サイドストーリー

第5話 最強のレイヴン
 作戦ポイントで…
努「…で、どうゆう因果なんだ?俺達は…」
 努はなぜか見た顔ばかりのメンバーに少し驚いている…
辰「さあな…でも、オレはこの3人に会ったは事無いぞ」
ちか「そうだね…だが、名前を名乗る必要は…」
 そう千影が言いかけたら…
裕「おれ、石川 裕紀ってんだ、よろしくな」
義「…拙者の名は源 義大と申す…よろしく…」
辰「あぁ、オレは総持寺 辰也だこっちこそよろしく」
 早速自己紹介をし始める3人…
ちか「…」
努「おい、お前はいいのか?自己紹介♪」
ちか「くっ…私は秋口 千影だ…よろしく」
 諦めたように千影が言う
辰「おう、こっちもよろしく」
義「しかし…よくこんなに集めたものだな…」
 周りを見るとすでにスタンバイずみのレイヴン達がいる
努「おっ、あんな所にレイヤード時代のランカーが集まってるな」
 ある一角で集まっているACを見て努が言う
ちか「レイヤード…時代?」
努「ん、ああ、ちょっと前の話だがな…」
 何かを思い出すように努が言い放つ…
裕「ふ〜ん…で、そいつらの実力はどうだったんだい?」
 いきなり裕紀がその事について聞いてくる
努「…今のランカーが目じゃない位の猛者ばっかりだ…その中でもあのときのA−1…」
義「…そのA−1のランカーの実力のほどはどうなんだ?」
努「そいつの実力は…そうだな、メビウスリングの比じゃない位だ…」
ちか「なっ…そこまで強いのか…しかし、なぜそれほどの実力者がアリーナにいないんだ」
 かなり驚いた様子で千影が言った
努「さぁな、しかし…奴は今何処にいるんだ…俺の「兄さん大変よ!」
 咲夜が緊急回線を開く
努「どうした咲夜、なにかわかったことでもあるのか?」
鞠「それは私から説明させてもらいます。いいですか?レイヴン…」
 鞠絵もめずらしく焦った様子で通信を開く
辰「ああ、頼むぞ」
鞠「今現在の敵無人ACの数を衛星で調査した結果…」
咲「敵ACの数は…36です」
裕「なっ!マジかよ…」
義「今回ばかりは…さすがに厳しいな」
ちか「…数に間違いは?」
 千影が数を間違えてないかを確認をするが…
鞠「ありません…衛星からのリアルタイムで送られてきた情報です」
努「そうか…さすがにやばいな」
 めずらしく弱気になる努だが
咲「兄さん…絶対に生きて帰ってきてね…やられたりしたら…承知しないんだから…」
 この咲耶との会話のおかげで努は少しだが強気の姿勢を保てていた
努「あぁ、解かってる…必ず生きて帰還する…それまで待っててくれ」
咲「うん…わかった…」
 辰也の所に鞠絵から通信が入る
鞠「レイヴン、必ず…必ず帰還してください…どんな状況でも決して諦めないで…」
辰「おう、わかってるわかってる、だけどそんな不吉な事言うなって」
 いつもの調子で辰也が答える…
鞠「こういう時の私のカンは当たります!必ず…生きて帰ってください…」
 しかし鞠絵はいつもの強い口調ではなかった…
ちか「久しぶりにピンチな感じ…かな」
 千影がそう漏らすと…
裕「へっ、だがな…そんな不利な状況ほど燃えるってもんだ!」
 少し緊張はしているがいつもどおりの口調で裕紀が答える
義「ふん、…お前のそんな所は…嫌いではないぞ」
ちか「ふっ、そうだな…そんな所は、私には到底真似できないとこだよ…」
裕「へへっ、そうかい」
ちか「ふふっ」
 一瞬だがそこで会話が途切れる…そして
義「…おい、あまり油断しているなよ」
 と、すぐに義大が口を開く
裕「へいへいわかったよ…まっ、お前こそ守ちゃんのこと考えて落とされるなよ」
義「なっ!貴様ぁ!そんなにたたっ斬られたいか!」
裕「おい、性格が乗ってない時に戻ってるぞ…」
ちか「そろそろ…来るみたいだ」
 レーダーに無数の機体の反応が示し出される
努「よしっ、それじゃあみんな必ず…生きて帰ろう!」
辰「へっ、元々死ぬ気なんてな…」
ちか「あるわけ無いよ…」
裕「ふっ、そんなことぐらい解かってるだろ?」
