サイドストーリー

アーマードコア・コードネームミネルヴァ 01
ARMORED CORE CODENAME MINERVA



ーーセクション513−−
狼鮫「えっと、今日のターゲットは・・・・不審集団のMT10機か・・・・」

いつもどおりに依頼を受諾し、いつもどおりに、成功させ、報酬を頂く。
全てが、いつもどおりだった。
この日までは。

--01・とらわれのレイヴン--
狼鮫「・・・・EOで狙い撃ちできるか?」
俺はそういいながらすでにEOを射出していた。

ピー・ピー
不審者1「ぐわああ!!」
MTが爆発、炎上する

狼鮫「あ、当たった。 まだるっこしい、一気に決めるか。」
残り9機。

物陰に隠れていたが、逆間接脚特有のハイジャンプで敵陣へ飛び込む。
不審者2「!?レイヴンか!!」
不審者3「応戦だ!!全員集合、撃てーーーーーッ!!」

狼鮫「お前ら馬鹿か? スプレッドレーザー照準・・・・発射。」
俺のACから無数の光の矢が撃ちだされる。
その光の矢は、全て不審者たちのMTに直撃した。

不審者2〜10「ぐをぁ!!」

狼鮫「わざわざ一箇所に集まってくるからだ。」

??「・・・狼鮫・・・・実験台には持って来いだな・・・」

後ろから突如、ミサイルの雨が迫ってきた。

狼鮫「うげ!? モードチェンジ、まとめて打ち落とす!!」
俺のACから、光の束が撃ちだされる、
そう、武器腕、FINの一斉射撃だ。

ボム、ぼむ、BOM・・・・・・
鈍い音と供に、ミサイルが迎撃される。

??「・・・・終わりだ」

狼鮫「一体誰が・・・後ろから・・・熱源接近?ACクラス以上だと!?」
俺は後ろを見た、そこには「壁」があった。
否、巨大な「機動兵器」があった。

??「暫くおとなしくしてもらおう」
その兵器は、俺にレーザーを放ってきた。

狼鮫「でぇ!?避け切れな・・・・・」
俺の意識は、ここで途絶えた。




どのくらい時間が経ったのだろう、俺は、意識を取り戻した。
狼鮫「・・・・・・・ん?ここは・・・・」
そこは白い、何もかもが白い、ちょっと広めの家だった。
何故ここにいるのか、ここがどこなのか、そんなことは分から無い。

狼鮫「・・・あれ?」

何故俺は生きている?
レーザー砲の直撃を受けた、それもかなりの大きさ。
衛生砲並だろう。
そんなものを喰らって、俺は・・・無傷?

狼鮫「・・・悩んでも仕方ないか・・・・とりあえずこの部屋から出るとしよう。」
が、体が起き上がらない
意識が朦朧としていたから気が付かなかったんだろう、
俺は手術台のような机につながれていた。

狼鮫「何?俺捕まってんのか?・・・・・誰に?」
そんなことはどうでもいい。
とにかくこれを如何にかしないと。

狼鮫「引っ張ったら取れるかな・・・ふんぬッ!!」

バキ!!
あ、とれた。

部屋を出ると、そこは入込んだ通路になっていた。

とりあえず一番近くにあるドアを開けてみる。
狼鮫「・・・・誰も・・・いないな」
???「誰?」
狼鮫「うっぎゃあ!!!」
誰も居ないと思っていた部屋の何処からか、声が聞こえた。

???「ごめんなさい・・・脅かすつもりはなかったんだけど・・・・」
狼鮫「ふぉぇ?」
奥から出てきたのは、まだ年端も行かない9〜12歳くらいの少女だった。
こんなのにビックリするとは・・・・我ながら情けない・・・・

狼鮫「・・・君は・・・?」
???「あ、私、セリウム=クォーターです。セリウムとでも呼んでください。」
狼鮫「あ、・・・そう・・・・で、ここは一体何処なんだ?」
セリウム「ここは・・・・アトムコーテックスの研究所です。」
狼鮫「・・・・鉄腕アトム?」
セリウム「違います。」
・・・・真っ向から否定された。しかも即答で。

セリウム「アトムコーテックスは、裏企業、かつてのユニオンみたいな存在だと思ってください。」
なるほど、分かりやすい。

アトムコーテックスは、生態兵器、ヴァイオテクノロジーを研究している、裏企業。
この研究所はその本境地だそうだ。

狼鮫「・・・・ここにACドッグはあるか?」
セリウム「・・・この間何か搬送されてきてたみたいですが・・・・」
それだ。もしかしたら俺のACがそこにあるかもしれない。

