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旅立ちの序章
アード少佐、先日の奇襲での報告書です。』
『うむ……そうか彼等は失敗したか』
『詳しい事は分かりませんが、アースセイバーの新型ACにやられたようです。』
『アースセイバーのAC…か……』
宇宙空間に浮かぶ巨大な戦艦の中で１人、マスクの男が薄い笑みを浮かべていた……
「昨日はお母さんに散々怒られたでしょう。」
「うん……」
学校への通学路でジャスティとユネ・シーンが会話をしながら歩いている。
「何であんなとこに行ったのよ。殺されたんじゃないかって心配したんだから。」
「うん……」
「さっきからうんうんって…話聞いてる？」
「うん……」
「もう……」
ジャスティの耳にはユネの声は全く届いていなかった。
昨日の事で昨晩からずっと悩んでいるのだ。
（どうしようかな〜………）
ふとジャスティが立ち止まった。そこは先日彼が基地へとかけていった場所である。
「ジャスティ！！！！まだこりてないの！！もう行っちゃ駄目！！！！」
「分かってるよ！！もうあそこへは行かない……」
（やっぱりこのまま平和に暮らしていった方がいいよな……）
ジャスティは学校へ向かった。
そして授業がひと段落し、昼休みに入った。
「ジャスティ〜一緒に食べよ」
するといつも通りユネが昼食を誘いに来た。
僕たちはいつも学校の中庭でお昼にしている。
中庭には植物が植えてあり、空気がすんでいる。だから他の場所で食べるよりここの方がご飯がおいしい。
「いただきまーす。」
親のしつけからだろうか？ユネは食べるときこの言葉を欠かさない。
その後僕たちは平和な会話をしながら昼食を食べていた。
バゴーーーーーーーーーン！！！！！！
少しゆれたかと思ったその時、いきなり校舎が爆発した。
「キャーーーーーー！！！！！！！」
「な…何が起こったんだ！？」
ガラガラガラガラ
コンクリートの破片が崩れ落ちてくる。
その下にはユネが！！
「危ない！！！！！！」
とっさにジャスティはユネに覆いかぶさった。
周りが煙で覆われていく。その中ジをャスティはユネを背負いながら駆けていく。
その道中で
ガシュン
「こ…こいつら！！！！」
彼の目に飛び込んできたのは、昨日戦ったクスト軍のACであった。
がどうしようもなく、ユネを背負って近くのシェルターへ逃げ込んだ。
「ユネ！！ユネ！！！！！」
すると彼女は薄く眼を開け
「………ジャスティ…」
「しっかりしろ！！！今医者を呼んだからな。」
「ジャスティは…大丈夫…なの…」
「僕の事は気にするな！！！君のほうが心配だ！！」
するとユネは小さく微笑み
「よかった……」
そういって眼を閉じた。
「ユネ！！！！！おい！！！」
すると医者が駆けつけて聴診器をあてた
「…大丈夫、気を失ってるだけだ。命に別状は無い。」
それを聞いたジャスティはほっとため息をつき。
「あいつらめ……」
ジャスティはシェルターを抜け出し。昨日の基地へ向かった。
そして検問の前で
「先日お世話になったジャスティ・スーです。」
すると昨日会った司令官が来て。
「おお君か！！！やはり来てくれたか！！もう準備は出来ている。さあ来たまえ。」
そしてジャスティはコックピットに座り、機動スイッチを入れた。
ピピピ…ウィィィィィィィィィィィィン
音と共にACが立ち上がる。
（あいつらに眼に物見せてやる！！！！）
『ACアルガイン発進OK』
「いくぞ！！！！！」
昨日司令官からマニュアルを渡されて、もう操縦の方は彼にとってたやすい事だった。
『例の新型が出ました！！！！！！』
『出たか…ふふ………さぁ見せてもらおうか。アースのACの性能とやらを！！！！！！』
クストのACは３機。その内１機は他とは違い頭に角があり、機体が漆黒で覆われている。
「貴様らのせいでたくさんの人が傷ついたんだ！！！！！」
ズギューーーーーーーン！！！！！！
アルガインの持つ銃からエネルギー弾が放たれた。
