STARDUST RAIN 第1話
管理者が破壊されて5年間が経った。人類は地上で着々と開発を進めていった。
あの「サイレントライン」が見つかる前までは・・・。
ここは、グローバルコーテックス。レイヴンたちの依頼請負の中継地点であり、ACのガレージ、レイヴンの個人用の部屋等がある。
このレイヴンの住処ともいえる場所に2人の男女が入っていった。
男のほうは黒いロングコートに銀の瞳。そして、目の色と同じの銀の瞳が特徴的だ。
女のほうは紺色のブラウスに青い髪の毛。ダークブラウンの瞳を持っている。2人がコーテックスに入ると受付に向かう。
男「レイヴンに新規登録した「リョウ=クロード」と「メアリィ=スターロード」。到着した。」
受付「リョウさんとメアリィさんですね。確かにレイヴン登録がしてありますね。ようこそ、グローバルコーテックスへ。歓迎します。
リョウさんが6階のE−15号室。メアリィさんが同じく6階のE−16号室です。」
受付の女性がにこやかに受け答える。リョウと名乗った男がエレベーターに向かい6階のボタンを押した。
エレベーターに乗るともう一人の女性メアリィに話しかける。
リョウ「お互いなんとか試験突破ができたな。」
リョウが涼しい笑みを浮かべて話しかける。
メアリィ「えへへ。リョウさんは楽勝だったんじゃないですか?」
確かにリョウは筆記試験、射撃試験、実戦試験・・・全てをトップクラスの成績で通過した。
メアリィは良く出る試験問題や試験のポイントをリョウに教えてもらって通過したのだ。
まぁそれを覚えられたメアリィもよくやったものだ。
リョウ「荷物を部屋に置いたらガレージに行ってみるか?」
メアリィ「そうですね。私たちのオペレーターの人にも挨拶しなくてはいけませんね。」
6階に着くとお互いに部屋に入り荷物を置いて地下3階のガレージに向かった。
ガレージはランク分けがしてありリョウ達はEランクのガレージに向かった。
Eランクのガレージの15番と16番のガレージに入ると15番にはリョウの、16番にはメアリィのACが立っていた。
リョウのAC「デッド・エンド」はマシンガンにブレード。
軽量グレネードに中型ミサイルというスタンダードな構成だが特筆すべきは機動力である。
市販では売っていないブースターは「CBT−FLEET」を圧倒的に凌駕する出力を誇る。
接近戦での圧倒的な攻撃力で押し捲るスタイルだ。
一方のメアリィのAC「フェンリルナイト」はグレネードライフルに火炎放射器、肩にカルテットキャノンを積んでいる。
火力はかなり高い。リョウは自分のACの足元で端末をいじっている女性を見つけた。
リョウ「なぁ、あんたこのACの持ち主のオペレーター?」
女「あっ、そうです。もしかしてあなたが・・・。」
リョウ「あぁ、リョウ=クロードだ。よろしくな。」
女「リョウさんですね。私はエマ=シアーズです。あなたの補佐官を務めさせてもらいます。」
リョウ「あぁ、あと隣のレイヴンの補佐官も務めてもらえるか?」
エマ「はい、昨日の電話で頼まれたとおり、メアリィさんの補佐官も務めますね。」
メアリィ「えぇ!!ほんとですか!?」
いつの間にかメアリィが立っていた
リョウ「嫌だったか?」
メアリィ「とんでもない!!嬉しいです!!」
メアリィがガレージ内をはしゃぎ回った。無垢な14歳がレイヴンになると思うとこの時世が恨めしく思う。
リョウはエマに向き直り必要なことを聞くことにした。
リョウ「武器の弾薬とかACの機体修理の費用は?」
エマ「はい、弾薬、修理に必要なものはこちらで用意しますが費用は任務の報酬から差し引かせてもらいます。
