サイドストーリー

SLS:接触
「フドーケン、作戦終了です。輸送機があと五、六分で到着予定です。」
「・・・了解。それまで待機する。」
フドーケンは、小さく言った。
あの依頼からすでに三日が過ぎた。
あの依頼を受けたメンバーは通常の生活に戻っていた。
フドーケンは、市街地を占拠していたMT部隊の撃破の依頼を受け、完了した直後だった。
カシュー。
フドーケンが通信を切り、緊張を解いた時、その音と共に、
後ろから飛来したエネルギー弾が右肩の装甲が融解し、右肩に装備してあったエクステンションが落下する。
「!?」
フドーケンは、すぐに後ろを見る。
そこには、あの時現れた謎の軽二脚ACがいた。
「何者だ!!」
フドーケンは謎のACに通信を入れた。だが、相手から返信は無く代わりにプラズマ弾の連射が来る。
「くそっ・・・。」
素早く後退しながらライフルを連射する。
相手はライフルの連射攻撃をかわすと、空中で肩のグレネードを構え、的確に連射してきた。
フドーケンは、その攻撃を最小限の動きでかわすと、ミサイルをセットし、空中の敵に向け発射した。
さっきの奇襲攻撃で、右肩の装甲とエクスが無くなった為、ミサイルは三発しか発射されなかった。
そこを見抜いていたのか、ミサイルを左腕のブレードで切り裂くと、プラズマライフルが火を噴いた。
それと同時にスラッシュの左ハンドグレネードも火を噴くが、プラズマ弾と相打ちになり、空中で爆発を起こした。
それを予想していたのか、敵はプラズマライフルの二発目をすぐに撃たず、プラズマ弾がグレネード弾に当たり爆発した直後放った。
煙の中から現れたプラズマ弾を避けきれず、左足の関節部に当たり、融解。スラッシュはバランスを取りきれず、仰向けに倒れる。
「つぅー・・・・!」
空中にあった煙が晴れると、空中で敵ACがプラズマライフルを構えていた。
「・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
お互いに沈黙が流れた。
それを破ったのは、通信機に響いた謎の声だった。
「かなめ、止めろ。」
「隊長!?」
フドーケンと軽二脚のパイロット、かなめは周りを見たが、何もいない。
どうやら、長距離周波通信で通信をしてきているらしい。
「何故です!」
「今騒ぎを起こす事は得策ではない。」
「しかし・・・・・!」
「あの時の戦いの借りを返したいだろうが、今は耐えろ。」
「・・・・了解・・・。」
かなめは、悔しそうに言った。
プラズマライフルを下ろすと、きびす返す。
「・・・言い忘れたが。」
突如、思い出したように立ち止まり、振り返った。
「私の名はかなめ。お前の名前は?」
「・・・・フドーケン。」
「フドーケンか・・・覚えておこう。」
そう言い残すと、そのまま飛び立った。

フドーケンがかなめと戦った三時間後。
ある部屋の一室。そこに、四人の男が部屋の中央のテーブルを囲むように座っていた。
すると、部屋の一辺の壁が開いた。
「戻ったか。」
「はい。」
それは、フドーケンと戦ったかなめであった。
「それでは、これより我々先行部隊のこれからの作戦を説明する。」
かなめが椅子に座ったのを見て、隊長と思われる男が言った。
そこにいる者は、かなめ以外が二十代前半のように見えた。
一人を除いて。
「クライム。お前は二次作戦が始まるまでの一次作戦の総指揮を取れ。」
そいつは、他のメンバーが普通の服の中、パイロットスーツを着ておりその上にマント。更に白いマスクを着けていた。
「・・・了解した。」
ぼーっとしていたのか、少々遅れて言った。
「ハンクは私と共に施設の防衛部隊の指揮。」
「了解だ、シャウシュッツ。」
少し明るめの声の返事。
「なおカイザルとかなめは、作戦前のACの無断使用により、二次作戦まで自室による謹慎を命ずる。」
「了解。」
「分かりました。」
「以上。解散。」
それと同時に、全員席を立った。

「動き出したか。」
そこは、元管理者の間。つまり、レイヤードの元中枢。そこに、一機のACがいた。
そいつは、以前クレストの要塞にいた奴であった。
「管理者よ。お前の放った種には良い道に進み始めた物もあるが、逆に悪き道に進み始めた物もある。」
機能を停止したはずの管理者に話し掛けるように、ACのパイロットは喋っていた。
「状況によっては私も出る。それだけは、報告をしておきたかった。」
ACは、きびす返すと、管理者の間から地上への道を歩み始めた。


次回予告
フドーケンが襲われた翌日。彼はその事をあの時のメンバーに話した。
その中で、新たなるレイヴンとの出会い。
そして、新たなる敵の襲撃。
その敵は、謎の組織に所属しており、謎の作戦一次作戦の総指揮官クライムの姿があった。
次回 『悲劇の再会』

後書き
疲れました。今回は、題名付き。前回の奴は題名を付け忘れました。
それで、今回登場したパイロットの紹介(+????の付けたし)

シャウシュッツ
謎の組織の進行部隊の隊長。
性格は一切不明。

ハンク
シャウシュッツに気軽に話し掛ける点から、親友に近い存在と見える。
性格は一切不明。

クライム
白いマスクにマントという濃いスタイルの男。一次作戦の総指揮官を勤める。
性格は一切不明。

????
前回、謎の登場をした男。
管理者との関わりがあるらしい。

です。以上。
作者:カイルさん