第10話努の旧友?鈴凛の好敵手?の登場
努「さてと、鈴凛にメール送ったし…咲耶、ちょっと出かけてくるわ」
この前の事件(裕紀と義大の喧嘩)から1週間たって久しぶりの休日気分の努
咲「兄さ〜ん、鈴凛さんとのデート頑張ってね」
努「はいはい…んじゃ、行ってきます」
だが、この後とんでもない出来事で努の人格が崩壊しかける事になるとは
誰も思わなかった…
???「ここね…あの人の家は…」
ある家の前で1人の女性がたたずんでいる…その家はというと
努「んじゃ、行ってきま…うおわぁぁぁ!?」
???「会いたかった♪久しぶりだね、努」
努の家だった。…家から出てきた努はいきなり謎の人物に押し倒される
咲「兄さん?どうしたの…あれっ?その人…美奈さんじゃない?前に一回話してくれた…」
努「へっ?み、美奈だって!?」
その人物は努と同じレイヴン試験を受けていた朝倉 美奈だった(※番外編その1参照
美「そっ♪あの後一度も会ってなかったから…来ちゃった」
努「あ、あぁ…それはそうと…この格好どうにかならないか?」
いい加減この態勢に嫌気が指したかいやな予感がするのか努がどくように申し出る
美「ん〜、それはそうと…努、あたしと…付き合ってほしいんだ」
努「は…?あぁ――!?な、何ぃ!!今なんつったぁッ!?」
…前にも1回こんな事が起きていたような気もするが…それはおいといて、
一瞬思考がストップした努が言われたことを理解し、大声をあげる
美「聞こえなかった?だからあたしと…」
鈴「そんなこと…あたしが許さないからねッ!努!!…って、なに…してんの…?」
努「へっ?り、鈴凛!?もう来てたのか…?」
予期せぬ訪問者にまたもや驚く努…今日は驚いてばかりの1日らしい
鈴「ど〜ゆ〜事か説明してもらおうかな?つ・と・む?」
鈴凛の顔は笑っている…が、しかし声には威圧感が…それに加えて指を先ほどから
程よく馴らしているあのボキッボキッという鈍い音が聞こえてくる
美「――?ねぇ、咲耶ちゃん…でいい?あの人…誰?」
咲「…兄さんの恋人…それと美奈さん、早くどいたほうが身のためだと思うけど…」
美「…はいはいはいはい…って、努にもう恋人いたのっ!?」
努「そうだよっ!だから早くどいてくれ!!死ぬ…マジで死ぬから!!!」
とは言うものの美奈がどく気配はない…そして
鈴「いい加減にせぇ!!!」
鈴凛がきれた…それと同時に乾いた音が近所じゅうに響き渡る
努「…で、どうしてここに美奈が来たんだ?」
いったん全員を部屋に入れて話を始める…けど
美「だから努が恋しくなって…プッ…アハハハッ!!」
努の頬には手のひらで打たれた痕がハッキリと残っている
むろん、鈴凛にはたかれた痕だ
努「笑うな!元はと言えばお前のせいだろ!!それより…どうしてこんな微妙な
時期に急に会いにくるかなぁ?」
美「だってほら、退院した後すぐに努アリーナで活躍しちゃってなかなか会えないし…
ほいであの時助けられた事思い出すとなんかポーッとしてきて…これはやっぱ」
努「まった。それ以上は言うな」
努の正面に位置する場所に座っている鈴凛が物凄い形相で努に睨みをきかせている
その表情から見て取られる鈴凛の言いたいことは…
鈴“ええ度胸しとんなぁ…二股か…一体いつからそんなお偉い身分になったんかのぉ?”