義「まったくだ…死ぬことが解かってくる奴なんていない…」
 全員がそれに答える
努「あぁ、それもそうだな…だがせっかく知り合ったんだ、また…街で会おう!」
 努がそう言うと…
辰「了解!」
ちか「…了解」
裕「了解、了解っと」
義「了解だ…」
咲「そろそろ、敵ACが目標地点に到達します、みんな気をつけて…」
 咲耶がそう通信を入れる…
鞠「敵AC、現在位置まで距離700、680、660…そろそろ視界に現れます!」
努「よしっ、いくぞぉ!」
 今まで見たことの無い数のACが一気に押し寄せてきた
 そして戦闘が始まる…
努「来るか…だが所詮は無人AC…こいつをくらいやがれ!」
 そう言いながらレーザーライフルを正確に頭部へと撃ち込む…だが
努「なっ、そんな…これが無人ACの動きだと!」
 それを難なくかわしていく…しかも、人間じゃ到底真似できないような動きで…
辰「くっ、こいつら…ただの無人機じゃないぞ!ぐぅぅ!」
 そのACに気を取られている内に背後から辰也の機体が狙撃される…
努「辰也!どうした、返事をしろ!」
辰「あてて…聞こえてるよ、どうやら遠距離からライフルでの攻撃のようだが…」
努「厄介だな…敵は一種類じゃない…だが、ここで負けるわけにはいかないんだ!」
辰「そうだな…じゃ、一気に行くぜ!」
 二つの機体は敵の真っ只中…岩場が密集している戦場に入っていった…
 こちらも戦場の真っ只中で…
ちか「敵のACは一種類だけではないようだ…」
 遠距離から狙撃された辰也の機体を見て千影が言う
裕「そいつは厄介だな…」
義「奴等は自分に有利な敵を選べばいいのだからな…」
ちか「だが…こんな所で足止めをくらうわけにはいかないよ…」
 千影の機体が敵ACに斬りかかりに行く
ちか「行くよ…ステルス…」
 千影の機体が完全に姿を消し…そして敵ACの目の前に現れる
ちか「もらった!」
 ブレードで頭部を突き刺すと無人ACが一機その場にくずれた…
ちか「よし…続けていくよ!」
 再び姿を消し無人ACに接近する…が
ちか「ふん、所詮は無人…きゃぁぁぁ!」
 周りからは見えないはずの機体に横からコックピット付近へ攻撃が入る
裕「おい!どうした!」
ちか「そ、そんな…完全に姿は見えないはずなのに…」
裕「くっ、なぜステルスを起動して…くぅぅぅ!」
 通信をいれているうちに接近を許した機体の攻撃が入る…しかし
義「…そこだ!いけっ!ビットォ!」
 裕紀に攻撃しているACはビットによる攻撃で装甲がひしゃげ、すぐスクラップと
なる
裕「畜生!どうなっているんだ!おれ達が…おれ達が無人ACごときに!」
 悔しそうに裕紀が嘆く
義「しかし、これが現実だ、だから…なにっ!」
 軽量型の無人ACが素早くブレードで斬りかかる…そして、ライフルを切り落とす
義「し、しまった!」
 返す刀で再び斬り返す!
ちか「あぶない!」
義「くそっ、万事休すか…」
裕「くぉら!あきらめてんじゃねえ!うおぉぉぉぉ!」
 裕紀が無数の弾丸で敵無人ACを躍らせる
裕「はぁ…はぁ…どうだコンチクショー…おいっ!二人ともこっちだ!」
 裕紀の手引きにより3人は一旦物陰に身を潜めた…そこへ
努「おい!そっちの3人は無事か?」
 努から緊急回線で通信が入る
義「すまない…ライフルを切り落とされた、もう使い物にならん…」
 義大が申し訳なさそうに言う…
裕「義大の装備以外は…特に以上はない。そっちはどうなんだ?」
努「あぁ、俺は大丈夫…だが辰也の方が弾切みたいなんだ」
裕「そうか…どうする、一度合流するか」
 努に聞いてみる…
努「そうだな…じゃあ合流ポイントは…」
 簡単に通信で合流ポイントを確認する
裕「よし…わかった、合流ポイントは補給車の近く…だな、すぐに向かう」
努「そうだ…じゃあ、またあとで…ちゃん…きてこ…お…」
 合流ポイントの確認が終わったのを見計らったように妨害電波が入る
裕「なっ、また妨害電波だと…仕方ない、二人ともいくぞ!」
ちか・義「「了解」」
 合流ポイントを目指して3機のACが飛び立つ…

