Underground Party 閑話2 『アリーナ狂想曲』
セクション614会戦から1ケ月。
あの会戦の結果、ユニオンとキサラギの合同部隊が壊滅し、クレストの部隊も大損害を負った。
そして、会戦終盤に現れた謎の部隊。
後の調査で、管理者の部隊だと判明したその部隊は、その後も各地に出現して、各勢力の部隊と戦闘を繰り広げている。
頻発していたトラブルは益々発生数を増し、街には終末論なども飛び交っている。
始まりがあれば必ず終わりがある、とは誰の言葉だったか――
確かに、この世界は終わりへと近付いていくように思える。
だが、そんな情勢にも関わらず、人々は精一杯日常を生きている。
セクション614会戦で9名のランカーを失ったコーテクッスでも、日常通りにアリーナが開催されていた。
ドドドドドドドドド!
対戦開始早々ヴァリアントの両腕が火を噴く。
レーヴァテインを撃破せんと凶悪な2つの火線が延びていく。
だが、既にOBを発動していたレーヴァテインには掠りもせず、無駄に壁を削るに終わる。
「何処だ――!」
レーヴァテインを見失ったが最後だ。
チェーンインパクトが幾ら回避行動を取っても、レーヴァテインは巧みに背後に影のように喰らいついて離れない。
一方的に散弾の嵐が降り注ぎ、ヴァリアントの背面装甲を打ち砕く。
チェインガンが折れ曲がり、ブースタが吹き飛び、頭部が粉砕される。
試合開始72秒後、全ての兵装を破壊されたヴァリアントの戦闘続行不能により、決着が着いた。
『"黒い旋風"ルクス!圧倒的な強さで一発の被弾も許さず、見事にD-7へと昇格しました!』
わああ、と歓声が響いた。
ヴァリアントに賭けた人々が、悔しそうに券を投げ捨てる。
ちなみに、倍率はルクス1.24、チェーンインパクト3.51と大分ルクスに傾いていた。
破竹の進撃中のルクスに賭ける人間が多いのは当然だが、最大の原因が此処に居る。
「――ふむ、また勝ったな。この倍率では左程稼げないが――」
「――シェリル・・・10万C単位で買うの、止めない・・・?」
この某Bランカー――もとい、シェリルが50万Cなどと突っ込んでいるのが、多少なりともの原因だろう。
――ちなみにワルキューレは、付き合いで100クレジット買っただけである。
『これでルクスは登録以来、16戦を全勝中ということになりますね。まさに旋風の如き勢いです』
『ええ、さて次のカードは――C-13パーティプレイVS"災厄の姫君"C-14紗輝!』
数多くの固定ファンを持つ2人の対決に、会場は一気に沸き上がる。
その大歓声と共に、2機のACが扉から現れた。
ジョーカー・ディザスタープリンセスが共に開始位置に固定され、試合開始の合図を待つ。
「まあ、御手柔らかに頼む」
「は、はい・・・」
開始前の30秒程の時間に、短い挨拶を交わす。
当然この会話は会場に流れている為、余り下手なことは言えないわけだが。
そして、カウントダウンが開始される。
戦いへの興奮が、観客席を包み込む。
『3・2・1・Ready!――Go!!』
まず動いたのはジョーカー。
小手調べとばかりにロケットを放つが、狙いが上に逸れて、観客席のシールドに激突する。
そのままミサイルを放ちながら、滑って距離を詰めるジョーカー。
そこにグレネードが撃ち込まれ、ジョーカーの横を擦り抜けて近接信管で爆発した。
『挑戦者の紗輝は序盤から一気に攻めるタイプですから――スロースターターのパーティープレイには厳しい相手ですね』
しかし、今日のパーティプレイは一味違った。
「ふ・・・今日はミッションを終えた後――既に身体は温まっているッ!」
おおおっ!と観客席からどよめきが上がる。
その言葉を裏付けるように、次々に放たれるグレネードを、紙一重の所でかわしてゆくジョーカー。
ピピピ・・・とロックオン音を確認したパーティプレイは、中型ミサイルを牽制の為に放つ。
ディザスタープリンセスはデコイを装備せず、EXのレーザーで迎撃するはずだ。
ミサイルは墜とされるだろうが、あのEXは発射にそこそこのENを喰う。
ブースト機動中のディザスタープリンセスの行動を制限することは、十分可能だ。
序盤から攻め込み、プラズマライフルを撃たせないようにする――それが、パーティプレイの立てた作戦だった。
中型ミサイルを撃ち落としたディザスタープリンセスに、パーティプレイは3連装ロケットを3連射放った。
ディザスタープリンセスはグレネードを即座にパージしてそれを回避した。
だが、ドゴッ!と爆発音が響いた。
「きゃあっ!?」
ディザスタープリンセスが回避する事を読んでいたパーティプレイが、本命の連装ロケットを放っていたのである。
