サイドストーリー

Underground Party 4話 〜異常〜
Title:工作部隊救出
報酬:14000C
我が社の工作部隊を救出して欲しい。
目的は達成したのだが、ミラージュの部隊に追撃されている。
現在工作部隊は、我が社の管理セクション付近の下水溝で戦闘中のようだ。
一刻も早く、工作部隊を救出してくれ。
なお、付近の下水溝の水位が最近異常に上昇している。
原因は不明だが、注意するように。


「・・・下水溝・・・」
・・・初めて来た依頼がこんなので良いんだろうか、俺。
まあ、新人レイヴンに来る依頼なんてこんな物なんだろうが・・・。
・・・ああ、行く前にとりあえずシェリルに報告していくとしよう。
あとは・・・コーテックスと、担当になるオペレータからか。
コーテックスはどうでもいいとして・・・。

Title:宜しくお願いします
今回貴方の担当となりました、エマ・シアーズです。
新人なので至らないところもあるかと思いますが、宜しくお願い致します。

・・・新人で女性とは、中々結構。
・・・ん?恋人の記憶?それとこれとは話が別ですってば、ええ。


「・・・シェリルー、初依頼来たから行ってくるよ」
合鍵を使ってシェリルの部屋に入って、奥に向かって叫ぶ。
と、何だか不機嫌そうなシェリルが、上着を羽織りながら玄関に出てきた。
「何だ、お前もこれからミッションか」
仏頂面で、ぶっきらぼうに言い放つシェリル。
「あ、ああ。キサラギからの依頼で・・・で、どうかしたの?」
「どうもこうもない、下水の調査なんて任務をオペレータが回してきたんだ」
レイン、覚えていろ・・・などとブツブツ呟くシェリルに、多少怖いものを覚えてドアの外に退がる。
そこで自分の依頼にもあった下水という言葉に思い当たった。
「それって水位が異常上昇してるとかいう?」
と、靴を履き終えたシェリルがこちらに鋭い眼を向けた。
レイヴン同士とて、依頼内容の漏出は御法度だ。
・・・我ながら軽率な発言だったか。
「ああ、いや。俺の任務も下水関係でさ、依頼文に書いてあったんだ」
慌てて説明すると、シェリルが軽く息を吐いてドアを閉めた。
「・・・そうか。まあ幸い私の依頼主もキサラギだ、敵同士にはなるまい。ついでにガレージまで乗せてやる、来い」
・・・そういえば、敵同士になる可能性もあるんだよな。
そうならないように、帰ったらシェリルと話してみよう。
そんな事を考えながら、タバコを咥えながら駐車場に向かうシェリルの後を、慌てて追いかけた。


「レイヴン!援護してくれ!このままでは、全滅だ!」
ゲートを開放すると、パワードスーツを装備した工作部隊員が次々と逃げてきた。
重装甲型のパワードスーツの為、まだ被害は少ないようだが、それでも殆ど満身創痍といった感じを受けた。
「OK、これより追跡部隊の排除に掛かる!」
とはいえ、追跡部隊は逆脚MT”エピオルニス”が主力のようだ。
パワードスーツで構成された部隊を攻撃するには充分だが、所詮はACの敵ではない。
工作部隊を追撃してきたMT数機にショットガンを至近距離で叩き込み、沈黙させる。
「・・・随分と楽だな・・・」
と、呟いた直後、工作部隊から通信が入る。
「レ、レイヴン!敵部隊だ!」
数瞬遅れて、オペレータのエマから通信が入る。
が、その時には既に機体を急加速させて工作部隊を追っていた。
「護衛目標の付近に敵反の・・・探知が遅れました、すみません」
・・・まあ、新人ということだし、これくらいは仕方ないだろう。
そう思いながら、工作部隊に集中してこちらに背を向けている敵MTに散弾を浴びせて撃破した。
見れば、横のゲートが開いている。別ルートを通ってきた部隊ということか。
・・・もう1部隊くらい来てもおかしくないな。
そう判断して、周囲を警戒しながら工作部隊を先導する。
「レイヴン、付近に熱源です。注意してください」
と、もう少しでエレベータというところで、正面のゲートが開き始めた。
「ほら来たぁ・・・ん?何だ・・・?」
開いたゲートの向こうに見えたものは、巨大なクモのような生物。
少し離れたところに、ミラージュの追跡部隊のMTらしき残骸が転がっていた。
「・・・っと!?」
あろうことか、そのクモもどきはいきなりラインビームを発射してきた。
何処にそんな機能があるかは知らないが・・・
「攻撃してくる奴ぁ敵だっ!」
ドン!ドン!と下水に銃声が反響し、そのクモもどきは汚水の流れに沈んだ。
辺りをチェックして、敵が居ないことを確認して、エレベータへの通路に機体を移動させようとすると、工作部隊から通信が入る。
「・・・レイヴン、少し待ってくれ。その生物のサンプルを採集したい」
「了解、手早く済ませてくれよ」
その生物の死骸に集まって作業をするパワードスーツの近くに機を寄せて、周囲を見渡す。
異常は無いし、レーダーに反応も見られない。
「・・・とはいえ、もう敵は来ないと思うけどね」
「同感だ、レイヴン」
死体から肉片や体液などを採取している工作部隊を眺めていると、ルクスの脳裏にふと疑問が浮かんだ。
下水に浸かったものなんて、サンプルとして使えるのかどうか・・・と。

