サイドストーリー

第8話 再開…そして新しい出会い…?
 退院からちょうど一ヶ月…再び全員が集まる時だ…
 あるレストランの大部屋…見た感じ結構な広さになっている部屋だ
努「よう、久しぶりだな…みんな元気にしてたか?」
咲「みなさ〜ん、元気でしたか〜?」
 その部屋に努と咲耶が入っていくと…
辰「おう!あったりまえじゃん!」
鞠「あっ、そちらこそ…元気にすごしていましたか?」
ちか「ほんと…久しぶりだね…」
裕「へへっ!相変わらずだな…お前も」
義「とりあえず充実した一ヶ月…すごせた?」
雛「あっ!こんばんは〜努さん、咲耶さん」
守「な、なんでボクがこの場に…?」
 もうすでについていた辰也達が一斉に出迎える
努「お前等も変わらないな…でも、ACの腕の方はどうだ?」
辰「そりゃもう、みんなバッチリだぜ!そうゆうあんたはどうだい?」
努「俺か?…ふふっ、腕は鈍らすものだとは思っていないからな」
ちか「自信満々…だね」
鞠「まぁ、立ち話もなんですから…どうぞ」
 来たばかりでまだ席についていない努達に鞠絵が席をすすめる
努「あ、すいませんね…どっこいしょ」
咲「じゃあ、私も…よっこらしょっと」
 二人はその席に腰掛ける
辰「あ〜あ、ほんと、この一ヶ月間…ほんと色々あったな〜」
春「そうですね〜辰也さん♪」
努「…最近物覚えが悪くなったのか…見覚えの無い奴がいるんだが…」
 いきなり現れた見覚えの無い人物に努は頭を抱える
裕「いや、本当に会ったこと無い奴だから気にするな…」
春「あっ、あいさつが遅れました…ワタクシ辰也さんと将来を…」
鞠「こちらはた・だ・の辰也さんの追っかけの方です…気にしないで下さい」
春「あらあら…言いますね、鞠絵さん…」
鞠「本当の事を言ったまでですよ…春歌さん…」
 二人の間にマンガで言う火花のようなものが散っている…
辰「あぁ、こっちは竜宮 春歌だ…おい、二人とも…こんな所で暴れるなよ」
 そこに辰也が割って入っていくが…すぐさまものすごい音がして辰也の悲鳴が上がる
努「まぁ、こっちはもういいか…で、裕紀…千影…」
裕「んっ?なんだ…そんな深刻そうな顔しちゃって…」
ちか「わたし達の顔に…何か付いてるのかい?」
努「唐突だがな…その…なんだ…咲耶…」
咲「え、えぇ…その…ねぇ…兄さん…」
 努と咲耶が裕紀と千影の方を見て顔を見合わせる…
裕「な、なんだよ?二人して…何が言いたいんだ?」
ちか「?」
 千影のほうは完全に何がなんだかわからないらしく首をかしげている
努「いや…なんだ…お前等二人って…そうゆう関係だったんだな…」
裕「はぁ!?」
 いきなりの事で裕紀はつい大声で驚いて見せる
咲「だってだって、この前夜道を二人っきりで歩いていて…」
ちか「あ…あぁ、あれか」
努「そこでお前等……してたじゃないか」
裕・ちか「「へっ!?」」
 その言葉に裕紀と千影は声をそろえて驚く
(努達以外)全員「「「「「えぇーー!?」」」」」
 少し遅れて他の全員も声を上げて驚く
辰「はっはっはっ!ついにお前にも春、到来だな!」
 一番初めに喋り出したのは辰也だった
春「では、次は辰也さんがワタクシと…」
鞠「いいえ、それはありえない事です」
春「…鞠絵さん…いつか貴方とは…」
鞠「…いつか決着をつけなければなりませんね…春歌さん」
春・鞠「「ふふふ…」」
 また別の所で壮絶なバトルが展開されていた
義「くくく…裕紀〜♪これでもう自分たちの事ばかにできなくなったな〜?」
守「えっと…つまり…これは…」
 次に喋りかけたのは…義大と守だった…
義「いままで散々ばかにしやがって…てゆうか、お前って…」
