EPISODE 5 〜闇夜の案山子〜
「また、『邪魔する者』が現れたか・・・・」
スケアクロウはパソコンを前に呟いた。
また、彼に依頼メールが届いたのである。
「依頼名:レイヴン試験妨害阻止
依頼者:グローバルコ−テックス
報酬:11000c」
スケアクロウは『邪魔する者』という存在を、気に入らないらしい。
『邪魔する者』とは、クレストの兵器工場を占拠した者とか、アリーナの開催を会場を破壊して、
開催を妨害しようとした者たちとか、他人の邪魔やイベントの妨害をする奴等のことを言うそうだ。
「・・・・・フン」
スケアクロウは踵を返す。そして、『邪魔する者』の3度目の破壊へ赴く事にした。
「メインシステム 戦闘モード 起動します」
頭部のコンピューターの声が響く。
「爆撃機はどこだ!」
スケアクロウは辺りのビル群を駆け回る。
「爆撃機は暫くすると出現するらしい。それまでは他の戦力の相手をしてやれ」
試験官の通信が入る。スケアクロウは、
「自分が奴等を速やかに駆除してみせる。レイヴンにはそう伝えといてほしい」
と、試験官へ返事を返した。
「・・・・わかった。だが、出過ぎた真似はするなよ」
と、試験官は通信を送った。
ドーン!!
ドーン!!
ドーン!!
バシュゥゥゥゥン!! バシュュュュュゥゥゥゥン!!
ドガァァァァァン!!ドガアァァァァァン!!
第2都市区のビル群は、激しい銃弾、吹っ飛ぶ車、敵MT、炎をまき散らしながら墜落する戦闘ヘリ。
スケアクロウはエネルギーライフルとブレ−ドを両手にビルの上を
飛び回り、敵を蹴散らしていく。
「どこだ、爆撃機!!」
スケアクロウは叫ぶ。すると戦闘ヘリが目の前に現れた。
「邪魔だ、ザコども!!」
スケアクロウはエネルギーライフルで狙い撃ちにする。戦闘ヘリはまた炎をまき散らしながらビルの下へ墜落していった。
スケアクロウの戦いぶりに、戦闘をしていた試験生たちが彼を見て驚いた。
「!! 何という戦いぶりだ!!」
「もう十二機以上のMTと戦闘ヘリを撃ち落としちまったぞ!!」
試験生たちはスケアクロウの戦いぶりに見とれていた。
「お前たち、何をしているんだ!! 試験を続行しろ!!」
試験官の怒声で、試験生たちは慌てて戦闘に戻る。
「爆撃機接近。あと二十秒でここに到達します。気をつけて下さい」
レインの通信が入る。
「爆撃機だって! そんなの聞いて無い!!」
このとき1人の試験生が叫ぶ。
このレイヴンの名は「レジーナ」だ。
「爆撃機は我々が依頼しておいたレイヴンが片付ける。試験を中止させるわけにもいかない。続行しろ」
試験官の指示で、レジーナは不安を堪えながら、戦闘を続行する。
「とうとう来たか!」
スケアクロウはエネルギーライフルを爆撃機に向ける。
「・・・死んでもらうぞ」
スケアクロウは呟くと、エネルギーライフルのトリガーを引いた。
暗黒の空を飛ぶ黒い影に向かって、撃ちまくった。
パシュン、パシュン、パシュン!!
パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパ!!!!!
パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパ!!!!!!!
バキッ!! ピシッ!!
バキバキバキバキバキバギッ!! ピシピシピシピシピシィィィ!!
ドォォォォォォォォォォン!! ドガァァァァァァン!!
ド・ォ・ォ・ォ・ォ・ォ・ォ・ォ・ォ・ォ・ォ・・・・・。
何発かライフルを受けて、爆撃機は炎に包まれた。
そして、真っ二つに左右の翼がへし折れて、3つに分かれて都市区の中に落ちた。
そして、爆発した。
「目標の撃墜を確認。レイヴン、お疲れ様」
レインの通信が入る。続けて、別の通信が入ってきた。
「サンキュー、レイヴン、助かったわ」
と、レジーナの声が入ってくる。
そして、コンピューターの声が響いた。
「作戦目標クリア システム 通常モードに移行します」
と。
自分の部屋に戻ったスケアクロウ。
すると、コンピューターの画面に、新着メールが届いているのに気がついた。
メールの差出人の名に「レジーナ」と、書かれていた。
そして、メールにはこう書かれていた。
「あの時、爆撃機を撃墜したのは、
あなただときいた。
とりあえず、礼は言っておく。
ありがとう」
メールの内容を見て、スケアクロウは「フッ」と、鼻で笑った。
窓の外では、1羽の鴉が夜の空を飛んでいて、そして鳴いていた。
どうも、武田です。
今回は「レイヴン試験妨害阻止」をもとに作ってみました。
暗黒の空に黒い影・・・まるで空のない世界に闇が迫りつつある・・・
というふうに、ちょっと考えながら、この話を書いていました。
次回は、「逃亡者追撃」をもとに、話を作ってみます。
作者:武田 慎さん
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