第一話「起動」
「こちらジャバウォック、管制官、聞こえるか?」
「こちら管制塔、レイヴン、よろしく頼む」
「了解、ふぅ。」深く息を吐き肩を降ろす、時間は午後十時、満月がとても綺麗だ。
「!?」突然胸がザラザラしてきた、嫌な気分だ。
「こちら管制塔、レイヴン、敵が来た、迎撃してくれ!」
頭の中に沢山の言葉が入っていくる、「生きて帰るぞ!」「死にたくない」「ぶっ殺してやる」「うるせぇ奴だな」
「な、なんだこれは?」
「レイヴン?聞こえているか?敵だ!」
「あぁ、わかった、迎撃する」
ブースターを吹かし前へ進む、またしても頭の中に「死ね!」黒い手のようなものが伸びてくる、
俺はそれを避けた、その直後敵のMTが撃ったレーザーが機体を横切る。
「なんだ?」と思いながらもレーザーライフルをMTに向けて撃った。直撃だ。
燃えていくMTから頭の中へまた声が来る「熱い、熱い、熱いぃぃぃぃぃぃ!」
「!」一体何だ、何故?しかし敵は考える時間をくれない。
「マーク!マーク!畜生!」また黒い手が伸びる、それを避ける。さっきと同じ様に機体の前を
今度はロケットが飛んだ。距離が近かった為、脚で蹴る。
「うわあぁあああぁ!」聞こえもしない断末魔が聞こえてくる。
「一体何だ、これは!」嫌な気分だ、相手の事を考えるのは戦場で一番あってはならないことだ、
同情が生まれ、そこに隙生まれ死に繋がる。
戦場では相手の顔を考えてはならない、しかし今は考えてしまう。
「くそ!!ん?」
モニターを見ると「ALICE」と出ている。
「ALICE?まさかこの頭がそうさせているのか?」
そうしている間に背後からまた手が来る、今度はかなりの数だ、避けきれず当たってしまう、背中が熱い。
その後にバルカン砲が飛んでくる、(当たってなかったのか?)すかさず避ける。
反撃してヘリを堕とす。また断末魔だ。
「くそぉ!やめてくれ!」そう俺は叫んだ、何故かは解らない。
・・・・・・・・・・・・・・・・ 三十分は経った。
ミラージュ本社屋上が燃える中、一体のACがたっている、俺の機体「ジャバウォック」だ。
「ハァ、ハァ、一体なんなんだ、攻撃は先読みできるし、敵の声は聞こえるし、くそ!」
モニターを殴る、まだ「ALICE」と書いてあるのだ。
「こちら管制塔、よくやったレイヴン、ありがとう」
「あぁ・・・・・・」
「にしても凄いな、被弾0とは」
「何?」よく見ると機体には傷一つ無い。
「!?」また胸がザラザラする。
「なんだ?熱源確認、大きいな、AC二機、レイヴン、迎撃してくれ!」
予想はしていたが、二機とは・・・、しかし弾にはまだ余裕がある。それに屋上では逃げ場が無い。
「了解」そう答えた。
一機の輸送機が近ずく。
「ふふ、おいジーン、あれを見ろ「魔獣」だ」痩せこけた男が言う。
「そうだなラウル、あれを俺達が堕とせば・・・・」ジーンと呼ばれた男が答える
「名が上がるぜ!行くぞ!」
「おう」輸送機から二機のACが切り離された。その二機はオーバーブースト(以下OB)を発動させる。
「来たか」一機は両グレネードのタンクタイプ、もう一機はマシンガンにショットガンの軽量タイプ
「こいつら、聞いた事が在る、確か殺しが大好きな奴等だな・・・」
「そうとも、だから簡単に殺しができるレイヴンになったんだ、へへ、行くぞハウト」どうやらこいつのACはハウトと言うらしい。
「ラウル!撃つからよけろよぉ!うてぇ!マックス!」ジーンのはマックスか・・・、わざわざ呼ばなくてもイイだろうに・・・
少しの間で冷静さは取り戻せた、これからは例の「読み」を使わせてもらう。
来た、でかい手だすかさず避ける、グレネードの爆煙が後ろで起きたのはその一秒後だった。
ハウトの方へミサイルを撃つ、が、外れる。しかしそこを読んでレーザーライフルを撃った。
これは当たった。
「くそぉ!ジーン!ちゃんと援護しろ!」
「うるせぇ!さっさと殺れぇ!」
マックスの撃ったオービットが機体に当たる。どうやら殺気のこもってないものには反応しないらしい、
ミサイルがオービットに壊される。
「ち、奴を先に・・・」OBを発動し、マックスへ突っ込む、エクステンション(以下EX)
のブースターも発動しさらに加速する、そしてブレードを展開する。
通称ダガー、もっとも刃先が短いところからそう呼ばれている。その為使いづらく、あまり使う者はいない。
しかしそれはエネルギーの密度が高いことを表し威力はムーンライトをしのぐ、
それなりの腕を持つ物ならいい武器になる。
この流れが俺の必殺技(エマとキースが勝手につけただけだが)
「ハートブレイク」だ、かならず破壊するというのが理由らしい。
俺もされが決まると思った、この加速スピードに付いてきたものは過去にいなかったからだ。
「甘ぇよ」後ろからハウトがマシンガンを連射する、こいつの機動力は俺を遥かに上回っていた。
誤算だ・・・・・・全弾直撃の機体にさらにマックスがグレネードを撃つ。
これを喰らい、俺の機体は動かなくなった。
「へ、終わったか。魔獣もたいしたことなかったな。」
「あぁ、ラウル、早くやれよ」
「わかってるよ、俺のショットガンでこいつを吹き飛ばさないとな」
ガキ!どうやらショットガンがコクピットに当たっているようだ、この距離なら装甲を貫通するだろう。
(死ぬのか・・・・、嫌だな・・・・、まだALICEと出ている、良く解らないまま死ぬのか?
