サイドストーリー

EPISODE 9  〜熱砂の激突〜
「Re:ミラージュ部隊強襲
 依頼主:キサラギ
 成功報酬:25000C
 我々は偽の情報を流す事で、ミラージュの部隊をアヴァロンヒルに
 おびき出す事に成功した。この展開中の部隊を全滅させてもらいたい。
 アヴァロンヒルは比較的見通しのきく場所で、長距離戦を活かせる場所でもある。
 なお、多数の敵との消耗戦になると判断したので、補給車を用意した。有効的に
 活用してもらいたい。
 ミラージュの力を削ぐ、絶好的なチャンスだ。必ず成功させてくれ」

ある日の事、全てのレイヴンにこのキサラギの依頼メールが届いた。
その依頼を受けたレイヴンたちが、輸送機の中に乗って作戦目的地に向かっている。

輸送機の中で、3人のレイヴンが3機のACに乗って、目的地に投下されるのを待っている。
「ほ・・・ホントに大丈夫なんですか? ドラゴンキングさん・・・」
1機の白いACが言う。これは、ツインヘッドWの乗る「スクリーミングアニマル」
だ。
「そうビビった声を出すな。ツインヘッドW。この火炎放射器さえあれば皆消し炭だ」
もう1機のフロート型ACが言う。これはドラゴンキングの乗る「フレーミングアロー」
というACだ。
ドラゴンキングは火炎放射器の使い手で、フレーミングアローを駆って戦場を駆け回り、
数々の敵を焼き払ってきた、凄腕のレイヴンである。フレーミングアローの左腕には、二つの龍のエンブレムがある。
おまけに、ドラゴンキングはツインヘッド姉弟との旧い知り合いでもあるのだ。
「で、でもいくら姉さんとドラゴンキングさんがいてもこの人数じゃ・・・」
ツインヘッドWは心配する。するともう1機の2脚ACが言う。
「ちょっと・・・外にはキングが呼んだ、パイロット集団がいるのよ? 彼等の存在も気遣ってあげな」
そう言う2脚ACはツインヘッドBの乗る「パトリオット」だ。
「そうだ・・・9人もいれば釣りが来るぜ」
ドラゴンキングはクックッと笑う。
ドラゴンキングが呼んだパイロット集団は「トループ1」「トループ2」といい、
3人一組で戦闘機「ガスホーク」、戦闘ヘリ「ターパニッド」に乗って戦う、名高いパイロット集団だ。
この集団も、ドラゴンキング、ツインヘッド姉弟の旧い知り合いでもある。
「目標地点に到達。これより作戦を開始する」
キサラギのオペレーターが通信を送る。
「行くぜ、野郎ども!!」
「1機でも多く道連れにしてやれ!!」
ドラゴンキングが前に進んで、トループ1・2たちに通信を送る。
「了解!!」

バシュウウウン!!
フレーミングアロー、パトリオット、スクリーミングアニマルの3機が飛び出した。
アヴァロンヒルに着陸。上空では3機のガスホーク、3機のターパニッドが編隊を作って旋回している。
向こうから土煙が上がって、機動装甲車「グレイボア」が4台、こっちに突っ込んできた。
その後に重装型MT「スクータムD」が4機、中央の大きな岩の周辺で援護する。
「来た! 2人とも、よく見ていろ!!」
ドラゴンキングが先に飛び出した。グレイボアがラインビームを浴びせるが、
ドラゴンキングはフロートの機動性を活かしてかわす。そして左腕の火炎放射器から大量の火炎を放った。
炎を浴びたグレイボアは炎を全身に纏い、火達磨と化した。
「すげ・・・こぇぇーっっっ!!」
ツインヘッドWはゾーッとしてきた。
「弟よ、右舷3時方向を見ろ! MTが4機、接近してきた! 気をつけろ、バズーカを持ってる!」
ツインヘッドBが通信を送る。ツインヘッドWはその方向を向いて、パルスライフルによる遠距離射撃を行う。
ドカァァン!! ドカァァン!!
右舷3時方向の4機のスクータムDがバズ−カを撃ってきた。
「そんな曖昧な照準で!!」
左右に動きながらツインヘッドBは叫び、ロケット弾とパルスライフルをスクータムDに振る舞う。

一方、空のトループ部隊は、上空から空対地ミサイル・ロケット・バルカンの援護射撃を行っていた。
地上にいるスクータムDたちが、バズーカを浴びせてくる。
「地上じゃどうなったかは知らないが・・・この大空じゃガスホークとターパニッドが王様だ!!」
トループ部隊は空対地ミサイル・ロケット・バルカンを地上に向かって撃ちまくる。

「くそっ! きりがない!」
数を増すばかりのミラージュ部隊に、ツインヘッド姉弟は疲れを見せ始めた。ふいに、
ツインヘッドWのパルスライフル、デュアルミサイルの弾が切れた。
「武器の弾が・・・・切れた・・・・」
ツインヘッドWの心臓がドクン、と、なった。その途端にスクータムDがバズーカ砲を放ってきた。
「うわあああああああ!!」
ツインヘッドWが悲鳴をあげた途端、いきなり目の前に黒い姿が現れた。
ツインヘッドBのパトリオットだ。そして、ドガァン!! と、パトリオットの背後で爆発が起こった。
「姉さん!!」
ツインヘッドWが叫んだ。
「こ・・・この位、へでもないわよ!」
ツインヘッドBは余裕の表情を見せる。そして、振り返りざまに背後のスクータムDを斬り捨てた。
爆発を起こすスクータムD。
「無事か、ツインヘッドW!?」
ドラゴンキングの通信が入る。
「ドラゴンキングさん!」
「今のうちに補給車の所へいけ! そこで補給してこい!」
ドラゴンキングが叫ぶ。
「は・・・はいっ!」
ツインヘッドWはスクリーミングアニマルを補給車の所へ向かわせる。
そして補給車の所に辿り着いて、補給車の補給用のプラグをコアに差し込む。
「弾薬、エネルギーチェック・・・・・・オールクリアー、補給完了」
補給車からの通信が入ると、
「よし、戻るぞ!!」
ツインヘッドWは補給車の所を離れ、再び激戦地に飛び込む。そして、姉と合流する。
「弟よ!」
「いくぞ、姉さん!」
「うおらあああああああああああああ!!!!」
ツインヘッド姉弟は各々の武器を辺り中に乱射しまくる。乱射を受けた敵機は次々とぶっ飛んだり、爆発を起こした。


アヴァロンヒルの激戦は激しさを増す。地上には無数のグレイボア・スクータムDの残骸が転がっている。
数が少なくなった頃、通信が入った。
「敵部隊が撤退を始めた模様。作戦成功です。お疲れ様でした」
オペレーターからだ。その時ドラゴンキングは、
「作戦は完了だ。皆、戻るぞ!」
と、皆に通信を送る。


ども、武田です。
いやあ、アヴァロンヒルの戦い、書いていながら、
すばらしかったと思ってます。
次回は「中央研究所防衛」をもとに書きます。
作者:武田 慎さん