第十話 本当の自分
それからすぐにインフェルノは、目を覚ました。
「こ、これは、一体・・・。」
「クライン!おい、大丈夫か!?応答しろ!」
エクレールたちがクラインに必死の呼びかけをしているがクラインからの応答は、ない。
「な、クライン!」
インフェルノは、機体から飛び出しクラインの機体のもとへと駆け寄った。
「インフェルノ!!」
楚良がマシンガンを打ち出した。
「わっと!あぶねえぇ!やめろ!」
「お前がクラインを殺したんだ!絶対に許さねぇ!」
「ま、待てよ。勝手に人を殺すなよ。」
「クライン!無事だったのか!?」
「まぁ、なんとか。それよりインフェルノ。記憶が戻ったのか?」
「ああ、今までしてきたことも鮮明に覚えてるぜ。シルバー・タイラントの管理者のもとで働いてたってことや、
グローバルにもいろいろ迷惑を掛けたみたいだ。くそっ!」
「ふん。記憶が戻ったか、インフェルノ。」
「か、管理者!テメェ!」
「そう怒鳴るな、いいことを教えてやるんだから。貴様の記憶が戻った時レックナートが起動するようにしてある。
どの道貴様たちに勝ち目はない。」
「ふざけるな!俺がそんなやつぶっ倒してやるぜ!」
「まだまだ甘いな、インフェルノ。レックナートは、史上最強のAIさ。戦闘モデルは、他でもない貴様だよ。
機体も壊れ、残ってるのは、グローバルの雑魚ばかり。これで何が出来るという。
それに30分以内に倒してここから出ないと結局は、終わりだよ。ここの地下には、核倉庫があるのを知っているだろ?
あそこは、私の端末で自爆するようにセットされてるのさ。そしてもう起動させたからあとどのくらいで爆発するかな?
おっと、そろそろレックナートがそっちに向かったみたいだ。まぁせいぜい頑張るんだな。はっはっはっ!」
管理者は、回線を切った。
「くっ。クライン、とりあえず俺は、自分の機体を取ってくる。それまでは、君たちがレックナートを抑えといてくれないか?」
インフェルノは、オルテガ達に依頼した。
「ああ、いいぜ。最後の花を飾るのは、俺たちだからな!」
「おい、待てよ。サカタインダストリィ。こいつの言うことに従うってのか?」
「俺からも頼む。俺は、当分戦闘は、無理だ。もうすぐしたらオリザンズとCチームが来る。
俺は、そいつらの機体で帰還させてもらう。今のお前たちならきっと倒せる。自信をもってやってくれ。」
クラインも一緒に頼み込んだ。
「クラインにそう言われたらやるしかないか。わかった、インフェルノ。ここは、俺たちが抑えておくから急いで機体を取ってきてくれ。」
楚良もしぶしぶ了解した。
「ありがとう。ただレックナートの強さは、半端じゃないと思う。だから君達にこれを渡そう。」
インフェルノは、そう言って「OP-INTENSIFY」をサカタインダストリィたちに渡した。
「これは、ACの本来の力を限界以上に引き出す最強のオプショナルパーツだ。
Aランクから上のやつらは、大抵キサラギから渡されAランク以下になると返却しなければならないちょっと面倒な装備だ。
これを付けたら真っ当なレイヴンとは、言えなくなるがやつに勝つには、これが必要だ。装備しといてくれ。
じゃあ俺は、機体を取ってくる。後は、任せたぞ。」
インフェルノは、そう言って奥へと入って行った。エクレールたちは、インフェルノに渡されたものをつけ、
クラインは、Cチームたちに連れられて先に離脱した。その5分後にレックナートが現れた。
「いくぞー!!!」
四人は、一斉にレックナートに攻撃を仕掛けた。
「食らえ、食らえ、食らえーー!!」 ダダダダダダダダ バシュー ドゴーン ドドドドドドドド
四人がかりとオプショナルパーツのおかげで、インフェルノが、機体を取って戻ってきた時にちょうど決着がついた。
四人の機体からは、火花が散り大破寸前の機体であった。
『自爆まで、あと5分』
と、レックナートの機体のディスプレイに表示されているのをインフェルノは、確認し五人は、ブーストをしながら出口へと向かった。
その途中にもACの残骸があり、まだ生きているものは、後からついて来た。
そして全員が脱出したのを見計らうようにして、シルバー・タイラントの本社が核爆発を起こした。
作者:テロメラーゼさん
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