 二機のACが岩場の影に隠れている
努「おい!どうした!なにがあった…くそ!」
辰「おいおい、どうした…そんなに荒れちゃってよぉ…」
努「妨害電波のようだ…くそ!誰が…」
辰「えっ!?それじゃ合流ポイントは伝えれなかったのか!?」
努「それは大丈夫だ、ちょうど伝え終わった後だからな…」
辰「それならいいじゃないか、あいつらの実力を信用しようぜ?」
努「そうだな…そろそろこの岩場も、もちそうにないしな」
辰「あぁ、じゃあいこうぜ!」
 二機の機体が岩場の影から飛び出していく…

合流ポイントの補給車付近で…
 無事に合流ポイントにたどり着けた5人は大量の無人ACへの対策を練っていた…
努「今は他のレイヴンが敵を引き付けている…補給が終わり次第、敵の掃討に当たるぞ!」
義「しかし、ただ行くだけではさっきの二の舞だぞ…」
ちか「そうだな…だが、何も考えが無いわけではないだろう?」
 千影がそう聞き返す
努「そこでだ…みんなで組んで掃討に当たろうと思う。指揮は俺がとる」
義「そうだな…この前のMT戦のこともある…頼むぞ」
裕「それもそうだな…それじゃあ頼むぜ隊長さんよ!」
ちか「その意見を…断る理由が無い…頼むぞ」
辰「へへっ、こうゆう事はあんたに任せるってば!」
努「すまない、みんな…咲耶、残りの敵の数は?」
咲「他のレイヴンが今、がんばってくれていて残り無人ACは…13機くらいだね」
鞠「まって、どうやら敵無人ACは一機のACによってコントロールされてるみたいです」
 鞠絵から最新の情報が入る
努「ほう…そんな奴がいたか…じゃあそいつを倒せば」
辰「この無人AC達は止まる…って訳か」
ちか「そうか…それじゃあ一気にそれを落とすか…」
裕「そうだな、それが一番…」
義「有効な手立てだな…」
作業班「武装交換、補給作業すべて終わりました!いつでもいけます!」
 丁度いいタイミングで補給作業が完了した
努「よし、目的は決まった!みんな…いくぞ!」
 「「「「了解」」」」
 俺達が目指すのはマザーコンピュータ代わりのAC一機だ!

