AC3SL:アリーナの前の接触
スレイヤの日課は起きたら、すぐに着替え、トレーニングをすることである。いつものようにトレーニングを終え、
シャワーを浴び、いつものようにメールをチェックして見た。
「依頼は・・・一件か。なになに・・・警備部隊陽動?おもしろそうだな」
そう呟きながらOKの返事をだした。と、同時に通信が入った。
???「今日は依頼を受けるの?」
スレイヤ「あぁ、セナか。今返事を出したところだ」
彼がセナと呼んだ女性は彼のオペレーターである。名前はセナ・ヴィンヤード
セナ「あぁ、じゃないでしょ。こっちにも返事をよこしてよ」
スレイヤ「今送ろうとしたんだよ」
セナ「ならいいけど。で、内容はなに?」
スレイヤ「警備部隊陽動だそうだ」
セナ「あんまり派手にやらかさないでよ。明日はアリーナがあるんだから」
スレイヤ「わかったわかった」
そういって彼は通信を切った。
(毎度毎度うるさいな。まったく・・・)
そう。彼には明日、アリーナがある。相手はE―7のシューティングスターである。
普通は機体調整のため依頼は断るのだが、彼は「実戦の方が調整できる」といって依頼をうけている。
機体の調整のためスレイヤはガレージに向かった。
スレイヤ「どうだラスト。俺の愛機の調子は」
ラストと呼ばれた男はスレイヤの愛機、クイックバーストを調整していた。
ラスト・バンツァー スレイヤの幼なじみであり、調整責任者である。
ラスト「この俺が調整してるんだぜ。バッチリすぎるぐらいだぜ」
スレイヤ「よくもまあ抜けぬけと・・・」
ラスト「堅いこと言うなよ。それよりも依頼か?明日はアリーナだってのに」
スレイヤ「だからだよ。実戦しないといまいちなあ・・・」
ラスト「わかったよ。とっとと乗りな」
スレイヤ「了ー解ー」
そしてスレイヤは輸送機に乗り、飛び立った。
セナ「作戦地点に到着しました。健闘を祈ります。」
スレイヤ「ああ。」
そこは道路だった。ACが動くにはやや狭い。
依頼主「まずは警備部隊を誘き出すため、通行中の車両を破壊してくれ。」
スレイヤ「了解。」
そう言ってスレイヤは車両を破壊し始めた。
スレイヤの愛機、クィックバーストは軽量2脚である。右腕に800マシンガン。左腕にはMOONLIGHT、
すなわち、月光がある。EXはTB、肩には初期レーダーと小ミサを積んでいる。超接近戦使用だ。
少しばかり車両を破壊していると敵勢力のリーダーと思われる人物の声がした。
ガードリーダー「敵勢力を確認。B26区画の通行を止めろ!近隣区画で雇ったレイヴンがいるはずだ。こっちへ廻してくれ。」
シューティングスター「こちらシューティングスター。あとはまかせろ!」
依頼主「ACだと・・・。予定外だが排除を頼む。報酬は上乗せしよう。」
スレイヤは聞いていなかった。敵ACに乗っている人物に気を取られていた。
スレイヤ「シューティングスター・・・。明日の相手か・・・。おもしろい!」
シューティングスター「貴様は!・・・少し早い対戦か・・・いくぞっ!」
そう言うが早いか相手はパルスライフルを連射してきた。
シューティングスター「くらえーーーーー!!!!」
ピー、ピー、ピー、ピー。
しかしスレイヤは焦ることなく紙一重で、しかし確実に避けて行く。
スレイヤ「そんな腕では当たらんな・・・。銃はこう使え!」
ドガガガガガガガ・・・
マシンガンが火を吹く。
「ちぃぃっっ!!」
十数発被弾したものの致命傷にはならずシューティングスターはパルスライフルの銃口をクィックバーストに向けた・・・が、
そこにはクイックバーストの姿は無かった。
「なに!!」
ザシュゥゥゥン・・・
彼の後ろで蒼い閃光が迸った瞬間、シューティングスターの脚部とコアは真っ二つになっていた。
シューティングスター「ぐあぁぁ!」
