サイドストーリー

第三章:親父の形見
あのミッションを終えてから三日たった。俺はずっとジュラスのことを考えていた。
そして「ダークコマンドーズ」の兄弟が言っていた。言葉も気になっていた。
俺は考え事をしながらレイブン達の暮らすマンションの廊下を歩いていた。

「なぜあいつらは俺たちが新人だと・・・・」

「ドカッ!!」

「いって〜な・・・おい貴様!!どこ見て歩いてんだ!!人間が歩いてんだぞ!!」

「(って俺も人間だっての)すいません。考え事してたもので。」

「な〜にが考えごとじゃ!!若いもんは考え事するもんじゃないわい!!」

「(なんだよこのじ〜さ・・・)」

「ボカッ!!」

「だれがじ〜さんじゃ!!このたわけ者が!!」

「(なんつ〜地獄み・・・)」

「バキッ!!」

「誰が地獄耳じゃ!!言おうとしたのわかっとるぞ。」

「そ、そんなすいません。別にイヤミで言おうとしたのではないんですけど。」

「謝るくらいだったら茶を御馳走せんか!!」

「は、はい。僕の部屋に案内します。」

「あたりまえじゃ!!」

(ランスロットの部屋)

「どうぞ。」

「ふむ。うまい茶だ。」

「ところで、あなたのお名前がまだでしたが、僕の名前は「ランスロット・トルネード」です。以後よろしくおねがいします。」

「・・・・あぁ、ワシか。ワシの名は「ウルフ・バーン」だ。」

「ウルフさんですか。つかなんでココのマンションに入れるんですか!?(管理人?)」

「マヌケッ!!ワシもレイブンじゃ!!だれが管理人じゃ!!管理はグローガルコーヘックスがしとる!!」

「グローバルコーテックスなんですけど・・・・・」

「やかましい!!人のミスにつけこむんじゃないわ!!」

「すいません。え・・・・・ちょっと待ってください・・・・あなたがレイブンですか!!??」

「文句あるのか!?これでもランクはC1じゃ!!」

「すごいですね。そのと・・・年代の方でそれだけの実力を持ってて現役だなんて。」

「まぁな・・・で、お前のランクは!?」

「E10・・・・」

「もしかして・・・お前ヘボい??」

「まだアリーナに登録しただけで、戦ってないんです。」

「そうか、はやくあがってこいよ!!」

「はい。ありがとうございます。」

「じゃ、ワシは帰るわ。しっかり腕磨けよ!!」

「あ、さようなら〜・・・・・」

「バカモン!!ここのマンションのドアはお前の指紋とパスワードが必要じゃろ〜が!!」

「あ、すぐあけます・・・・」

なんだかスゴイおじいさんだ。しかも現役だ。そう思いながら俺は晩飯の支度をしていた。

「いただきま〜・・・」

「ピコーンピコーン」

「あ、依頼のメールだ。」

俺のパソコンは依頼のメールがきた時だけにアラーム音がなる仕組みだ。

「内容はと・・・・」

 

発信者:不明  報酬:0

今日の夜11:45にアリーナにて勝負を申し込む。しっかりとACの整備をしてきたほうが身のためだ。
この勝負をするもしないもお前の勝手だが強くなりたければ来い。
逃げればお前はなんの価値もないレイブンとなるだろう。そのへんのことをよーく考えてみてくれ。
お前にとって良いか悪いかはわからんが、俺に勝てば褒美をやろう。
なおアリーナの使用に関して普通は許可がないと犯罪だが、許可されているので犯罪ではない。以上だ。

 

「許可までとってなんで俺と戦わなければならないんだ。しかも俺にとって良くも悪くもってどういうことだ・・・
まぁいいか、危険性はなさそうだし俺の実力を試すにはちょうどいい。受けてたってやる。」

「グラントさん!!」

「おう。ランスロット!!どうした??」

「・・・・・・・・・・・・・・・・ってなわけで、いまから整備を頼みます!!」

「もう整備は完了してるぜ!!いつでもカンペキだ!!それが俺様のモットーだ!!で、武装はどうする??」

「ライフルと高機動用ブレードに小型ロケットと六連発ミサイルでお願いします。」

(アリーナ会場 11:45)