 無人ACが3機、ポイントを出てすぐ襲い掛かってくる
努「来たな…ポール、シャドウ前衛は任したぞ」
裕「わかった一気に行くぜ!」
ちか「まかしといて…」
 そう言って二機のACが前に出る
努「あの二機は前線で戦うタイプだから…」
裕「こいつを…くらいやがれ!」
 そう言ってマシンガンを撃ちまくりACの装甲を削る…しかし、その背後に敵ACが
辰「所詮は機械だな…これをくらえ!」
義「その通りだな…いけ!」
 無数のライフルとレーザーライフルが待ち構えたかのように背後から迫る敵ACを襲う
辰「へへっ、狙いどうりだぜ」
義「おぬし…なかなかやるな」
ちか「ふふっ、さっきは不覚を取ったが…今回は違うよ…後ろを任せれる…人がいる」
 機体の反応が完全に消える…そして敵ACの目の前に現れる
ちか「終わりだよ…なにっ!」
 頭部をブレードでなぎ払う…が寸前でかわされる
努「あまいぞ!こいつをくらえ!」
 努が放つレーザーライフルが無人ACの頭部を打ち抜きその場に倒れる
ちか「ふっ…相変わらず良い腕だね…きみは」
 無人AC3機が瞬く間にスクラップに変えられる
努「終わったか…それじゃあみんな行くぞ!」
咲「ちょっとまって兄さん、その必要は無いみたい、敵の方から来てくれたよ」
努「なにっ!咲耶…あと、どれくらいで接触する?」
咲「あと…二分くらいで…って、ちょっと待ってこれは…」
 咲耶がレーダーを見て驚いている
努「どうした、なにがあった」
咲「いきなりACの反応が加速して…これって…まさか!」
努「あぁ、そのまさかだ…強化人間…まだこんな奴が!」
咲「兄さん!気をつけて!接触まであと6・5・4…」
辰「おい、また強化人間なのか?」
 辰也が聞く
努「あぁ、またこんな奴が出てきて…!」
ちか「なんの…話だ?」
鞠「来ますよ!」
 そう言った瞬間に純白のACが一機…物凄い勢いで飛んできた
裕「なっ、あのACは…」
義「…あいつがこれの黒幕だったか」
辰「あいつって…まさか!」
努「あぁ、戦場の…破壊の大天使」
ちか「レニッシュ…」
 そこに立っていたのは見た目は美しく戦場の大天使と呼ばれるにふさわしい機体だった
舞「ふふっ、この程度の奴等に苦戦するとは…役不足にも程がある」
辰「なんだと!てめぇ、あとで…うわぁぁぁぁ!」
努「なっ、辰也!」
 いきなり辰也の機体頭部と胸部がロケットの直撃をうけ、そして爆発が起きる…
辰「ぐ…うぅ…がは…」
 胸部に当たった時の爆発がコックピットを襲ったらしく辰也は重症を負っていた…
鞠「レイヴン!レイヴン!返事を…返事をしてください…おねがい…レイヴン!」
 懸命に鞠絵が問い掛けるがいっこうに辰也は反応を示さない…
ちか「そんな…ノーロック兵器を当てるとは…なんて正確な射撃なんだ…」
努「…貴様ぁ、なぜそれほどの腕を持ってして強化人間なんかに!」
舞「貴様等には関係の無い事だ…どうせ貴様らはここで死ぬのだからな!」
裕「来るか!…いくぞ、義大!」
義「あぁ、わかった…いけ!」
裕・義「「ビットォ!」」
 二人がいっせいにビットを発射する…しかし
舞「ふむ…やはりこの程度か…ふっ、貴様等では役不足だ!」
 次々にビットを撃ち落す…しかも裕紀と義大の同時攻撃をかわしながら…
裕「そんな!この攻撃の中で…なっ、しっ、しま…ぐわぁぁぁ!」
義「裕紀!そんなっ、こっちもこれだけの…うおあぁぁぁ!」
 二つの機体がライフルがコックピット付近を襲う…そして二機のACが沈黙する
努「裕紀!義大!そんな…貴様!わざわざコックピットを狙うとは!」
ちか「努…熱くなるな…まだ死んだわけじゃない…このくらいで死なれては…こまるよ…」
 すこし声が震えているがそう言って熱くなりすぎた努を千影がなだめる
努「くっ、すまん…だが、早くしないと」
裕「はぁ…はぁ…がはっ!」
義「う…あ…く…はぁ…はぁ…」
 しかし苦しそうにうめき声を上げる二人がいる…
ちか「そうだな…早くしないとあの二人の命にかかわる」
努「時間が無い…行くぞ!」
舞「ふふっ、楽しませてくれよ」
努「黙れ!この…強化人間め!」
 いつも以上に激しい口調で努が叫ぶ
ちか「無駄口ををたたかない!いくよっ!」
舞「ふふっ、じゃあまず…これはどうだい!」
 レニッシュの機体からミサイルが大量に発射される…
ちか「あまいよ…ステルス!」
 千影の機体が姿を消しミサイルのロックから外れる…が
ちか「ふっ、ミサイルなんて…なっ、そんな!きゃぁぁぁ!」
 ステルスで消えていたはずの機体の前に純白のACが…そしてコックピットを切り
裂く
努「ち、千影ぇぇぇ!」
ちか「う…あ…く…はぁ…はぁ…ぐぁ」
 だが、操縦席はわずかに外れたらしい…しかし千影は重症に変わり無い
舞「ふっ、運の良い奴だ」
努「なんだと!貴様…貴様だけは!もうゆるさん!行くぞぉ!」
舞「ほう、突っ込んで来るか…少しは楽しませてくれそうだな!」
 二機のACが激突する…そして再び離れる
舞「ははっ、この機体についてくるとは…ん、お前は…なるほど」
 何かがわかったかのように舞がつぶやく…
努「うるさい!絶対に…お前だけには負けない!」
舞「ふふ…その程度の腕では奴には勝てないぞ!」
努「なんだと!貴様!なぜその事を!」
舞「私すら倒せないんだからな!やはりお前も役不足だ」
 そう言った瞬間に…レニッシュの機体から一斉に弾薬が発射される
努「なっ、そんなっ!?かわせ…うぐわぁぁぁぁぁぁ!」
 その攻撃の直撃を受けて努の機体で爆発が起こる
咲「兄さん?兄さん!どうしたの!返事してよ…兄さん!」
 咲夜が悲痛の声を上げる
努「がはっ…そ、そんな…くそっ…うっ…」
舞「ふふっ、それじゃあ、さよならだ…ん、なにっ!」
 努の機体にとどめを刺そうとした瞬間背後からレーザーライフルで機体の右腕を飛ばす
舞「そんな…まだ、動ける…だと?」
 後ろには大破したと思われた辰也が頭部を破壊されながらもしっかりと狙っていた
辰「へへ…やっぱ周りが見えないと…狙いにくい…な…ぐっ!」
鞠「レイヴン!無茶しないでください!もう、機体がいつ爆発しても…」
辰「はぁ…はぁ…そんなことわかって…うわっ!くっ、くそ!がぁぁぁ…」
 そう言った瞬間に辰也の機体小規模の爆発が無数に起きる
鞠「レイヴン!」
 鞠絵が悲鳴のような声を上げる
舞「ぐっ、やはり…とどめを刺しておか「そうはいかないよ!舞姉ちゃん」
???「そうだ…いいかげんにしろ舞…」
 何物かが通信を入れる
舞「むっ、おまえら…もう追いついてきたか…仕方ない、一旦ここは引く」
???「なっ、おい!まて!舞!…追いかけるぞ忍」
忍「わかったよ…じゃあ行こうか伸次兄ちゃん」
伸「おい、そこのレイヴン…一応連絡はとっといた…あとはどうにでもなるだろう」
努「う…あ…くっ…そ…ま、まて…」
 努が最後に見たのは純白のACを追いかける青色と黄色のACだった…

