サイドストーリー

EPISODE 14 異形の者たち(後)
「Re:下水溝調査
 依頼主:キサラギ
 成功報酬:45000c
 我が社の管轄下の区画にある地下下水道「L9」で、水位の異常上昇が認められた。
 調査部隊を派遣したが、連絡が途絶えたままになっている。至急、調査に向かってもら いたい」

「うーん・・・溝臭いなぁ・・・・」
この依頼を受けたレイヴンは、2人。現在、フロート型ACで、再び派遣されたキサラギの調査部隊と共に、行動している。
溝臭い下水溝の中で。
この2人のレイヴンは「パーティープレイ」「サバーハンキング」。どちらもフロートの使い手で、それなりの実力を持つレイヴンだ。
「何もないようだが・・・」
サバーハンキングが言う。
「異常な水位上昇があったはずだ、どこかにあるに決まっている」
パワードスーツ隊「M.P.T.A19G」に乗った調査部隊A班隊長が言い返す。
「それもこんな溝臭い下水の中で・・・ん?」
サバーハンキングは何かが脚に当たったかと思い、下を見上げた。すると、1体の蜘蛛みたいな物が歩いていた。
これは生体兵器幼生「B998a Cーtype」だ。
「ん!? 何だこの蜘蛛は? おい、退け。通行人の邪魔だ。おい、蜘蛛!!」
サバーハンキングが何回かガストの左腕で押し退けようとする。すると蜘蛛がガブッ、と噛み付いてきた。
「!?」
サバーハンキングは悪寒を感じた。その途端に、
「うぎぁぁぁぁぁ〜〜〜〜、はなせッ、離さんかこの馬鹿蜘蛛、離さんかこの昆虫〜〜〜〜〜〜〜!!!!
 くそッくそッくそッくそッくそッ!!」
サバーハンキングは操縦桿をめちゃくちゃに振り回す。すると何回かやった途端に蜘蛛が離れ、壁にぶつかってグシャッ、となった。
「静かにしろ。敵が飛んでくるぞ」
「だ、だってよぉ〜・・・・・」
「ん?」
A班隊長とサバーハンキングが言い合ってる途中、メンバーの1人が何か気づいたかのように足を止める。
「どうした、ゼルフ?」
「来る・・・」
「何? 敵機か?」
A班全員が顔を見合わせている途中、奥の方からガシャガシャ、ガシャガシャ、と、何かが歩く音が多く響いた。
その場にいた全員がその音の方向を見合わせると、いきなり蜘蛛の大群が、蝗の群れのようにこっちに向かってきた!!
「うわぁあああぁぁぁぁぁあああああぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜!??」
調査部隊A班の全員(隊長も含めて)が悲鳴をあげた。そして蜘蛛の子を散らすように逃げた。
「お、おい、何逃げてんだよコラァーーーー!???」
サバーハンキングが振り返って叫ぶ。そしてさらに自分も逃げながら叫ぶ。
「俺と同行するって話はどーなったんだよォーーーーーーッ!!!」
「うわぁぁぁぁぁ〜〜〜〜っ!!」
「ママぁぁァァ〜〜〜っ!!」
「おおおおおおいいいいいぃぃぃぃぃっっっ!!!」
大混乱のようだった。
一方、パーティープレイとパワードスーツ隊「M.P.T.A19L」に乗った調査部隊B班は、
右の通路の突き当たりの扉に差し掛かっていた。管制パネルを操作して扉を開けようとしている。
「ピピッ・・ゲートロック解除デキマセン・・・」
パワードスーツの1人がロックを解除しようと管制パネルを操作しているが、どうもエラーの報告ばっかり返ってきてしまう。
「駄目です。解除ができないそうです」
「くそォ・・・一体どうなっているんだ?」
B班は顔を見合わせる。
「とりあえず、どこかにもう1つの管制パネルがあるはずです。そこを探してみませんか?」
「・・・・うむ」
パーティープレイが提案を出す。B班はそれに納得して、彼とともに左の通路を進む事にした。