「・・・よし、作業が終了した。後は離脱するだけだ、ありがとう」
エレベータに向かう工作部隊と一緒に離脱しようと機体を歩行させていると、エマから通信が入った。
「コーテックスより通信です、キサラギ社より緊急の依頼が入りました。報酬は、25000Cです」
「付近で任務中のレイヴンが、正体不明の敵部隊に遭遇。かなりの数の為、増援として向かって欲しいとのことです」
付近で任務中・・・シェリルか?
しかし、あのシェリルが増援の必要なほどの量の敵・・・?
「緊急の事態ですので、この場での依頼受諾を認めます。後は貴方の判断です」
シェリルなら大丈夫のはずだ、と思いつつも俺は依頼受諾との返事をしていた。
エマの指示に従って下水構内を出来るだけ早く移動する。
エマに問い合わせたところ、やはり任務中のレイヴンというのはシェリルのことらしい。
幾つかのゲートを超えると、レーダーに友軍を示す緑の光点が映し出された。
だが、大量の敵部隊の反応など何処にも無い。
「レーヴァテインよりスレイプニル・・・敵は何処だ?」
と、シェリルの焦った声が返ってきた。
「ルクスか!?そっちに水路の制御装置があるはずだ、操作してゲートを閉じてくれ!このままじゃキリがない!」
敵は水路を通ってきているのか?ということは、小型の
辺りを見渡すと、少し先にそれらしきものを見つけた。
「・・・これか!?」
と、操作しようとすると、視界の隅に水路から這い出てくる先程のクモもどきが写った。
なるほど、あれならレーダーには映らないな・・・。
そのまま制御装置を操作し、汚水流入量の調節をすると、水路のゲートが閉まっていった。
這い出ようとしていたクモもどきは、ゲートに挟まれて潰され、緑色の体液を撒き散らして潰れていた。
こちらをモニターしているエマの呻き声が聞こえた。
「・・・レイヴン、私少し気分が・・・」
「・・・同感」
込み上げてきた吐き気をどうにか抑えて、あちこちにいるクモもどきを倒しながら、シェリルのところへ向かう。
・・・しかし、ビームを放つクモってどうなんだろうか。


・・・下水溝でシェリルとルクスがクモ型生物を駆除していた頃。
また別の場所でも、異形の生物が発生していた。
自然の生態系には存在するはずのない生物が、大挙して現れたのだ。
クレストのルグレン研究所に発生した、ダニを大きくしたような外見の生物。
非常に硬い外皮を持ち、警備部隊のMTの火力では傷1つ与えることが出来ずに撃破されてしまった。
そこで、付近で機種転換訓練中であった第13小隊に、この生物を排除せよとの指令が下ったのである。
――が。

