サイドストーリー

アーマードコア・コードネームミネルヴァ 02
ARMORED CORE CODENAME MINERVA



--02逃亡--

狼鮫「そういえば、お前ご両親はどうした?」
俺は走るのを遅めながら尋ねた。
セリウム「母さんはここの研究員。父さんは・・・」

兵士「いた!!逃がさんぞ!!」
狼鮫「またか!?」
奥の扉から、兵士が現れた。

狼鮫「ドッグはあの扉の奥か?」
セリウム「そうだけど・・・?」
狼鮫「強行突破だ・・・目ぇつぶってろ!!」

そして俺は兵士に向かっていった
兵士「止まれ!!止まらんと撃つぞ!!」
そういった頃にはもうすでにライフルを撃ってきていた

狼鮫「でやぁあああ!!」
俺は左手をシールドに変化させた
兵士「何!?」
狼鮫「喰らえ、文字通りの・・・鉄拳!!」
硬質化した拳。
鉄拳。
それを兵士の顔面へ繰り出す

バキ!!
兵士「ぐふぁ・・・」
兵士は痙攣している
狼鮫「よし、行くぞ」
セリウム「え、ええ・・・」



狼鮫「・・・・・ここがドッグか・・・俺のは・・・無い・・・・」
裏企業とはいえ企業は企業、どこかにACは無いかとドッグを見回した。
そして、目当ての物はすぐに見つかった。
1000MG、左実シールド、逆間接脚、OBコア・・・・
使えるな。
狼鮫「仕方ない、あいつかっぱらうぞ」

俺たちはACに乗り込もうとした
狼鮫「・・・・よっと・・・・」
足元の危なっかしい少女に手を伸ばす。
セリウム「あ、有難う御座います・・・」

狼鮫「システム・・・起動。」
?????「誰だ!!」
狼鮫「うわ!!ACがしゃべってる!?」
?????「・・・・そうか、そうだった・・・」
狼鮫「何一人で納得してんだよ。」
?????「すまぬ・・・我はもうすでに人間ではないのだった・・・・・我はスラッガー。」
狼鮫「・・・・すんません、話が飲み込めないんですが?」
スラッガー「うむ・・・我はこのACに組み込まれたAI、つまり人工知能だ。まあ、元は人間だがな」
狼鮫「ちょっっとまった。元は人間だったってどういうことだ?」

スラッガー「それはまた縁があれば話してやる。それより早く脱出せねばなるまい?追っ手が迫っておるぞ?」
狼鮫「・・・分かったよ・・じゃ戦闘システム機動、発進!!」
ジェネレータが発電をはじめ、各部にエネルギーが供給されていく
スラッガー「ところで・・・・おぬしに聞きたいことが有る」
狼鮫「何だ?」
スラッガー「おぬしロリコンか?」
狼鮫「ちゃうわヴォケ!!」

そうこうしているうちにACが完全に起動した
狼鮫「出口・・・何処?」
セリウム「本来は司令塔からの操作で開くんだけど・・・・」
狼鮫「分かった。ようするに・・・・」
俺は壁に向かってマシンガンを撃ち込んだ
すると壁に、風穴があいた
狼鮫「こういうことだ、な?」
スラッガー「おぬしまともにものを考えた事があるか?」
狼鮫「人を馬鹿みたいに言うなよ。」
そして、ブースタを噴かして研究所から脱出した。



狼鮫「この辺りまで繰れば大丈夫・・・だよな・・・」
スラッガー「うむ、とりあえず戦闘モードはこのままにしておくがいい、おぬしらは・・・どこかで休んでいろ。我が見張っておいてやる」
狼鮫「ああ、そうさせてもらうかな。」
俺はACを降りた。

セリウム「あの・・・・」
狼鮫「ん・・・どうかしたか?」
セリウム「貴方は・・・なんで・・・・」
狼鮫「何でバイオメタルをってか?」
少女はこくりとうなずいた

狼鮫「数年前・・・2年前かな、仕事をしてる時に・・・・俺は改造された」
セリウム「え・・・・」
狼鮫「今でもわけが分からん。 仕事が終わって輸送機に乗って、ACを降りろって言われて、降りたらスタンガンで気絶。気が付いたらこの体だ」
セリウム「そうだったんですか・・・」
狼鮫「なにもお前が落ち込む事は無いだろ?そういえば・・・・お前は・・・俺が怖くないのか?」
セリウム「?なぜです?」
狼鮫「いや・・・今までがそうだったから・・・・俺の正体を知ったら、俺が人間じゃないと知ったら皆俺を怖がって消えていったからな。」
セリウム「そんなこと無いですよ」
狼鮫「・・・・おだててもなにもでないよ?」
セリウム「だって、・・・・貴方は人間じゃないですか、ちょっと変わってるけど。」
正直、ちょっと嬉しかった。
いままで、俺を人間として認めてくれた奴は居なかったから。