救急隊「おーいこっちだ!早く回収しろ!重傷者ばかりだ」
救急隊「急いで病院に運べ!一刻を争うぞ!」

病院で…
咲「兄さん!兄さん!おねがい…だから…目をあけて」
 病院のある一室で少女がベットに寝ている一人の青年に向かって語り掛けている
咲「言ったじゃない…今度、今日の埋め合わせで…食事に行くって…」
 泣きながらそう咲耶が言う…
医者「お嬢さん…」
咲「だから…兄さん…死なないで…もう…一人は嫌だから…」
医者「今晩あたりがやまです…だから…」
咲「絶対に…やられないって…帰ってくるって…だから…おねがい…」

鞠「レイヴン!大丈夫…大丈夫だから…絶対に…助かるから…」
 必死に鞠絵が傷だらけの辰也に語り掛ける…
辰「はぁ…はぁ…ん、よぅ…鞠絵…か?」
 辰也もその呼びかけに気がつく
鞠「そうです、私です…レイヴン…聞こえますか?」
辰「へへ、こんな…うぐぅ…時ぐらい…名前で呼ぼうや…なぁ、鞠絵…」
鞠「そ、そんなこと…そんなこと言ってる場合じゃ…ないですよ…辰也さん…」
辰「…サンキュ…名前で呼んでくれて…これが…最後になるかも…うぐあ…」
 急に辰也が苦しそうにうめき声を上げる…そして呼吸がどんどん静かになっていった…
鞠「辰也さん!」
医者「どいて!お嬢さん!なっ、これは…おい!早く緊急手術の準備だ!」
鞠「どうしたんですか!?」
医者「説明している場合じゃない…一刻を争う状態だ…急げ!」
鞠「そ、そんな!辰也さん!」