メカニックの人も紹介しましょう。テッド!あなたの専属レイヴンさん達が来ましたよ!!」
男「あぁ、今行く!」
リョウのACの肩から銀縁の眼鏡をかけた青年が降りてきた。
男「あんた達が俺の専属レイヴンだね。俺はテッド=リーフ。よろしく。」
リョウ「こちらこそ。」
テッドは金髪に青い瞳の青年だ。華奢な体をしているがメカニックとして信用できそうだ。
エマ「さて、早速ですが依頼が来ていますよ。」
リョウ「おっ、見せてくれ。」
エマが脇に挟んであったファイルを探って出した書類には「要塞奪還」と書いてあった。
内容はこうだ。
「要塞奪還」依頼主 クレスト
場所 旧都市区AI要塞
成功報酬 10000C
敵勢力 AC3機
我々クレストは先日、全自動で外敵から守るAI要塞を作った。その要塞はACを数機搭載しておりMTくらいなら守れる要塞だ。
しかし、その要塞のACを作った技術者達がACの技術提供と引き換えの報酬を上げる事とACを1機渡してほしいと要求してきたのだ。
我々が要求を断るとあろう事か要塞に立てこもりACを奪った。MTだけでは無理がある。
レイヴンに依頼を頼む。ACを撃破してくれ。ACは大破させてもかまわない。
成功条件 ACの全滅
リョウ「AC3機か・・・。面白そうだな。」
メアリィ「AC3機・・・。大丈夫かな?」
サリアとリョウがつぶやく。
エマ「お2人なら大丈夫ですよ。依頼受けますか?」
リョウ「おう。手続きは?」
エマ「こちらが手配しておきます。リョウさん達は出撃の準備を・・・。」
リョウ「わかった。」
リョウはデッド・エンドに乗り込み、ACの状態チェックをした。瞬時でチェックは終わりオールグリーンをさす。
テッド「おい!リョウさん!」
テッドが通信をかけてきた。
テッド「俺の整備になんか心配事でもあるのか!?」
リョウ「いや。別に。」
リョウが苦笑いしながら受け答えた。どうやらテッドは自分の腕に自信があるようだ。
エマ「お2人とも準備はいいですか?」
エマが通信をかける。
リョウ「おう。いつでもいいぜ。」
メアリィ「私もいつでも・・・。」
エマ「はい、今からエレベーターで屋上に行きヘリで作戦領域まで送ります。」
ガレージの床がせり上がり数分で屋上につく。屋上にはAC3機は運べそうなヘリが駐留していた。
エマ「ヘリの下部にあるハンガーにACの肩を着けてください。」
2人がハンガーに接続されるのを確認するとヘリは飛び立っていった。
2機が要塞の正面に着く。要塞は不気味なほど静まっている。リョウがACを1歩進めると突然上空からレーザー弾が飛んできた。
リョウ「何者だ!?」
男「それ以上この要塞に近づくな!!」
メアリィ「あれが敵のAC・・・。」
敵のACは完全に量産型に作られた「クレスト量産型」だ。パルスライフルにレーザーブレードと小型ミサイルだけで構成されている。
パルスライフルはどこからか仕入れてきたのだろう。連射力を重視したものだ。
男「貴様らにこの要塞を渡すわけにはいかんな!!死ね!!」
パルスライフル発射と同時に小型ミサイルを発射する。リョウはすばやく回避するとお返しとばかりにマシンガンを撃つ。
激しい音を出しながらマシンガンが咆哮する。メアリィが後方からグレネードライフルで援護する。
ライフルの弾は超高温度をまといながら2発が敵ACに当たる。
リョウ「よし、助かったぜメアリィ。ウイニングアタックになったな。」
確かにACは中身の機械をさらけ出していて動かない。だが、
男「貴様ら!!よくもウィリアムを!!」
残り2機のACが基地から出てきた。2機とも武器腕マシンガンに垂直ミサイルを積んでいる。かなりの高火力だ。