守「そうそう…まさか、千影さん狙ってたなんて…」
 2人はある事ない事言いまくっている
義「だいたい、おま…ん?ひ、雛子ちゃん!?」
雛「……」
 そのあまりに唐突な事に雛子は固まっていた
努「ちょっと子供には刺激が強かったかな?」
裕「だぁぁぁ!!!いい加減にしろ!!!」
 やっと正気に戻った裕紀が顔を真っ赤にして怒り出す
裕「ある事ない事言いまくりやがって…千影も何か…」
ちか「…?……!!!」
 やっと言葉の意味に気がついて顔を赤くしてうつむいてしまう
裕「あの〜…千影?なにか言い返してほしいんだけど…」
努「なぁ…やはりあれは人目を避けてたのか…?」
 そこに努の火に油を注ぐ発言
裕「ち〜が〜う〜!あれは千影に毛虫取ってもらって…ハッ!」
 途中まで言いかけて急に言葉を止める…それをニヤニヤと見る人物…義大だ
義「はっは〜ん…なるほど…お前の苦手なものは毛虫だったか〜♪」
裕「し、しまった…」
 がっくりと裕紀は落胆する…そこに
辰「って、そういえば…あのあと二人でどこにいったんだ?義大」
 義大に向かって辰也がいきなり質問する
義・守「「えっ!?」」
辰「だって、あのあと…二人で食事に出かけたんだろ?たしか…」
裕「…ふっふっふ…じゃあ、あの時のつじつまが合うぞ…」
 不気味に笑いながら…まるでゾンビのように裕紀が立ち上がる
義「あ、あの時の…つじつまって?」
 なぜか義大は明かに動揺している
裕「かかってきたんだよ…二日前に静馬さんから電話がなぁ…」
義・守「「!!!」」
裕「なんでも守がいつまでたっても帰ってこないらしくて…」
義「ぐ…」
裕「何やってたんだろ〜な?二人して…?」
守「なっ!なに、何も!何もありません!本当です!!マジです!!!」
 否定はしているものの顔が真っ赤なので説得力もなにも無い
裕「義大〜…この年齢の娘に手を出しちゃはんざ…うひゃあ!」
 いきなり義大が真剣を抜き裕紀に斬りかかる
義「死ね…」
裕「あ…あ…や、やめ…!」
ちか「…裕紀!!!」
 今回は見事に義大の一線が裕紀にヒットする…真剣にはしっかりと鮮血がついていた
義「まったく…」
 その光景に一同は息を飲み…そして、守を除いてみんなあっちの世界に旅立つ…
守「ちょ、ちょっと…源さん…?」
 守が少し怯えながら話しかける
義「んぁ?なに?」
守「そ、それって…冗談…だよね?」
 その真剣を指差して声を震わせながら質問する
義「?…いや、本物の真剣だが…」
守「じゃあ、裕紀…さんは?」
 裕紀はピクリとも動かない…
義「死んだよ?普通なら…」
努「ちょ、ちょっとまて!お前、自分のパートナーを!」
 あまりの光景に度肝を抜かれていた努があっちの世界からいち早く帰ってきた
義「だから!普通ならって言っただろ?」
努「へっ?それって…どうゆうことだ?」
裕「…うぅ、う〜ん…ぷはっ!はぁ…はぁ…おい!普通の人だったら死んでる傷だぞ!」
 うめき声を上げたと思ったらいきなり裕紀が起き上がった
義「ほらね、だから言ったじゃないか」
裕「なんの話だ?」
努「裕紀…いつからそんな生命体になったんだよ…」
裕「あ?あぁ、これね…これはナノマシン技術の結晶…かな?」
努「…わかるように説明してくれ…」
鞠「それはですね…まぁ、簡単に言えば自分の体の中にナノマシンを埋め込んで
  細胞の再生能力を常人の30〜40倍まで跳ね上げる事ができ…(以下省略)」
 いつのまにか鞠絵もあっちの世界から帰還していた
鞠「…と、ゆうわけです」
努「……ハッ!い、いかん…また意識が…」
 鞠絵の長い説明のおかげで努はまたあっちの世界に送り返される所であった
