サイドストーリー

On the Guland 〜地上へ〜 (7) 開戦
ユニオン中枢データバンク
大型スクリーンの前にウィルがいる。そして大型スクリーンにクレストの中枢データバンク潜入ミッションの参加者が書かれていた
『本ミッション参加者 ロイヤルミスト ゼロ グランドチーフ ライン ジャッカル ワルキューレ ジェット 
フライングフィックス ヴィネ ストリートエネミー トラファルガー ミルキーウェイ イエローボート 
ツインヘッド エンデミオン アップルボーイ レジーナ キャストダウン テラ
なおデュークにはソフト面で協力を要請済み』
「ふむ、中々揃って来たなさてこのミッションを終ったあと一体何人ほど協力体制でいてくれるだろう」
一人大型スクリーンでたたずむウィルその時エレンが入ってきた
「何を考え込んでいるのですウィル?」
「別に考えているってことでもない、ただ何人が残るかと思ってね」
椅子に座ったまま答えるウィルそしてその側に来て話すエレン
「大丈夫ですよ、だからこそ彼女が目覚めたのでしょう?そして我々もまた目覚めたと…」
「ふふ、そうでしたね。どうやらがらにも無く弱気になっていたようです。
さてと、そろそろ時間ですね。ちゃんとグレンが指揮してくれれば良いんですがね。
残念な事に彼には、いや今のユニオン自体にイレギュラー要素が無い事ですね。」
「それでは、この作戦が終る頃いや、戻って来れたら始末しますか?」
「いや、その必要は無いよ。彼には立派な舞台を用意してあげましょう。
…彼は私のやり方に反感を覚えていますそのうちクレストに尻尾を振るなり保身の為管理者に密告するでしょう。
そんな彼が最も力を発揮できる舞台を用意してイレギュラー達の成長の糧と成って貰うまでです」
「なるほど、噛ませ犬にすると言う事ですか。確かに彼に相応しい最後になるでしょうね」
涼しげな面持でさらりと怖い事を言うウィルとエレン
そしてそのままウィルはエレンのほうに向き
「それよりも、私が意外だったのは…ブレイでしたか…彼が参加しなかったということですね。まあそれも仕方ないでしょう。」
「それは私もですよウィル。彼にはM・Gulasiasuの他のメンバー同様強いイレギュラー要素を感じたのですがね…
ああ、それとイレギュラー要素がありユニオンに協力体制を取るという者は資金を始め新規開発の武器なども援助する事に決定いたしました」
「ああ、確かグレンの実家のサラシナとか言う企業だったな。
てっきりキサラギに吸収された物と思っていたのですが意外としぶとかったですね18年前のあの時といい…
まあ良いでしょう。それなりに強い武器やスポンサーがあれば彼らも動きやすくなります。それに彼らなら犬にならずに済むでしょうし。
サラシナを始めとする企業の始末は彼等が地上に出れたらそのときに任せましょう。
あっ、でも今まだ新兵器等の贈答をおこなう相手は確実にイレギュラーとして管理者の元に向かってくれる者
…デュークとヴィネこの二人のみにしといてください。」
「彼らは大丈夫なのですか?」
「忘れたのかいエレン?彼らはこの前私たちが起きた時に起っていた事件のときの彼らだよ」
「事件というと…マクシム=スティンガー事件の事ですか?」
「ああ、彼らはあの時のしかも一番肝心だった第4実験の実験に使われた子供達だ」
「でもそれを言うならラインもあの事件の被害者では?」
「ああ、確かにそうだが言っただろ?第4実験の被害者って、
それが肝心なんだよラインは第一実験の被害者であるが肝心なのは第四実験の内容だよ」
さまざまな感情が混ざったような表情で答えるウィル
「あの時も聞く事が出来なかったのですが第4実験とは一体どういう内容だったのですか?」
珍しく興味心身で聞くエレン
「……ふむ、とりあえず悪魔の実験だったとでも言っとくよ。
ああ、それと彼らはこのことを知らない決して教えないように。これは命令だ」
「解りました。このことは聞かなかった事にしましょう。それではそろそろ作戦開始時間になりますから…」
そう言いながら席を立ち出口に向かっていくその背に向かってウィルが言う
「あ、そうそう今回のミッション内容と、その特性から機体から降りての戦いも想定される。彼らにそう伝えておく様に」