「きゃああああっ!気持ち悪いっ!いやああ!」
「ウラノスさんっ!!何ですかアレはッ!?」
「・・・俺に聞くな!」
その生物を目にした瞬間、3機はいきなりUターンしてゲートの陰に隠れた。
・・・えらい騒ぎである。
・・・ちなみに、現在第13小隊は隊長不在である。
立て続けに隊長が戦死した結果、次の隊長の着任まで、少々の間が空くこととなってしまったのだ。
「・・・まあ、こうしていても仕方ない・・・ラスティア、ここから狙撃してくれ。カーティス、着弾と同時に突っ込むぞ」
ウラノスの言葉に、少し前進して肩に装備されたグレネードを構えるラスティア。
「行きます!」
ラスティアの掛け声と共に、グレネードの砲口が炎を放つ。
それを合図に、カース・オブ・カオスとウーランが飛び出し、爆炎に覆われた生物に肉薄するが・・・。
「んなっ・・・!」
グレネードキャノンの直撃を受けているはずの生物だが、殆ど傷ついた様子は見られない。
しかも、その生物は近づいて来る2機に気付き、ラインビームを発射してきた。
予想外の攻撃に、慌ててゲートの陰に戻る2機。
「・・・何なんだ、アレは・・・ラインビーム撃ってきたぞ・・・?」
「・・・ラスティア、次はレーザーキャノンでやってみてくれ」
再び直撃するが、その生物の様子は先ほどと変わっていない。
蚊に刺された程度にしか効いていないようだ。
嫌な沈黙が流れた。
何せ、1匹でこの状況だ。しかも、報告によれば、生物は20匹以上も施設に侵入しているという。
その後も、ウーランがブレードで斬ったり、カース・オブ・カオスが両腕のマシンガンを同時に連射したりもしたのだが・・・。
「・・・だぁぁっ!何なんだあのクソ虫野郎はっ!」
「んー・・・どうしましょうか・・・?」
と、打つ手の無い第13小隊に、脱出した研究所員からの通信が入った。
「・・・第13小隊か?我々が解析した結果によれば、あの生物は酸に極めて弱い性質を持っているようだ」
「今から酸性のガスをシリンダに入れて降下させる。それを散布すれば、あの生物は弱体化するはずだ」
その言葉と同時に、天井から大型のシリンダが回転しながら降下してきた。
ガスが詰まっているため、シリンダの中は濃い紫色に見える。
このガスで、あの生物がどの程度弱体化するのだろうか。
まあ、それが多少であっても、幾らかは状況は改善されるだろう。
そんな期待を抱きながら、ガスが散布されるのを待った。
・・・が、一向に散布される気配が無い。
あちらで操作して、散布するのではないのだろうか。
「・・・ラスティア、頼む」
苛立った声で、ウラノスが伝える。
シリンダを割って、ガスをバラ撒こうというわけだ。
「良いんですか?施設への損害は抑えろって指令が・・・」
ラスティアが少々戸惑ってそれに反論したのだが。
「構わん、責任は俺が取る」
と、ウラノスは言い切った。
それを聞いて、内心では良いのかなあ、等と思いつつ、スナイパーライフルの照準をシリンダに合わせる。
そして、ラスティアがスナイパーライフルをシリンダに撃ち込む。
ピシッ、と表面にヒビが入ったものの、1発では破壊出来ないようだ。
2発。ヒビが一面に大きく走り、多少ガスが漏れ始めている。
3発目を撃ち込むと、シリンダは砕け散り、強化ガラスの破片がバラバラと落ちた。
シリンダを失ったガスは流出し、研究所内に紫がかったガスが充満した。
見れば、生物の表面がシュウシュウと音を立てて焼け、分厚い外皮がぼろぼろと剥がれ落ちていく。
「おー・・・凄いな。ラスティアちゃん、もういっちょグレネードを」
カーティスの言葉に応じて、リディアの左肩からグレネードが発射される。
酸で外皮の剥がれた生物に命中し、大きく爆炎を上げた。
「・・・どうでしょう?」
爆炎が晴れると、体の半分以上が弾け飛んで床に転がっている生物の姿があった。
研究員の言葉通り、酸の効果は絶大のようだ。
「これなら、この後の仕事は楽に進みそうだな」
「よし、このまま散開して掃討にかかるぞ」
ウラノスの言葉に従って、3機はバラバラの方向に散っていく。
ルグレン研究所に出現した異形の生物達は、間も無く掃討されるだろう。