…あくまで心の声なのでその辺は流しといて…
鈴「ふ〜ん…可憐さんの前にこんなに可愛い娘捕まえてたなんてね…」
口調は落ち着いているものの今は逆にその雰囲気が努にとって恐怖でしかなかった
努「誤解を招くような言い方はやめてくれ…鈴凛…」
美「…ねぇ、鈴凛さん」
すると美奈がやっと鈴凛に向かって話しかけてくる
鈴「なに?」
美「努を賭けて…ACで勝負しよ♪」
咲「…うっわ〜。いつも以上に急な展開だね〜」
鈴「受けてたとうじゃない!努は絶対にわたさないからね!!」
努「へっ…?」
美「アハッ♪やったやった〜♪」
鈴凛が勝負を受けた瞬間、努の表情は真っ白になり…それとは対照的に美奈は
目を輝かせていた
鞠「…と言うような感じで今回は非公式戦です。お互い、相手を殺めないように。それに
気をつければ何してもこの旧市街地ドームでは大丈夫なはずですから」
通信画面から鞠絵がルールの説明をしている
美奈の提案どおりさっそく勝負を開始する事にした努達…
しかしなぜ、鞠絵がこの件にかかわっているかと言うと
努「すまない、鞠絵さん…いきなりこんなことに巻き込んじゃって…」
自分の機体のコックピット内で努がすまなそうに謝る
鞠「いえ、他の人達も楽しそうですし…ね、辰也さん」
辰「ん?おう、久しぶりに楽しそうな事が起きたんだからなぁ…それにいざと言うときは
止めるやつも必要だろ?」
つまりAC戦をしたとき、どちらかがヒートアップしすぎた時ように止める役として
いつものメンバー(名前をあげると長くなるので省略します)を召集したのだった
裕「危なくなったらおれ達がちゃんと止めてやるからな」
義「まぁ、そんな事が起きないようにほしいがな…」
それを聞いていた裕紀と義大が反応する
ちか「…2人ともほどほどにね」
守「嫌だよぉ、ホントの殺し合い止めるなんて」
鈴「……」
美「……」
続けて守、千影が当事者の2人に通信を入れるが…すでに臨戦態勢に入っていた
春「あら?お2人とも殺る気満々みたいですね」
雛「それじゃ、第1回稲垣 努さん争奪合戦…」
雛子も今回は咲耶や鞠絵達と同じ場所からこの戦闘を見るらしい
咲「開始しま〜っす♪」
努「なんで…なんでみんなそんなに楽しそうなんだよ…」
だが、そんな努のセリフはあっさり無視されていた
鞠「お互いに武装の安全装置を解除…」
鈴「はぁぁぁっ!!!」
鞠絵が言い終わる前に鈴凛のブレードによる奇襲
美「いよっと、あははっ♪甘いよ」
美奈はそれを逆関節特有のジャンプ力でかわす
鈴凛の機体はいつもの装備よりすっきりとしており武装はグレネードライフルに「月光」
あと、ミサイル対策としてデコイを搭載した機体
美奈の機体は重量級逆関節にのせられるだけ武装をのせた機体で、その武装は
1番初めに支給される初期型の小型ミサイル、1度に3発発射される特殊ロケット…
そして右腕に鈴凛も愛用しているグレネードライフル、左腕に軽量スナイパーライフル
EXに4連動ミサイルを搭載した普段の鈴凛以上に攻撃的な機体になっている
美「奇襲だなんてなかなかやるね〜…じゃ、次はあたしの番だね!」
美奈の機体に装備されたミサイルの砲門が開き…
美「とりあえず威嚇射撃〜!!」
5発、6発のミサイルが鈴凛に向かってくるがデコイで難なくかわしていく…が
鈴「その程度…うあぁぁっ!?」
美「まだまだ!ど〜んどんいっくよ♪」
美奈は装備された武装をフルに活用して鈴凛に対して攻撃を仕掛けている
努「美奈のやつ…予想以上の火力があるな。それにしても鈴凛はどうしてあんなに軽装
なんだ…頼むからやられないでくれよ」
モニターごしにしか観戦できない事を多少歯がゆく思いながら努は鈴凛の
勝利を望んでいる
鈴「努は…絶対に…絶対に渡さない…取られたくない…」
普段の機体より軽量になった機体の中でうわ言のように鈴凛はそうつぶやいていた
いつもより武装をつけていない分、機動性は増しているため美奈の攻撃を
かわしつづけることが出来たいた
鈴「だから!」
そして…鈴凛の機体に装備されたブレードからエネルギーが噴出され、刃の
形状を作っていく
鈴「負けられないんだっ!!!」
鈴凛は機体に向かって飛んでくるグレネード弾を切り払った!