連装ロケットがコアに直撃し、ディザスタープリンセスの装甲が砕ける。
『最初に命中弾を与えたのはジョーカー!残り4分24秒――パーティプレイ、身体が温まっているというのは本当のようだっ!』
実況の叫びに、パーティプレイは密かにほくそ笑んだ。
データバンク襲撃ではシェリルの引き立て役となった感があったし、セクション614では戦闘シーンすら無かった。
今回こそは、読者にパーティプレイ此処に在りという事を見せ付けてやれる。
「このまま一気に決めるっ!」
気合と共に、ブレードを発振させ一気に距離を詰めるパーティプレイ。
――だが、悲しいかな。
作者は紗輝の画像を見た後だ。
いや・・・あの眼はヤバイですって(滅
「うおっ!?」
紫色に輝く刀身が煌めき、ジョーカーの左腕を掠めるようにして、ブレードと腕のジョイントを斬り飛ばした。
パーティプレイが驚愕する暇も無く、ディザスタープリンセスのプラズマライフルが光を放った。
パシュウ
静かな、それでいて重い音が響き、ジョーカーの左肩が蒸発し、3連装ロケットが左腕ごとアリーナの地面に落ちる。
「くっ・・・!」
咄嗟に右腕の連装ロケットを、ディザスタープリンセスのプラズマライフルに向けて放つ。
グレネードをパージしているディザスタープリンセスだ、プラズマライフルを破壊してしまえば、残るはEOのみ――
しかし、女神はパーティプレイには微笑まなかった。
パシュウ――とプラズマライフルが輝き、ジョーカーの放ったロケット弾ごと、ジョーカーの右手を消滅させた。
この距離ではミサイルは使えない――そう判断したパーティプレイは、即座にOBを起動して距離を離そうとする。
だが、再びプラズマライフルの閃光がジョーカーを襲い、頭部の右半分が熔解する。
コンピュータが集中している頭部を半分失い、ジョーカーはコントロールを失い、OBの推力のままアリーナの端の壁に激突する。
「あ、逃げて――!」
「やはり俺は脇役かッ――!」
自分で破壊するのに、逃げても何もあったものではない――そう思ったが、プラズマに蒸発させられるのはごめんだ。
紗輝の通信を受け、パーティプレイはハッチを急いで開き、数メートルの高さから飛び降りる。
この位の高さはレイヴンとして鍛えている以上どうということはなく、見事に着地して機体から離れる。
パシュウパシュウパシュウ――
何発もの閃光が、ジョーカーへと吸い込まれていく。
決着が着いてから10数秒の間は、システムの都合上で戦闘モードが少々続くAC。
普通はその間にウィニングランやパフォーマンスを行うのだが、ディザスタープリンセスは違う。
その時間の間に、既に戦闘不能の相手に容赦なくプラズマライフルを叩き込むのだ。
アリーナでの弾薬・修理費はコーテックス持ちとはいえ、自分の機が破壊されるのを見るのは余り気分の良いものでは無い。
もっとも、今回はパーティプレイの奮闘のせいか、ジョーカーが完全に破壊される前にプラズマライフルの弾が尽きた。
とはいえ、腕や頭部が消滅し、コアもあちこちに熔解跡が無残に残っている状態だが。
『勝者、紗輝ィーッ!近接戦での刹那の攻防を制し、見事C-13へと昇格しましたっ!』
「――よし、やったぞワルキューレ。7万Cの儲けだ」
「いいから・・・そろそろ行きましょう・・・」
「あ、ワルキューレさん!こんばんはっ!」
控え室でルクスと談笑していたアップルボーイが、入ってきたワルキューレに真っ先に反応した。
「お、ワルキューレさん。どもっ」
ルクスも振り向いて軽く挨拶をする。
「あ、こんばんはっ」
続いて、更衣室から出てきた紗輝が御辞儀をする。
「皆、こんばんは。アップルボーイ、Dランク昇格おめでとう」
「有難うございますっ!」
アップルボーイの大袈裟な反応に、ルクスがやれやれといった調子で天を仰いだ。
紗輝も密かに笑っているようで、表情が崩れている。
「なんだ、私には挨拶は無いのか?」
火の点いていない煙草を咥えたシェリルが、苦笑しながら入ってくる。
「え、あ・・・こ、こんばんはっ!」
紗輝が慌ててシェリルに御辞儀をする様子に、控え室にドッと笑いが起こった。
ルクスが、笑いながら紗輝に話しかける。
「紗輝ちゃん、シェリルの言うことなんて真に受けなくていいんだって」
「そうそう、ルクスの言う通りっ」
「え?そ、そうなんですか・・・?」
恐る恐るシェリルを見上げる紗輝に尋ねられて、シェリルが憮然として言い放った。
「ルクス、今日は吐くまで飲ませるから覚悟しておけ――アップルボーイ、お前もだ」
「え・・・僕もですか!?」
アップルボーイが悲鳴を上げる。
「当然だ、逃げるなよ――ああ、もう時間か」