「・・・大丈夫か?」
見たところ、機体の損傷はそれほどでもないようだったが、辺りに散らばる大量の生物の残骸からすれば、かなりの量だったようだ。
これだけの量を相手にして、この程度の損傷で済んでいるのは流石というべきか。
「・・・何とかな・・・どちらかというと、精神的ダメージのほうが大きい・・・」
疲れた声でシェリルが呟く。
まあ、こんなスプラッタな状態だ。誰でもそうなるだろう。
「・・・まだです、シェリル。奥に巨大な熱源を確認しました、増援のレイヴンと協力して調査してください」
恐らくシェリルのオペレータだろう、確かレインさん・・・とかシェリルが言っていたな。
何というか・・・クールで仕事の出来る女、って感じでいいなぁ・・・いやあ、エマちゃんも初々しくて良いけどね。
「・・・ルクス、行くぞ・・・」
ややトリップ中のところに、いきなり声を掛けられて少し驚いたが、慌ててスレイプニルを追って機を動かす。
突き当たりの巨大なゲートを開けるため、シェリルが脇にあるパネルを操作する。
ゲートの開いた奥の広い部屋・・・巨大なクモもどきが、天井に張り付いていた。
「・・・うわ」
ガタ、とエマが後退りする音が通信機に入ってきた。
まあ、女の子にあれは・・・そういえば、シェリルも女か。
どんな反応をするか少し期待して、シェリルに声を掛ける。
「なあ、シェリル――」
「・・・ふ・・・ふふ・・・ふふふふふふふ・・・!」
返ってきたのは狂ったような笑い声だった。
・・・シェリルが壊れた――と、その時は本気でそう思った。
「・・・シェ、シェリル・・・?」
恐る恐る言葉を掛けるが、聞こえているのだろうか。
と、急に笑いが途切れた。
「・・・ブチ殺す」
「・・・は?」
聞き返す間もなく、スレイプニルはその名の示す天馬の如く、空中を翔けた。
飛び出したスレイプニルに向けて、辺りのクモもどきからラインビームが集中する。
「クモは敵だっ!!攻撃してくるクモは訓練された敵だぁぁぁぁっ!!」
狂ったように叫ぶシェリルはそれを意にも介さず、叫び声を上げながら手当たり次第に散弾をバラ撒き、片っ端から生物を斬り捨てていく。
「お、おいっ!」
慌ててそれを追って部屋に飛び込むと、天井の巨大なクモだかカニだか判らない生物が、極太のビームを幾筋も放ってきた。
間一髪でそれを避けて、両手のショットガンを天井の巨大生物に向けて叩き込む。
あの巨体相手に外すはずもなく、散弾が生物の表面を砕き、不気味な色の体液と組織片が雨のように辺りに降り注いだ。
・・・が、ショットガンでは距離が有る為に弾が拡散し、巨大生物相手には有効なダメージとはなっていないようだった。
しかも、今の攻撃で怒ったのか、あの極太ビームを次々とこちらに向けて発射してきた。
「ちくしょ・・・!」
この距離ではショットガンは大した威力は望めないし、かといって近付く為に上昇すれば動きが鈍ってビームの直撃を受ける。
とはいえこのままではいつかはあのビームに捕まる・・・。
イチかバチかで、接近して連射で決めるか・・・と覚悟を決めた瞬間。
「今すぐ私の前から消えろぉぉぉっ!!」
・・・と、シェリルの叫び声。
それに一瞬遅れて、スレイプニルからレーザーキャノンが次々に発射される。
見れば、そのレーザーキャノンは全て、巨大生物が天井に掴まっている爪?の部分に直撃していた。
「その手があったか・・・!」
レーザーキャノンの発射音とともに、巨大生物が恐ろしい苦悶の鳴き声を上げる。
そして。
耐え切れなくなったのか、轟音を上げて巨大生物は地面へと墜ちた。
が、見たところまだ足をがさがさ動かして、起き上がろうともがいている。
随分としぶといものだ。
「とっととカニ鍋になっちまいな!!」
叫び、奴の頭・・・と思われるところに、散弾を連続して叩き込む。
体液を飛び散らせながら、それでもピクピクと脚を動かす生物に、シェリルがまたも反応した。
「・・・いい加減にその”ピーーッ!!”で”ピーーッ!!”な貴様の”ピーーッ!!”にありったけブチ込んでやろうかっ!?ああっ!?」
あ・・・あんなのシェリルじゃない・・・いや、別に可愛らしい悲鳴とか期待してたワケじゃないけどさ・・・
何というか、最早別人のように冷静さを失って、地面に堕ちた巨大生物を切り刻んでいる。
墓標のようにブレードを突き立て、それを抜いて出来た穴にショットガンの銃口を密着させて、体内に直接散弾をブチ込んでいるようだ。
シェリルがトリガーを引く度に、巨大生物の躯がガクガクと揺れる。
最早説明する気も起きないが、通信機からはシェリルの狂ったような笑いが響き渡っていた・・・。