グレネード弾は真っ二つに分かれて鈴凛の機体の両端に飛んでいき…爆発する
美「へ?う…うそぉ!?」
目の前で行われた行為に美奈は目を丸くするばかりだ。なにせ鈴凛の行った行為は
誰もが予想だにしない荒業だ
美「ま…まぐれ…だよ。そう…まぐれ…!」
少し躊躇したものの、美奈は攻撃の手を休めることをしなかった
鈴「おォォォ!!!」
だが鈴凛は次々に飛んでくる弾を切り払い、接近していく
鈴「くらえ!!」
美「うっ!?しま…熱暴走」
動きの鈍った美奈の機体に鈴凛の放つグレネード弾が決まって熱暴走を引き起こす
鈴「努は…絶対に渡さない…!こんなアタシに初めて…」
美「――!」
美奈の機体の目の前に鈴凛の機体…手に青白い閃光を放つブレードがスタンバイ済みだ
鈴「これで終わり!!」
努「ストップだ!鈴凛!!」
それが振り下ろされる直前に努の機体が間に割ってはいる
鞠「鈴凛さん!それ以上はダメです。勝負は決まりました」
裕「あぶねぇな、鈴凛さん。もう少し、努の反応が遅れてたら…」
義「コレとここにいる全員が鈴凛殿の機体を襲っていたぞ…」
裕紀の機体は両手の武器を…義大はビット4つをそれぞれ鈴凛の機体に向けていた
守「うん。ボクも…もう少しで飛び出すとこだった…」
ちか「まったくだよ…でも…よかった」
守と千影の機体はそれぞれブレードを出していつでも突っ込んでいける状態だ
鈴「あ…うん。やり…すぎたみたい…ごめん、みんな」
みんなの状態を見て鈴凛は武器をすべての武装の安全装置をロックする
努「あ〜…美奈、そうゆうわけで諦めてくれや」
美「努…えへへ」
美奈の機体に近づいていく努の機体…だが
美「その甘さが命取りだよ♪」
努「えっ?がぁぁぁっ!?」
努の機体に美奈の放つグレネード弾が直撃し努の機体は後方に大きく吹っ飛んでいった
鈴「努!?美奈…あんた!!!」
鈴凛が殺気をむき出しにする
美「あ〜あ、もう少し楽な仕事だと思ったんだけどな〜。意外意外」
美奈の素振りに悪気は見えない
美「まっさか努にもう彼女が出来てたなんて…エース様、情報不足にもほどがあるよぉ」
???「ふん、それを何とかするのがお前の仕事でもあるんだ。まぁ、ここまでACが
集まるのも予定外の内だがな」
努「あ…あの…機体――!!エースかぁッ!!!」
いつのまにか現れていた機体…そう、それは努が追い求めている存在…
エ「ふむ。まだ叫ぶ元気があるか。タフさは親ゆずりのようだな」
努「黙れ!!!」
怪我をしている事を忘れ努はエースに向かって叫びつづける
努「今日こ…そ、決着をつけ…ゲホッゲホッ!!」
エ「その体ではもう何も出来まい…美奈、後は任す。多少てこずると思うが全員片付けろ。
装備は、そのままでいいな」
美「はいはいっと。了解しました♪エース様♪」
…ただ現れただけと言うツッコミは無しとしてエースは撤退していく
そこに残されたのは美奈の機体を囲む努達他いつものメンバーだ
裕「さ〜て、美奈さん…」
辰「いったいこれはどうゆうことだ…?」
話しに置いていかれていた他のメンバーがやっと口を開き始める
義「美奈殿…そなたの目的はいったい…」
守「まさか――!」
ちか「あなたは…努の…」
美「多分…ご察しのとおりだよ♪…あの時…あたしは病院じゃなくてエース様に連れて
かれたんだ。そこであたしはエース様専属強化人間部隊として育てられたんだ♪」
いつもの明るい口調で美奈が話を始める
美「そこにはあたし以外にもう2人専属強化人間いるんだけどとっても可愛いんだよ〜♪
双子の女の子で見た目うりふたつでね、髪の毛をお互い対照的に結んでて…」
努「…おい、話しが脱線してるぞ。何が言いたい?」
美「あっ、ゴメンゴメン。つまりね、エース様の命令でそろそろ努を始末して来いって
言われたの。ついでに鈴凛さんもね♪」
鈴「じゃあ、あんたは努を殺るためだけに…」
美「そゆこと。彼女になれば努、油断して殺りやすくなると思ったんだけどね。
エース様、彼女がいるなんて一言も言ってなかったんだ」
春「…お話は終わりですか…」
なぜか言葉に殺気がこもっている春歌
辰「お、おい春歌、どうしたんだよ?そんなにいきり立って…」
春「こんな…人の心を弄ぶような輩…ワタクシ、許して置きません!理由はどうあれ