狼鮫「じゃあ、とりあえずそこの場所教えてくれないか?」
セリウム「いいですが・・・・条件があります」
狼鮫「・・・・条件?」
セリウム「私をここから逃がして」

狼鮫「マズィっすかΣ(ーДー;)!!」
ヤバイ!!そんなことしたら俺・・・・・

誘拐魔と間違えられる!!(ぇ
が、彼女の方は本気のようだ。
真剣なまなざしで俺を見ている。
その視線がなんとなく痛く感じる。

狼鮫「観念するしかないか・・・・・(泣)いいだろう、『依頼』として受けてやる。」
セリウム「ホントですか!?」
感極まった表情で俺に迫る。
狼鮫「う、・・・あ、ああ・・・・」
セリウム「良かった・・・」
やれやれ・・・・子供と女は苦手だよ・・・・(何

そして、俺たちはドッグへ向かった。
が、
アナウンス「緊急事態、バイオメタルサンプルが、ミネルヴァを奪取し逃走中。至急捕獲、または処分せよ」

狼鮫「もう見つかったか!?」
後ろから罵声が聞こえる
兵士1「いたぞ!!こっちだ!!」

狼鮫「うげ!?くそ!!」
俺は銃を抜こうとしたが
狼鮫「銃が無い!?くそ!!・・・走るぞ!!」
俺は必死で走った。
少女の手をつかみながら。

兵士2「そこまでだ!!とまれぇー!!」
しかし通路の角から兵士が現れた。
狼鮫「げ!!」
兵士2「撃てーッ!!」

狼鮫「!?やられる!?」



兵士2「・・・何!?これは・・・・」
俺は無意識の内に少女に覆いかぶさっていた。
そして俺は・・・・・
兵士2「これが・・・バイオメタルの・・・・」
狼鮫「あぶねー・・・」
兵士2「ひぃ・・・ば、化物ぉーー」
兵士は逃げていった。

狼鮫「もうダイジョブかな?」
俺の左腕は巨大な金属の盾のように変形していた
兵士1「いた!!そこまでだ、おとなし・・・く・・・・?」
狼鮫「まだ居たか」
俺は兵士に向かって走っていった。

兵士1「ッ!?来るな!!」
ダダダダダダ・・・・・
ライフルが連射される。
しかし全て俺の変形した左腕で防がれる。
狼鮫「(貫け!!)うわあああああああああああああ!!」

そして、俺の右手は、蒼い光を放ち鋼鉄の剣に形を変えた。

ドス
鈍い音。
俺の右手は、兵士の心臓を貫いていた。
そして、あたりに、鮮血が飛び散っていた。
狼鮫「ッ!?やべ、やりすぎたか!?」
セリウム「貴方は・・・」
狼鮫「ごめん・・これは・・・・その・・・・」
セリウム「バイオ・・・メタル・・・?」
狼鮫「え、あ、うんそうだけど・・・」
何でこいつがこのことを?
・・・・・・・・・ま、いいか


狼鮫「・・・・行こう。」
セリウム「え?」
狼鮫「すぐに追っ手が来る。急がないと」
セリウム「え、ええ・・・・」
俺は元に戻るように念じた、すると、俺の腕は元の
『人間』の形に戻った。

そう、形だけは。
でも・・・俺は・・・『人間』には戻れない・・・・もう『人間』じゃない。
兵士の屍を後にしながら、俺たちはドッグへ、再び走り出した。


























ACPG01 完
02へ続く。













あとがき
あれ?シリーズ第二段出来ちゃった。(ぉぃ
まあ・・・・これはこれで次回シリーズに繋がるわけですが。
ていうかそのつもりでいるわけだったりしちゃったりしちゃってるわけで。(謎
え〜途中ちょっとGROTESQUEな表現がありました。(あ
スンマセン。
でわ次回予告!!(ぉぅ

02--逃亡--
逃亡の最中、レイヴンはあの「機動兵器」に遭遇する
強大な力の前になすすべも無く、
少女は再び連れ戻される。
少女のはかない『依頼』を遂行するため、レイヴンは裏企業に立ち向かう事を決意する。
作者:狼鮫さん