「行きましょうか。じゃあ、また後でね」
シェリルとワルキューレが、更衣室へと入っていく。
そう、今日の最終カードは――
『さあ、本日のメインッ!挑戦者は"紅い神槍"B-5シェリル=ユーーーンッ!!それを迎え撃つは"戦乙女"B-4ワルキューーーレッ!!』
実況の叫びに合わせて、会場の熱狂も最高潮に達する。
ワルキューレ・シェリル共に、名を知らぬ者が居ないほどのトップランカーだ。
『この2人は4度目の対戦!今までの3戦とも、ワルキューレがB-4の座を防衛しております!』
『タッグアリーナ3位の2人ですが、互いを知り尽くしているだけにその戦いは白熱したものになるでしょう!では、両者入場ですっ!!』
ゴオン、と扉が開き、2機がゆっくりと現れる。
「ふ・・・今日こそB-4の座を頂くぞ」
「残念だけれど、まだ貴女に渡す気は無いわ」
2人の表情は、真剣そのもの。
例えペアであり、友人だからといって、勝負に手を抜く気など両者共に全く無い。
『Ready――GOッ!!』
開始直後、ドン!と2機がOBで急加速する。
シェリルは即座にOBを切り、余剰推力で一気に距離を詰める。
それとは逆に、ワルキューレはOBの勢いで一気に天井近くまで駆け上る。
シェリルがミサイルで牽制を掛けようとロックをすれば、ワルキューレがステルスを起動する。
それを逆手に取ったシェリルが、レーザーキャノンをノーロックで放つが、ワルキューレがその軌道にロケットを放って防ぐ。
そのまま連射されたロケットがスレイプニルに降り注ぐが、再びOBで移動したスレイプニルには命中せず、地面を抉る。
『開始直後から激しい攻防!両者未だ被弾はありません!』
グナーのステルスが切れた瞬間、シェリルはミサイルを連射する。
連動ミサイルは切ったままだが、左右に僅かに軌道をズラして発射されたミサイルは、空中で回避するには難しい。
ワルキューレは一瞬だけOBを起動して一気にミサイルを突き放す。
地上を疾るスレイプニルに2連射、スナイパーライフルを放って牽制しながら着地する。
即座にその場から跳び退ると、一瞬前にグナーの居た位置にレーザーキャノンの光線が突き刺さる。
ショットガンから放たれた散弾が襲うが、グナーは既にコンデンサを回復して上へと跳んだ為、すんでの差で命中には至らない。
だが、シェリルは機を思い切り壁に向けて跳ねさせた。
ワルキューレが照準を合わせるより早く、その4本の脚で壁を蹴り、一気に空中のグナーへと踊りかかった。
ヴン、とスレイプニルの左腕が唸り、"紅い神槍"の由来となったMLB-HALBERDの紅く長い刀身がグナーへと迫る。
「ッ――!」
必殺の槍は、グナーを屠るには至らなかった。
ワルキューレが、咄嗟にブレードで勢いを受け流したのである。
だが、距離は詰まっている。
スレイプニルのショットガンが火を噴き、グナーからロケットが射出される。
――ショットガンとロケットでは、少々ショットガンの方が分が悪かった。
初期状態では500ほどの差があるAPが逆転し、僅かにグナーの方が上となる。
『息も吐かせぬ空中の攻防!両者被弾し、ワルキューレが僅かにリードッ!』
「――ふん、やるな」
「――貴女もね」
一瞬の休息の後、再び両者は飛ぶ。
シェリルがミサイルを放ちつつOBで跳ぶ。
そのミサイルをスナイパーライフルで撃墜したワルキューレは、機を一挙に自由落下させ、スレイプニルの下に回る。
斜め後下から斬り上げようと振り上げたブレードが、別のものを捉える。
スレイプニルがパージしたデコイディスペンサーだ。
腕を振り上げて次の行動に移るまで間のあるグナーを背に、スレイプニルがショートOBで距離を取って反転する。
OBを止めた瞬間を狙ってワルキューレがスナイパーライフルを放つが、シェリルは後方の脚だけを地面に付き、急制動を掛ける。
その僅かな差で弾は目的を果たせず飛び去るが、第2射が既にグナーの持つスナイパーライフルの銃身を飛び出している。
ダッ、と地面に着いている後脚だけで僅かなジャンプを行い、それを避けたスレイプニルが再びOBを発動する。
遥か後方にロケットの着弾を置き去りにして、スレイプニルが駆ける。
主神オーディンの駆る天馬の名を冠したACが、魂の選定者の名を持つ者の乗るACへと迫る。
再びブレードか。
ワルキューレは狙いもそこそこに、突っ込んでくるスレイプニルの鼻先へとロケットを連射する。
だが、シェリルは襲い来るロケット弾の内、自機に当たるものだけを長射程のブレードで切り払い、なおも突き進む。
スレイプニルがブレードを突き出すが、地面を蹴って後ろに跳ぶグナーにはその長射程も届かない――いや。
「――くっ!」
シュパア!
