サイドストーリー

EPISODE 10  〜黒い死神〜
「今回の目的はこの研究施設を襲っているミラージュの部隊の全排除だ」
「戦果に焦って無理はするな!」
「了解!」
ある夜、クレストの所有するルグレン研究所のA棟に、ミラージュの部隊が出現、
破壊活動を進めているとのことがあり、クレストは早急に先遣部隊を派遣、
フラジャイル、コールハートの2人のレイヴンを送り出す。だが苦戦しているとの報告があり、
今度は4人のレイヴンを送る。

そのレイヴンたちは、「黒い案山子」ことスケアクロウ、ゲド、そして新米レイヴンで、
スケアクロウと共に行動をするアップルボーイとレジーナの4人だ。

「俺とゲドは隣の部屋の敵を掃討する! アップルボーイとレジーナはここを頼む!」
スケアクロウは叫ぶ。そしてゲドと共に隣の部屋へ入り込んだ。
「なんだ、これは?」
「ボール?」
アップルボーイとレジーナは空に浮かぶ特殊MT4体を見て言う。
この特殊MTの名は「DーCO21ーS」。
するとDーCO21ーSが突然変形して、ラインビーム攻撃を行ってきた。
「・・・そうでもないみたいだな!」
アップルボーイとレジーナは散開して、攻撃を始める。
ドガァァン!! ドガァァン!!
バシュゥゥゥン!! バシュゥゥゥン!!
ドン!! ボワァァァァン!!
何回かの銃撃の末、4体の特殊MTは終に地面に落ちて爆発した。
「そっちは済んだのか? こっちの部屋のゲートはロック解除できた。今から奥のACのとMTの救援に向かう」
と、スケアクロウの通信が入る。
「こちらコールハート。君達の部屋のゲートのロックは解除してある。すぐにきてくれ」
と、コールハートの通信が入った。
「了解」
アップルボーイとレジーナは奥のゲートへ向かう。

プシュゥゥゥゥン・・・・
ゲートが開く。4機は研究所A棟の3階吹き抜けの部屋の前で合流した。
「無事か、アップルボーイ!? レジーナ!?」
スケアクロウが言う。
「はい、な、なんとか・・・」
2人が答えた途端、
「ぎゃああぁぁぁあああぁぁぁぁぁああああ!!!!」
と、上から悲鳴が聞こえた。
「何だ?」
スケアクロウが上を見上げた途端、
「あああああああああああぁぁぁああぁぁぁ・・・・・」
と、いきなり上の階の扉がぶっ飛び、パワードスーツが3体、いきなりスケアクロウのACの頭部の上に落ちた。
ドカッ!!
「うお!?」
スケアクロウのACはバランスを崩して落ちそうになる。
「たた、助けてくれぇ〜〜〜〜〜っ!! ひぃぃぃぃぃぃ〜〜〜、おおお落ちる〜〜〜〜〜っ!!」
「うわ、何でパワードスーツが空から!? イテテテテテ・・・・頭部掴むんじゃねえって!! オイコラッ!!」
「ス、スケアクロウさん!?」
アップルボーイとレジーナがスケアクロウのACのバランスをもどそうと奮闘する。
「ま、まさか・・・・」
ゲドが呟く。すると部屋の扉が開いて、コールハートの「ザ・サン」と、
2体の近距離格闘MT「ギボン」が慌てた様子で出てきた。
「どうした!?」
「悪い予感がしたんだ・・・あんた方、早く逃げろ! 「死神」がここに来る」
「何!?」
ゲドは驚いた。
一方、まだスケアクロウがパワードスーツ隊ごと落ちそうになっていて、
アップルボーイとレジーナがそのバランスを保とうと手を焼きながら奮闘していた。
「ひいいい〜〜〜、おおおお落ちるぅぅぅぅ〜〜〜〜っ!!」
「は、離せといってんだよ、この野郎ぉぉ〜〜〜〜!!」
「いやだぁ〜〜〜〜!!」
「いやだぁ〜じゃねぇって、お前らはお、おいっ!!」
「や、やめてぇぇぇ〜〜っっ!!」
「ス、スケアクロウさん〜〜〜〜っ!」

部屋へ駆け付けたゲド、コールハート、ギボン2体がそこで見た物とは・・・
なんとそこには戦闘メカ、MTたちの残骸。もうもうと煙りをあげる大型、小型シリンダ、スパークを起こす、
半分に壊れたコンデンサ、襤褸襤褸になって崩れ落ちた作業用機械。
生き残っているのは、フラジャイルの駆るランカーAC、「ナイトフライヤー」だけだった。
「無事か、レイヴン!?」
ギボンAが叫ぶ。
「ああ、なんとか・・・しかし、あのACはいったい・・・・」
「これくらいの戦力を殲滅、しかも設備を完全に破壊するとは・・・。
 こんな事をするのは、敵はトップランカー級のレイヴンらしいな」
「まさか・・・」
フラジャイルが呟いた途端、いきなり後ろからフラジャイルに向かってマシンガンの銃弾が飛んだ。
「!!」
フラジャイルは驚いて飛び退く。
「・・・その通り。これをやったのは、この俺だ」
どこからともなく声が響き、むかいの壁が爆発した。すると、1機の黒いフロート型ACが飛び出てきた。
そのACが着地すると、ゲドにはそのACが何者だかが分かった。
「エ、エグザイル・・・・!?」
“黒い死神”エグザイル。かつては自分に挑んだ大勢のレイヴンを葬り去ったことから、
“黒い死神”と、呼ばれて、恐れられていたレイヴン。
しかし、そのエグザイルが、自分達の前にいる・・・。全員は冷や汗を流す。

武田です。
思いっきりスケアクロウとエグザイルの戦闘シーンを
描きたかったのに、ページが長くなるといけないので、
ここまでにしておきました。
次回は戦闘シーンをちゃんと描きます。
(何故実働部隊ACの代わりにエグザイルが出てきちゃったんでしょうか・・・・)
作者:武田 慎さん