クレスト襲撃班およびクレスト潜入班集合場所  
襲撃班グランドチーフ ジャッカル ワルキューレ ヴィネ ミルキーウェイ エンデミオン アップルボーイ キャストダウン テラ 
潜入班ロイヤルミスト ゼロ ライン ジェット フライングフィックス ストリートエネミー
   トラファルガー イエローボート ツインヘッドW&B レジーナ
前日にそう言い渡され皆それのための準備をしている。
最もレジーナはゼロの戦い方を見たいがため最初襲撃を言い渡されていたのだが頼み込んで潜入班に組み込んでもらっていた
「さてと、そろそろ襲撃班、潜入班準備してくれ。襲撃班はなるべく派手に敵を引き付けてくれよ。」
そう言いながらグレンが入ってくる
「「了解した」」
そしてクレスト襲撃班、潜入班の準備が整い任務が開始される

クレスト本社付近
「よし、時刻1400これより作戦名『百花繚乱』開始する。潜入部隊は花火が上がれば潜ってくれ」
「了解」
グレンの指示が飛びそれに了解するなおグレン自体はこの作戦を任務内容のみの説明などの参加でしか無い
そしてミッションが…ユニオンが始めて表立って出て来た管理者に対する戦いが…開始された
クレストのMT部隊が不穏な動きに感づき出てくるしかし、もはや動き出した作戦を止める事は出来なかった
グランドチーフの、ヴィネの、アップルボーイの、キャストダウンのミサイルがクレスト本部ビルに降り注ぐ
そしてそれに合わしてジャッカルのグレネードが、テラのカラサワがMT出入り口に襲い掛かるそれによりゲートが崩壊する
幸いクレストのMT出入り口は複数ありそれによりMTは他の出口から出てくる事が出来た

クレストからの通信が入っている、まあ入ってきたというほうが正しいのかもしれないが
『ユニオンからの襲撃だ!!至急レイブンを呼び寄せろ、うちについているもの全員だ!
 繰り返すユニオンから襲撃数は10近く至急所属レイブンを呼び寄せろ』
『相手が相手だ、この際ミラージュにも増援を頼む。グローバルコーティックスにも緊急依頼を出せ!!』
『第壱ギボン大隊出撃準備完了、第参スタータム大隊出撃準備完了。第参拾五特殊機動大隊エクスタファー隊あと二分で出撃準備完了』
『遅い!!後一分で出せ、それ以外にも第八ガルバリー大隊、第参拾弐特殊機動大隊ブルーオスプリー隊出撃させろ』
『ミラージュ部隊第弐十壱特殊装甲部隊ブリューク大隊があと二分で到着』
『よし、ユニオンめ、今ここで一気に叩くわれら企業に逆らうとどうなるか教えてやれ』
『どうせ、レイブンたちを叩いてもどうにもならんしかし、指揮官はユニオンのしかもかなり上部の人間だろう。指揮系統の中枢を割り出せ」

大量のギボンとスタータムが出てくる
「おい、そろそろクレストからエクスタファー隊が出される。その前に花火を上げろ」
グレンからの通信が入る
「了解」
それとともにグランドチーフから大型ミサイルが発射されるそしてそれはクレストの本社ビルに直撃とてつもない閃光があたりを包む
その光はクレスト本社ビルを包み込む衝撃波と爆音があたりを包むその爆風にACですら吹き飛ばされそうになる
「さすがはクレスト、腐っていても大企業か…」
グレンがぼやくその瞳にはてっきりこの衝撃で崩壊したかと思われた本社ビルが残っていたのだ
しかしクレストも万が一のためを想定して大型ミサイルにも耐えれる設計をしていたのだが
まさか混戦になりつつある状況で放つとは予測できず指揮系統が混乱し始めていた
『こちら第八バルガリー大隊。一体何だ、何が起ったのだ!?皆吹き飛ばされてしまったぞ!!おい、聞こえているのか!』
『第一ゲートが封鎖、何をしている、急いでくれ!!。こっ…閉じ……れている。おい、二次…さい………で……きゅ…援……』 
『指令本……答を!応答…て……れ!!』
『何を…て…る、消……部隊を早……!!』
一気にクレストの作戦本部は混乱状態となる
「よし、花火は上がった皆もぐりこめ」
ユニオンの作戦とはこの混乱に乗じてクレストの本部ビルに乗り込むものだった
「これより俺は、潜入班のオペレーティングにつく。襲撃班は各機攻撃して時間を稼げ」
「「了解」」