エマすまない、もう、約束は・・・・)
「終わりだ」死を覚悟したその時。
ヴォン!機体が再起動する、「何ィィイ!」
「システムALICE起動」ガキ!俺の機体がハウトの頭をつかみギリギリと音をたてて引きちぎる。
その時おれは安心したのか、気を失ってしまった。
ラウルが叫んでいる、しかし言葉になっていなかった。
敵の機体は突然目が赤くなって口が開いた、そこさら白い煙がでる。
おそらく放熱の役割なのだろうが、それがよけいに魔獣らしく見える。
ラウルの機体の頭が取れる、そして腕がちぎれ、脚ももがれ、
最後にサーベルでコクピットを貫かれた。
俺はその日初めて殺される側の立場になった。
魔獣がこちらを向き襲ってくる、俺は自分でも解らない位叫びながら弾丸を放った。
しかし一発も当たらず、サーベルだ振り下ろされ、おれは蒸発した。
しばらくして俺は気が付いた。そして驚く。
「これは・・・・・」無残に転がる二体のAC。
一つはバラバラにされコクピットを貫かれている。
もう一体は体が斜めにバッサリと斬られている、これもコクピットへ到達していた。
「これを・・・・俺が・・・・・?」
そこに存在するのは魔獣だけだった。
機体設定
ジャバウォック パイロットシェルド=ウォーリー
頭:HD-ALICE(オリジナル)
コア:MCL:SS/RAY
腕部:CAL-66-MACH
脚部:CAL-02-SNSKA1
ブースター:CBT-01-UN8 FCS:AOX-ANA
ラジエーター:RGIKD99 ジェネレーター:CGP-ROZ
インサイド:None エクステンション:MEBT-OX/MB
右肩:MWM-SM36/1 左肩:MRL-MM/011
右手:MWG-XCB/75 左手:KLB-LS-3771
敵AC
原案 レイヴン試験不合格者さん
頭:MHD-MX/BEE コア:MCH-MX/GROA 腕部:MAH-RE/GG
脚部:CLC-D3TA ブースター:None FCS:PLS-SRA02
ジェネレータ:CGP-ROZ ラジエータ:RMR-SA77
インサイド:CWI-DD-30 エクステンション:KEBT-TB-UN5
右肩武器:MWC-OC/30 左肩武器:CWC-CNG-500
右手武器:CWGG-GR-12 左手武器:CWGG-GRSL-20
オプション:S-SCR E/SCR LFCS++ L/TRN E/RTE
AC名:マックス
レイヴンネーム:ジーン
頭:CHD-MISTEYE コア:MCL-SS/RAY
腕部:MAL-RE/HADRO 脚部:CLL-HUESO
ブースター:MBT-NI/MARE FCS:AOX-X/WS-3
ジェネレータ:CGP-ROZ ラジエータ:RMR-SA44
インサイド:MWI-DD/10 エクステンション:None
右肩武器:None 左肩武器:None
右手武器:MWG-MG/800 左手武器:CWG-GSL-56
オプション:S-SCR E/SCR L-AXL LFCS++ L/TRN CLPU
AC名:ハウト
レイヴンネーム:ラウル
常に2人で行動するレイヴン。性格は非常に残酷。殺すことを最高の喜びである。
ふぅ、終わった。補足ですがここで表現されている黒い手は殺気のことを表し、
実際に出ているものではありません、あくまでシェルドが頭の中で感じ取った物です。では第二話目を期待してください。
作者:ダロタさん
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