スラッガー「おい!!何か来おったぞ!!」
狼鮫「敵か?」
スラッガー「恐らくな、しかし・・・・熱量がAC以上とは・・・・いったい・・・」
狼鮫「セリウム、お前はここで待ってろ、スラッガー、行くぞ」
セリウム「は、はい」
スラッガー「やれやれ、寝起きですぐ戦闘か・・・・・」


???「くくく・・・・愚かな・・・・私の計画を邪魔するものは・・・・皆殺しだ!!」
此方に迫ってくる熱源、それはあの時お「機動兵器」だった
狼鮫「やっぱりあいつか・・・・今度は気をつけないとな」
スラッガー「あれは・・・・グラントか?厄介な物を・・・・」
狼鮫「知ってるのか?」
スラッガー「高火力、重装甲の機動兵器だ。一筋縄ではいかんな。」
狼鮫「そうか・・・機動力は低いみたいだな・・・一気に畳み掛けるか!!」

???「くはははっはは消え去れ!!」
グラントはあの時のレーザー砲を放ってきた
狼鮫「当たってたまるか、EO、射出!!」
コアから独立支援メカが射出され、レーザーを撃つ。

???「むだだ、そんなもの、このグラントには・・・・」
狼鮫「シールドセット、マシンガン照準・・・・発射!!」
1000MGが火を噴く。

???「ぐおぉ・・・こざかしい・・・死ね!!」
するとグラントの頭部らしき部分から大型ミサイルが無数に打ち出された
狼鮫「やばッ!!」
スラッガー「撃ち落とせ!!早く!!」
狼鮫「言われなくてもやるさ!!」
大型ミサイルをマシンガンで確実に落とす
しかし、誘爆、すさまじい爆風が巻き起こった

狼鮫「く、見失った!?」
スラッガー「いや、反応が消えた、撤退したようだな。」
狼鮫「撤退?妙だな・・・・奴らが俺を追いかける理由は・・・・・しまった!!」
スラッガー「うむ、あの小娘が危ない・・・いやもう手遅れか・・・?」
俺はすぐにもとの場所へ戻った

狼鮫「・・・くそ、どこにもいない・・・」
スラッガー「あの小娘・・・・セリウムとか言っておったな?」
狼鮫「ああ、そうだけど・・・」
スラッガー「アトムの奴・・・・何を考えておる・・・?」
狼鮫「鉄腕アトム?」
スラッガー「違うわこのたわけが!!アトムは裏企業の社長、あの小娘の父親だ。」
狼鮫「な!?」
スラッガー「我はあの会社に潜入した、ある計画の進行を阻止するためにな・・・」
狼鮫「計画?」
スラッガー「さよう、『ミネルヴァ』計画。 生態兵器を人工的に作り出し、それを利用し、政権をつかむつもりだったのだ、奴らは。」
狼鮫「そんなことが出来るのか?」
スラッガー「実験はことごとく失敗に終わっていたよ、あれが発見されるまではな。」
狼鮫「あれって・・・?」
スラッガー「さぁなあ・・・・なんなのかは分からんが奴らはそれを『資源』と呼んでいた、そしてそれを利用して作り出されたのが
      バイオメタル、生体金属だ、ナノマシンによる・・・・・まあその事はおぬしも知っておろう?」
狼鮫「じゃあ・・・・俺を改造したのも・・・・・」
スラッガー「恐らく、アトムじゃろう・・・・人工生態兵器は、今、合成獣という形で成就しようとしておる。」
狼鮫「合成獣?」
スラッガー「神話からとって、キメラとも言うがね。その計画が『ミネルヴァ』だ。今この計画は最終段階まで来ている。」
狼鮫「・・・・・・それとあいつの何の関係が?」
スラッガー「分からぬ、しかし何かしら計画の鍵を握っておるのだろうな・・・・」
俺は何故か楽しんでいた、
人工生態兵器、ミネルヴァ計画、バイオメタル、資源・・・・・
狼鮫「よし、行こう」
スラッガー「研究所へ向かう気か?」
狼鮫「復讐もしたいし、あいつからは依頼受けてるしな。『私を逃がしてくれ』ってな」
スラッガー「ふん・・・・ところでおぬし、名は・・・・・」
狼鮫「俺は狼鮫、フリーのレイヴンだ。」
スラッガー「そうか・・・では、行くぞ・・・!!」





         俺はまだ知らなかった、
                    研究所で、あんな悲劇が起こることを。


































あとがき
第二話〜・・・・
でわ次回予告!!(早

--03キメラの願い--
少女を救うため、レイヴンは再び戦場へ舞い戻る。
レイヴンはACを降り、肉弾戦を余儀なくされる。
肉弾戦の果て、レイヴンは何を見るのか。
作者:狼鮫さん