ユニオン本部コンピュータールーム
「デューク、これより潜入が開始されました。私たちは潜入班を援護する為クレストの防衛システムに仕掛けます」
コンピュータルーム中央のマザーコンピュータのもとに座りながらエレンそしてその隣にデュークが座る
「了解した、しかし一つ聞きたい何故、俺がクレストに仕掛けなければならない?」
「ふふ、この前ユニオンに仕掛けてくれたじゃないですか。確かにあんまり説明が無かったのは謝ります。
ですがその代わりにACの費用を受け持つと言っているのですよ」
「気付かれていたとはな、まあ良いそれにしてもたいしたスキルだな。だがそれほどまでのスキルが有れば一人で仕掛けられるだろ」
「お褒めいただき光栄です。ですが実際の所プログラミングや追跡に関しては私のほうが上ですがハッキングなら貴方のほうが上ですから」
「わかったよ。でっ、何をばら撒くんだ?」
「このために作った特別製ですよ。そうですね、h-civとでも名づけますか」
そのコードを見て思わず口笛を吹く
「ワァオ、こいつは凄い。セキュリティーシステムや対ウイルスシステムに寄生し増殖するコンピュータ免疫不全ウイルス
 さらにこいつを改良したやつか…
ひとたび付着したら最後発症しリンクしてる物すべてに影響を及ぼしたあとで無い限り発見は不可能って言った所か」
「ええ、通称エレンウイルスといった所ですね。さてとそろそろ潜入班も行動を開始したようですし…」
そう言いインカムを着け潜入プログラムを開始する
「了解した。潜入開始…潜入成功…よし、ばら撒くぞ」
「セキュリティシステムに異常を確認、作戦成功です。後は足跡を消して終わりですね」
「ああ、ご苦労さん」

クレスト本部ビル地下ゲート
グレンから通信が入ってくる
『ロイヤルミスト、イエローボート、ツインヘッドW&Bあんたら4人は1班として第三ゲートより侵入してくれ、
ジェット、フライングフィックス、ストリートエネミーあんたら3人は2班として第五ゲートより侵入
ライン、トラファルガーあんた等は3班として第六ゲートより侵入、ゼロ、レジーナは4班として第八ゲートより侵入
なお中枢に早くたどり着き動力炉を破壊できた者には特別報酬を用意している』
それぞれが指定されたゲートから入っていく
各ゲートからエレベータで降りてる最中ロイヤルミストから通信が入ってくる
「こちらロイヤルミスト、潜入先がクレストの本部という事からしてこの先何が有るかわからん。
各自高ランクレイブンが指揮をして小隊行動を取ろう」
それに同意するようにラインからも通信が入ってくる
「ああ、そうだな。その意見に賛成だそれとおそらく地下に潜るとおそらく無線での会話も出来ないだろうし
出来たとしても盗聴されると思って間違いない各機無線を切りスキンシップで会話をするように」
スキンシップの会話特殊状況下で無線などが使えない場合など相手の機体に触れてその振動で会話する方法である
当然触れ合っていなければ会話する事も出来ないが盗聴などされることが無いため潜入するときなどによく使われていた
更にラインが通信を入れる
「おい、ゼロ聞いているか。ロイヤルミストやジェットはともかくとしてお前、勝手に一人で先先行くなよ。
多分彼女は潜入ミッションはこれが初めてだろう」
「…知らん、向うが着いて来れば済む話だろ…」
「あのなぁ…」
「私、頑張ります!」
レジーナまで会話に加わり更にジェットも
「ははは、まあ如何するかは、ともかくとして捕まったりしてこっちの情報を漏らされても困るからな。ちゃんとしろよゼロ」
「ちっ…解った」
そして地下に到着する。するとラインの予測どおり妨害電波が飛び交い無線が極めて近距離で無いと使えない状況になった

