サイドストーリー

Underground Party 5話 〜嵐の前〜
Title:データバンク侵入
我々は、行動を起こす。
狂った管理者をこのまま放置しておくことは、この世界にとって余りに危険だ。
レイヤード中枢の、管理者本体へと直接アクセスし、状況の改善を図る。
中枢への進入経路を把握すべく、クレストの中央データバンクへの侵入を行う。
当然、厳重な警備部隊が配備されており、やすやすと侵入できるような場所ではない。
さらに施設内には、高性能なセキュリティ、及び警備システムも配備されている。
我々の調査した結果、最深部にある動力設備を破壊すれば、セキュリティを無力化できることが判明した。
警備システムは、事前に別行動のレイヴンが停止させる手筈になっている。
目標は2つ。動力設備を破壊し、セキュリティを停止させること。そして、敵警備部隊の全滅だ。
両者を沈黙させた後、我々の部隊が最深部に突入する。
今回は複数のレイヴンと契約するつもりだ。挟撃により全ての敵勢力を一気に破壊する。
最深部への突入には、我々に近い意思を持つミラージュの部隊にも参加を呼びかけている。
失敗は許されない。
なお、細部に関してのブリーフィングは、本日13:00に行う。
以上だ。


目覚めて。
寝呆けた頭でラップトップを開くと、こんなメールが来ていた。
それを見て、眠気は一気に吹き飛んだといって良いだろう。
久々の大仕事である、即座に了解の返答を入れておいた。
何せ、クレストの中央データバンクを襲撃ときた。
本社に次いで警備が厳重と言われるデータバンク施設。
先日、何処かの部隊がクレスト中央研究所を襲ったと聞いたが、警備の固さではあそこの比では無いだろう。
私とて、警備システムが生きた状態で、あんな処に侵入したくはない。
警備システムが停止された後とはいえ、配備された警備部隊はかなりのものだろう。
其処に突入するのだ、如何にレイヴンとはいえ、幾らかの損害は出るだろう。
狭い通路で集中砲火を受ければ、私もそれを避け切る自信は無い。
・・・もっとも、あの広い施設だ。
そうそう一箇所に警備部隊を集中させるということも難しいだろう。
多数のACの侵入を受けたという連絡を受ければ、警備部隊が分散して配置されるということも、十分考えられる。
・・・まあ、それはあくまで甘い期待に過ぎない。
常に最悪の状況を想定しておくのがプロというものだ。
各部屋、各通路毎に敵が待ち受けていると思ったほうが良いだろう。
そのような事態が予想されるのだ、本来なら装甲を重視したアセンに変更すべきなのだろうが・・・。
アセンブルシュミレータを前に熟考した結果、普段通りのアセンで出撃することにした。
予想外の事態に遭遇した場合、慣れないアセンでは心もとないからだ。
それに、一応は私もトップランカーの端くれだ。
自分の腕を過信する訳ではないが、ある程度は想定外の敵が出現しても対応出来る自信はある。
それに、複数のレイヴンでの共同作戦だ。
イザとなれば、付近のレイヴンと共闘すれば問題は無いだろう。
問題は参加するレイヴンだが・・・まあ、それは13時になれば判るだろう。
・・・待て。今は、何時だ・・・?
慌てて時計に目をやると、12:42との表示。
即座にブリーフィング・ルームへと向かう。
向かうとは言っても、実際に移動したりするわけではない。
レイヴンの居住地や、移動に掛かる手間などの問題がある為、任務のブリーフィングはチャット・ルームで行われる。
チャットでは情報漏洩などが心配されるかもしれないが、そこはそれ。
任務を受けたレイヴンのみに配給されるコードとレイヴン本人のコード2つを打ち込んで、初めて入れるのである。
もっとも、通常はオペレータからの情報だけで事足りるため、ブリーフィングが行われることも珍しいのだが。
第一、多数のレイヴンを雇う事態など、そうそうあるものではないからだ。
それはともかく、指定されたブリーフィング・ルームを探す。
任務内容を想定されないように付けられたミッションコードが、そのままルーム名になっているのだが。
・・・ああ、あったあった。