と、連動ミサイルを含めて発射された3発のミサイルが至近距離でグナーに迫る。
だが、ワルキューレが咄嗟にパージしてデコイ代わりにしたロケットに命中し、グナーには当たらない。
しかし、シェリルは攻撃の手を休めずに、更に追撃を掛ける。
展開されたレーザーキャノンが光を放ち、グナーの左腕をもぎ取った。
ワルキューレも黙ってはおらず、即座にスナイパーライフルをレーザーキャノンの発射口に叩き込んだ。
針の穴を通すような射撃で、スレイプニルのレーザーキャノンが内部構造をズタズタにされて使い物にならなくなる。
即座にそれをパージしたシェリルは、ショットガンを連射しつつグナーの後方に回ろうと更に踏み込む。
旋回戦では不利と判っているワルキューレは、OBで一気に距離を取る。
数度小ジャンプ機動を取りコンデンサを回復すると、再び空中へと舞い上がる。
シェリルもそれを追って、スレイプニルを空へと上がらせる。
だが、空中ではやはり空中戦用にカスタムされたグナーの方が有利だ。
勢い余ってグナーを飛び越したスレイプニルに、背後からスナイパーライフルが連続で撃ち込まれる。
その内の1発が、ピンポイントでレーダーアンテナに命中し、中ほどからそれを折り曲げた。
しかし、シェリルはミスってグナーに背後を向けたのでは無かった。
序盤に見せたのと同じ――壁を蹴って、一気にグナーへとブレードを突き出す。
ガキイ!
金属音が響いた。
ワルキューレが、シェリルの突き出したブレードの根元――スレイプニルの左手首を、スナイパーライフルの銃身で受け止めたのだ。
直後、ダァン!との発砲音と共に、高初速のスナイパーライフルの弾丸が、スレイプニルの手首の間接から内部に飛び込んだ。
内部で暴れまわった銃弾によって、ブレードへのENパイプが千切れ、スレイプニルのブレードが使用不能になる。
「チィ――!」
左腕の肘から先を切り離しながら、シェリルが舌打ちした。
だが、主力とも云えるブレードを失っても、シェリルはなおも突撃を掛ける。
ミサイルはステルスの為に使用不能、残りの使用回数と残時間からすれば、最早ミサイルは役に立たない。
ショットガンのみの装備になったスレイプニルは、ショートOBの連続でギリギリまで熱量を溜めつつ突進する。
だが、ワルキューレは巧みにスナイパーライフルを放ち、スレイプニルの進路を制限して、近付けさせない。
スナイパーライフルを避けた直後に襲い来るロケットを、最早役に立たない左肩で受け、最後のOBを掛ける。
残り時間は6秒、これがラストだ。
5秒、4秒――グナーが放つロケットを、ショットガンで弾幕を張って撃ち落とす。
3秒、スレイプニルが戦乙女の待ち受ける中空へと駆け上がる。
2秒、グナーの連射するスナイパーライフルが何発も機体を叩く。
1秒、近距離でショットガンが発射――されなかった。
シェリルがトリガーを引く直前、ショットガンの銃口にワルキューレがスナイパーライフルの弾を送り込んだのだ。
バゴッ!とショットガンが爆発したと同時に、タイムアップとなった。
『残AP――グナー4375、スレイプニル4159――接戦を制したのは、ワルキューレ!』
会場に、爆音のような歓声と叫びが満ちた。
シャワールームで、試合を終えた2人が汗を流している。
詳しい描写は、18Rになってしまいそうなので避ける。
――ん?私?11月には18ですが何か?
「ふう――シェリル、惜しかったわね」
「――ふん、嫌味にしか聞こえんぞ」
シャワーを止めて、2人は更衣室へ入る。
「この後はどうするの?」
身体を拭きながら、ワルキューレが尋ねる。
シェリルは既に着替えを終え、髪を拭きながら答える。
「今日はレインも確保済みだからな、朝まで飲むぞ」
それを聞いて、ワルキューレが数時間後の事態を予想して、溜息を吐いた。
「はあ・・・貴女が潰れたら、介抱するのは私なのだけれど・・・」
「私は弱くないぞ、お前が強すぎるんだ」
苦笑してシェリルが煙草を咥える
火を点けようとして、更衣室が禁煙だということを思い出す。
「先に出ているぞ、一服したい」
「OK、私はもう少し掛かるから」
タオルで髪の水分を取りながら着替えるワルキューレを置いて、シェリルが控え室へと出る。
「あ、お疲れさん。ナイスファイト、シェリル」
「惜しかったですね、お疲れ様」
「お疲れ様ですっ」
更衣室から出てきたシェリルに、ルクスとアップルボーイ、そして一緒にモニターで試合を見ていた紗輝が声を掛ける。
軽く手を上げて返すと、シェリルは早速咥えていた煙草に火を点けた。
旨そうに紫煙を吐き出したシェリルに向けて、同じくモニターを見ていたパーティプレイが口を開く。
「"紅い神槍"、相変わらずニコチン中毒か?」
それを聞いて、シェリルが苦笑いして煙を吐く。
「お前の浪費癖よりマシだと思うぞ――ああ、これからこいつらと飲みに行くが・・・お前達も来るか?」
無論私の奢りだ、と付け足したシェリルに、紗輝とパーティプレイが頷く。
「え、いいんですか?じゃあ・・・」
「そうだな、御馳走になるとするか」
決まりだ、と手を叩くシェリルに、ルクスが疑問を投げ掛ける。
「おい、シェリル・・・紗輝ちゃん、未成年じゃないのか・・・?」
