サイドストーリー

漆黒の死神
開発されたばかりの新都市区の上を1機の輸送機が飛んでいた。輸送機の中には巨大な人影が立っていた。
ACと呼ばれる人型戦闘兵器だ。そのACは漆黒の塗装がされていた。体の隅々まで黒く塗装されていた。
重量2脚の高火力と市販のパーツでは無いブースターが高機動を実現していた。
レーザーライフルにブレード、肩に大型グレネード砲とチェインガンを搭載している。そのACの中には1人の男が座っていた。
銀色の髪の毛に灰色の瞳を持った男だ。
灰色の瞳には険しい色が漂っていた。やはり任務が近いだからだろう。そのコックピット内に女性の声が響く。
「初めまして。今回の任務のオペレーターを務めます。エマ・シアーズです。よろしくお願いします。」
今度は男の冷静な声が響く。
「こちらこそよろしく。グレン・ロックハートだ。」
「今回の任務はあの「英雄」といわれたロビン・ロックハートの息子さんのオペレーションを務めると聞いて楽しみにしていたのですよ。」
「任務中に無駄話はやめてくれよ。親父のことは昔話であり俺には興味は無い。」
「はい。では無駄話はここまでにしましょう。今回の作戦についてもう一回説明します。
今回の作戦には複数のレイヴンが参加しミラージュの工業都市トレネ・シティを強襲します。
これより数キロ先のトレネ・シティ工業区に降下。作戦目標のミラージュのビルを占拠してください。
敵戦力は、格闘型MTカイノスEO2と機動装甲車グレイボアMK.3が確認されています。」
「了解した。」
「作戦ポイントに到着します。ACを起動してください。」
グレンがACを起動させる。ディスプレイが立ち上がりスクリーンに輸送機内の殺風景なハッチがでる。
「作戦ポイント到着!ハッチを開きます。降下してください。」
グレンが開いたハッチにACを前進させる。
「グレン・ロックハート。AC名センスティブ。これより作戦を開始する。」
極めて冷静にグレンが言い放ち虚空に身を乗り出した。


第2話に続く
作者:グレンさん