『Cradle Cat&Power Play』
>『シェリル=ユーン』が入室しました
フライングフィックス>まあ、そういうことになるんだろうが・・・
ワルキューレ>あら、噂をすれば。シェリル、おはよう。
シェリル=ユーン>遅くなった、すまない。
ワルキューレ>大丈夫よ、まだクライアントは来ていないし。
ルクス>え、何・・・シェリルも受けてたんだ?
イエローボート>初めまして、”紅い神槍”!一緒に仕事が出来て光栄だわ!
シェリル=ユーン>ああ、宜しく頼む。
ツインヘッドW>・・・姉さんを殺した相手と仕事をする事になるとはね
シェリル=ユーン>・・・参加者はこれだけなのか?
フライングフィックス>いや、あと2人居る筈だ
ルクス>そろそろ来ると思うよ、時間も近いし。
>『ロイヤルミスト』が入室しました
ツインヘッドW>な・・・ロイヤルミスト!?
イエローボート>まさかロイヤルミストと一緒だなんて・・・夢みたい!
ロイヤルミスト>初めに言っておく、足を引っ張るなよ
フライングフィックス>流石はAランカー、言う事が違うな
ルクス>えーと・・・個人的な用で悪いんですが、この間のメールは・・・?
ロイヤルミスト>貴様か・・・書いてあった通りだ、他に意味は無い
ワルキューレ>それにしても、貴方がミッションに出てくるなんて珍しいわね?
シェリル=ユーン>そうだな、私も驚いている。
ロイヤルミスト>・・・レイヴンがミッションを受けて何の不思議がある?
ワルキューレ>まあ、そうだけれど・・・
シェリル=ユーン>お前の場合、アリーナに御執心だったと思ったのでな。
ロイヤルミスト>ふん。お前達もいい加減に彼の元に降る事だな
>『ユニオン』が入室しました
ユニオン>諸君、お喋りはそこまで。
ルクス>あ、クライアントのお出ましだね。
イエローボート>あれ、1人足りないみたいだけど。
>『パーティプレイ』が入室しました
パーティプレイ>すまない!少し遅れてしまった!
ワルキューレ>全く・・・何ていうか、貴方らしいわね。
ユニオン>・・・まあいい、全員集まったようだな。では作戦内容を説明する。
     諸君には、それぞれ指定したポイントから進入して貰うことになる。
     そこから後は、こちらの通信士からの指示に従って行動して貰う。
     まずは、ルクス。君が警備システムを停止させるところから始まる。
     君がこれに失敗した場合、本作戦は非常に厳しいものとなるだろう、確実に成功させてくれ。
ルクス>はあ、まあ・・・
ユニオン>君にはシステムを停止させた後、換気ダクトを通って本棟に侵入してもらう。
ルクス>了解
ユニオン>今から全員に施設の見取り図を送信する。・・・よし、皆受信したな?
     では、全員それを見てくれ。中央のC00、そこが目標の動力設備だ。
     見れば判るとおり、施設はC・E・W・S・Nの5つのブロックに分かれている。
     今から、それぞれの進入ポイントを指示する。
     ロイヤルミスト・N00、ワルキューレ・S00、フライングフィックス・W00、シェリル=ユーン・E00
     パーティプレイ・E50、イエローボート・S50、ツインヘッドW・W50、ルクス・C42・・・以上だ。
フライングフィックス>警備部隊の規模は?
ユニオン>約1個MT大隊とガードメカだ。外部にはヘリ中隊と少数の機械化歩兵が居る事が確認されている。
     無人のガードメカの数については、我々も把握してはいない。
     それと、近隣の飛行場から戦闘機の飛来が予想されるが、これは我々の部隊が相手をする。
イエローボート>1人頭、MT10機くらい?これなら楽勝かもね。
ワルキューレ>ガードメカの存在を忘れると痛い目に遭うわよ?
ロイヤルミスト>雑魚の数などどうでもいい・・・ACは?
パーティプレイ>そうだな、"Last Supper"は・・・どうなんだ?
ユニオン>"Last Supper"の所在に関しては、殆ど判っていないというのが現状だ。
     だが、計13個小隊のうち、3個小隊は常に本社近郊に配備されていることが確認されている。
     それと、1個小隊が現在機種転換訓練中との情報もある。
     残り9個小隊の所在は全く不明だ。
     しかし、最近のクレストの動きを考えれば、警備に就いているとしても1個小隊だろう。
ツインヘッドW>1個小隊ね・・・
シェリル=ユーン>まあ、そんなところか。
ユニオン>他に何も無ければ、これにてブリーフィングを終了したい。
質問は無いようだな・・・では、諸君、宜しく頼む。
>『ユニオン』が退室しました
>『ロイヤルミスト』が退室しました
>『ツインヘッドW』が退室しました
パーティプレイ>さて、作戦まで仮眠でも取っておくか
フライングフィックス>パーティプレイ、作戦には遅刻するんじゃないぞ(苦笑
パーティプレイ>はは、流石に大丈夫だ。それでは先に失礼する。
>『パーティプレイ』が退室しました
イエローボート>じゃあ、私も落ちますね〜 (^^)ノシ
>『イエローボート』が退室しました
フライングフィックス>では、私も
>『フライングフィックス』が退室しました
シェリル=ユーン>ふむ。
ワルキューレ>さてと、私も落ちるわね。ルクス、しっかりお願いするわよ。
ルクス>まあ・・・頑張ります。
>『ワルキューレ』が退室しました
ルクス>じゃ、後で。
>『ルクス』が退室しました
>『シェリル=ユーン』が退室しました