「さて・・・きてみたものの相手は遅刻かぁ??」

「侵入者発見。敵迎撃無人MT出動」

「なにっ!?罠か!?まぁいいMT3体なら雑魚だ!!」

「ブィ〜ン!!バシュン!!バシュン!!」

「かたずいた・・・これが俺への勝負か??」

「そんなわけないだろう・・・」

「やっと出てきたか!!いくぞ!!」

「全力でこい!!さもなくば貴様は死ぬ!!」

「言われなくてもそうするさ!!」

「バシュン!!バシュン!!バシュン!!」

「ほう、中量級機体にライフル、ブレード、ミサイル、ロケットか・・・オールラウンドで、新人にしてはいい武装だ。
しかし決め手となる武器がないな・・・」

「ドゴーーン!!!!」

「ぐわぁっ・・・・なんだよ。今の衝撃は!!ダメージが25%を超えた!!一体なんなんだ!!」

「CWM-TITAN重量も重く弾数も4発だが・・・破壊力はどの武器にも負けない。」

「TITAN・・・だと・・・しかし、お前はいまので一発あと三発だ。よければなんとか・・・」

「いや・・・あと二発だ!!」

そのときすでに二発目のTITANがランスロットの後ろにせまっていた。

「なにっ!!TITANが後ろにっ!!くっ・・・」

「ドゴーーン!!」

「ふん・・・後ろからくらってはもう動けないだろう。」

「おれはそこまでヘボくないぜ!!」

「ブィーン!!!!ザシュッ!!!!」

「ぐほっ!!くっ・・・あの距離でどうやって避けた!!」

「オーバードブーストを利用してお前の上空に上がり間合いをとれば簡単だ!!こんどはこっちの番だ!!」

「はん!!じゃぁこんどこそTITANをくらってもらおうか!!」

「やれるもんならやってみろ!!おまえのそのドデカイミサイルもおわりだ!!」

「バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!」

俺の放った六連ミサイルとTITANがぶつかり合い大爆発をおこした。その煙でまわりの視界がわるくなった。

「ふん。所詮この程度の反撃しかできないのか。」

「これでもか!?よーく自分の後ろをみてみろよ!!」

「なにぃ!?ブレードでコアを後ろから切り裂いただと・・・・」

「たしかにおまえのミサイルは強いしかしその力に頼りすぎだ。それにその武器腕と小型自律機動機がなっていない。
しかし俺がうしろに回ったのにもきづか・・・」

「もういい。わかった。新人にここまで言われるなんて、C1としてなさけないわ。」

「C1って・・・まさか・・・ウルフさん!?」

「ははは、そうじゃ。あのメールを送ったのもな。」

「なんでですか!?」

「話せば長くなるが昔、俺はお前の親父と一緒に組んだことがある。」

「お、親父と!!??」

「お前の親父は当時こう言っていた。{もし俺の息子がレイブンになって会うことがあったらその時は頼む}」

「俺を頼むって・・・どういうことですか??」

「そのころ、つまり10年前この世界にある犯罪組織がある争いを招いた。
やつらは地下世界レイヤードを支配しようとたくらみ破壊活動を始めた。そしてついに恐ろしい兵器を作りだしてしまった。」

「おそろしい兵器??」

「大型破壊兵器「ティラノ」をつくりだしたのだ。」

「ティラノ・・・」

「三大企業はこいつを恐れ五人のレイブンを派遣したんだが、その中にお前の親父さんがいた。しかも部隊のリーダーとして。」

「親父が・・・親父はランクはなんだったんですか!?」

「A2だった。だれもが認めた強さだった。
そしてティラノと親父さん達の戦いは始まった・・・そのあとは俺も知らない・・・
「五人の勇気ある者達は命をかけて我々を救い、生涯を終えた。いまここに英雄としてたたえよう」
と伝えられているが、本当のところはどうだかしらん。
そしてあとでクレストの幹部が裏で「ティラノ」の作成に加わっていたことが判明した。
その五年後に反クレスト組織「ダークコマンドーズ」ができた。」

「そんなことがあったなんて・・・親父はもう・・・」

俺は絶望という感情を抑えられなくなっていた。
レイブンになって親父を超えようとおもっていたのにもうこの世にいないなんて・・・

「ランスロット・・・親父からの形見がワシのガレージにあるからあとでとりにこい。勝負はお前の勝ちだ。」

親父の形見・・・
作者:ランスロットさん