咲「へぇ、鞠絵さん…ものしりだね〜」
辰「よくそんなもん知ってたな」
春「まったく…長い説明でした…」
雛「……」
守「よかった…でも、ホントに死んでないよね…?」
 ぞくぞくとみんな意識を取り戻していく…ただ、雛子を除いて…
鞠「まぁ…それより、聞き捨てならない台詞が一つ…気がかりなのですが?」
 そういって春歌に、にこやかだが殺気じみた視線を投げかける…
春「あら、本当の事を言ったまでですよ…」
 春歌もそれに負けてはいない…
辰「だぁぁぁ…いい加減にしろよお前等…」
努「辰也の奴…両手に花だと思ったら…かなり険悪だな」
 その仲裁に入る辰也を見て努がそうぼやく
裕「そういや、努…お前って彼女とかいないのか?」
 裕紀がいきなり話題を変える
努「いるよ、あと咲耶も彼氏ぐらいならいるのだが…」
咲「そうねぇ」
裕「え…えらくあっさり言うんだな」
義「で、いつどこで会ったんだ?二人とも」
 その事に義大は興味津々のようだ
努「俺は、商店街の裏路地で行き倒れていたところに…」
咲「私はゲームセンターで♪」
ちか「さ、咲耶さんはともかく…努は」
裕「えらく個性的だな…」
努「その跡のいきさつ…長くなるけど話そうか?」
義「長くなるならいい…鞠絵さんのでもう疲れた…」
咲「じゃ、私は」
裕「また今度の機会にな…」
咲「ちぇ…」
店員「お待たせしました!」
 扉が開きその中から店員が入ってくる
努「おっ、来たか…じゃ、みんな…」
鞠「今度こそ決着をつけてあげます!」
 努が言いかけたとたんに鞠絵が声を張り上げる
努「ふぇ?」
春「のぞむところですわ!今日、貴方に引導をお渡しします!」
 続けて春歌もそう言って立ち上がる…もう二人は臨戦体制に入っていた
努「お、おい!たつ…!辰也!?」
 すさまじい殺気が立ちこめる中…二人のクッション代わりの辰也に声をかけるのだが…
 もうすでにそこには、ぼろ雑巾のようになった辰也がよこたわっている…
努「えっと…咲耶、止められないか?」
咲「ご、ごめん…私の実力じゃ…無理っぽい…」
 格闘家は向かい合っただけで実力がわかると言うが…それは本当のことのようだ
鞠「行きますよ…仁真流神竜派奥義…」
 すさまじい気が鞠絵をつつむ
春「こちらこそ…仁真流王竜派奥義…」
 春歌も本気らしい…
咲「ちょ…!みんな!!逃げて!!!」
店員「へっ?なにが始まるんですか?」
努「とにかく早く逃げて!…おっと、辰也を忘れる所だった」
 足早に辰也を担ぎ部屋から出ていった
義「守ちゃん!早く!」
守「う、うん!あっ…」
 手を取り合って守と義大も続けて部屋から飛び出る
裕「雛子!雛子!おい、目を覚ませ!」
雛「ふぁ…あ、兄貴…どうしたの?慌てて…?」
 裕紀の懸命な呼びかけにやっと雛子が目を覚ます
裕「話は後だ!千影も早く!」
ちか「うん…」
 裕紀たちも脱出に成功する
鞠「地竜破壊陣!」
春「天竜閃光掌!」
 みんなが脱出し終わったと同時に二人が技を放ち爆発のようなものが起きる…
努「うおわぁ!うぅ…ど、どうなったんだ…?」
 恐る恐る努はさっきまでいた部屋を覗く…
鞠「…力の方は互角のようね…春歌さん」
春「そのよう…ですね…鞠絵さん」
辰「互角ですね…じゃない!」
 そこに復活した辰也がツッコミを入れる
鞠「あら、辰也さん…」
春「どうしたんですか?そんな…」
努「周りを見てみろ…」
 周りを見ると…さっきとはちがい見るも無残な光景が広がっていた…
鞠「あ…少々やりすぎて…しまいました…?」
春「え…っと…不可効力?」
 二人に悪気は見えなかった
辰「不可効力?…で済まされるか!!!」
 そのあと店長に出入り禁止を言い渡されたのは言うまでも無い…
 