「・・・シェリル、今日の任務だけど。ありゃオーバー・キルだろ、撃ち過ぎだ。」
テーブルに突っ伏すシェリルに、ルクスが声を掛けた。
無論、ルクスが言っているのは、最後の巨大生物のことである。
結局シェリルは、残っていた残弾を全てあの生物の体内に叩き込んだのだ。
「・・・うるさい、私の勝手だろう。お前にとやかく言われる筋合いは無い」
顔を伏せたままのシェリルから、不機嫌そうな声が帰ってくる。
・・・どうも、クモが嫌いなようだが・・・まあ、少しは可愛いところがあるということか。
この話題を続けても益々シェリルが不機嫌になるだけだ、話を変えよう。
そう判断すると、ルクスは近頃多発している異常について、話出した。
「にしても、最近多いらしいね。区画閉鎖や色んなトラブル」
電力・水の供給が突然停止したり、換気機構に障害が発生したりだ。
区画閉鎖も、ルクスがシェリルに拾われてからの1ヶ月の間に、1つの区画が閉鎖されている。
ここ半年では、4つ目に当たる閉鎖区画だ。
何処かの終末論では無いが、この世界自体がおかしくなっているのかもしれない。
そう、この世界を管理し支配する管理者。
その機構が、変調をきたしているのかもしれない。
ユニオンが言うように、管理者が狂っているならば。
それは、まさに終末だ。
管理者が、我々を滅ぼそうと思えば、それは案外と簡単なのだ。
例えば、空気の循環を止める。酸素の代わりに毒を放っても良い。
地下水を大量に流入させたり、電力供給を停めて、気温を氷点下に落としたって構わない。
そう、我々を滅ぼす方法など、幾らでもあるのだ。
「ま・・・なるようにしかならんさ」
悟ったような事を言うシェリルに呆れて、ルクスが呟く。
「そんな適当でいいのかねぇ・・・一応、トップランカーだろう?」
むっ、という顔をして、シェリルが反論しようと顔を上げる。
「適当とは何だ、私だってそれなりに・・・ん・・・?」
顔を上げたシェリルが、ルクスの方・・・正確には、ルクスの後ろのキッチンの片隅の一点を凝視して止まっている。
不思議に思い、ルクスが声を掛ける。
「何?どうした?」
それには答えず、シェリルはゆっくりと腰のリヴォルバーを掴み、引き出した。
そして、キッチンの片隅の壁の黒い点へと向けて、狙いを定める。
「お、おい・・・いきなりそんなモン出してどうしたん・・・?」
慌てるルクスに向けて、冷たく凍った声が向けられる。
「動くんじゃない、死にたくなければな」
「ま、待て・・・俺、何か・・・」
ルクスが言い終わるより早く。
シェリルの構えたリヴォルバーの銃口が、ソレに向けて火を噴いた。
ドウ!と銃声が反響して、鼓膜をガンガンと刺激する。
放たれた銃弾は、狙い違わず目標に命中し、吹き飛ばした。
――そう、黒くて速いソレ・・・ゴキブリに。
「・・・ふん」
銃口から漂う硝煙を吹き散らし、シェリルはその残骸から目を逸らす。
飛び散った死骸は、ルクスが処理することになるのだろう。


次の日、シェリルの部屋からは火事と間違えそうなほどの量のバル○ンの白煙が溢れ出ていた。









何か方向性がズレてきたような。
いえ、HDD逝ったんでプロット吹き飛んだもので…。
次はデータバンク襲撃の予定です〜。








AC設定

リディア(Lydia)
頭:CHD-SKYEYE
コア:CCL-01-NER
腕部:CAL-44-EAS
脚部:MLM-MX/066
ブースター:CBT-FLEET
FCS:VREX-WS-1
ジェネレータ:MGP-VE905
ラジエータ:RMR-SA44
インサイド:MWI-EM/15
エクステンション:None
右肩武器:MWC-LQ/15
左肩武器:CWC-GNL-15
右手武器:CWG-SRF-80
左手武器:MES-ES/011
オプション:
 S-SCR    E/SCR    S/STAB   LFCS++   SP/E++   E/RTE
ASMコード:IGaAKXHe0CbecNY602

ウーラン(Uhlan)
頭:CHD-SKYEYE
コア:CCL-01-NER
腕部:KAW-SAMURAI2
脚部:CLL-HUESO
ブースター:CBT-FLEET
FCS:VREX-WS-1
ジェネレータ:CGP-ROZ
ラジエータ:RMR-SA44
インサイド:MWI-RC/30
エクステンション:None
右肩武器:CWR-S50
左肩武器:None
右手武器:None
左手武器:None
オプション:
 S-SCR    E/SCR    S/STAB   ECMP     E-LAP    M/AW
ASMコード:IHOSKXXaW60003e8W1

カース・オブ・カオス(Curse of Chaos)
頭:CHD-SKYEYE
コア:CCL-01-NER
腕部:CAL-44-EAS
脚部:MLM-MX/066
ブースター:CBT-FLEET
FCS:VREX-WS-1
ジェネレータ:CGP-ROZ
ラジエータ:RMR-SA44
インサイド:None
エクステンション:None
右肩武器:KM-AD30
左肩武器:KM-AD30
右手武器:CWG-MG-500
左手武器:CWG-MGL-150
オプション:
 S-SCR    E/SCR    S/STAB   LFCS++   L/TRN    
ASMコード:IGaAKXXW0EtP4tYW01
作者:前条さん