リョウ「おっと、骨が折れそうなやつらだ。いくぞメアリィ。」
メアリィ「は、はい!」
リョウは敵の垂直ミサイルの攻撃を回避していく。近距離になるとグレネードに持ち替え2発当てる。
そして、離れるときにミサイルを放ちながら逃げる寸法だ。
敵の攻撃はリョウのスピードに翻弄され1つも傷を負わせることもなく機体は大破した。
メアリィのほうはグレネードライフルをばら撒くように撃っていく。敵はかなりのプレッシャーで回避行動も一苦労といった感じだ。
マシンガンを撃つも軽々とかわされ代わりとばかりにカルテットキャノンをお見舞いされる。
カルテットキャノンをくらった敵ACは吹き飛ばされて大破した。
リョウ「ACといってもパイロットが技術者じゃなぁ・・・。」
メアリィ「・・・リョウさん!!3時の方角から反応!大きいです!!」
リョウは3時の方角に機体を向かせると上空から巨大な爆撃機が飛んできた。
リョウ「爆撃機だと・・・。」
爆撃機は要塞の真上に滞空すると爆弾を大量に投下してきた。たちまち要塞が吹き飛ぶ。
リョウ「あの爆撃機・・・どこの所属だ?」
リョウはエンブレムを探した。機体の底部にそれはあった。
リョウ「あれは・・・。」
その時、爆撃機が爆弾を今度はリョウたちに向けて投下してきた。
大きい爆弾が空中で爆発し大量の子爆弾になってリョウたちに降り注ぐ。
メアリィ「リョウさん!逃げましょう!」
リョウ「クラスター爆弾か・・・。あれは厄介だな・・・。」
リョウとメアリィはオーバードブーストを起動させると要塞から離れた。間一髪でリョウたちは難を逃れた。
リョウ「ひとまずアレを落とさねぇと気がすまねぇな。」
メアリィ「でもどうやってやるんですか?」
リョウ「見たところあの爆撃機は「U−80」タイプだ。あのタイプは機体の底部にエンジンがある。あそこを狙えばいい。いくぞ!」
リョウはグレネードを構えるとトリガーを引きまくった。
「ドガーン!ドガーン!ドガーン!」
メアリィ「リョウさん。私は機体に取り付いて攻撃するわ。」
メアリィが機体の底面に取り付くと火炎放射器をお見舞いする。
「ボワァァァァァァァァァァァァ!」
機体のエンジンに火がつき爆撃機は墜落していく。さらにリョウが爆撃機の上に乗るとレーザーブレードを突き立てる。
爆撃機が完全に地上に着くとリョウはメアリィに通信を送る。
リョウ「これより帰還するぜ。ついてこれるか。」
メアリィ「ぜんぜん大丈夫ですよ。」
リョウ「そうか・・・。」
メアリィ「どうしたんですかリョウさん?元気ないですよ?」
リョウ「あぁ、あの爆撃機なんだが・・・。」
メアリィ「あの爆撃機がどうしたんですか?」
リョウ「あのエンブレム・・・管理者部隊のエンブレムだった。」
メアリィ「管理者部隊!?」
リョウ「あぁ、見たことがあるからわかるんだ。管理者が復活したとでも言うんじゃねぇだろうな。」
メアリィ「えっ、でも管理者はレイヤードの最強レイヴンの「エース」が破壊したんじゃ・・・。」
リョウ「そうだ。だが実際にあの爆撃機は管理者の物のはずだ。」
メアリィ「どういうことでしょう?」
リョウ「さて、わからんな。」
メアリィ「コーテックスにいって調べてみましょう。」
リョウ「そうだな。」
2人はコーテックスへ帰還をはじめた。
第2話へ続く
あとがき
こんにちわあるいはこんばんわ。グレンです。新連載を開始しました。今回のテーマはドロドロした人間関係です(爆
今回も戦闘シーン短い・・・。申し訳ないです。次回はちゃんと戦闘シーン長くしようと思います。
作者:グレンさん
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