 追い出された一行は商店街を歩いていた
努「あ〜あ追い出されちゃった…」
辰「まったく…だから暴れるなって言っただろう?」
鞠「はい…すいませんでした…」
春「ワタクシも…今回はちょっとやりすぎてしまいました…すいません…」
 今回ことで二人は本気で滅入っているようだった
咲「で、でも…鞠絵さんっていつからそんなに強くなったの?」
鞠「それは…秘密ですよ」
咲「ふ〜ん…じゃ、春歌さんは?」
春「ワタクシは…あっ、ワタクシも秘密です」
 春歌は何かを言いかけたがすぐに言葉を変えてしまう
努「仁真流…だっけ?あまり聞いたことない流派だが…」
鞠「そうですね…たしか古武術でしたからあまり知られてはいませんね」
努「そんなもんか…で、この後の事だが…」
裕「みんなでゲームセンターでも行かないか?」
辰「行く所無いし…じゃあ、行くか」
義「そうだな…ACシュミュレータにも興味あるし」
雛「あれっ?まだ源兄ぃやった事なかったっけ?」
ちか「あれはなかなか良いものだったよ…」
 そんな雑談をしていると…
努「ん?あっ、すまん…ちょっと」
 そう言って努が少しメンバーから外れる
辰「どうしたんだ?いきなり…」
咲「あぁ、今のは例の兄さんの…か・の・じょ♪」
辰「ふ〜ん…」
努「いやはやすまない…急に連絡が…」
辰「彼女から…だろ?」
努「なっ!なんで…って咲耶!」
辰「まぁまぁ…で、どんな連絡だったんだ?」
努「そ、それは…プライバシーだ」
鞠「じゃあ、努さんは別行動とゆうことで…」
 いきなり鞠絵が不可解なことを言う
努「なっ、なに!?」
鞠「どうせ、今から会いたい…とかゆう連絡だったんでしょ?」
努「うっ…」
 どうやら図星をつかれたらしく努は言いすくめられてしまう
咲「そうゆうことなら事情は別…ほら、鈴凛さんを待たせない」
努「あ、あぁ…みんなすまない俺が呼んだのに…」
 努はバツが悪そうに言う
裕「気にしない気にしない!」
義「ほら、早く行ってやった方がいいのではないのか?」
鞠「待たせるのは悪いですよ」
努「すまない…それじゃあ、また…連絡いれるから!」
 そんな感じで努は全員に見送られていった…
 
 夜の公園…そこは静けさに満ちていた…そこに人影が一つ現れる
努「さて…ここにいるはずなんだが…ん?あれは…」
 ちょうど公園の中心にあるベンチに座っている人物がいる
努「お〜い、鈴凛〜!」
鈴「努!来てくれたんだ…ごめん、わがまま言って…」
 ベンチに座っていた人物は…例の努の彼女…鳳城 鈴凛だった。その隣に努は腰掛ける
努「いや、気にする事は無い…なんてったってお前の頼みなんだからな」
鈴「そう言ってくれると…うれしい…」
 努の言葉に頬を赤らめながら鈴凛が初々しい反応をする
努「ハハッ…初めて会った時とは大違いだな」
鈴「そ、それを言うな!」
努「ふふふ…すまない…つい、な…で、話とは?」
鈴「それは…一緒にミッションを受けて欲しいんだ」
努「そうか…で、依頼内容は?」
鈴「へっ?い、いいのか?」
 あまりにあっさりとした答えに鈴凛は驚く
努「いいに決まっている。あの時俺は約束したはずだ…」
鈴「あっ…」
努「それに、俺に頼むくらい難しいミッションなんだろ?そんな危険な所に
  鈴凛一人では行かせないよ…」
鈴「うん…ありがとう…努」
 その言葉に鈴凛はうれしさを隠せないでいた
努「……」
鈴「ど、どうした?あたしの顔に何か付いてるのか?」
努「いや…今の顔…今までで一番かわいかった」
鈴「!!!…か、からかうな!」
努「別にからかっているわけではない」
 こんな言葉を普通に言える努はある意味すごい