覚悟なさい!!あなたも…エースとやらも!!!」
美「覚悟するも何も…さっき全員殺れって言われたからみんな殺すから♪」
義「この人数を相手にか…それに自分のビットも加えた数を…」
義大の機体から以前に出ていたビットに加え2つ出す。今の合計6つだ
美「あっ、心配しなくてもさっきの戦闘はまだ全力の30%も出してなかったし。でも、
今度は本気で…いくよ!!!」
美奈の声が一変した…さっきまでの明るい口調ではなく殺気をおびた冷たい声に…
これが戦闘を開始する合図でもあった
義「裕紀、援護頼む!ビット…敵はあいつだ!!いけぇッ!!!」
裕「おうよ!義大には近づけさせん!!」
6つのビットが不規則な動きをとりながら裕紀に続いて美奈に向かっていく
守「千影さん!」
ちか「守ちゃん!」
裕紀の右側に守の機体、左側に千影の機体が展開する
辰「春歌、いくぞ!」
春「ええ、辰也さん!」
美奈の右側から辰也が、左側からは春歌が狙いをつける
美「ふふっ…いきがちゃって…若いね〜」
裕「うっせぇ!いくぞオラァ!!」
裕紀が先陣をきって美奈に攻撃をするが…それを美奈はブーストを使って後退しかわす
義「ビット…やつを逃がすな!」
美「へ――!?な、なにこのビット…動きが違う?でも…落とせないほどじゃないね!!」
そう言うと左腕に装備されたライフルで1つずつビットを落としていく
辰「こいつを…くらえっ!!」
春「標準セット…いきますよ!!」
続けて辰也がエネルギーライフルを…春歌はミサイルを美奈に向かって発射する…
が、それは逆関節特有のジャンプ力を使った美奈に見事にかわされた
守「ボクだって!!」
そこにショートブレードを起動させている守がそれの追撃に入る
美「ふ〜ん…あなたも意外と頑張るんだね」
守「ヤァァァッ!!!」
美「あはは♪甘い甘い♪その程度…」
空中でも器用に機体を操り美奈は守の攻撃を避けていく…だが
ちか「甘いのは…そっちだよ…!!」
ステルスで身を隠していた千影の機体が空中に現れ美奈の機体に斬りかかる
美「それくらい予想範囲内!…くらえ!!」
美奈はそれを武器の全弾発射で迎え撃つ
ちか「鈴凛さんの技…使わせてもらうよ!ハァァァッ!!」
千影はブレードで切り払いにかかる。1度しか鈴凛のこれを見ていないのに出来るのは
千影のラーニングスキルが高いからなせることであった
美「空中で切り払う…か。やる〜」
ちか「ふっ…いつまでそんな余裕が保てるかな…?」
美「ん…?」
義「油断したな!ビット…いけぇッ!」
千影の機体の後ろから現れたのは義大の操るビットだ。そしてビットによる
レーザー攻撃が美奈の機体を襲う
美「う…ぐっ!?こ、これは…」
義「まだだ!裕紀!!」
裕「わかってるって!こうなったおれ達から逃げられると思うなよ!!」
裕紀もビットを射出しさらに波状攻撃を加える
美「な…!バランサーに異常――あぁぁぁっ!?!?」
その攻撃を受けた美奈の機体はバランスを完全に失って地面へと落下する
…ここまでの変則マッチも珍しい…圧倒的だった…
美奈が落下したところに爆炎と砂煙が巻き上がった
辰「…意外とあっさり殺れたのか…?」
煙が上がったのを確認すると辰也が口を開く
裕「あぁ…今のは確かに機体の爆炎だな」
義「しかし、油断をしては――なっ!?これは…」
守「義大さん?どうし…!?な、なに…これ」
ちか「レーダーに…見た事ない反応?上から来る!!」
千影がそう叫んだ瞬間、この旧市街地を囲んでいる天井の壁が破壊されそこから“何”
かが大量に降ってきた
鈴「な…なによ、これ…昆虫?気持ち悪い…」
努「だが…生物とは違った感じもする…」
鈴凛がこんな反応をするわけは…その降ってきた“何”かはパッと見た感じ鈴凛の言う
昆虫のようだが、大きさはACに匹敵する大きさだ。そしてその背中には武器のような
ものもついている
春「なんとまがまがしい…そう思いませんか?辰也さん」
次々に降ってくる“何”かを見ながら春歌は辰也に話しかけるが…
辰「……」
辰也はそれをじっと見つめていて反応を返さない
春「辰也…さん?どうかなされましたか?」
辰「あ…あぁ、なんでもない、少し考え事してて…あと、さっきからなんか静かだと
思ったら…通信回線、完全に遮断されてる。これは多分、妨害電波の類じゃないな」