だが、シェリルはそんなこと何処吹く風と云った様子で答える。
「ん?別に構わんだろ、要は慣れだ――」
「乾杯っ!」
掛声と共に、8つのコップが打ち鳴らされる。
皆、初めの一杯を一気に飲み干して息を吐く。
一応、紗輝はジュースである――今のところは。
「やはり試合の後のビールは美味いな。紗輝、お前も少し飲むか?」
早速、シェリルが斜め向かいに座っている紗輝にビールを勧める。
ほんの少しビールの注がれたコップを手渡されて、どうしようかと思案顔の紗輝。
そこへ、止せばいいのに周りが囃し立てた為、引くに引けずコップに口を付けた。
「うー・・・苦いです・・・」
「はは、まだビールの美味さは判らないか。まあ、ジュースでもカクテルでも何でも好きに頼め。お前のお陰で7万C儲けたからな」
意味が判らず不思議そうな顔をする紗輝に、ワルキューレが苦笑してシェリルの言葉の意味を教える。
「シェリル、貴女の試合に10万C賭けてたのよ」
「えっ!?そんなに!?」
その金額に驚いた紗輝に、レインがエマにビールを注がれながら呟く。
「驚く事でもないわよ、一応シェリルもトップランカーだから・・・そうね、大体500万Cくらいは資産があったかしら?」
浪費家のパーティプレイと、新人のルクス・アップルボーイ組は呆然とするばかりである。
どうも、レイヤードの女性は強いというか逞しいというか・・・。
「ルクスはシェリルさんへの借金返済で常に貧乏ですしねぇ」
手酌で注いだビールを飲みながら、エマが顔に似合わぬキツイ一言を放つ。
ちなみに作者のレイン・エマ・ワルキューレのイメージは、あの一部で有名な韓国の絵師の絵である。
上記の他に、ロイヤルミスト・レジーナ親子・ツインヘッド兄弟・ミルキーウェイがあるが、あれは必見である。
見たことのない方は、是非探して見てみて欲しい。
見つからなければ、掲示板で私に尋ねて下され。
「はは・・・残り40万Cくらいかな・・・」
「残り43万2500Cですよ、頑張って下さいね」
にこやかに借金額を告げるエマに、ルクスはただ曖昧に笑顔を浮かべるのみである。
所詮、借金持ちの男の立場などそんなものである、合掌。
「僕もそのうち紗輝ちゃんかルクスの試合で賭けてみようかな」
同じく貧乏レイヴンのアップルボーイが呟く。
こちらは借金が無いだけマシというものだろう。
「えっ・・・紗輝は全然強くなんかないですよ」
慌てて手を振って否定する紗輝を見て、パーティプレイが苦笑する。
「全然強くない奴に負けるほど、俺は弱くは無いぞ」
「ご、ごめんなさい、そういう意味じゃなくて・・・」
「まあ、謙遜しなくともお前は十分強いさ――ウェイター!ウィスキーをボトルで、氷も頼む」
近くを通りかかったウェイターを捕まえ、追加を頼むシェリル。
メニューを回された面々が、口々に追加を頼んでいく。
「僕はカシスソーダで」
「あ、ジン・トニック――だっけ?あれ宜しく」
「えと・・・このオレンジっぽいの・・・」
「私はピーチフィズを・・・先輩は?」
エマが後輩らしくレインに注文を尋ねる。
「ん、まだビールで良いわ」
「俺もビールで良い。"戦乙女"、お前は?」
パーティプレイから回されたメニューを見て、ワルキューレが唸った。
「うーん・・・確かスタンダード・カクテルなら作って貰えたわよね?」
「ええ、飲み放題の方とは別料金になりますが」
それを聞いて満足気に微笑みながら、ワルキューレはとんでもない事をのたまった。
「じゃあ、アースクエイクをジョッキでお願いね」
「は、はい・・・かしこまりました」
アースクエイク――ウイスキー、ドライ・ジン、アニス酒をそれぞれ1/3づつ。それをシェイクしたものだ。
アルコール度数50度近くで、まさに地震の如く頭がふら付くというカクテルである。
通常はカクテルグラスで出されるもので、2・3杯も飲めば普通はノックダウン寸前だ。
――ジョッキで飲むものでは無い、断じて。
1杯で逝きかけた作者が保証しよう。
それと、アースクエイク以外は、何処の居酒屋やカラオケでもある程の定番なので説明は省かせて頂く。
「ビールは4本でいいか。それと、料理が遅いぞ」
「申し訳ありません、もう少々お待ち下さい。では注文の確認をさせて頂きます」
伝票を手に、ウェイターが注文を読み上げる。
「カシスソーダ、ジン・トニック、スクリュードライバー、ピーチフィズ、アースクエイク、ウイスキーのボトル、ビール4本・・・宜しいですか?」
「ああ、OKだ」
シェリルが答えると、ウェイターは一礼して去っていく。
「ワルキューレさん・・・大丈夫なんですか・・・?」
「こいつは幾ら飲んでも酔わん、私に言わせれば化け物だ」
恐る恐る尋ねたアップルボーイに、シェリルが苦々しげに告げる。
以前、シェリルはワルキューレに飲み比べを挑んで、大差で敗れて嘔吐にまで至ったという苦い思い出があるのだ。
レイヴン試験合格時のシェリルの飲みっぷりを覚えているルクスとアップルボーイには、にわかには信じがたい話だ。
「いっそのこと、バッカスに改名したらどうだ?」
バッカスというのは酒の神の名だ。
パーティプレイの飛ばした冗談に、ワルキューレが苦笑して返した。