クレスト本部ビル襲撃部隊
潜入部隊が地下に潜っていったあと先の大型ミサイルによる攻撃でクレスト1番2番4番7番ゲートが封鎖もとい崩壊していたがMTが大量に出て来た
最も半数以上が稼動不能な状況になっているため当初の予定よりは少ないが
「ちっ、こうも数が多いと厄介だな、タイタンを使うわけにもいかんしな」
「それを言うたらこっちかて同じやて、俺もグレネード使えねーし」
「どうやら俺のカラサワも使わんほうがよさそうだな」
そうなのだ彼らの武装は爆風を巻き起こすためまだ残っているゲートが封鎖してしまう可能性があるのだ
まだ、ジャッカルやグランドチーフはともかくとしてテラは悲惨である。彼はカラサワ一本にかけているのだから
そのときワルキューレから通信が入る
「グランドチーフ、テラ、貴方達はひとまず下がって潜入班が出て来たあとに使ってもらうわ。
それとジャッカル貴方は万が一後方から仕掛けられたときのために2,3名つれて後ろに回っといて
こっちでの主だった指揮は私とヴィネちゃんとで取るわ」
「解った、じゃあテラお前もこっちにき、後キャストダウンお前もこっちに…」
「解ったわ、じゃあミサイル系のみんな、ミサイル最後に使うから一連射分のこしといてね。
それとアップルボーイ君とエンデミオン君貴方達の連動ミサイルも取っといてね最後に使うから。」
「わかりましたヴィネさん」
「了解ですヴィネさん」
ちなみに余談であるがすでにヴィネもアリーナではかなりの人気となり第二のアリーナのアイドルとなっている。
公認のファンクラブは当然として
現在のアリーナのアイドルのファナティック、ミルキーウェイ、ワルキューレ、ヴィネでアイドルユニットを組まないかと
とある企業から言われた事も有るぐらいである。
さすがにこれはファナティックとミルキーウェイが反対して結成ならずだったが…
ワルキューレは面白がって結局ヴィネとワルキューレでコンビになったりもしている
挙句の果てには『写真集を出さないか』というような話も持ち掛けられたりした。さすがにこれはデュークが止めたが…
そして当然ながら新人の憧れの的になっていたりするそう言う面で見るならばヴィネは一番人気が有った
理由は簡単であるワルキューレ達は年齢的に20代後半以上一方ヴィネは21そして、新人達のだいたいの年齢はまあ例外もあるが16〜22歳の間だからだ
ジャッカルはキャストダウンとテラを引き連れ後方に回る
それとほぼ同時に増援がクレスト本社ビルから出てくるまだ出撃準備中でなんを逃れたブルーオスプリー隊とエクスタファー隊が出て来た
それを確認すると同時くらいにワルキューレから通信が入ってくる
「皆、気をつけてブルーオスプリーは地上に降ろすと強力なエネルギー砲を撃ってくるわ地上に降りるまでに迎撃して、
エクスタファーは知っていると思うけど大き目のボムを分離するからそれに気をつけてね。たとえACでもそれを喰らうとやばいわよ」
そう言いながら彼女はエクスタファーから分離されたボムを撃ち抜いて行く
「「了解」」

一方後方に回ったジャッカルたちだが後方に回るとすぐにミラージュからの増援部隊の攻撃を受けていた
「ったく、ミラージュはこっちの増援になるんじゃなかったのかよ!!」
「そんなにぼやいても仕方ないだろ。実際攻撃しているんだから」
「そうだ、そんなことよりもさっさと倒す事に専念しろ。気をつけないとこいつら厄介だぞ」
そう、ジャッカル、テラ、キャストダウンがぼやくそして彼等が戦っている部隊は姿が見えなかった
そう彼等が戦っているのは光学迷彩とステレスが施されたブリューナク隊である
「あいつ等に信用されて後方を任されたんだ。間違っても後ろを通すなよ」
「わかっていらぁ、それよりお前らこそ気をつけろよ」
そう言って彼らは見えない敵に向かって行った

クレスト本社ビル地下
一班
3番ゲートから地下に潜入途中小隊行動を取れとの通信があったときツインヘッドWには一つの考えがあった
そしてスキンシップで姉のBと会話する
「ねえさん、俺たちは別行動をしようよ。だってもし見つけたとしても追加報酬がこのままじゃあ1/4になってしまうよ」
「でも、おとーとよ、クレストの地下の構造がわかっていないし二人で行くのは危険よ。彼がいう通り小隊行動した方が安全よ」
「さてはねえさん、臆病風に吹かれたね。いいよ俺一人で行動するからでも追加報酬分けないよ」
そう言うと同時にエレベータのドアが開きツインヘッドWは飛び出していった
「待って!おとーとよ。一人だと危ないわ」
状況を察したロイヤルミストとイエローボートが追いかけようとしたツインヘッドBを止める
「待て、勝手な行動をすると死ぬぞ」
「そうよ、一人で行動するなんて、貴方の機体は耐久性が少ないんだから危険よ」
「でも、おとーとが…」
とこのようにまだWを探しにいこうとする
「ちっ、仕方あるまいな、安心しろ探してやるよ」
「ついでだからね」
「ごめんなさい…」