がクストACはそれをいとも簡単に避けてしまった。
『俺が戦いってのを教えてやる！！！！！』
クストのACが１機アルガインに体当たりを食らわした。
ガキャッ！！！！！
アルガインは吹っ飛ばされ、木々をなぎ倒しながらやっとの事で止まった。
「く……くそっ！！！」
体勢を立て直し、敵のほうを向いた。とたんに銃弾が飛んでくる。
ズガガガガガガガガガガガガガガガ！！！！！！！！
「うわぁぁぁぁぁぁぁあああああああ！！！！！！！！」
全て直撃だった。
『ふん…手ごたえの無い奴だ。行きましょう少佐。』
その時だった。
ズキューーーーーーーン！！！！！！
煙の中から青い閃光がほとばしる。
見事にそれはクストACの胸を貫通した。そして爆破する事も無く機体はその場へ倒れこんだ。
『ダメージが無いだと……なんて装甲だ。』
「次はお前だ！！！！！」
ジャスティはもう１機のACのほうを見た。
『ディル、敵のデータは採れたか？』
『もう少しです。』
『よし…私が時間を稼ぐ。新型め…私が相手になろう！！！！！！』
黒いACがアルガインに迫った。
「来るのか！？」
アルガインは閃光を発射した。
『甘いな！！！』
それを避け、蹴りを放つ。
ゴキャ！！
「うわぁぁぁぁぁああああ！！！！」
『新型といえどパイロットが未熟すぎる！！！』
「こいつ！！！！」
アルガインはブレードを振った。が、そこにはもう姿が無く。
『ここだ！！』
ズガッ！！！！
上空からアルガインを踏みつけた。
その衝撃でジャスティはコックピットに身体を叩きつけられた。
気を失いそうになりながらも銃を撃った。
ズキュァァァアア！！！！
それはACの脚を貫通し、ACの脚は爆発した。
『く……味な真似を！！！！！』
ACはマシンガンを連射しながら後退した。
ズガガガガガガガガガガガガガ！！！！！！！！
「当たるものか！！！！」
アルガインはブーストを使って弾を全て避けた。
『そろそろ慣れてきたか……ディル！！データは取り終わったか？』
『今終わりました。』
『よし撤退する！！！！』
「今度こそ逃がすものか！！！！」
２機のACの後をアルガインが追う。
『この勝負次に預ける。』
黒いACは腰にあった物をアルガインに投げつけた。
当たると同時に煙幕が広がった。
「く…煙幕か…！！」
煙が晴れた時にはもうACは消えていた。
「お願いします！！僕をアースセイバーに入隊させてください。」
「分かった。ほんとにいいんだね？」
「はい！！！」
「ではジャスティ君、君をアースセイバーのACパイロットとして任命する。以後このグラムの全ての命令に従ってもらう。」
「はい！！これからよろしくお願いします。」
（もう決めたんだ。僕は奴らを倒す！！！！そして地球を救うんだ！！！！）
その後僕は司令官から事の詳細を聞き、明日この星から火星へ出撃する事を聞いた。
急な指示だったので驚いたが、もう迷っているわけには行かなかった。
そして僕はシェルターに戻りユネを家まで送り家へ帰った。
「ただいま〜」
「ジャスティ」
親に呼び止められ、そちらを向く。
「さっきアースセイバーの人から電話がきてね…」
僕は少しためらった後
「母さん僕はもう決めたんだ！！！だから…」
「ジャスティ！！！！」
言い終わる前に怒鳴られた。
「あなたが決めたことなんだから私に反対する気は無いの。あなたはあなたの道を歩みなさい」
「母さん……」
「でもこれだけは約束して。必ず生きて帰ってきてね……」
そう言うと母さんは僕に抱きついてきた。
僕はしっかりと母さんを抱えこう言った。
「心配しないで、僕はちゃんと帰ってくるから！！！！」
その夜、僕はユネにこの事を言おうか言わまいか考えていた。
（…だまって行こう。）
彼女に黙っていくのは悪いが、心配をかけたくない…
そして僕は眠りに付いた。
作者：エマイルさん
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