支えるものが無くなったコアは無惨にも崩れ落ちる。
スレイヤ「これが俺とお前の差だ。」
シューティングスター「くそっ!機体の調子が悪かっただけだ!」
スレイヤ「ふん、自分の機体の管理すらできないのか?おまえは。」
そう言い残して彼は輸送機の待機場所に向かった。
輸送機の中には忙しそうに走りまわっている整備員と、一人の女性がいた。
セナ「お疲れ様。」
スレイヤ「珍しいな。お前が迎えに来るなんて。」
スレイヤが彼女に会うのはこれが2回目である。一回目は最初のミッションのとき。そして今だ。
セナ「たまには、ね。」
会話が途切れる。周りからはカップルのように見えるだろう。案の定一人の男が近づいてきた。
ラスト「おーおー、お熱いね〜お二人サン♪」
スレイヤ「まったくお前はすぐそういってはやしたてる・・・。」
ラスト「まあ、まあ。君は明日試合だろ?早く帰って眠りな。機体は見ておくから。」
スレイヤ「悪いな。」
ラスト「気にすんなって。」
そして家路についた。とはいっても、彼の家はコーテックスが用意した寮だ。なぜ家が無いか、それはもうチョット後で話そう。
そしてなぜかセナもついてきた。
スレイヤ「・・・なんでついくんの?」
セナ「泊めてもらおうとおもって。」
スレイヤ「・・・はぁ????」
セナ「体調管理もオペレーターの務めでしょ?」
そう言う彼女はなんだかウキウキしているように見える。
スレイヤ(・・・ほんとにオペレーターの務めなのだろうか?)
セナ(スレイヤの部屋、どんな風になってるのか、見てみたかったのよねー♪)
翌日 アリーナ十分前
スレイヤ「どうだ。俺の機体は?」
ラスト「バッチリだ。最終調整は自分でやっとけ。命を預けるものだからな。」
スレイヤ「もちろん、そのつもりだ。」
ラストはその場を後にした。
アリーナ
司会者「おおっと!両選手が入場してきました!」
Eランクの試合なので観客はそんなにいない。・・・が何人かの大物が来ていた。
???「よう、トレイズ。」
トレイズ「おお、来たか。」
彼が振りかえるとそこには3人の男がいた。
メビウスリング、ゼロ、フォグシャドウだった。
トレイズも含めてアリーナの上位に君臨するいわば王者たちである。
ゼロ「アイツか?驚異的な記録を叩き出したってのは?」
トレイズ「ああ、まあ見てろって。」
シューティングスター「昨日の借り、かえしてやるぜぇぇ。」
スレイヤ「ふん、到底無理だな。」
司会者「この二人、昨日何かあったようだぞー!早速はじめよう!レディーー、ゴーー!」
シューティングスター「オラァーーーーーーー!」
昨日と同じようにパルスライフルを連射する。
ピー、ピー、ピー、ピー。
スレイヤ「ふん、馬鹿のひとつ覚えか・・・。」
それにかまわずスレイヤはOBを起動し、直進した。
「なに!?・・・ふん、返り討ちだ!」
彼の作戦に気ずいたシューティングスターはブレードを構える。
ゴォーーーー・・・
OBでシューティングスターの目の前まできた瞬間・・・消えた
と思ったら昨日同じように真っ二つになっていた。
ザシュゥゥン・・・・
シューティングスター「な、なんだと!」
司会者「決まったーーー!勝者、スレイヤ!」
フォグシャドウ「・・・おどろいたな。」
ゼロ「スライドの技術・・・。あんな若僧が使えるとは・・・。」
メビウスリング「それだけじゃない。横に移動した瞬間、TBを起動してすぐに切り付けた。」
トレイズ「ああ、凄いな、まさかココまでとは思っていなかった。」
その後も彼は、順調に勝ち進み、ついにはBランクに到達していた・・・。
あとがき
いやー長かったです。AC戦を書きたかったので強引に(爆
今後はスレイヤの秘密をちょこっとずつかいていこうかと・・・
作者:スレイヤさん
|
|