二班
5番ゲートから地下に潜ったジェット、フライングフィックス、ストリートエネミー彼らが出た所すぐに大広間があった
そして当然ながらそこには大量のMTがいた
「くそっ、大量に居やがるな」
「如何する、無視して突っ切るか?」
「片付けたほうが良いだろう、後からついてこられても厄介だし」
それぞれの意見を言う3人
「ああそうだな、とりあえず邪魔するやつをぶっ潰していこうぜ」
本来の目的を忘れてとりあえず敵を潰す事に専念する3人

三班
6番ゲートから地下に潜ったライン、トラファルガー彼らが出た所は地下廊下だった
「さてさて、どっちに行けばいいんだろうな」
どっちにいこうかと考え込むライン
「こっちだ、俺は一辺任務でクレスト内部の侵入者の撃破をやったことがある、
その時途中で厳重に保護されてる扉があった。場所から言ってそこがくさいと思わんか?」
そう言うトラファルガー
「なるほど、確かにくさいな」
トラファルガーの意見に同意して彼の先導のもとそのくさい部屋に向かっていく

四班
八番ゲートから地下に潜ったゼロとレジーナ
他の面々はゼロがレジーナを置いて勝手に行くことを予測していたがその予測に反し意外にもちゃんとレジーナとともに行動していた
しかしまったく問題が無いというわけでもなく止められている無線を堂々と使っている
「オペレータ、中枢はどの方角だ」
「ここから12時の方角ですが…何をする気ですか?」
それと同時に通信が切れる。まあゼロの場合いつもの事でさらにオペレータもそう言う性格だからなんら問題になっていないが…
「おい、正面の壁を撃ちぬけ」
レジーナに正面の壁を打ち抜くように指示を出す
「良いんですか?こんな事をして崩れたりしませんか?」
「大丈夫だ、崩れたところで下敷きにならない限り問題ない」
「解りました」
それとともにレジーナのグレネードライフルが火を噴く
そして壁が吹き飛ぶそれと同時にゼロが動き出す
突然の出来事で呆然とするその部屋にいたMTをゼロが切り裂いていく
「おい、さっさと片付けて先に行くぞ」
「はい」
レジーナは空中に浮いている浮遊メカをロケットで撃ち抜いて行く
「よし、この壁を撃ちぬけ」
そう言いゼロは正面の壁に近付く
そしてレジーナのグレネードライフルが火を噴く
そして吹き飛んだ壁から部屋を覗くと1班で小隊行動しているはずのツインヘッドWがたった一機で苦戦していた
「あんたはゼロか?ここの先がどうやら中央制御室のようだ!助けてくれ!!」
「…何をしている」
「見ての通り苦戦しているんだ助けてくれ!」
「小隊行動を取ってるはずだろ。」
そう言ってゼロはツインヘッドを無視して中央に通じる扉に向かっていく
「ってゼロさん!!良いんですか?ツインヘッドさんの機体ボロボロじゃないですか」
「任務内容は僚機の護衛ではなく制御室の破壊だろ」
「でも…」
「解った、どうせ制御室を破壊するのに一人で十分だ。お前はそいつを守っておれ」
「はい!解りましたありがとうございます」
「すまない…あんたは確かレジーナだったなありがとう」
ゼロは制御室に入りレジーナとツインヘッドWはMTを迎撃していく
しかしそれでも危険な状況でツインヘッドWは潜入している部隊を呼ぶためにピーコンを発信する
しかしそれはこの状況下では間違った行動だったのだ、
まだせめてベテランのレイブンがいたら止めていただろうがレジーナにそれを求めるには彼女はまだ若すぎた
確かにそのピーコンは味方に届き味方たちもこっちに向かってきたがそれ以上に敵MTがやってきたのだ
ギボンやエルビニオスが大量にやってくる
「うわぁ、このままじゃあ数が多すぎる。味方のレイブンは一体何をしているんだ」
「さっきのピーコンがまずかったんじゃないんですか?」
そう言いながらも二人とも撃破していくもののかなり被弾していってしまう
「きゃあ、っまだ私は大丈夫ですがそっちはどうですか」
「解りきっているような事をいちいち聞かないでくれ」
まだレジーナのほうはAPが3000ぐらい残っているがツインヘッドの方はすでにAPが1000を切り機体各所から火花が飛び散っている
その時通信が入る
「ツインヘッドWか、今の状況はどうだ、この場所からそっちに行くのに1〜2分ぐらいかかる」
「最悪だ、もうちょっと早くこれないか、このままじゃあ機体が持たない」
「ええ、ここに大量のMTがやってきていてこのままじゃあ2分も持たないと思います」
「あんたはレジーナか?何故そこにいる?」
「細かい事は後で言います、それよりも早く、お願いします」
ロイヤルミストから通信が入りそれに答えるツインヘッドWとレジーナ
「よし、わかったそちらに急行する」
「おとーとよ、大丈夫?すぐ向かうからね。レジーナさんおとーとをお願いします」
姉の方も通信に割り込んでくる
「姉さん、済まない」
「頑張ります」
それぞれが通信に対して返す
そして暫くして通路が開く
それと同時にツインヘッドBが入ってくるしかしその時彼女が見たものは…
「うわぁーー!!」
ギボンのブレードがツインヘッドWが操るACのコアに突き刺さる瞬間だった
ジェネレータにまでブレードが達したのだろうか機体が爆発する
「おとーとよ!!うわぁーー」
姉が絶叫する
「ちぃ、遅かったか。仕方ないな。で、レジーナなんであんたがここにいるんだ?」
「ゼロさんとともにここまで来たんです」
「で、肝心のゼロは?」
「制御室のほうにいきました、任務に無い事をする必要は無いといって」
そう答える声色は悲しみを含んだ物だった
「まあ、確かに正論だな、まあお前も良くやったよゼロが戻ってきたら先に脱出しろ」
その声色に気付きねぎらいの言葉をかけるロイヤルミスト

