EPISODE 16 炎の宴
「全機作戦開始!!」
「各機へ! S00のプラントを目指せ!」
「了解」
ついにユニオンと複数のレイヴンたちの潜入作戦が始まった。これに気づいたクレストは警備部隊とセキュリティを作動させ、迎撃体勢に当たる。
クレスト中央データバンクは、激しい激戦地となった。
ドン!! ドン!!
シュィィィイイイイイ、ドバァン!!
ドドドドドド!! ドドドドドド!!
シュィィィィィイイイ、ドバドバァァン!!
銃弾が飛び交い、ブレードが空を斬って敵を斬り裂く。
「たかがAC部隊ごときに何を手子摺っている!!」
「うるせー!! こいつら数が多い上に耐久力が半端じゃねーんだよ!!」
「こっちは弾切れだ!! もう戦闘不能・・・・ぐわぁぁぁっ!!」
「くそっ、犬死になん・・・・ウワァー!!」
「何と言う事だ・・・」
次々と倒されてゆく警護部隊。クレストはだんだん不利になってきた。しかし、
「怯むな! 戦力はこっちのほうが上だぞ!!」
クレスト司令の言葉で、警護部隊は勢いを取り戻した。
フォグシャドウ「シルエット、W42クリア! くそ、次から次へと湧いてくる!」
ユニオン通信士「タイラント、シルエット、次はW07だ」
BB「どこに敵の拠点があるのか、わかりゃしねえじゃねえか!!」
イエローボート「アパシー、N33クリア!」
ローテーション「機体の損傷率が越えてきた!」
ユニオン通信士「アパシー、ヴァリアードアームズ、S42に行け」
ストラング「こちらツェーンゲボーテAS、N42クリア!」
ユニオン通信士「了解、ツェーンゲボーテAS、カイザー、次はN06だ」
ロイヤルミスト「くっ、敵が通路の奥に居座っている! 邪魔ですすめない!」
「凄い激戦だな・・・」
一方、通信機から聞こえる激戦を聞きながら、アレスとカロンブライブは、E31とE33を突破した。
そこでユニオン通信士からまた通信が送られてきた。
「E33クリア。次はN41だ」
「了解」
返事を返して、2人は通路を進んでN41の扉に辿り着いた。
「次はここだ。この部屋にも敵は大勢いるから、気を抜くなよ」
「了解」
N41の扉が開かれる。そこには2体のタンクACが敵と応戦していた。あれは、フライグフイックスとレボリューションだ。
「こちらカロンブライブ! 救援に来た!!」
「いい所に来た! こちらはもう弾が切れる所だ、一緒に片付けてくれ!」
「了解」
アレスとカロンブライブは救援に入る。この部屋には浮遊型ガードメカ「パファー」
10体、近距離格闘型MT「ギボン」5体、その改良型の高防御力MT「ギボンMS‐HA」5体がいた。
フライングフィックスとレボリューションはこの高性能のガードメカと動きの早いギボンと、そのギボンの改良型に苦戦していたのだ。
「また来たか。だが、何体現れようとも兜首だ!」
ギボンのパイロットはニヤリと笑った。そして、2体でペアを組んでアレスに襲い掛かった。
だがアレスはブーストダッシュを使ってギボンの横をすり抜けて、後ろで素早く振り返ってエネルギーライフルをお見舞いしてやった。
それを喰らったギボン2体は不意を突かれ、大爆発を起こした。すると今度はギボンMS‐HAが2体で襲い掛かってきた。
アレスはすぐにブーストジャンプで上に上がり、天井付近で素早い移動を繰り返した。
「くそ! 追い付かん!!」
ギボンMS‐HAのパイロットはアレスを追うのに焦り始めた。
だがそれが命取りとなり、アレスのレーザーキャノンを喰らい、2体とも大爆発を起こした。
「あのエネルギーライフル装備の赤いACの腕、かなりの腕だ!」
「強化人間なら当然だな」
フライングフィックスとレボリューションは、戦いながら愕然とした。
そして、カロンブライブは戦いながらアレスの戦いぶりを見て、上手い、と思った。
一方、エースとメビウスリングは、S04、S25、S32の3つのブロックを突破して、次の目標地点であるS31に向っていた。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・どこまで出てくるんだコイツら・・・」
「もっと奥に進めば、何かわかるはずだ」
2人はブースト移動でS31に向った。途中で、通信機から他のレイヴンたちの会話が流れ込んできた。
パーティープレイ「こちらジョーカー、S41の敵を撃破した」
ユニオン通信士「遅い! 急いでバーブドワイヤーとS26に向ってくれ」