努「くそっ、鞠絵さんなら何か知っているかと思ったんだが…いったいあれは何なん…」
美「…あれはねぇ…」
「「「「「「「「!?!?」」」」」」」」
降ってくるものに気を取られていてみんな気がづかなかったが砂煙はいつのまにか晴れ
そこには右腕と頭部が破壊されても平気で立っている美奈の機体の姿がそこにあった
美「地上に出れるようになって…エース様が≪サイレントライン≫の向こう側で発見した
施設…昔は『ラプチャー』って呼ばれてたものの設備を復旧させて…たしか火星まで
行ったのかな」
画像に写っている美奈の目を閉じ、顔になぜか2つの傷痕のようなものが浮かんでいる
そんな美奈の顔を見た努達は、ただ黙ってその説明に耳を傾ける事しか出来なかった
美「その時、発見したんだよ…この生体兵器、『ディソーダー』をね」
美奈の瞳がゆっくりと開かれる…その瞳には先ほどまで見られた明るく無邪気な輝きを
放つ光りは消えうせていた
努「いったい…いったいお前はエースに何をされたんだよ!美奈!!」
その表情を見て努が思わず声を上げる
美「エース様を悪く言うな!お前達に…何がわかる!!」
努「なっ…」
美「…真実が知りたかったら…この場を生きて脱出してエース様と決着を付けにきなよ。
その時に…その時にあたしも決着を――」
歯切れの悪いセリフを残して美奈の機体が爆発する。それが故意であることは最後の
セリフから読み取れるであろう
努「ぐっ…エースめ…」
辰「くっそ…努の機体は動けないし…」
裕「敵も…来るだけ来たみたいだが」
義「この数…半端ではないぞ」
もう、外から入ってくる…美奈の言う『ディソーダー』はいないが、義大の言うとおり
その数は3桁を軽く凌駕した数であった
努「…やつらの目的はどうせ俺だ…みんなは早くこのドームから脱出――」
「「「「「「「ダメッ!!」」」」」」」
努を除く全員が声をそろえる
努「へっ…?」
辰「自分の命は大切に!…だろ?」
春「そうですよ!弱気は禁物です!!」
裕「あぁ、生きて帰るんだよ」
義「みんなでな」
守「もしもだよ?ここで努さんをおいて帰っちゃたら…」
ちか「後味悪いにもほどがある…そんなの嫌だからね」
鈴「努…みんなで…一緒に帰ってエースと決着をつけよう!」
努「…はぁ〜、また…弱気になっちまったみたいだな…」
みんなの激励を受けた努はいつもの調子を取り戻し…そして
努「また…これを使う事になるとはな…みんな、ありがとう。…一気に片付ける!!」
辰「ちょ――!?」
次の瞬間には半壊していた努の機体が動き始め…
努「鈴凛!ブレード貸してくれ!!」
鈴「うん!受け取って!!」
努「…リミッター解除!!おォォォッ!!!」
また次の瞬間には努の機体は敵陣営を崩していた
その動きは先ほどまで半壊していたものとは思えない位のものであった
辰「な…なんなんだよ?いきなり…」
裕「そんな事はどうだっていいだろ?おれ達も援護しにいこうぜ!」
…ここは≪サイレントライン≫の奥にある施設…『ラプチャー』の中である
美「エース様…すいません…せっかく任されたのにこんな結果になってしまって…」
そう、エースはここを拠点にして今まで行動していたのだ
エ「…次の作戦を考えないといかんな…今回の戦闘で何か気になった事は無いか…?」
美奈の件はもうどうでもいいらしくエースは次の行動をどうするか決めようとしていた
美「1つ…1つだけ、気になる事があります」
エ「なんだ?言ってみろ」
美「あの義大っていうやつのビット…動きが他のものと明らかに違います…やはり、あの
技術でしょうか?」
エ「多分な…。あちらではかなり進んでいる技術だが…しかし使っているのが義大…
ふむ。美奈よ、お前は機体の準備をしていろ。今度は…あの2人を使う」
美「はい…」
エ「(それと…もう1人…ここの情報が正しければ…)」
第11話に続く…
あとがき
どうも。一気に三つも送りました物書きしてますキョウスケです。
番外編その2にも書きましたが(ここで初めての人は一度読んでみてください)
番外編は本編の過去のお話になっています。
と、なんかネタが出てきませんので失礼ですがここできらしてもらいます。
それでは、また…
作者:キョウスケさん
|
|