「オペレーションリストブレイクの実行まで、あと三日か。」
スネイカーが呟く。そこには、ブレイズ、アイラ、サラ、マサキのクローセンティクスのの幹部メンバーがいた。
ここは、レイヤードにあるクローセンティクス本部のスネイカーの部屋である。
「あれの開始が、世界の均衡を変える物になるか、それとも・・・・。」
「そのまま、か・・・・。」
アイラが沈痛な顔で呟く。
「しかし、やらなくてはならない。未来を守る為には。」
「ところでスネイカー、ここに呼んだ理由は何だ？」
今さっきから何も話さなかったマサキが話し掛けてきた。
「そうそう、隊長から、明日、リストブレイクの説明があるらしい。」
スネイカーが言う。
話しによると、リストブレイクの作戦内容を知っているのは、幹部クラスだけで、それ以外の下級クラスの隊員は、明日説明があるらしい。
「本当に、やるんだな・・・。」
「ま、その後は、企業が何とかするでしょ。」
「そうね。」
「幹部達は、リストブレイク発動に備えて休んどくように、だそうだ。」
「了解。」
「ブレイズ、マサキ。」
部屋から出ようとしていたブレイズとマサキをスネイカーが呼び止めた。
「マサキが言っていた、幼馴染を助ける為に、クレストの襲撃部隊の指揮官を変わるという事だが・・・・・。」
スネイカーは、机に座り、頬杖を付くと、
「『本来ならば許可は出来ないが、ブレイズの幼馴染が実験に関わっているようなら、特例的に許可しよう。』だそうだ。」
「そうか。分かった。」
「了解。」
二人は、出て行った。

「ブレイズ。」
部屋に戻る途中、マサキに呼び止められた。
「何です？」
「しくじるなよ。」
ブレイズは、無言で肯定する。
「必ずな。」
マサキは、そう言うと部屋に戻って行った。
「・・・・？」
ブレイズは、頭の上にハテナマークを浮かべたが、それはすぐ消え、ブレイズは部屋に戻って行った。

オペレーションリストブレイク
この、リストブレイクのリスト、ブレイクは、
リスト＝手首
ブレイク＝破損
という意味がある。
この、オペレーションリストブレイクは、各企業(人)の手首(兵器)を壊し、戦争をさせないようにすることが目的である。
作戦の最終目標は、各企業の新型ＡＣ、極秘兵器、可変型ＡＣの破壊。
できれば、各企業のすべての兵器を無くす。それにより、各企業が戦争を起こさせないようにする。
これが、オペレーションリストブレイクの作戦内容である。

オペレーションリストブレイク発動前日

ブレイズは、格納庫へと来ていた。
「おやっさん、アサッシンの調整はどう？」
そこには、一機のＡＣがいた。
ＡＣと言っても、普通のＡＣのパーツではなく、オリジナルのパーツが使われていた。
恐らく、中二脚、コアはＯＢ、色は黒。
武装は、肩の本来インサイドに使われる所に、予備を入れた片方に二本、計四本のブレードを装備している。
ブレードは、細い棒状で、威力は月光並である。更に、コアの腰部分にガトリング式ながら、弾を高速発射するマシンガンをつけている。
肩には、ミラージュ社の追加ブースターの出力を改造したカスタムブースターを装備している。
「万全じゃ。お前さんの注文通りの仕上がりなっているはずじゃ。」
「分かった。流石はおやっさん、仕事は速いね。」
「この位は朝飯前じゃ。」
「じゃ、機体のコンディションは万全にしといてくれよ。」
「分かっておるわ。」
ブレイズは、格納庫から出ると、自室に戻った。
戻ると、ベッドに倒れこむ。
「必ず、か・・・・分かっている。」
ブレイズは、ベッドに、座ると、
「クレスト社の新型の極秘兵器の破壊。そして、ミリィは必ず助ける。」

アイラは、施設の屋上にいた。
「あいつに、幼馴染がいたなんてね。」
アイラは、ブレイズと会ってからの日々を思い出した。
「所詮、叶わない恋かな・・・・。」
実は、アイラは、ブレイズに淡い恋心を抱いていたのである。
しかし、それは言えなかった。
ユニオンといた時から、ずっと二人は忙しかった。
喋る時間は、数分しかなかったから。
「この作戦が終わったら・・・・。」
アイラは、決心した。
「この気持ち、必ず伝えよう。」

マサキは、自室で、ＰＣを操作していた。
操作していたのは、クレスト社のマザーコンピューターへのハッキング。
「あいつ等、大きくなったよな・・・・・・。」
マサキは、ハッキングを止め、ＰＣを閉じると、コーヒーを入れた。
「あれから、もう十年か。」
マサキは、ブレイズとアイラ、サラにスネイカーと出会い、ユニオンを結成した。
まだあの時は、ブレイズとアイラは七歳。サラは、１？歳。(この時から、聞くと怒る)。スネイカーは、二十歳。マサキは、二十五歳。
皆、若かった。
しかし、マサキとブレイズには、人には言えない、秘密があった。
「この作戦の後、ブレイズは、どういう答えを出すのだろう。」
マサキは、そう言いながら、入れたての熱いコーヒーを飲んでいた。