ちか「(…私は…助かった…のか?ぐぅ!…流石に…ただではすまなかった…か
   なぜ…だろうな…やたら広く感じる…この部屋…
   う…ぐ!はぁ…はぁ…あ、頭が、ぼうっとする…だが…まだ…死ぬわけ…には)」
 そう考えていると…ドアが開き誰かがこの病室に入ってきたらしい
ちか「(医者か…?いや…これは…女の子の…声?)」
???「…ここが、兄貴の…言ってた…兄貴の…な人か…」
ちか「(ん、…な…なんだ?よく…聞きとれなか…うっ…!)」
???「だ、大丈夫?傷…痛いの?」
 少女が千影に語り掛ける
ちか「(はぁ…はぁ…ぐ…!だ、だめぇ…い、意識が…遠の…く…)」
???「えっ、ちょ、ちょっと…ねえ、どうしたの…お、お医者さん!どこっ!?」
 焦った様子で少女が医者を呼びに行く
ちか「(…結局…だ、誰なんだ…この子は…うっ…)」
 千影の意識が完全に無くなる…
医者「どうしたんだい?ん…こ、これは!おい、急いで…と…を持ってきてくれ!」
 医者の顔に明かに焦りが見える
???「ど、どうしたの?このお姉ちゃん…助かるの?」
医者「…あぁ、助かる…助かるとも…だから安心して待ってなさい…」
 できる限りやさしい口調で医者がそう答える
???「うん!わかったよ!雛子、待ってるから…」

裕「…んぁ…おい…大丈…夫か?源よぉ…」
 裕紀が義大にそう喋りかける…
義「ゲホッゲホッ…ぐ…な、なんとかしゃべれる…位…だな」
裕「はぁ…はぁ…今回…ばっかりは…ぐぅ!…流石にだめ…かなぁ…」
 めずらしく弱気な事を裕紀が言い出す
義「ば、馬鹿な事を言うな!うぐ…がはっ…お…前には雛子ちゃんが…守るべき…人が…」
裕「はぁ…はぁ…そん…ぐっ…な事言ったら…お前にだ…って守ちゃ…んが…」
義「そ、そん…な事!うっ、がはっ!」
裕「お、おいだいじょ「源さん!大丈夫ですか!」
 裕紀がそう言いかけるといきなり守が部屋に入ってくる
義「なっ、ま、守…ちゃん?ど、どうして…ここに…」
 義大も驚きが隠せていない様子だ
守「うん…家に電話かけても出ないし…だから石川さんの家にかけたら…雛子ちゃんが…」
裕「なに!という事は…」
雛「源兄!兄貴!大丈夫!?」
 すぐあとから雛子も部屋に飛び込んでくる
裕「ひ…なこ…か、だ、大丈…夫だ…すまない…心配…うぐっ…ゲホッゲホッ!」
雛「あ、兄貴!死んじゃ…死んじゃやだよ!お願いだから死なないで…お願い…」
 咳き込む裕紀に雛子はそう言って涙を流しながらすがりつく
裕「…ぐ、お前を…残して…死ねるか…よ」
守「源さん!源さん!もう大丈夫…大丈夫だから…ね」
 守も泣きながら義大に必死に語り掛ける
義「すまない…君に…心配かけ…うッ!」
 そう言いかけると義大が反応を示さなくなる
守「えっ、どうしたの!?ねぇ…返事…して…源さん…源さん!」
裕「雛子…おれより…あいつの…千影の所に…行って…くれ…」
 なんとかそう裕紀は言い終えた…
雛「えっ、ど、どうして…」
 意外そうな顔で雛子が答える
裕「あいつ…一緒にいる奴…いないと思う…から…な…」
雛「なんで…そんなに気になるの…?なんで…兄貴がそんなに…」
裕「それは……だから…だ…じゃあ、頼むぞ…」
 そう言い残すと裕紀も反応を示さなくなった
雛「えっ、あ、兄貴!兄貴ってば!う…く…わかったよ…雛子…行ってくる…」
 半泣きの状態で雛子は裕紀達の部屋から出ていった
守「源さん…信じてる…から…大丈夫だって…信じてるから…」
 守は必死に…義大にそう語り掛けている

 …そして、全員がそのまま一晩明けようとしていた

第6話に続く…
作者:キョウスケさん