「オリンポスとは違ってヴァルハラは宴が多いの、だから皆お酒には強いのよ」
「はは、上手いな――お、来たか」
ウェイターが数人、料理と酒をテーブルに並べていく。
料理はピザに焼き鳥、唐揚げにフライドポテトやサフランライス等々。
「じゃ、食事前にもう一度乾杯っ!」
アップルボーイの言葉に、皆がジョッキを打ち合わせて、各々料理に箸を伸ばし始める。
「えと、頂きます〜」
約一名、真面目な娘が居た模様だ。
きっちり手を合わせて御辞儀をしてから食事を始める紗輝を見て、ルクスが呟いた。
「何ていうか、可愛いねえ・・・シェリルにも紗輝ちゃんの1/100でもそういう所が・・・」
それを聞き逃さなかったシェリルが、口元に微笑を浮かべてルクスに視線を向ける。
無論、悪魔の微笑みというやつである。
「・・・ルクス、何か言ったか?ワルキューレと同じものを頼んで欲しいのか?」
「いや・・・何も言ってない・・・」
情けないルクスの様子に、エマが溜息を吐いてポテトを口に運ぶ。
「ルクス、それは贅沢ってものだぞ」
2人のやり取りを見て、アップルボーイがルクスの後頭部に一撃を加えた。
「む、何が贅沢なんだ」
憮然として聞き返すルクスに、アップルボーイが高らかに言い放つ。
「シェリルさんみたいな美人と暮らせるなんて、光栄だとは思わないのかっ!」
「・・・思わない」
その間、実に0・7秒。
迅速かつシンプル、即答の手本のような答えだ。
だが、外野がそれに反応した。
「えっ!ルクスとシェリルさんてそういう・・・?」
エマが、ショックを受けたように尋ねた。
ちなみに、レインは既に知っているし、ワルキューレはそもそもシェリルの部屋に何度か足を運んでいる。
「エマちゃん、それは誤解だっ!」
ルクスが慌てて否定するが、もう1人の当事者が事態を悪化させた・
「酷い奴だな、私を散々弄んでおいて捨てるとは・・・もうお嫁に行けないな」
シェリルが意地悪そうかつとても楽しそうな笑みを浮かべて、泣き崩れる振りをした。
更にワルキューレまでもがシェリルの演技に付き合い、神妙な顔をしてルクスの肩を叩く。
「ルクス・・・責任は取りましょうね?」
「待て待て待てっ!」
爆笑が起こって、次の話題へと移る。
――ちなみにルクスは暫くの間、エマにこの事でチクチクとやられることになるが、それは別の話だ。
ふと、伝票を見たワルキューレが呟いた。
「・・・あら?」
「どうした、”戦乙女”」
コップをあおりながら訊くパーティプレイに、ワルキューレが指を折りながら数えてゆく。
「シェリルがウイスキー、紗輝ちゃんがオレンジジュース、レインさんと貴方がビールで・・・カクテルが何で5つ・・・?」
それを聞いて、ルクスとエマとアップルボーイがそれぞれ答える。
「ジン・トニックは俺ですね」
「私はピーチフィズです」
「僕がカシスソーダ」
「私がアースクエイクで・・・スクリュードライバー・・・?」
スクリュードライバーとは、ご存知の通りウォッカとオレンジジュースに氷を加えたカクテルの事だ。
ちなみにウォッカは、度数は強いがほぼ無味無臭の酒だ。
その為、オレンジジュースと変わらない感覚でくいくい飲めるカクテルである。
「・・・オレンジジュース・・・?」
声がハモり、全員の視線が集中した。
皆がオレンジジュースだと思っていたピッチャーの中身は、半分ほどに減っている。
その注目を集めた少女は、グラスを両手で掴んでグイッと傾け、残っていた分を飲み干した。
「・・・はふ?」
不思議そうに首を傾げる紗輝の顔は、既に大分赤く染まっていた。
「待て待て待て!」
「誰よ、飲ませたの!?」
最初にビールを勧めたシェリルに疑いの視線が向くが、慌ててシェリルが否定する。
「知らん!私じゃない!!」
「というか、誰も気付かなかったのか?」
パーティプレイの突っ込みに、沈黙する一同。
隣に座っているエマが、恐る恐る声を掛けた。
「紗輝ちゃん、大丈夫・・・?」
皆が見守る中、紗輝がゆっくりと口を開いた。
「ぅ〜?紗輝は大丈夫れすろぉ?」
呂律の回らない声で、紗輝が答える。
既に眼はとろんとし、頬はアルコールで赤く上気している。
その手の人間が見れば、ど真ん中へストライク、即お持ち帰りモードに突入するかもしれない。
『大丈夫じゃ・・・ねぇ!』
紗輝を除く全員の心の声が、見事に合わさった瞬間だった。
「――やれやれ、私が子守とはな」
「良いじゃない、酔い覚ましも兼ねてゆっくり行きましょう」
くー、と寝息を立てる紗輝を背負ったシェリルとワルキューレが店を出る。
紗輝が寝入ってしまい、レインが紗輝のオペレータに連絡を入れて自宅の場所を聞き、シェリルとワルキューレが送る事になったのだ。
何でも、コーテックスの運営する寮のようなところに住んでいるらしい。
幸いコーテックス運営だけあって本社から近く、居酒屋から歩いて15分程度だということだった。
「・・・しかし、こう見ると普通の子供にしか見えんな」
「ふふ、貴女もそうしていると普通の母親に見えるわよ」
背負っている紗輝の横顔を見て呟いたシェリルに、ワルキューレが笑いながら言う。
「――ふん、この歳で14・5の子供の居る母親が居てたまるか」
