サイドストーリー

第五話 決戦の時
楚良が退院して二週間がたった。四人は、自分の考えた機体を巧みに使いこなし、Cランクの代表決定戦が行われようとしていた。
「楚良。今日は、勝たせてもらうからな。」
「臨むところだ、エクレール。だが俺は、負けないぜ。なぁ、オルテガ。俺とエクレール、どっちが勝つと思う?」
「ゴメン。今は、サカタインダストリィとの戦いをどう制覇するか考えてるんだ。また後でな。」
「いや、後って今から戦うんだけど・・・。」
「まぁ、いいや。おっと時間だ。じゃあ行ってくる。」
エクレールと楚良は、自分の機体に乗り込みドームへ向かった。観客席には、ガンナーとシリウスの時の様にほぼ満席だった。
「さぁ、始まりました。Cランク代表決定戦!この戦いで勝ち抜くものは、誰かぁ!
さて、第一回戦は、エクレールVS楚良です!第二回戦は、サカタインダストリィVSオルテガ!
この二つの戦いで勝った者が決勝に進めます!この四人は、入社して、二ヶ月程でここまで強くなった少し異例のレイヴンです!
誰が勝ってもおかしくない戦いになりそうです!では、時間がきました。両者共に準備が出来たようです。では、レディー・ゴー!!」
「こちらエクレール。カリオーペ、出る!」
「こちら楚良。士翼、出る!」
四人は、レイヴン試験からの友であったがこの時は、違った。
「手加減は、しないからな。本気で潰す!」
「へん!手加減してもらうつもりなんかさらさらね〜よ!」
楚良は、中量機体でやはりマシンガンを装備していて、全体的としたら重量機体に対しては、強さを誇る機体である。
一方エクレールは、重量機体で腕にも肩にもグレネードを装備していて、ほとんどの武器が一発逆転を狙った機体である。
二人とも攻撃をしつつも、やはりエクレールが不利である。
楚良は、マシンガンなどで着実にダメージを与えているが、
エクレールは、グレネードを撃って当てたとしてもリロード時間の内に楚良が近距離まで接近し、
マシンガンとブレードで攻撃を加えたらまた距離を取る、という行動を取っていたためダメージ的には、両者同じに近かった。
しかしエクレールが楚良をサイトから見失ってしまったスキを楚良は、見逃さずガトリングでグレネードを破壊した。
エクレールは、肩に武器を変えようとしたが楚良が発火ロケットでオーバーヒートさせ熱暴走でエクレールを破った。
「勝者、楚良!!」
アナウンサーが叫んだ。その後、楚良とエクレールの機体が収納されると、10分の休憩をはさんで第二回戦を行うことになった。
「くそぉ。おしかったなぁ。あそこで武器破壊されるとは、思わんかったな。。」
「ああ。俺もちょっとやばかったしな。グレネードでくるとは、聞いてたけどマジでくるとは、思わんかったで。」
「そうか?まぁ、次の試合、がんばれよ。」
「じゃあ、オルテガ達の試合でも見に行くか。」
二人は、AC格納庫を出て試合会場に向かった。二人が会場に入った時は、試合が始まっていた。
二人共重量機体でオルテガは、投てき銃、サカタインダストリィは、ガトリング。ともに正面からの打ち合いになった。
観客たちは、「ガトリングか投てき銃、どっちが強いんかんぁ」という疑問を口にしていた。戦いは、すぐに決着がついた。
サカタインダストリィのガトリングが勝った。しかしデストラクティヴ・ゴッドから火花が散っていた。
決勝は、昼食をはさんだ、一時間後に決まった。
「おまえらすごい戦いしたなぁ。」
「正面からの真っ向勝負。ガトリングか投てき銃かの試合になってたし。観客もそんなこと言ってたで。」
「まぁ、いいじゃん。とりあえずすごい戦いだんたんだから。ところでサカタインダストリィと楚良。
次の試合機体変えな無理ちゃう?とくにサカタインダストリィなんか火花まで散ってたし。」
「そやなぁ、まぁ別の機体でいっても一緒やねんけどな。それより弁当ってまだ来ないの?」
サカタインダストリィが楚良に聞いたときインターホォンが鳴った。
「弁当持ってきました!」
「はーい。やっとこれでメシにありつけるぜ。」
四人は、弁当を食べ、サカタインダストリィと楚良は、決勝戦の準備をしただした。そして決勝が始まった。
二人は、機体を自分の持てる力を出し切って戦った。結果としてサカタインダストリィが勝ったが、四人は、満足しているようだ。
「やっぱ、サカタインダストリィか。おまえのタンクでのテクは、半端じゃないからな。」
「ああ。それ言えてる。」
四人は、笑いながら今日の試合の話をしていた。その時、グローバル全員に一通のメールが来た。
“戦争の始まりまで後、7日”
このメールが来て数分したら放送がかかった。
「全レイヴンは、広場に集合せよ!」
作者:テロメラーゼさん