「さて・・・」
時計を見れば、13:25。
作戦開始時刻は18:30だから、移動等の時間を考えても、1時間ほど余裕がある。
そうだな・・・シャワーでも浴びて、軽く食事でも取っておこうか。
枕元のラップトップを閉じると、身体を起こして眼鏡をデスクへ置く。
普段は眼鏡など掛けないのだが、PCを見るときや、読書時などは掛けているのだ。
何となく、知的な雰囲気が出るだろう?
まあ、それはさておき、そのままバスルームへと歩き出したのだが。
バタン、とドアが開く音と共に、ルクスが部屋に入ってきた。
「シェリルー・・・んな!?」
失礼なことに、奴は私の姿を見るなり、声を上げて目を手で覆った。
「・・・何だ?私の顔に何か付いているか?」
少々気に障ったので、声が軽く不機嫌になっているのが自分で判った。
「い、いや・・・なんて格好してるんだ・・・」
「格好?」
言われて、初めて自分の姿を見る。
・・・納得した。
「・・・ああ、なるほど」
そういえば、起き抜けで慌ててブリーフィングを受けていたので、着替えていなかったか。
どんな服装かといえば・・・何というか。
ちなみに、私は寝るときは下着しか身に着けない。
・・・まあ、そういうことだ。
「1人で納得してないで、さっさと服着てくれ」
・・・そう言いつつ、指の隙間から見るのもどうかと思うのだが。
まあ、悲しき男の性というやつか。
「服を着るも何も・・・今からシャワーでも浴びようと思っていたところだが」
今からシャワーを浴びるのに、服を着る道理は無い。
我ながら全くの正論だ。
そう思っていたのだが、奴はそうは思わなかったようだ。
「じゃあ、早くバスルームに入れっ!」
と、怒鳴られた。
・・・全く、不条理なことこの上ない。
「・・・鍵くらい閉めたらどうなんだよ」
バスルームに入ると、ドアの向こうでルクスが文句を言った。
が、私に言わせればこうだ。
「それ以前に、入る前にノックくらいしたらどうだ。仮にも女の部屋だぞ?」
言葉に詰まったか、ルクスはそれ以上何も反論しない。
下着を脱ぎ捨てて、シャワーのノズルを捻る。
熱い湯が迸り、意識をはっきりと覚醒させる。
と、弾ける湯の音の向こうで、ルクスの声が聞こえた。
「出る時は教えてくれよ、俺はガレージまでの足無いんだから」
湯を浴びながら、適当に返事を返す。
「判った判った、早く行け。それとも何か、私の着替えでも見たいのか?」
「誰が!」
と、言い捨てて、ドアが勢い良く閉じられた。
・・・全く、本当に不条理なことだ。

