サイドストーリー

〜痛む心〜
ガシャァァン
ガレージにカトルのACが運ばれてきた。
「・・・・すごいね。修理するのに3日はかかるよぉ」
「すまない・・・・」
カトルはナユキに謝った。
「ちょちょいのちょいって終わらせるから安心してね」
「ああ・・・」
「そうそう、武装がかなり変わっているのに気づいた?」
「肩に付いていた武器の事だろ?」
「そうそう、あれはねヒートショーテルっていう武器なんだよ」
「ふ〜ん」
「それでバランサーの調節と、装甲の強化、レーダー性能の向上、速度がおちない為にブーストに少し改良を施したの。凄いでしょ?」
「そうか、それは助かる」
「あとね、あとね。ヒートショーテルはブレードの数十倍の威力で、両手装備して出撃できるけど射撃武器が使えないのが残念な所ね」
「大丈夫だ。接近戦は俺の得意分野だから気にするな」
「そういってくれるとうれしいよ。さすが、私のお婿さんになる男だけはあるね」
「勝手に決めるな・・・」
カトルは恥ずかしさのあまりその場から立ち去ろうとしたがナユキに質問をした。
「ジュンは、何処にいる?」
「医務室にいると思うよ」
「そうか、分かった」

カトルは、足早に医務室に向かった。

ガチャ

「よぉ、カトル大丈夫だったか?」
「ああ、何とかな。それよりお前は大丈夫なのか?」
「全然、元気だぜ!!」
ジュンは、いきおいよく腕を回す。
「そうか。それならいいんだ」
カトルは医務室から出ようとしてドアノブに手を伸ばした。
「カトル、俺の衣服もってきてくれないか?」
「ああ、持ってきてやる」
「サンキュー♪」

ガチャ

カトルは医務室を出て、ジュンの部屋に向かった。
カトルは部屋に入って、そこら辺にある衣服をもって、医務室に向かっていた。
「カトルさ〜ん」
「サユリか。何のようだ?」
「ジュンさんの見舞いにいってあげましたか?」
「いってやったが、元気そうだったぞ」
「そんなはずはないですよ。足の骨が全て折れているんですから、さぞかし辛いんでしょうね」
カトルは、それを聞いて驚いた。
(あいつ・・・・俺を不安にさせない為に・・・・)
「まさか、エースパイロットのジュンさんが怪我人として運ばれてくるんですから大型兵器のパイロットは強いんでしょうね?」
不安そうな顔をしてサユリが呟いた。
「・・・・・・・・・・・・そうだな」
カトルは、大型兵器のパイロットを知っていたがその場では言えなかった。
なぜなら、サユリの友達のマイが操縦していたなんてカトルには言えなかった。
大切な友達が、敵味方に分かれて戦っているのだから・・・・・・・。
しかし、それを受け止められる心をサユリは持っているとカトルは思った。
いつも明るく穏やかな彼女を見ているカトルにはそう見えた。
カトルは、決心した。
「サユリ」
「あ、はい。なんでしょうか?」
ニコニコしながら、カトルを見ている。
「何時でもいいから俺の部屋にきてくれないか?話があるんだ」
「いいですよ〜」
カトルはサユリと約束して、ジュンの所に向かった。


カトルは、色々な仕事を終わらせて部屋に戻った。
「くるか・・・・」
カトルは、サユリが来るかどうかで頭の中がいっぱいだった。
もし、こなかったら・・・・。

トントン

そう思っていた不安な気持ちが一瞬で消えた。
「どうぞ」
「カトルさん、来ましたよ」
「それで、話って何ですか?」
「その前に、いいか?」
「ええ、どうぞ」
「例えそれが事実だとしても、顔を背けないでくれ」
「????」
サユリは、カトルの意味不明な言葉に不思議そうな顔をした。

カトルは言ってしまった。
大型兵器にマイが乗っていることを・・・・・・。
それを、ニコニコしながら聞いていたサユリは少しずつ無表情になってきた。

「・・・・・」
「・・・・・・」
時間が刻々と過ぎていく。
最初に、口を開いたのはサユリからだった。
「あははーっ。マイが大型兵器のパイロットだったんですか。それは、驚きますね」
サユリは笑いながら話している。
「もしかすると、つぎにあったときは・・・・・殺すかもしれない」
カトルは一言呟いた。
「・・・・・しょうがないですよね。敵だから倒さなきゃいけませんもんね」
サユリも下を向きながら呟く。
「・・・・こういう場合はどうすればいいんでしょうかね?」
サユリは顔をあげてカトルに問いかけた。
「どうすることもできない」
「もしかすると、味方になってくれるかもしれませんよ?」
「ならなかったらどうする?」
今度は、サユリに問いかけた。
「・・・・・・・・」
サユリは何も言わない。
「味方にならなかったらどうするんだ?」
カトルは、もう一回言った。
サユリは、重い口を動かした。
「・・・・おねがいします。マイを・・・・助けてくれませんか?」
サユリは、下を向きながら言った。
カトルは無言になった。
「私じゃ、あの子を救えないけどカトルさん・・・貴方なら助けられるかもしれません」
「もし、救えなかったら駄目だったらどうするんだ?」
「そのときは・・・・・カトルさんに任せます」
「分かった・・・・・」
「あははーっ。何かとっても眠たくなってきちゃいました。私、部屋に戻って寝ますね」
そういうと、サユリはカトルの部屋のドアノブを捻った。
「・・・・・・・」
「それじゃ、また明日」
サユリは一度振り向いてカトルにお辞儀して顔を見せずに走って部屋に向かった。
カトルは、サユリの顔を一瞬見ることが出来た。
サユリは笑いながらも必死に涙を堪えていた顔をしていた。
カトルにはどうすることも出来ない。
ただただ、自分を責めるだけしかなかった。


じぶんにちからがもっとあれば・・・・・・
       あのときたすけられたかもしれないのに・・・・
       ちからがほしい・・・・・・・・・
       たいせつなひとをまもれるちからを・・・・・
       このまま・・・・・
       マイをたすけられないと・・・・・・・
       マイから・・・・・・・・・
       サユリからも・・・・・・・・・・
       笑顔がきえてしまう・・・・・・・・・・・

カトルの脳裏ではその言葉が繰り返し聞こえている。
(俺にできることはなんだろうか?)
その日、一番心を痛ませたのはサユリではないだろうか。
仲の良かった親友が、自分の友達に危害をくわえたのだから。
カトルは、その日は中々寝付けなかった。
とても明るい月の光が窓から差し込んでくる。
その月の光はカトルを優しく包んでくれていた。
そして、明日が平穏な日であることを願う。





カト言
いや〜、だんだん文が短くなってきているのが気になってしょうがないカトルです^^
近頃、気付き始めました・・・・。
何に気付いたかと申しますと小説の向かっている方向が恋物語に近付いているような
気がするんですけど、気のせいでしょうか? ^^;(気のせいではないと思う
まあ、そういうのがあったほうが、よろしいと思うのは僕だけでしょうか? ^^;(負けるなカトル!!
ACはロボットとの戦闘だけじゃなくて、主人公になった気分で読んでくださるとうれしいです^^
長々と話をしていますが、何を言いたいのかは一人一人が考えてください^^;(分かるか!
しいて言わせてもらうなら、大阪人はたこ焼き好きだろ、と言いたい訳です^^;(意味不明
それじゃ、みなさんさようなり〜♪^^/~(キテレツ大百科のコロスケか!?
作者:カトルさん