サイドストーリー

遺跡にて
ミッション45「進入路捜索」より ランカーAC「ファンファーレ」
 
 
・・・チッ! 逃がしたか。 
 
まったくリップハンターの野郎は何をしていたんだ・・・これだから下位ランカーと組むのは・・・
 
突然通信が入る。
 
「こちらリップハンター! 敵の攻撃を受けています、救援を!」
 
!?敵は2機だけではなかったのか? MTは撃破したし、ACには逃げられたし・・・やはり先ほどのACが戻ってきたのだろう
 
「了解した。今すぐ向かう」
 
すぐにリップハンターから通信が入る
 
「早く来てください! このままでは ・・・ズゥン!!」
 
通信が途絶える、恐らく撃破されたのだろう。先ほどのACとの戦闘でも私が駆けつけなければやられていただろうし、
どの道死ぬ運命だったのだろう・・・
 
しかし私はそうではない、私のような上位ランカーが先ほどのような下司に負けるはずがない・・・
先ほどのACが戻ってきたとしても私からしてみれば一度無くした金が戻ってきたようなもの・・・
 
30秒、後連絡が途絶えた地点に到着する
 
そこに待っていたのは、先ほどのACではなかった
 
金色のボディ、両肩のデュアルミサイル・・・一目で分かった。奴はロイヤルミストだ。3ヶ月前私が敗北を喫した男だ・・・
 
なぜ・・・なぜ奴がいるのだ? 
 
自然に私のACは急速後退していた・・・私では奴に勝つ事はできない・・・認めたくない事だが、それが現実である
 
しかし、ロイヤルミストは私を逃がしてはくれなかった。
奴のAC「カイザー」の肩のデュアルミサイルから多量のミサイルがインターピットに向けて迫ってくる
 
ランクBとランクA・・・この二つのランクには大きな壁がある。ランクAの三人はレイヴンの頂点に立つ人物である。
私のランクはB-2、奴のランクはA-3である
 
先程も説明したように私と奴との実力差にも大きな壁があるのだ
 
・・・ズゥン! 振動が走る。ミサイルの数発が当たったようだ・・・
 
とにかく相手の目をくらませなければ・・・もちろん逃げるために
 
戦う事など考えてはいない。ここはアリーナではない、戦場なのだ・・・ここで逃げ切れなければ私に待っているのは「死」だ
 
すかさずロケットで天井を撃つ、破片が矢となってカイザーの上に降ってくる
 
カイザーの動きが鈍る・・・逃げることができる・・・
 
否・・・今ならば「奴」を殺れるのではないか? いや、殺れるはずだ!
 
 
ここで私の運命が決まった
 
 
私は奴を葬るために肩の大型ミサイルをカイザーに向けた・・・つもりだった
 
私の目の前にカイザーの姿は無かった。
 
ぬかった・・・そう思った瞬間大きな振動で我に変える。
 
カイザーは後にいた。もう私の勝機はなく、逃げる機会もなかった
 
あるのは「恐怖」のみ・・・私のパイロットスーツの股間部には徐々にシミが広がり始めていた
 
私は顔を上げた。目の前にはカイザーの頭部RACHISのモノアイが不気味に光っていた
作者:レンブランドさん