「・・・にしたって、鍵閉めないのは防犯上も良くないと思うんだけど」
助手席に座っているルクスが、口を開いた。
それに関しては、私も否定する気は無い。
レイヴンという稼業上、命を狙われる事だって無いとは言えないのだ。
まあ、レイヴンの住所等の個人情報は極秘事項だし、レイヴンである以上、生身の戦闘でもそれなりの力はあるつもりだ。
だが、私がドアに鍵を掛けない理由は、別に有る。
ふと、此処には居ないあの姿が脳裏に浮かんだ。
「・・・もしかしたらフラッと帰ってくるかもしれないから・・・鍵が閉まっていたら、入れないだろう・・・」
窓から入る風の音に紛れて小さく呟いた独白に、ルクスが聞き返した。
「え?」
「いや、何でもない・・・それより、そろそろ着くぞ、準備しろ」
隣でクエスチョンマークを浮かべているルクスを見て、苦笑する。
・・・全く、私はこんな奴に何を話しているんだ。
そんな搭乗者の思いを余所に、紅いスポーツカーは、コーテックスの地下駐車場へと入っていった。


「よぉ、シェリル嬢ちゃんも出撃かい」
整備班のクローレル主任が、パイロットスーツを着込んだシェリルの元に歩み寄ってきた。
このガレージの整備士達を統括する重要な職務にあるが、見た感じで受ける印象は何処にでも居そうな親父である。
「ああ、主任・・・今日も頼みます」
シェリルがいつものように軽く会釈すると、主任は豪快に笑って答えた。
「いいっていいって、これが仕事だからな・・・おら、お前達さっさとしろっ!」
と、後ろで作業している整備士達に、大声で喝を飛ばす。
シェリルの方に振り返ると、申し訳なさそうに頭を掻いた。
「すまねぇな・・・嬢ちゃんの機、まだ弾薬の積み込み終わってないんだわ」
それを聞いて、シェリルが訝しげな顔をする。
整備の遅れでレイヴンがミッションに遅刻するなど、あってはならないことのはずだ。
そんなことがあれば、コーテックス自体の信用にも関わる問題になる。
シェリルのそんな表情を見て取ったか、主任が整備の遅れている理由を話し出す。
「いやな、ちと今日は人手が足らないんだわ・・・」
そこで、ふと思い出したように声を潜めて先を続けた。
「ここだけの話だがな、ランカーだけでも10人以上がこの時間帯に出撃してるんだ」
それを聞いて、シェリルの表情に緊張が走る。
ユニオンが雇ったレイヴンは、ランカー8名。
整備主任の口振りでは、当然ランク外レイヴンも出撃しているのだろう。
無関係の作戦ということも考えられるが、それにしたって少々多すぎる。
恐らくは、クレスト側に情報が漏れて、レイヴンを雇ったと考えておいた方が無難だろう。
「・・・試してみるか」
その呟きを聞きつけたか、クローレルが尋ねる。
「うん?どうかしたか?」
「いや・・・済まないがアセンの変更を頼めるか?」
そのシェリルの言葉に、熟練の整備士が驚いて声を上げる。
「今からか!?」
単刀直入に、変更箇所を伝える。
「ブレードをMoon Lightに変えて欲しいんだが・・・出来るか?」
主任は数秒考えた後、ニヤリと笑った。
自分の仕事に自信を持っている人間だけが浮かべる、独特の笑みだ。
「出来るか?と挑戦されちゃやらねぇワケにはいかねぇな!10分だけくれ、それで仕上げてやる」
と、俄然張り切り出し、腕をまくって陣頭指揮を取りだしたクローレル主任を見て、シェリルは苦笑する。
次に、近くにあった端末を操作して、自らのオペレータの内線番号を調べると、辺りのインターフォンにその番号を打ち込んだ。