そしてその頃ジェットをはじめとする2班が通路側のドアからやってきた。
「ふう、やっと着いたな。どうやらもう1班のやつらに先越されたか」
「ったく、雑魚相手に向きになるからだよ」
「そうだぜ、ジェットわざわざ雑魚を全滅させる必要なんてあったのか?」
それと同時に反対側の壁が光り輝き融解するそして3班がやってきた。
「ちっ、遅かったか、全班揃っているな。もっと直線で来る必要があったな」
「そうだな、だがおれ達の場所が一番遠かったのだろう」
彼らは、ピーコンを確認次第ラインのリニアキャノンを使って一気にここまで道を作ったのだ
そしてゼロも制御室の方の扉から出て来た
「全員集まったか…まあ良い、中央制御室は破壊したさっさと戻るぞ」
そう言うゼロにたいしツインヘッドBが突っかかる
「何故、貴方もここでMTを倒してくれなかったの?貴方ほどの実力者がいればあるいは…」
「あいにくだが今回の任務内容は制御室の破壊だったそれに勝手に小隊行動から外れた方が悪い」
それでもまだツインヘッドBは突っかかろうとするそれをラインが止める
「冷たいように聞こえるかもしれんがゼロの方が正論だ。おれ達はレイブンで、この仕事に着いた時に死を覚悟していたはずだ」
それに対しジェットも言いたいことを言う
「それに小隊行動から外れた時点で死を覚悟していたんだろ。
ベテランの意見をきかんからそうなるって言うのに、まあ奴にも良い経験になっただろう」
その言葉に完璧にツインヘッドBは沈黙する
「ま、もし死体が回収できるようなら、回収してもかまわんが急いでくれよ。MT部隊が大量にこっちに来ているだろうからな」
「ジェットさんそれは言いすぎですよ」
とどめと言わんばかり言うジェットに対したしなめるレジーナ
それから結局ツインヘッドWの亡骸を回収し彼らは撤退した


クレスト本社付近
潜入部隊が任務をこなしようやく出て来た
「よし、潜入部隊が出て来たわ、みんな出し惜しみせずに使って」
その掛け声とともに多くのミサイルが打ち出されていく
それはさながらミサイルの弾幕のようだったそして、グランドチーフから大型ミサイルが再び放たれる
そしてそれが本社ビルに直撃し轟音が周囲を揺らす
「よし、今のうちに撤退するぞ」
その声とともに各機が混乱のさなかにあるクレストから撤退していく
このようにしてユニオンによる管理者に対する戦いの第一幕が終った
作者:権之輔さん