サラとスネイカーは、隊員の作戦の説明が終わった、作戦会議室にいた。
あと、この二人は、一応兄弟である。歳は離れているが。
「サラ。」
「何？」
スネイカーは、会議室に前にある説明する人が座るイスに座った。
「この作戦の後、どうする？」
「私は、普通の生活に戻るわ。スネイカー、あなたは？」
「俺は、クローセンティクスの幹部として生きる。」
「どうして、クローセンティクスは解散させないの！？」
「もし、各企業の兵器が残り、再び戦争を起こしたら？」
「それは・・・・。」
「もし、破壊しても、再び現われる可能性がある・」
「・・・・・・・。」
「あるかは、分からないが、無いよりはマシだ。」
「確かに・・・・・。」
サラは、一息入れると、
「じゃ、頑張ってね。」
「ああ。」

そして、作戦の決行日、それぞれの思いを胸に、戦場へと出撃した。
もっとも、この時まで、この作戦が恐ろしい敵との戦いとは、知る良しもなかった・・・・・。
もっとも、ブレイズとマサキ以外は・・・・・・・。

次回
遂に始まったオペレーションリストブレイク。
しかし、その中で、暴走を始めた、
クレストの極秘兵器、Ｉ−ＣＦＦＦ−ＳＥＲＲＥ。
ミラージュの新型可変型ＡＣ、カルテッド。
キサラギの三機の新型ＡＣ、Ｉ−Ｃ００３−ＩＮ。
その兵器を止める為、ブレイズ達は立ち向かうが、窮地に陥ってしまう。
果たして彼らの運命は。
次回のＯＳＬは、『反乱』をお送りします。お楽しみに。

後書き
ふぅー。ようやく三話。大体五話くらいの予定です。
あと、これの話しで、ＡＩ研究者とか、別のレイヤードとかは無いです。
ＡＩは、各企業が独自で開発したシステム。
それぞれの機体は、元管理者から独自に入手した情報を元に作り上げた。
という事になっています。間違えないように。
あと、それぞれの性格と機体の説明。

ブレイズ
小さい頃、両親を殺された少年。
性格は、人に対しては素っ気無い態度を取るが、根は熱血漢。
機体は、アサッシン。
機体の詳細は、中二脚、コアはＯＢ、色は黒。
武装は、肩の本来インサイドに使われる所に、予備を入れた片方に二本、計四本のブレードを装備している。
ブレードは、細い棒状で、威力は月光並である。更に、コアの腰部分にガトリング式ながら、弾を高速発射するマシンガンをつけている。
肩には、ミラージュ社の追加ブースターの出力を改造したカスタムブースターを装備している。

アイラ
小さい頃、家出をして、マサキに拾われた少女。
性格は、かなりわがままな点はあるが、根は優しく、純粋な子。ブレイズに淡い恋心を持つ。
機体は、接近戦を重視したクリムゾンエッジ。
詳細は、軽二脚、コアはＯＢ、色は頭部とコア、脚部は白。両腕は赤。
武装は、武器腕のＳＡＭＵＲＡＩ２とインサイドにロックオン防止ロケット。
アセンを知りたい人は、SPOWKXXb100003ee02を見て下さい。

マサキ
元レイヴン。レイヴンを止めた時に、ブレイズとアイラを拾う。
性格は、無口で、感情は出さないが、本当は、仲間思いの優しき者。
機体は、あらゆる距離での攻撃を可能とした、クロスアンサー。
詳細は、中二脚、コアはＯＢ、色は、白と赤。
武装は、右腕にマシンガン、左腕にライフル。左肩に小型一連ミサイル、デュアルミサイルを装備している。
アセンを知りたい人は、SOmGKXXW10HITBiWC2を見て下さい。

サラ
スネイカーの妹。スネイカーと共に家出をして、偶然マサキと出会う。
性格は、普通。しかし、歳を聞かれると怒る。
機体は、アイラと同じように接近戦を重視したランスマスター。
詳細は、中二脚、コアはＯＢ、色は右腕は銀色、他は薄い黒。
武装は、右腕にパイルバンカー、左腕に実盾。
右肩に遠距離戦になった時の為、小型六連ミサイルと、左肩には３０発のオービットを装備している。
アセンを知りたい人は、IOS4KfXW10d4odjm03を見て下さい。

スネイカー
サラの兄。サラと共に家出をして、マサキと出会う。
性格は、普通に少々のひねくれを加えたような人。しかし、根は冷静沈着で、物事を良く見て行動する。
機体は、遠距離からの攻撃を重視した支援機、ハンティングマスター。
詳細は、逆間接。コアはＯＢ。色は、緑。
武装は、右腕に１００発のスナイパーライフル、左腕に射程重視のスナイパーライフル。両肩には、小型六連ミサイルを装備している。
アセンを知りたい人は、U8qwKfXd10WGelgW41を見て下さい。

ミリィ
ブレイズを引き取った家族の娘。ブレイズが家出をした後、必死になって探した。
性格は、言いたい事は、はっきりと言うタイプ。しかし、根は寂しがり屋。
機体は、バランスを考えたライジング。
詳細は、中二脚。コアはＯＢ。色は黄色。
武装は、マシンガンと月光。肩には追加ブースターを装備している。
アセンを知りたい人は、AOy4CXXW1JfnCNee00を見て下さい。

ナイト
次回に登場する、可変型ＡＣカルテッドを操作しているＡＩ。
詳しい内容は、次回のＳＳ後書きで。

長くなりました。ここまで見てくれた人に感謝します。