「レインさーん、3番に整備部から電話でーす」
モニタの前で、依頼主であるユニオンから送られてくる最新の情報に目を通していた彼女の元に、呼び出しが掛かった。
彼女の名は、レイン=マイヤーズ。
ランキングB-5レイヴン『シェリル=ユーン』担当のオペレータである。
その彼女の元に、何故整備部から電話があるのか。
不審に思いながらもインターフォンの3番のスイッチを押すと、聞きなれた声が飛び込んできた。
「レインか、少し仕事を頼まれてくれないか」
そう、その声は自らの担当しているレイヴン、シェリルその人ではないか。
そろそろACに搭乗している筈の彼女が電話に出ている事に、つい呆れた声が出た。
「シェリルですか・・・どうしたんです、一体」
電話の向こうの相手は、そんなレインの口調を気にした様子も無く、とんでもない事を言ってくれた。
「ちと、重量検査を誤魔化してもらいたい」
「は!?ど、どういうことですか!?」
つい、聞き返す声が大きくなった。
コーテックスでは出撃前に、機体の重量がアセンブル通りかどうかチェックする為、ハンガーの重量計で検査を行っている。
それは、無許可で積み込まれた弾薬やパーツなどが、テロ組織などに流れるのを防ぐための措置だ。
シェリルは、それを誤魔化せと言うのである。
どうもこのシェリルというレイヴンは、規則などを破る傾向にあるらしい。
以前も、任務中に通信機器や戦闘メモリーを全て停止させていた事があった。
「なぁに、ちとマガジンを多目に積んでいくだけだ」
その言葉に、一瞬すっと気が遠くなる。
ACという強大な兵器を操るレイヴンが、余りに力を持ち過ぎないようにとの管理者の考えか。
弾薬さえあれば、戦い続けられるACの力を抑えるため、ACの兵装の予備弾倉には種類によって規定が定められている。
シェリルがACに装備しているショットガン系は、計8本のマガジンが一度の出撃で積める数である。
ちなみに、ライフル・マシンガン系は5本、ハンドガン・バズーカ系は10本などと決まっている。
エネルギー系の兵器に関しては、色々と難しい規定があるので割愛させて頂くが。
弾の大きさ・・・すなわち威力とマガジンの大きさで総火力と重量が決まるので、その辺りの調整が設計陣の腕に掛かってくるわけだ。
ちなみに武器腕の弾数が少ないのは、手というマニュピレータが無いので、マガジンの交換が出来ないからである。
「本気ですか!?そんな、規定違反になりますよ・・・!」
周囲の人間に聞こえないように、後半は声のボリュームを落として反論する。
もしもバレたら、管理者に睨まれるかもしれないのだ。
そうしたら、シェリルの命は無いと言ってもよいだろう。
「構わん、どうもACを何機か相手にすることになりそうな気配だからな・・・バレたら私に脅されたとでも言えばいい」
その言葉に、大分呆れつつ返事を返す。
「バレるようなヘマはしません。けど、戦闘メモリーの大幅な改竄は面倒なので、弾薬を奪った振りでもしておいて下さい」
と、電話の向こうでシェリルが笑っているのが聞こえた。
「頼もしいな、4本余分に積んでいく、あと5分で出撃だ・・・頼んだぞ」
それだけ言うと、シェリルは受話器を置いてしまった。
切る寸前に、整備主任の名を呼ぶのが聞こえたから、今からマガジンを積み込むのだろう。
全く・・・私だけでなく、整備主任にまで迷惑を掛けるなんて。
クローレル主任は人が良いから、上には報告せずにシェリルの頼みを聞いてくれるのだろうけど。
・・・さて、シェリルのAC『スレイプニル』に装備されているCWG-GS-56のマガジンの重量を調べるところからだ。
時間は無いけれど、引き受けた以上はやらなくてはならない。
・・・そう。
私のレイヴンが、面倒な事態にならないように。








間が空きましたが前条です。
おかしいな、今回は思い切り戦闘シーンを書くはずだったんですが・・・戦闘皆無ですね(苦笑
何か、色々と自分設定がどんどん出てますが、気にしないで頂けると幸いで・・・。



AC:スレイプニル
頭:CHD-SKYEYE
コア:MCM-MI/008
腕部:MAL-RE/REX
脚部:CLF-DS-SEV
ブースター:CBT-FLEET
FCS:VREX-WS-1
ジェネレータ:CGP-ROZ
ラジエータ:RMR-SA44
インサイド:MWI-DD/10
エクステンション:CWEM-R10
右肩武器:CWM-S40-1
左肩武器:MWC-LQ/15
右手武器:CWG-GS-56
左手武器:MLB-MOONLIGHT
オプション:
 S-SCR    E/SCR    S/STAB   L-AXL    L/TRN    
 E-LAP    SP/E++   
ASMコード:I8j8KXXcaWMIWNai03
作者:前条さん