鈴「もう…で、でも、悪い気分ではないよ…」
努「で、依頼内容はなんなんだ?」
鈴「あ、うん…この前の無人AC大量発生事件…さすがに覚えているよな?」
努「もちろんだが…」
鈴「それの首謀者格のレイヴンが今度はミラージュの無人AC建設基地を占拠した
  らしくてそいつの掃討にあたって欲しい…って内容なんだが…」
努「なにかがおかしいな…その依頼内容…普通ならまた無人ACを操っている事は
  考えられるのになぜ、個別に依頼を頼んでいるのかだ」
鈴「うん…どうもおかしいんだよ…どうしてこの前みたいにいろんなレイヴンに
  呼びかけずに普通の個別依頼として流してあったのかが…ね」
努「おかしいのをわかっていてその依頼を受けたのか…?」
鈴「ごめん…どうしてもあの…首謀者レイヴンを倒したかったから…」
努「なぜそこまでこだわる…まさか!」
鈴「そう…たまたま努の機体がやられていく所を撮影していた映像が…つい最近
  放映されていたんだ…それを見たらつい…」
 あの大規模な戦闘が起きた場所はときたまアリーナでの戦闘に使われる場合が
 あるのでいたる所に高性能カメラが仕掛けられていたのである
努「ハァ…相変わらず直情的に動くんだな…そこだけは変わってない」
鈴「なっ!…あんな光景…恋人のあんな姿見せられたら…誰だって…」
努「じゃあ、なんで俺に相談したんだよ…」
鈴「?…って、あぁ!」
努「俺の仇討ちなら俺に相談すべきじゃなかったな」
鈴「う…」
努「まっ、理由はどうあれこんな危険なミッションに前みたいに鈴凛一人で突っ込んで
  いかなくてよかったよ…じゃ、来週のこの時間に例のミラージュ基地前だな?」
鈴「うぅ〜なんか上手くまるめこまれた気がするんだけど…」
努「なんにせよ…もう勝手に危険なミッション受けるなよ…頼むから…」
 さっきみたいな軽い口調でなく一変して真剣な声になる
鈴「え…あ…う、うん、わかったよ…」
努「ふっ…じゃあ、また今度な」
 そう言って努が立ち上がろうとすると…
鈴「あっ、ちょっとまって…」
努「ん?なん…だぁぁ!?」
 鈴凛がいきなり努の腕をつかんでそれを阻止する
鈴「もう少し…このままで…いちゃいけないか…?」
努「あ、あぁ…べ、別にか、構わないが…」
 鈴凛に腕を組まれてその場に座りなおす努
鈴「…今日は最後までワガママ言いっぱなしだったな…」
努「いや、そうでもない…これくらいならいくらでも付き合ってやるぞ…」
鈴「へへっ…ありがと…」
 
 そのころ…辰也は鞠絵達を先に返して咲耶を送っていた
辰「いまごろ何やってるんだろうな…努の奴…」
咲「あら、気になるなら見ていく?」
辰「はぁ?場所、わかるのか?」
咲「うん、だって集まるときはいつだって…」
 咲耶はいつも努と鈴凛が集まる場所を辰也に教える
辰「ふむふむ…へぇ、いつも同じ場所ね…」
咲「だからわかりやすいのよ…行くの?行かないの?」
辰「そんなもん…見に行くに決まってるだろ!」
 
 公園の茂みで…
辰「おぉ…腕まで組んじゃって…かなり進んでるんだな…」
 その茂みの中で辰也達は努を盗み見していた…
咲「ふぅ…兄さん…やっぱり…」
 その光景を見て咲耶はため息をつく
辰「どうした?咲耶?」
咲「…ううん何でも無い…」
 咲耶は何かを言いかけたけどすぐに止めてしまった
辰「ならいいんだが…」
咲「ゴメン…誘って悪いけど…帰ろう…」
辰「…別に構わんよ…じゃ、帰るか?送ってくよ」
咲「うん……兄さん…」
 帰り道…咲耶の目はどこか寂しげな感じだった
 
                         第9話に続く…
作者:キョウスケさん