「そこの右をまがった所に、管制パネルがあるはずです」
「・・・・・よぉーし・・・」
パーティープレイたちは通路の奥へ進もうとした途端、バキッ、と音が響いた途端にいきなり4体の生体兵器が天井から落ちてきた。
「うわっ! ば、化け物だ!!」
B班は驚いた。
「僕にとってはこんな雑魚生体兵器、ひとひねりですよッ!!」
パーティープレイはハンドロケットを連射した。すると4体の蜘蛛は吹っ飛ばされ、奥の排水溝の奥へ流されてしまった。
「・・・・行きましょう」
パーティープレイは振り返って言う。
「う、うむ・・・」
B班はドギマギしながら言った。そのとき、B班隊長は「彼が入れば安心だ」と、心の中で考えた。
やっと管制パネルの所へ辿り着いた。そこでパーティープレイはジョーカーの左腕でパネルを操作した。すると、
「汚水排除システム作動。全排水溝を一時封鎖します」
と、館内放送が流れた。するとどこかで、ピーッ、と、ブザーの鳴る音が響き、ゲートが次々と閉まっていく音がした。
「これで管制パネルも操作可能となるでしょう」
「後は調査の続行だけだな」

パーティープレイたちは引き返して、もとの管制パネルの所へ辿り着いた。
パワードスーツがまた1人、パネルを操作する。するとブザーが鳴りゲートが開く音が響いた。
その途端に、パーティープレイとB班に通信が入った。すぐにインカムを作動させて、応答する。
「こちらパーティープレイ。どうしましたか?」
「こちらサバーハンキング!! 救援を頼む!!」
「正体不明の物体が・・・うわぁ!!」
「おい、どうした!?」
「とにかく、行ってみましょう!」

パーティープレイとB班が駆け付けると、そこにはエネルギーショットガンを天井に向けて連射して高速移動をするサバーハンキングと、
パルスライフルを天井に向けて連射する調査部隊A班がいた。
「何が起こった!?」
「B班、上だ!! 気をつけろ!!」
パーティープレイたちが上を見上げた。すると天井に、巨大な蜘蛛らしき物体が張り付いていた。
これが生体兵器「B998a Mーtype」だ。
「な、なんだァァァァァーーーーーッッッッ!!???」
その場にいたB班が絶叫した。恐ろしい形相を持つ巨大蜘蛛。それはまるで、タランチュラ3匹分の大きさだ。
「危ない、逃げろ!!」
サバーハンキングが叫ぶ。B班は蜘蛛の子を散らすようにばっとその場から飛び退く。
すると青白い極太の閃光が走った。
「レーザーキャノンだ! 当たるなよ!!」
「やっぱり〜〜〜〜!!」
サバーハンキングはエネルギーショットガンを巨大蜘蛛に向けて連射する。
巨大蜘蛛はそれが当たったと同時に巨大蜘蛛は青白い光球を6方向にばらまいた。それは地面に着いた途端に爆発を起こした。
「くそ、攻撃が激しすぎる!!」
「ふふふふふ・・・手子摺っているようですねぇ?」
「パーティープレイ! こいつはただ者じゃないぞ!!」
「僕にとっては、このくらいの生体兵器は雑魚クラスって事なんですよ!! 食らえ、カルテットロケット!!」
ジョーカーは肩の3連ロケット、ハンドロケットを素早い勢いで同時に連射しまくった。
ドドドドドドドドドドドド!!!!! ドドドドドドドドドドド!!!!!
ドガッ、ブチッ、ドガガガガッ、ブチッ、ブチッ、ドガガガガガガガガガッッッ!!!!
「うわ!! 3連ロケット、ハンドロケットを同時に連射かよ・・・」
あまりもののパーティープレイの底力に、サバーハンキング、調査部隊A班B班は呆然とした。
その途端に巨大蜘蛛が地面に落ちた。8本のジョイント代わりの爪が全て破壊されたらしく、天井に張り付く事ができなくなったのだ。
その上、巨大蜘蛛は完全に昇天していた。
「ま、こんなものですかね」
パーティープレイは連射をやめた。
その後にキサラギのオペレーターから通信が入り、作戦成功となった。

その後、サバーハンキングは心に刻んだ。
普段ぼーっとしている奴ほど、最後になれば底力を出す、と。
作者:武田 慎さん