サイドストーリー

格納庫の傭兵 X〜見え隠れする影〜








・・・・・・・。

・・・・。

・・・・・・・・・・。

いつまでこのままでいるんだ・・・?このまま目が覚めないのか・・・?

・・・・。

・・・・・・・・・・・・・。




俺の前にいる奴は誰だ・・・・?

・・・・なぜ何も教えてくれない・・・。

・・・なぜ顔を見せてくれない・・・。

・・・・。

・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・。



なぜなんだ・・・・。

なぜ・・・。

なぜ・・・。

ナゼ・・・・・・・。




































ジリジリジリジリリリリリリ!!!!!!!!!!

「・・・・・・!!!!!・・はぁ・・はあ・・やはり夢か・・・。」
夢にしては酷かった。
何か悲しいような苦しいような寂しいような・・・。
とりあえず・・格納庫にアステカさんがいるはずだ。準備したらすぐ向かわなければ。



トゥルルルルルルルル!!



ん、こんな朝早くから電話・・?

「・・・ああ!やっと出たか!!ロストお前すごいじゃないか!!」
電話はトーメントからだった。

「・・・?何のことだ。」

「何とぼけてるんだよ!!とにかくはやく格納庫に来いよ!アステカさんも待ってるぞ!!」
一体何なんだ・・?






格納庫の前にはもうトーメントが待っていた。

「お前も大胆なやつだなぁー!こんな機体構成してくるなんてよー!!」
・・・どういうことだ?

「おお、ロストマン。まさかあの無茶な構成をした機体を完全に乗りこなすとはな!これなら明日のアリーナも問題無いな!」
アステカさんまで変なことを言っている・・。アリーナが明日・・?
昨日がメールがきた日だから2日後ではないのか・・?
何かが・・・・おかしい。



だがその驚きは次の瞬間、恐怖に変わった・・。


俺の目の前に見慣れないAC・・・そのACには武器というものが見当たらない・・。
おそらく武器腕のブレードしか・・・。
肩にはAAというエンブレムが・・。






「このACは一体誰のでしょうか・・?」





「何言ってんだよ!!お前が昨日構成したACじゃないかよ!!えっと・・・名前なんだっけ。」

!?一体どういうことだ・・。昨日はメールがきた日では・・?それに俺はこんなACを考えたことはない・・・・。



これは夢の続き・・・?



「アフレイド・アビリティだろ?このACの名前、最初は俺もこれは無茶だと思ったがロストマンの潜在能力には驚いたよ。」
アフレイド・アビリティ・・。潜在能力・・・。どういうことだ・・・。

「潜在能力・・俺が?」

「ほんと何も覚えてないのか?俺のACエンカレイジと模擬戦したら全勝だったじゃないか!」
トーメントのAC・・・・・だめだ・・思い出せない・・。

「ロストマンも昨日の疲れが溜まっているんだろ?今日は前日だから訓練しないで休養をとらせるよ。ただしイメージトレーニングを忘れるな。」
やっぱおかしい・・。一日ずれてる・・。

「おいロスト、どうしたんだよ。」
俺の様子に気づいたのかトーメントは声をかけてくれた。さすがに一日ずれてることは言えないな・・。

「いや大丈夫だ。今日はもう家に戻って英気を養うよ。」

「だな!!俺もコーヒー飲んだら家帰って寝るぜ!」






・・・・一体寝ている間に何があったんだ・・。

・・・俺の知らないAC。

・・・俺の知らない一日。





















今日もまたあの夢を見るのだろうか・・?

そんなことを考えながら俺はベットに横になっていた・・。

また自分の知らないことが起きるのだろうか・・?

「・・・・・・・。」

このまま朝まで寝ないほうがいいのだろうか・・。

俺の身体は恐怖で震えていた・・・。


































そんな俺の身体の異常に気づいてる人が一人だけいた・・・。

「・・・・アステカなんかおかしくなかったか?」
アステカに話しかけていたのはB・C・Gのゲドであった。

「ん、一体何がだい?」

「昨日と今日のロストマンのことだ。」

「確かに昨日のロストマンはなんかこう・・冷血というか、寡黙というか・・。」
二人は昨日と今日の違いに気づき始めた。

「アステカ・・。何かロストマンによくないことが起きるかもしれない。できればアリーナを棄権させたほうが・・。」

「ゲド、お前は気にしすぎだよ。今日ぐっすり休めば明日にはもういつも通りになるだろ!」

「・・・たしかに俺が心配性なだけかもな・・。」


















































ジリジリジリジリジリリリリリリリリ!!!!!

「!?・・・ふう、今日はなんともなかったか・・。」
俺はちょっと安心した。俺の知らない一日を入れると今日がアリーナ戦の日だ・・・。

だがおとといのことに関しては全くわからない・・。

俺はあのACを乗りこなせるだろうか・・。

















今の俺は不安と期待の両方を背負っていた・・・。




だけどその二つに隠れてる恐怖にはまだ気づかなかった・・・。














作者:RYOSUKEさん