のサインを。」
「分かりました。」
輸送機は、ミラージュ社の本部ビルに動き始めた。
(約束だぞ、マサキ。)
心でそう思いながら、次の依頼に向かう。

次回
遂に作戦決行の日が近づいてきた。
ブレイズは、クレストの襲撃の指揮官になる。
しかし、オペレーションリストブレイクの詳細を隊員達は知らない。
クローセンティクスに集められた隊員達に語られるリストブレイクの内容とは?
そして、ブレイズ達は、この作戦に何を思うのか。
次回のOSLは『思い』をお送りいたします。お楽しみに。


後書き
二話目完成。
しかし、ネタがやばい。
何とか頑張ります。
では!!(つーか、短!!)
作者:カイルさん