コープスペッカー「こちらヘルストーカー、E01をクリアした」
ワルキューレ「くっ・・・敵が邪魔ですすめない!」
ユニオン通信士「ヘルストーカー、次はW04だ。グナーとともに向うんだ」
アレス「プロビデンス、N41をクリアしました。次の目標は?」
ユニオン通信士「W07だ。カロンブライブと急行しろ」
フライングフィックス「もう弾切れだ。私は帰還する」
レボリューション「こっちもだめだ、俺も帰投する事にしよう」
イエローボート「S42クリア。悪いがもう機体が持たない」
ユニオン通信士「了解、アパシー、撤収してくれ。ヴァリアードアームズのほうはどうだ?」
ローテーション「こちらヴァリアードアームズ。敵の攻撃を受けまくってもう機体がもちそうにない!」
ユニオン通信士「了解した。ヴァリアードアームズ、帰投を許可する」
S31に到達。この部屋にはパファーが10体、逆脚MT「エピオルニス」が3体、
格闘用MT「カイノス MO2」が2体、配置されている。
「また出てきたか。だが、何体出てこようとも雑魚は雑魚だ。行くぞ、エース!!」
「了解ッ!」
メビウスリングとエースは敵群に突っ込む。上空からパファーがロケット、前方からエピオルニスがマシンガンを浴びせる。
だがメビウスリングはレーザーライフルを3体のエピオルニスに向けて連射した。
その一撃が3体のエピオルニスの胴体を貫き、エピオルニスは崩れ落ちて大爆発を起こす。
ドガン!! ドガン!!
爆炎と煙りが辺り中に吹き飛ぶ。
「ぬおっ、一撃で2体とも吹き飛ばした!!」
「AC!! 何たる鬼神か!!」
カイノスのパイロットは驚く。だがそのうちにエースの左腕が青白い光を放つ。
「隙ありッ!!」
エースのブレードから放たれる光波がカイノスの両腕を吹き飛ばし、最後はブレードで2体とも胴体を一刀両断にした。
「ごあッ・・・・」
2体のカイノスも大爆発を起こした。
キュバァァァン!! キュバァァァン!!
2人が上を見上げると、パファーが上空から再び攻撃してきた。
「消えろザコども!!」
エースとメビウスリングは上空に上がり、エースはチェインガン、メビウスリングはエネルギーライフルで10体のパファーを掃討する。
ドドドドドドドドドドドドド!!
ドガァン、ドガァン、ドガァン、キュパパパパパパパパパパパ!!!!
ボン!! ドォォォン!! ドガガガガァァァァン!!
10体のパファーはあっという間に全滅した。そして、この部屋の敵は全滅したと確認され、ユニオン通信士の通信が入る。
「S31クリア。一番先行しているペアは君達だな。動力室S00に向って、敵とプラントを破壊しろ」
2人はS00に繋がる通路を発見して、動力室へ急行。その前の通路に、高火力MT
「ファイヤーベルク」3体とエピオルニス6体の守備部隊が待ち構えていた。
「ここから先は、行かせるか!」
前衛のファイヤーベルクの激しい砲撃が始まった。狭い通路の中で避けていくのは困難。
「くそ・・・!! 空間が狭すぎる!!」
2人のACは傷だらけとなりかけるが、そのACの防御力の高さは高水準だ。
「なんて装甲だ! 堕ちねえじゃねえか!!」
ファイヤーベルクの砲撃は緩まないばかり。
だが途中で、メビウスリングがグレネードを構え、ファイヤーベルクの1体に放った。大爆発が起きた。
「ぐわっっ!!」
「!?」
「な、なんだ!?」
ファイヤーベルク隊とエピオルニスの部隊がどよめく。そのすきにメビウスリングがグレネードを連射した。
それに不意を突かれた守備部隊は次々と爆発を起こし、あっという間に全滅した。
「エース、無事か? 立ち上がれるな!!」
「は、はい、なんとか・・・」
2人は立ち上がって動力室へ侵入。そこには3つの巨大プラントが、ゴゥゥン、ゴゥゥン、という煽動音をたてていて、動いていた。
「とんだ思いつきだったな・・・」
メビウスリングはそう言うと、ブレードの光波で3つとも破壊した。そして、通信が入った。
「敵部隊の全滅と目標の破壊を確認。皆、よくやってくれた。心から感謝する」
ユニオン通信士からだ。どうやら作戦成功らしい。
武田です。
今回のストーリーは長く書いてみました。でも
途切れたら一寸哀しいです。
このサイドストーリーには字数制限と言うものがあるのでしょうか?
次回は「溶解炉破壊阻止」をもとに書きます。
作者:武田 慎さん
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