憮然として答えるシェリル=ユーン25歳。
そこへ、ワルキューレが更に続けた。
「あら、ルクス君と並べば大分絵になると思うわよ?」
「そこで何で奴の名が出るかね・・・」
疲れたように呟くシェリルに、ワルキューレが意外そうに尋ねた。
「・・・もしかして本当に何も無いの?」
「っ・・・当たり前だ!」
どうやら、ワルキューレは本気で居酒屋での言葉を信じていたらしい。
「・・・ふぁ・・・?」
と、シェリルの背中で紗輝がもぞもぞと動いた。
「っと・・・すまんすまん、眠っていていいぞ」
「・・・ん・・・」
再び、シェリルの耳に安らかな寝息が聞こえてきた。
ふう、と一息吐いて、シェリルが小さい声で話し始めた。
「全く・・・大体、部屋は別なんだし、何かあるわけが無かろう・・・」
それを聞いて、少し考えた様子を見せたワルキューレが口を開く。
「・・・まさか、彼・・・ホモ?」
「・・・怒るぞ?」
例の微笑を浮かべて拳を握るシェリルに、ワルキューレが慌てて続ける。
「だって、貴女も彼もそういう年齢だし、お互い合鍵も持っていれば誰だってそう思うわよ・・・」
諦めたように溜息を吐き、シェリルがゆっくりと口を開いた。
「・・・全く・・・この際だ、少し昔話をしておこうか・・・」
私がレイヴンになったのは、大体7年前――17歳の時だったな。
その頃は私もまだ未熟だったんだが、一緒にレイヴンになった奴が居てな。
学生の頃からの・・・まあ、恋人だった。
その前の試験でレイヴンになっていたのが、私達の友人だったんだが。
その友人と同期のレイヴンが、新人の癖に随分と腕の立つ奴でな。
――ああ、今のルクスのような奴だと思ってもらえればいい。
それで、私達は4人でチームを組むことになって、色々と依頼も順調にこなしていたのさ。
私は最初は随分と下手だったんだが、皆のお陰でそこそこに上達してな。
まあ、1年ほどでDランクまで上がることが出来たよ。
思えば、あの頃が一番幸せだったかもしれんな。
まあ、その頃には私達のチームも結構名が知れてきていてな。
――心当たりがあっても言わないでくれ。
それでまあ・・・ある日、妙な依頼が来たんだ。
依頼人は不明、報酬は高額――怪しいだろう?
しかも、4人全員で任務遂行の事、などと条件付でな。
勿論、私達も十分警戒していたさ。
しかし、いきなりの攻撃で私達は2手に分断されてな・・・。
恋人と友人、私と友人の同期の奴という別れ方だった。
勿論私も応戦したが、奴の戦いは凄まじかったよ。
ACが2機襲ってきたんだが、それを殆ど1人で片付けてしまったのさ。
ああ、当時の私は支援用の機体を使っていてな。
・・・で、襲ってきたACを片付けた私達は、仲間の援護に向かったんだが――。
・・・私が見たのは、既に破壊された友人と恋人のACだったよ。
ただ、まだ生命反応があったんだ――それが、連中の戦法だったんだろうがな。
そう、先日のセクション614でのACさ。
私は、必死に恋人のACに飛び移って、ハッチを開こうとした――。
だが、ハッチに手を掛けた瞬間――爆発音が響いて、その後の記憶は無い。
次に意識が戻ったのは、確か3週間後だったな・・・。
レインに・・・ああ、奴とは7年来の付き合いだ。
仲間の死を知らされて、愕然としたよ――4機ともが、皆コアに大穴を空けられていたらしい。
私は、爆風に吹き飛ばされていたから助かったんだな。
・・・それに、あれだけ腕の良かったあいつを殺したのは、私のようなものだったんだ。
私があの人を助けようとACを出たとき、あいつは盾になっていてくれたんだからな。
私が生きていたのは、殆ど奇跡のようなものだったらしいがな・・・。
それだけじゃないさ、皆の遺品を整理していたときの事だ。
私の所為で死んだあいつの部屋にな、日記があって――。
私の事を好きになってしまった――とな。
酷い話だろう――私があの人を助けようとした時の、奴の気持ちを考ると・・・。
私は、奴のお陰で生きているようなものだ。
それなのに、私だけが幸せには――いや、まだ私はあの頃を忘れられてはいないのだろうな。
――うるさい、泣いてなどいない。
――くそ、少し余計なことを話しすぎたな・・・
「・・・誰か、現金持ってるかしら・・・?」
「・・・シェリルが奢りって言ってたからなあ・・・」
「私も給料日前です・・・」
「・・・アップルボーイ、起きろ・・・お前以外にもう希望は無い・・・」
はい、前条でっす。
閑話なので色々とブッ飛んでいる所もちらほらと・・・w
まあ、勘弁してください、閑話なので・・・w
そいえば作中でも書きましたが、韓国の絵師さんが描いたイラストは是非見て頂きたいでぃす。
特にレイン・・・仕事の出来るおねーさん、って感じで激イイのです・・・。
ゲフン、ちなみにオリキャラのイメージは・・・。
シェリルは、知ってる人が居るかは判りませんが、『空の境界』の蒼崎橙子がイメージです。
『月姫』ってゲームのシナリオの方が書いた小説なんですけどネ、和服で黒髪の娘とか出ますのですよ。
ルクスは特に気にしてなかったんですが、書いたの読んで強いて言えば、『月姫』主人公の遠野志貴に言動が似てなくもないかな・・・?
