サイドストーリー

AC3外伝B・C・G 〜心を蝕む者〜
「エグザイルの他にもう1人いたとは・・・計算外だ・・・。」
コールはレーダーを見ながら呟いた。確かにこちらに向かってくる反応が1つあった。
コールのザ・サン、ゲドのゲルニカはほぼ再起不能に近い状態だった。
残るブラスのクールヘッドも火炎放射器しか使える武器が無かった。
「あきらめるなよ!コール!まだ俺の火炎放射器が残ってるんだからよ!」
コールを励ますように言うブラスだが焦りの顔が見えていた。
「ダメだ・・・。相手は俺ら3人で敵わなかったエグザイル・・・。
 そして今この部屋に向かってる謎のAC・・・。お前の火炎放射器だけじゃ無理だ!」
ブラスに怒鳴ったゲドも信じたくなかった・・・。
依頼成功率100%と言われた俺らがこんなにあっさりと死の直前まで追いやられたことが信じられなかった・・・。
「ち・・・近い・・もうすぐそばまで来ている・・・。」
コールは震えた声で言った。それと同時に部屋のドアが開いた。

「・・・・・・・・・・・・クレストの奴、俺じゃ信用できねぇのか・・・?
 ・・・・・・・・・・・・・・場合によっては味方でも・・・・・消す・・。」
エグザイルは自分の力がクレストに信用してないと思い、怒りと殺気で苛立っていた。





ウィィィィィィィン・・・・ガシャン!!!ガシッ・・・ガシッ・・・





そのACは黒に近い紺色と赤に近いオレンジの色でカラーリングされていた。
そのACを見てるとなんだか吸いこまれるような不思議な感じだった。
しかしそのACからはエグザイル同様、強烈な殺気を放っていた・・・。
装備は中量2脚にショットガン・投てき銃、肩は軽量グレネーランチャー・オービットキャノンといった装備だった。
肩にはΩ(オメガ)という記号のエンブレムがつけられていた。
「・・・・・見たことが無い・・・あのAC・・・。」
コールは電子メモ帳で調べたが該当するACは無かった。
「・・・まさか・・・人工知能によるAI機か・・・!?」
そう思ったコールだったがゲドの一言により覆された。
「ならエグザイル同様の殺気はどう説明する!?」
ゲドの一言によりコールの頭の中は整理できないぐらいにグシャグシャになってしまった。
「とりあえず今はあいつが敵か味方か知らなければ・・・。」
そのACはゆっくりと歩いてこちらに向かってきた。
するとすごい速さでエグザイルのアフターペインが向かっていった。

「・・・・・・・・・・・・・どんな奴だか知らないが俺の邪魔はするな・・・。
 ・・・・・・・・・・・場合によってはてめぇも消すぞ・・・・・わかったな?」
エグザイルは怒りを抑えながらそのACに言った。



するとそのACに乗ってるレイヴンは思いもよらぬ言葉を言った。


「なるほど見た通りなかなかの殺気だな・・・。クレストが使うのもよくわかるな・・。」
その男はエグザイルの言った言葉にも動じず冷静に言った。
「・・・・・・・・・・・・なんだと?・・・今の言葉、撤回しな・・・。
 ・・・・・・・・・・・・てめぇなんかすぐに消せるんだぞ・・・・・・。」
エグザイルはもう怒りを抑えることはできなかった。だがその男はそれでも動じなかった。


「悪いがそれはこっちの台詞だ。これ以上クレストに手を貸すな。
 はっきり言って計画の邪魔だ。10秒以内に消えてくれ、じゃなきゃ争うことになる。」
その男はエグザイルにそう言うとすばやい速さでアフターペインに回りこんだ。
「・・・・・・・・・・・・馬鹿な!?・・・・・・ぐっ!!!」
ついにエグザイルがキレたがその男とは次元が違っていた。
「争いを選んだか・・・良くないことだ・・・。」
その男はほぼ音速に近い動きでアフターペインの両腕を奪った。



「ん・・?なんだアフターペインの腕が・・まさかあのAC・・味方なのか?」
コールはわずかな希望を見つけた。コールの目にアフターペインの両腕が映っていた。



「エグザイル・・・君はたしかに強い。だが仕える場所が間違っていたな・・。
 とりあえず両腕は奪った。もういつでも殺せる、生き延びたいならこの場から
 消えてくれ。これ以上クレストに仕えているつもりなら本当に消す。
 俺だって君みたいな強いレイヴンはあっさり消したくないんだ。わかってくれるよな?」
その男はエグザイルにすごく強くすごく重い脅しを言った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐっ・・・くっ・・・。」
エグザイルは一瞬に力が抜け男の言う通りに動くしかなかった。



ウィィィィィィン・・・ガシャン!!



「ふー・・・・あとはあの3人か・・・。」
その男は3人に近づいた。ゆっくりと3人に近づいてきた。
「助けてくれて有難う御座います!あなたは一体・・・?」
コールはまっさきに男に礼を告げた。だが男はまた思いもよらぬ言葉を言った。
「助けたつもりは無い、実は君たちも消す予定なんだよね・・・。」
そう言うとショットガンを3人に向けてきた。
「だけど君たちエグザイルに派手にやられたね・・。まあそれなら消すつもりもないかな。
 君たちもクレストにだけは仕えることはしないで欲しい。君たちはもしかしたら
 適応してるかもしれないな・・・・。まあそういうことだ。とりあえず消えてほしい。」
男はここに何かがあることを知っていそうな顔だった。
「わかりました・・・。」
コールは素直に答えた。するとゲドが最後に質問した。
「待ってくれ!!最後に名前だけ教えてくれ・・・。」
すると男は微笑みながら答えた。




「俺の名前はヴァーネスト・・・心を蝕む者だ・・。」




「心を蝕む者・・・・・?」
3人にはその意味がよく分からなかった。




「大丈夫・・。その意味は後々わかるよ・・・。」
3人はその場からとりあえず離脱した・・・・・。
「あのヴァーネストという人・・一体なんだったんでしょうか?」
コールはまだ頭の中が整理できていなかった。
「わからない・・・。ただ次元が違いすぎる強さだ・・・まさかあのエグザイルを・・。」
ゲドもかなり驚いた様子だった。ブラスもまだ現実かどうかさえ把握してなかった。






ザーザーザ・・・・ザザーザーザー・・・・・





「今そっちに3人が向かったから説明の方は頼んだよ。」
ヴァーネストはある男と通信をしていた。
「わかった・・。エグザイルはどうだった?」
男はエグザイルのことを聞いた。
「ああ、彼は3人より強いけど適応者としては相応しくないないよ。
 それに比べてあの3人は凄いよ。彼らは適応者に相応しい、必ず手に入れる。」
ヴァーネストは適応者と言う言葉を頻繁に使っていた。
「予想していたがそんなにすごいのか・・!?まあお前が言うから本当らしいな。」
男も3人のことを前々から興味を持っていたらしい。
「楽しみだよ・・・。これで計画実行が近づいてきた・・。嬉しいよ。」
ヴァーネストは喜びを隠しきれなかった。
「とりあえずヴァーネストは例の物を見つけたらデータを取ってくれ。
 あの3人は今こちらに向かってるから俺にまかしてくれ。頼んだぞ。」


今、地下都市レイヤードで何かが起きようとしていた。
作者:RYOSUKEさん