外見のイメージは、一応『ヴァルキリープロファイル』のルシオみたいな感じの金髪優男ですかね。
リーズ・・・というかブルーローズ。
『ラグナロクオンライン』の♀アコライトディフォルト髪の青バージョンと思っていただければ(謎
性格はちょっと思いつかないので・・・(ぉ
で、第13小隊その他は・・・面倒なので割愛っ!(ぁ
・・・しかし、ユニオン襲撃でランカー殺しすぎてレイヴンが足りなくなりそうだ・・・(汗
では、次は恐らく大型兵器迎撃だと思われます。
ちなみに、現時点での前条SS的アリーナランキングは以下の通り。
A-1 エース
アルカディア
A-2 BB 『戦神』
タイラント
A-3 ロイヤルミスト 『皇帝』
カイザー
B-1 グランドチーフ 『空中要塞』
ヘルハンマー
B-2 ファンファーレ
インターピッド
B-3 コルレット 『鋼鉄のアーティスト』
アルルカン
B-4 ワルキューレ 『戦乙女』
グナー
B-5 シェリル=ユーン 『紅い神槍』
スレイプニル
B-6 ノクターン 『戦場の闇』
ザイン
B-7 サイプレス
テン・コマンドメンツ
C-1 ファウスト 『魔術師』
メーガス
C-2 クイックシフト 『死招く聖者』
エヴァンジェリン
C-3 ファナティック
レッドアイ
C-4 インパルス 『アリーナの陣風』
スタリオン
C-5 ブレーメン
マルチボックス
C-6 ミダス 『黄金の王』
セミラチス
C-7 ストリートエネミー
スタティックマン
C-8 トルーパー
ヴァイパー
C-9 トラファルガー
ダブルトリガー
C-10 ミルキーウェイ
ネージュ
C-11 フォール 『フォール・ザ・ウォール』
イージス
C-12 バッド・ブレイン
ブラッディーホルン
C-13 紗輝 『災厄の姫君』
ディザスタープリンセス
C-14 パーティプレイ
ジョーカー
C-15 シャドーエッジ
クラッシュボーン
D-1 フラジャイル
ナイトフライヤー
D-2 ゼブ
ゼーレ
D-3 フレア
ダイナモ
D-4 パイソン
ガントレット
D-5 ネクス
ヴァレリアッタ
D-6 アスター
メガラオ
D-7 ルクス 『黒い旋風』
レーヴァテイン
D-8 チェーンインパクト
ヴァリアント
D-9 サバーバンキング
ガスト
D-10 イエローボート
アパシー
D-11 リップハンター
ルージュ
D-12 ブルーローズ
ブロージット
D-13 バックブレイカー
カストール
D-14 レジーナ
エキドナ
D-15 アップルボーイ
エスペランザ
E-1 プラス
クールヘッド
E-2 アサイラム
ギガンテス
E-3 ヴァイス
ファイアフライ
E-4 テラ
スペクトル
E-5 ウェイクアップ
エコーヘッド
E-6 スキュラ
デルタ
E-7 キャストダウン
ブラウザー
E-8 ホヅミ
アイゼン
E-9 ベクター
ヒュプノス
E-10 サンドヴァル
バタイユ
E-11 アデュー
スカイダンサー
E-12 カスケード
シグナル
E-13 コールハート
ザ・サン
E-14 ビルバオ
グリーンウィッチ
E-15 ツクヨ
サラシナ
E-16 パラドクス
ザカート
E-17 カルカース
コーラルスカイ
E-18 パラノイア
ICE WALLS
E-19 エアレイド
サンライズ
E-20 ノア
スカイフィッシュ
E-21 エンディミオン
シンパシーキッス
E-22 バーティア
アグルファイ
E-23 バスアヘッド
プログレス
E-24 シルバーフォックス
バーニングソウル
E-25 スパルタン
テンペスト
作者:前条さん